日商簿記 2級
圧縮記帳は国からの補助金で固定資産を取得した場合に、課税を繰り延べるための処理です。 直接減額方式と積立金方式の2種類があります。
圧縮記帳の目的
国庫補助金300,000円を受け取り、固定資産を取得した場合、補助金収入に課税されると 実質的に手取りが減ってしまいます。 圧縮記帳はこの課税を将来に繰り延べる仕組みです。
直接減額方式
国庫補助金300,000円で固定資産(取得原価1,000,000円)を取得した場合。
補助金の受取
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 300,000 | 国庫補助金収入 | 300,000 |
固定資産の取得
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 建物 | 1,000,000 | 現金 | 1,000,000 |
圧縮損の計上(直接減額)
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 固定資産圧縮損 | 300,000 | 建物 | 300,000 |
帳簿価額 = 1,000,000 − 300,000 = 700,000円になる。
減価償却はこの圧縮後の帳簿価額(700,000円)を基準に計算します。
積立金方式
帳簿価額を直接減らさず、純資産に「圧縮積立金」を積み立てる方法。
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 繰越利益剰余金 | 300,000 | 圧縮積立金 | 300,000 |
2つの方式の比較
| 観点 | 直接減額方式 | 積立金方式 |
|---|---|---|
| 帳簿価額 | 減少する(圧縮後で計上) | 減少しない |
| 減価償却基準 | 圧縮後の帳簿価額 | 取得原価 |
| 純資産への影響 | なし | 圧縮積立金が増加 |
| B/S表示のわかりやすさ | △(補助金が見えない) | ○(補助金額が見える) |
💡
2級試験では「直接減額方式」がほぼ全ての出題パターン。 「圧縮損を計上→帳簿価額が圧縮後の金額になる→償却もその金額ベースで行う」の3点を押さえましょう。