印刷プレビューです。ブラウザの印刷機能でPDF保存・印刷できます。

給与計算2級 労働関連法規の基礎

40問 / トルカ(https://toruca.app)

  1. 1. 「労働基準法」の性質として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働条件の最低基準を定めた法律であり、これを下回る労働契約の内容は無効となる
    • B. 労働条件の理想的な水準を示す努力目標にすぎず法的拘束力はない
    • C. 労働基準法は大企業にのみ適用され中小企業には適用されない
    • D. 労働基準法は正社員にのみ適用されパートタイム労働者には一切適用されない

    正解: A. 労働条件の最低基準を定めた法律であり、これを下回る労働契約の内容は無効となる労働基準法は、労働条件の最低基準を定めた強行法規であり、この基準に達しない労働条件を定める労働契約はその部分について無効となり、無効となった部分は労働基準法で定める基準による(労働基準法第13条)。企業規模や雇用形態を問わず、原則として全ての労働者に適用される。

  2. 2. 「労働契約法」の目的として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働者及び使用者の自主的な交渉のもとで、労働契約が合理的な内容で円滑に成立・変更・終了するよう、基本的なルールを定める
    • B. 労働時間の上限規制のみを定める法律である
    • C. 労働契約法は労働組合の設立手続きのみを定める法律である
    • D. 労働契約法は最低賃金の金額のみを定める法律である

    正解: A. 労働者及び使用者の自主的な交渉のもとで、労働契約が合理的な内容で円滑に成立・変更・終了するよう、基本的なルールを定める労働契約法は、労働者及び使用者の自主的な交渉のもとで、労働契約が合理的な内容で円滑に成立し、変更され、終了することを促進するとともに、労働者の保護を図りつつ個別の労働関係の安定に資することを目的とした法律であり、労働契約の締結・変更・解雇等に関する基本的なルールを定めている。

  3. 3. 労働契約法における「解雇権濫用法理」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効となる
    • B. 使用者はいつでも自由に労働者を解雇できる
    • C. 解雇には一切の理由が不要である
    • D. 解雇権濫用法理は公務員にのみ適用される

    正解: A. 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効となる労働契約法第16条は、解雇について、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする「解雇権濫用法理」を定めており、使用者が自由に労働者を解雇できるわけではない。

  4. 4. 労働契約法における「無期転換ルール」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 同一の使用者との間で有期労働契約が通算5年を超えて更新された場合、労働者の申込みにより無期労働契約に転換される
    • B. 有期労働契約は何年更新しても無期労働契約に転換されることはない
    • C. 無期転換ルールは正社員にのみ適用される制度である
    • D. 無期転換ルールは1年契約を1回更新した時点で自動的に適用される

    正解: A. 同一の使用者との間で有期労働契約が通算5年を超えて更新された場合、労働者の申込みにより無期労働契約に転換される無期転換ルールは、同一の使用者との間で有期労働契約が通算5年を超えて反復更新された場合、労働者が申込みをすることで、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換される制度であり、有期契約労働者の雇用の安定を図ることを目的としている。

  5. 5. 労働基準法における「解雇予告」のルールとして最も適切なものはどれか。

    • A. 使用者は労働者を解雇しようとする場合、原則として少なくとも30日前にその予告をするか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない
    • B. 使用者は労働者を即日解雇でき、予告や手当の支払いは一切不要である
    • C. 解雇予告のルールは正社員にのみ適用される
    • D. 解雇予告手当は必ず60日分以上支払わなければならない

    正解: A. 使用者は労働者を解雇しようとする場合、原則として少なくとも30日前にその予告をするか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない労働基準法第20条は、使用者が労働者を解雇しようとする場合、原則として少なくとも30日前にその予告をしなければならず、30日前に予告をしない場合には、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないと定めている(予告日数と平均賃金の日数を組み合わせて調整することも可能)。

  6. 6. 労働基準法における「平均賃金」の算定方法として最も適切なものはどれか。

    • A. 算定事由発生日以前3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除して算出する
    • B. 算定事由発生日の直近1日分の賃金のみを平均賃金とする
    • C. 平均賃金は常に月給を30で割った金額のみを指す
    • D. 平均賃金の算定方法は法律で定められておらず企業が自由に決められる

    正解: A. 算定事由発生日以前3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除して算出する労働基準法における平均賃金は、原則として算定事由発生日以前3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で除して算出され、解雇予告手当・休業手当・年次有給休暇の賃金等、様々な場面での賃金計算の基礎として用いられる。

  7. 7. 労働基準法における「休業手当」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者は休業期間中、平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない
    • B. 休業手当は労働者の私的な都合による休業の場合にも同様に支払われる
    • C. 休業手当の支払いは使用者の任意であり法律上の義務はない
    • D. 休業手当は必ず平均賃金の全額(100%)を支払わなければならない

    正解: A. 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者は休業期間中、平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない労働基準法第26条は、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者は休業期間中、当該労働者に平均賃金の100分の60以上の手当(休業手当)を支払わなければならないと定めている。

  8. 8. 労働基準法における「就業規則」の作成・届出義務として最も適切なものはどれか。

    • A. 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、労働基準監督署へ届け出なければならない
    • B. 就業規則の作成は全ての企業に一律で義務付けられているわけではなく、労働者数に関わらず完全に任意である
    • C. 就業規則は一度作成すれば労働基準監督署への届出は一切不要である
    • D. 就業規則は正社員が1人でもいれば必ず作成しなければならない

    正解: A. 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、労働基準監督署へ届け出なければならない労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者に対し、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署へ届け出る義務を課している(作成・変更の際は労働者代表の意見を聴く必要もある)。

  9. 9. 就業規則に必ず記載しなければならない「絶対的必要記載事項」に含まれるものとして最も適切なものはどれか。

    • A. 始業・終業時刻、休憩時間、休日、賃金の決定・計算・支払方法等
    • B. 会社の設立年月日のみ
    • C. 従業員の趣味に関する事項のみ
    • D. 絶対的必要記載事項という区分は就業規則には存在しない

    正解: A. 始業・終業時刻、休憩時間、休日、賃金の決定・計算・支払方法等就業規則の「絶対的必要記載事項」には、始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合はその就業時転換に関する事項、賃金の決定・計算・支払いの方法・締切り・支払いの時期、退職に関する事項(解雇の事由を含む)等が含まれる。

  10. 10. 「労働組合法」が保障する権利として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働者が団結し、団体交渉を行い、団体行動(ストライキ等)を行う権利(労働三権)を保障する
    • B. 使用者が労働組合を一方的に解散させる権利を保障する
    • C. 労働組合法は賃金の金額を直接定める法律である
    • D. 労働組合法は正社員以外の労働者には一切適用されない

    正解: A. 労働者が団結し、団体交渉を行い、団体行動(ストライキ等)を行う権利(労働三権)を保障する労働組合法は、憲法が保障する労働者の団結権・団体交渉権・団体行動権(労働三権)を具体化し、労働者が使用者と対等な立場で交渉できるようにするための法律であり、不当労働行為(正当な組合活動を理由とした不利益取り扱い等)の禁止等も定めている。

  11. 11. 「パートタイム・有期雇用労働法」の趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 短時間労働者・有期雇用労働者について、通常の労働者との均等・均衡待遇の確保等を図る
    • B. パートタイム労働者を正社員よりも常に低い待遇にすることを義務付ける法律である
    • C. パートタイム・有期雇用労働法はフルタイムの正社員のみを対象とする
    • D. この法律は労働時間の上限規制のみを定めている

    正解: A. 短時間労働者・有期雇用労働者について、通常の労働者との均等・均衡待遇の確保等を図るパートタイム・有期雇用労働法は、短時間労働者(パートタイム労働者)や有期雇用労働者について、通常の労働者(正社員)との間で不合理な待遇差を設けることを禁止し、均等待遇・均衡待遇の確保、待遇に関する説明義務の強化等を図ることを目的とした法律である。

  12. 12. 「労働者派遣法」における「同一労働同一賃金」の考え方の適用として最も適切なものはどれか。

    • A. 派遣労働者の待遇について、派遣先の労働者との均等・均衡待遇(派遣先均等・均衡方式)または一定の要件を満たす労使協定(労使協定方式)のいずれかによる待遇決定が求められる
    • B. 派遣労働者には同一労働同一賃金の考え方は一切適用されない
    • C. 派遣労働者の待遇は派遣元の裁量で自由に決められ、派遣先の労働者との比較は一切不要である
    • D. 労使協定方式を採用すると派遣労働者の待遇に関する説明義務が完全になくなる

    正解: A. 派遣労働者の待遇について、派遣先の労働者との均等・均衡待遇(派遣先均等・均衡方式)または一定の要件を満たす労使協定(労使協定方式)のいずれかによる待遇決定が求められる労働者派遣法における同一労働同一賃金の考え方は、派遣労働者の待遇について、派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇を求める「派遣先均等・均衡方式」、または一定の要件を満たす労使協定に基づく待遇決定を認める「労使協定方式」のいずれかの方法により、不合理な待遇差の解消を図るものである。

  13. 13. 「育児・介護休業法」が定める育児休業の対象となる子の年齢の原則として最も適切なものはどれか。

    • A. 原則として1歳に満たない子(保育所に入所できない等一定の場合は最長2歳まで延長可能)
    • B. 小学校卒業までの子
    • C. 18歳に満たない子
    • D. 育児休業の対象となる子の年齢に上限はない

    正解: A. 原則として1歳に満たない子(保育所に入所できない等一定の場合は最長2歳まで延長可能)育児・介護休業法における育児休業は、原則として1歳に満たない子を養育する労働者が取得できる休業であり、保育所に入所できない等一定の事情がある場合には、最長2歳まで延長して取得することが認められている。

  14. 14. 「産後パパ育休(出生時育児休業)」制度の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 子の出生後8週間以内に、原則として4週間まで取得できる、通常の育児休業とは別枠の休業制度
    • B. 産後パパ育休は女性労働者のみが取得できる制度である
    • C. 産後パパ育休は通常の育児休業と全く同一の制度であり別枠ではない
    • D. 産後パパ育休の取得には子の出生から1年以上経過している必要がある

    正解: A. 子の出生後8週間以内に、原則として4週間まで取得できる、通常の育児休業とは別枠の休業制度産後パパ育休(出生時育児休業)は、子の出生後8週間以内に、原則として4週間(28日)まで取得できる、通常の育児休業とは別枠で設けられた休業制度であり、分割して2回まで取得することも可能である。

  15. 15. 「介護休業」制度の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 対象家族1人につき、通算93日まで、原則3回を上限として分割して取得できる休業制度
    • B. 介護休業は1人の対象家族について生涯1日のみ取得できる制度である
    • C. 介護休業の取得に日数の上限は一切設けられていない
    • D. 介護休業は配偶者の介護にのみ適用される制度である

    正解: A. 対象家族1人につき、通算93日まで、原則3回を上限として分割して取得できる休業制度介護休業は、要介護状態にある対象家族(配偶者・父母・子・配偶者の父母等)1人につき、通算93日を上限として、原則3回まで分割して取得できる休業制度である。

  16. 16. 「男女雇用機会均等法」の趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図り、性別を理由とする差別的取り扱いを禁止する
    • B. 女性労働者にのみ有利な待遇を義務付ける法律である
    • C. 男女雇用機会均等法は募集・採用の場面にのみ適用され、賃金や配置には一切適用されない
    • D. 男女雇用機会均等法はセクシュアルハラスメント対策とは無関係である

    正解: A. 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図り、性別を理由とする差別的取り扱いを禁止する男女雇用機会均等法は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図ることを目的とし、募集・採用、配置・昇進、教育訓練、福利厚生、賃金、定年・解雇等、雇用管理の各ステージにおける性別を理由とする差別的取り扱いを禁止するとともに、セクシュアルハラスメント対策や妊娠・出産等を理由とする不利益取り扱いの禁止(マタニティハラスメント対策)等も定めている。

  17. 17. 「労働安全衛生法」の目的として最も適切なものはどれか。

    • A. 職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進する
    • B. 労働時間の上限のみを定める法律である
    • C. 賃金の支払い方法のみを定める法律である
    • D. 労働安全衛生法は工場労働者にのみ適用される法律である

    正解: A. 職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進する労働安全衛生法は、労働基準法と相まって、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とした法律であり、健康診断の実施義務、ストレスチェック制度、安全衛生管理体制の整備等について定めている。

  18. 18. 労働安全衛生法における「定期健康診断」の実施義務として最も適切なものはどれか。

    • A. 事業者は常時使用する労働者に対し、原則として年1回、定期に健康診断を実施しなければならない
    • B. 健康診断の実施は事業者の完全な任意であり法律上の義務はない
    • C. 定期健康診断は正社員のみが対象でありパートタイム労働者は一切対象外である
    • D. 定期健康診断は入社時の1回のみで足り、その後は不要である

    正解: A. 事業者は常時使用する労働者に対し、原則として年1回、定期に健康診断を実施しなければならない労働安全衛生法に基づき、事業者は常時使用する労働者に対し、原則として年1回、定期に健康診断を実施しなければならない義務を負っており、一定の要件を満たすパートタイム労働者等も対象となる。

  19. 19. 「ストレスチェック制度」の実施義務として最も適切なものはどれか。

    • A. 常時50人以上の労働者を使用する事業場は、労働者に対して年1回のストレスチェックを実施しなければならない
    • B. ストレスチェックは全ての企業規模において完全に任意の制度である
    • C. ストレスチェックは新入社員にのみ実施が義務付けられている
    • D. ストレスチェックの結果は必ず事業者へ本人の同意なく共有されなければならない

    正解: A. 常時50人以上の労働者を使用する事業場は、労働者に対して年1回のストレスチェックを実施しなければならない労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業場は、労働者に対して年1回、医師・保健師等によるストレスチェックを実施することが義務付けられている(50人未満の事業場は当分の間努力義務)。なお、ストレスチェックの結果は、本人の同意がない限り事業者へ通知されない仕組みとなっている。

  20. 20. 働き方改革関連法により導入された「時間外労働の上限規制」の原則的な内容として最も適切なものはどれか。

    • A. 36協定を締結する場合でも、時間外労働は原則として月45時間・年360時間を上限とし、臨時的な特別の事情がある場合でも上限が設けられている
    • B. 36協定を締結すれば時間外労働に上限は一切設けられない
    • C. 時間外労働の上限規制は大企業にのみ適用され中小企業には適用されない
    • D. 時間外労働の上限規制は管理監督者を含む全ての労働者に例外なく適用される

    正解: A. 36協定を締結する場合でも、時間外労働は原則として月45時間・年360時間を上限とし、臨時的な特別の事情がある場合でも上限が設けられている働き方改革関連法により、36協定を締結する場合でも、時間外労働は原則として月45時間・年360時間を上限とし、臨時的な特別の事情がある場合(特別条項付き36協定)でも、年720時間以内、複数月平均80時間以内(休日労働含む)、単月100時間未満(休日労働含む)等の上限が罰則付きで設けられている。

  21. 21. 働き方改革関連法により導入された「年次有給休暇の取得義務」の内容として最も適切なものはどれか。

    • A. 年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者について、使用者は年5日は労働者ごとに時季を指定する等して取得させなければならない
    • B. 年次有給休暇の取得義務は労働者側にのみ課され使用者には一切義務がない
    • C. 全ての労働者は年次有給休暇を1日も取得しなくてもよい
    • D. 年次有給休暇の取得義務日数の上限は年20日である

    正解: A. 年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者について、使用者は年5日は労働者ごとに時季を指定する等して取得させなければならない働き方改革関連法により、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者について、使用者は基準日から1年以内に、少なくとも5日について、労働者ごとに時季を指定する等の方法により取得させることが義務付けられている(労働者が自ら5日以上取得した場合は使用者の時季指定は不要)。

  22. 22. 「同一労働同一賃金ガイドライン」が示す考え方として最も適切なものはどれか。

    • A. 基本給・賞与・各種手当等について、正社員と非正規雇用労働者との間で待遇差を設ける場合に、どのような待遇差が不合理とされるかの原則的な考え方や具体例を示す
    • B. 全ての労働者の賃金を完全に同額にすることを義務付けるガイドラインである
    • C. 同一労働同一賃金ガイドラインには法的な意味は一切なく単なる推奨にすぎない
    • D. ガイドラインは正社員同士の待遇差についてのみ扱っている

    正解: A. 基本給・賞与・各種手当等について、正社員と非正規雇用労働者との間で待遇差を設ける場合に、どのような待遇差が不合理とされるかの原則的な考え方や具体例を示す同一労働同一賃金ガイドラインは、基本給・賞与・各種手当(役職手当・通勤手当・食事手当等)・福利厚生・教育訓練等について、正社員と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)との間で待遇差を設ける場合に、どのような待遇差が「不合理」と判断されるかについての原則的な考え方や具体例を示したものである。

  23. 23. 「労働基準監督署」の役割として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働基準法等の労働関連法規の遵守状況を監督し、事業場への立入検査(臨検)や是正勧告等を行う
    • B. 労働基準監督署は労働者の採用面接を代行する機関である
    • C. 労働基準監督署は企業の税務申告のみを扱う機関である
    • D. 労働基準監督署には事業場への立入調査を行う権限が一切ない

    正解: A. 労働基準法等の労働関連法規の遵守状況を監督し、事業場への立入検査(臨検)や是正勧告等を行う労働基準監督署は、厚生労働省の出先機関として、労働基準法・労働安全衛生法等の労働関連法規の遵守状況を監督する役割を担っており、事業場への立入検査(臨検監督)を行い、法令違反が認められた場合には是正勧告や指導を行う権限を有している。

  24. 24. 労働契約締結時に明示すべき労働条件のうち、「昇給に関する事項」の書面明示義務についての説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 昇給に関する事項は書面(または電子メール等)での明示が必要な労働条件に含まれる
    • B. 昇給に関する事項は口頭での説明のみで足り書面明示は一切不要である
    • C. 昇給に関する事項は労働条件通知書に記載してはならない事項である
    • D. 昇給に関する事項の明示義務はパートタイム労働者にのみ適用される

    正解: A. 昇給に関する事項は書面(または電子メール等)での明示が必要な労働条件に含まれる労働条件の明示事項のうち、昇給に関する事項は書面明示が絶対的に義務付けられている事項(絶対的明示事項)には含まれないものの、明示すべき事項として位置づけられており、実務上は労働条件通知書等に記載されることが一般的である(賃金の決定・計算・支払方法、支払時期等は書面明示が義務付けられている絶対的明示事項である)。

  25. 25. 「パワーハラスメント防止措置」の事業主の義務として最も適切なものはどれか。

    • A. 職場におけるパワーハラスメントを防止するため、相談窓口の設置等、雇用管理上必要な措置を講じなければならない
    • B. パワーハラスメント防止措置は大企業のみに義務付けられ中小企業には一切義務がない
    • C. パワーハラスメント防止措置には相談窓口の設置は含まれない
    • D. パワーハラスメントに関する法律上の防止義務は事業主には一切ない

    正解: A. 職場におけるパワーハラスメントを防止するため、相談窓口の設置等、雇用管理上必要な措置を講じなければならない労働施策総合推進法(パワハラ防止法)に基づき、事業主は職場におけるパワーハラスメントを防止するため、相談窓口の設置、相談への適切な対応、事実関係の迅速かつ正確な確認、被害者への配慮のための措置、再発防止に向けた措置等、雇用管理上必要な措置を講じる義務を負っている(中小企業にも義務化済み)。

  26. 26. 「高年齢者雇用安定法」に基づく事業主の義務として最も適切なものはどれか。

    • A. 65歳までの雇用確保措置(定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年制の廃止のいずれか)を講じなければならない
    • B. 高年齢者雇用安定法は60歳未満の労働者にのみ適用される
    • C. 高年齢者雇用安定法により事業主は70歳定年制の導入が義務付けられている
    • D. 高年齢者雇用安定法には雇用確保に関する規定は一切ない

    正解: A. 65歳までの雇用確保措置(定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年制の廃止のいずれか)を講じなければならない高年齢者雇用安定法に基づき、事業主は65歳までの安定した雇用を確保するため、定年の引き上げ、継続雇用制度(再雇用制度等)の導入、定年制の廃止のいずれかの措置を講じる義務がある。さらに70歳までの就業確保措置は努力義務として定められている。

  27. 27. 「労働時間等設定改善法」の趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 事業主に対し、労働者の健康と生活に配慮しつつ多様な働き方に対応した労働時間等の設定の改善に努めることを求める
    • B. 労働時間等設定改善法は労働時間の上限を法定で一律に定める法律である
    • C. 労働時間等設定改善法は賃金の支払い方法のみを定めた法律である
    • D. 労働時間等設定改善法には努力義務という概念は存在しない

    正解: A. 事業主に対し、労働者の健康と生活に配慮しつつ多様な働き方に対応した労働時間等の設定の改善に努めることを求める労働時間等設定改善法は、事業主に対し、労働者の健康と生活に配慮しつつ、多様な働き方に対応した労働時間等(労働時間・休日数・年次有給休暇を与える時季等)の設定の改善に努めることを求める法律であり、労働時間等見直しガイドラインの策定等の根拠となっている。

  28. 28. 労働基準法における使用者の「災害補償責任」の考え方として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働者が業務上負傷し、または疾病にかかった場合、使用者は過失の有無に関わらず必要な療養費用等を負担する(無過失責任)
    • B. 使用者は労働者に故意・過失がある場合にのみ災害補償責任を負う
    • C. 災害補償責任は労働者本人に過失がある場合には一切発生しない
    • D. 災害補償責任という制度は労働基準法には存在しない

    正解: A. 労働者が業務上負傷し、または疾病にかかった場合、使用者は過失の有無に関わらず必要な療養費用等を負担する(無過失責任)労働基準法における災害補償責任は、労働者が業務上負傷し、または疾病にかかった場合、使用者の過失の有無に関わらず、必要な療養費用等を負担する「無過失責任」を原則としている。実務上はこの災害補償責任を担保するために労災保険制度が設けられている。

  29. 29. 労働基準法で作成・保存が義務付けられている「労働者名簿」の記載事項として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働者の氏名・生年月日・履歴・従事する業務の種類・雇入れ年月日等
    • B. 労働者の趣味や特技のみ
    • C. 労働者の家族全員の勤務先情報のみ
    • D. 労働者名簿という帳簿の作成義務は存在しない

    正解: A. 労働者の氏名・生年月日・履歴・従事する業務の種類・雇入れ年月日等労働者名簿は、労働基準法で作成・保存が義務付けられている法定帳簿(賃金台帳・出勤簿と合わせて「法定三帳簿」と呼ばれる)であり、労働者の氏名・生年月日・履歴・従事する業務の種類・雇入れ年月日・退職の年月日及びその事由等を記載する必要がある。

  30. 30. 36協定等の労使協定を締結する際の「労働者代表」の選出方法として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、ない場合は労働者の過半数を代表する者を、投票や挙手等の民主的な方法で選出する
    • B. 労働者代表は使用者が一方的に指名すればよい
    • C. 労働者代表の選出方法に特別なルールは一切ない
    • D. 労働者代表は必ず正社員の中から役職者を選ばなければならない

    正解: A. 労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、ない場合は労働者の過半数を代表する者を、投票や挙手等の民主的な方法で選出する36協定等の労使協定を締結する際の労働者代表は、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、そのような労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者を、投票・挙手等の民主的な方法により選出する必要があり、使用者が一方的に指名することは認められていない。

  31. 31. 就業規則の変更による労働条件の「不利益変更」についての一般的な考え方として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働条件の不利益変更は、変更後の内容が労働者の受ける不利益の程度や変更の必要性等に照らして合理的なものでなければ、原則として労働者の合意なく一方的に行うことはできない
    • B. 使用者は労働条件を労働者の同意なく自由に不利益変更できる
    • C. 労働条件の不利益変更は一切禁止されており、どのような場合でも変更できない
    • D. 労働条件の不利益変更には合理性の判断基準は一切存在しない

    正解: A. 労働条件の不利益変更は、変更後の内容が労働者の受ける不利益の程度や変更の必要性等に照らして合理的なものでなければ、原則として労働者の合意なく一方的に行うことはできない労働契約法に基づき、就業規則の変更により労働条件を不利益に変更する場合には、原則として労働者との合意が必要であり、合意なく一方的に不利益変更を行うには、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ変更の内容が労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の内容の相当性等に照らして合理的なものである必要がある。

  32. 32. 「試用期間」の法的性質として最も適切なものはどれか。

    • A. 試用期間中の労働契約は成立しており、本採用拒否は通常の解雇よりも広い範囲で認められる場合があるが、無制限に自由というわけではない
    • B. 試用期間中は労働契約が一切成立しておらず、いつでも無条件に解約できる
    • C. 試用期間には労働基準法の解雇予告等の規定が一切適用されない
    • D. 試用期間は必ず1年以上でなければならない

    正解: A. 試用期間中の労働契約は成立しており、本採用拒否は通常の解雇よりも広い範囲で認められる場合があるが、無制限に自由というわけではない試用期間中であっても労働契約はすでに成立しているとされ、本採用拒否(試用期間中・満了時の解約)は、通常の解雇に比べて広い範囲での解雇の自由が認められる場合があるものの、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない場合は無効となりうる。また、14日を超えて雇用された場合は解雇予告の規定も適用される。

  33. 33. 労働保険(労災保険・雇用保険)の保険料の申告・納付の一般的な仕組みとして最も適切なものはどれか。

    • A. 前年度の確定保険料と当年度の概算保険料をまとめて計算し、原則毎年6月1日から7月10日までの間に申告・納付する(年度更新)
    • B. 労働保険料は従業員ごとに毎月個別の申告書を提出する必要がある
    • C. 労働保険料の申告・納付は退職時にのみ行えばよい
    • D. 労働保険料には申告手続きという概念は存在しない

    正解: A. 前年度の確定保険料と当年度の概算保険料をまとめて計算し、原則毎年6月1日から7月10日までの間に申告・納付する(年度更新)労働保険(労災保険・雇用保険)の保険料は、前年度に確定した賃金総額を基に確定保険料を計算するとともに、当年度の賃金総額の見込みに基づく概算保険料を計算し、原則として毎年6月1日から7月10日までの間にまとめて申告・納付する「年度更新」という仕組みが採られている。

  34. 34. 労働基準法において、労働時間・休憩・休日の規定が適用除外となる場合として最も適切なものはどれか。

    • A. 管理監督者や機密の事務を取り扱う者等、労働基準法第41条に定める一定の者に該当する場合
    • B. 労働時間・休憩・休日の規定は例外なく全ての労働者に適用される
    • C. パートタイム労働者は労働時間・休憩・休日の規定が一律に適用除外される
    • D. 労働時間・休憩・休日の適用除外は使用者が自由に指定できる

    正解: A. 管理監督者や機密の事務を取り扱う者等、労働基準法第41条に定める一定の者に該当する場合労働基準法第41条は、農業・水産業従事者、管理監督者、機密の事務を取り扱う者、監視・断続的労働に従事する者で行政官庁の許可を受けた者等について、労働時間・休憩・休日に関する規定の適用を除外している(ただし深夜労働の割増賃金や年次有給休暇の規定は適用除外とならない)。

  35. 35. 労働契約法における「労働契約の内容の変更」の原則として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる
    • B. 労働契約の内容は一度定めたら労使双方の合意があっても変更できない
    • C. 労働条件の変更は使用者の一方的な意思表示のみで常に有効に成立する
    • D. 労働契約の内容の変更には裁判所の許可が常に必要である

    正解: A. 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる労働契約法第8条は、労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができると定めており、労働条件の変更は原則として労使間の合意に基づいて行われるべきものとされている。

  36. 36. 「事業場外みなし労働時間制」の適用場面として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働者が事業場外で業務に従事し、労働時間を算定することが困難な場合に、原則として所定労働時間労働したものとみなす制度
    • B. 事業場内で勤務する労働者全員に一律適用される制度である
    • C. 事業場外みなし労働時間制は管理監督者にのみ適用される制度である
    • D. 事業場外みなし労働時間制を適用すると残業代の支払いが一切不要になる

    正解: A. 労働者が事業場外で業務に従事し、労働時間を算定することが困難な場合に、原則として所定労働時間労働したものとみなす制度事業場外みなし労働時間制は、労働者が事業場外で業務に従事し、使用者の具体的な指揮監督が及ばず労働時間を算定することが困難な場合に、原則として所定労働時間労働したものとみなす制度である(業務の遂行に通常所定労働時間を超えて労働することが必要な場合は、その必要とされる時間労働したものとみなされ、この場合は割増賃金の支払いが必要となることがある)。

  37. 37. 「専門業務型裁量労働制」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 業務の性質上、遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある特定の専門業務について、労使協定で定めた時間を労働したものとみなす制度
    • B. 専門業務型裁量労働制は全ての業種・職種に無条件で適用できる制度である
    • C. 専門業務型裁量労働制を適用すると深夜労働の割増賃金も一切不要になる
    • D. 専門業務型裁量労働制は使用者が一方的に指定するだけで導入できる

    正解: A. 業務の性質上、遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある特定の専門業務について、労使協定で定めた時間を労働したものとみなす制度専門業務型裁量労働制は、新商品の研究開発、情報処理システムの分析・設計、記事の取材・編集等、業務の性質上その遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある業務として法令で定められた特定の業務について、労使協定で定めた時間を労働したものとみなす制度であるが、深夜労働や休日労働の割増賃金の規定は適用除外とならない。

  38. 38. 労働基準法における「男女同一賃金の原則」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について男性と差別的取り扱いをしてはならない
    • B. 男女同一賃金の原則は職種や職務内容が異なる場合でも一律に同額を義務付けるものである
    • C. 男女同一賃金の原則は正社員にのみ適用される
    • D. 男女同一賃金の原則は労働基準法には規定されていない

    正解: A. 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について男性と差別的取り扱いをしてはならない労働基準法第4条は「男女同一賃金の原則」を定めており、使用者は労働者が女性であることを理由として、賃金について男性と差別的取り扱いをしてはならないとされている(ただし同一の職種・職務内容であることが前提であり、異なる職務内容による賃金差そのものを直ちに禁止する規定ではない)。

  39. 39. 労働基準法における「中間搾取の排除」の原則として最も適切なものはどれか。

    • A. 何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない
    • B. 中間搾取の排除は使用者にのみ課される義務であり第三者には一切関係がない
    • C. 中間搾取の排除の原則は労働者派遣事業を全面的に禁止するものである
    • D. 中間搾取の排除に関する規定は労働基準法には存在しない

    正解: A. 何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない労働基準法第6条は「中間搾取の排除」を定めており、何人も、法律に基づいて許される場合(職業安定法に基づく有料職業紹介事業等)の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならないとされている。

  40. 40. 給与計算実務能力検定2級の労働関連法規分野で求められる能力として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働基準法・労働契約法をはじめとする給与計算に関連する基礎的な法規制の考え方を理解し、法令を踏まえた適正な給与計算実務を行える能力
    • B. 特定の労務管理ソフトの操作方法のみを暗記していればよいという能力
    • C. 労働関連法規の知識は給与計算実務には一切不要であるという考え方
    • D. 労働関連法規は一度制定されたら二度と改正されないという考え方

    正解: A. 労働基準法・労働契約法をはじめとする給与計算に関連する基礎的な法規制の考え方を理解し、法令を踏まえた適正な給与計算実務を行える能力給与計算実務能力検定2級の労働関連法規分野で求められるのは、労働基準法・労働契約法・最低賃金法・パートタイム有期雇用労働法・育児介護休業法等、給与計算に関連する基礎的な法規制の考え方を理解し、法令を踏まえた適正な給与計算実務・労務管理を行える能力である。労働関連法規は働き方改革をはじめとして頻繁に改正されるため、継続的な情報の更新も重要である。