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建設業経理士4級 建設業簿記の基礎
全40問 / トルカ(https://toruca.app)
問1. 建設業経理における簿記の目的として最も適切なものはどれか?
- A. 工事現場の安全管理を行うこと
- B. 会社の財産や損益の状況を正確に記録・計算・整理すること
- C. 建設資材の在庫を物理的に管理すること
- D. 従業員の勤怠を管理すること
正解: B. 会社の財産や損益の状況を正確に記録・計算・整理すること / 簿記は、企業の日々の取引を記録し、財政状態(資産・負債・純資産)と経営成績(収益・費用)を明らかにするための技術です。建設業でも一般企業と同じ複式簿記の原理を用います。
問2. 複式簿記の特徴として正しいものはどれか?
- A. 1つの取引を1つの勘定科目だけに記録する
- B. 1つの取引を借方・貸方の両面から同時に記録する
- C. 現金の増減だけを記録する
- D. 月末にまとめて1回だけ記録する
正解: B. 1つの取引を借方・貸方の両面から同時に記録する / 複式簿記では、1つの取引を「原因」と「結果」の両面から捉え、借方(左)と貸方(右)に同じ金額を記入します。これにより取引の全体像を正確に把握できます。
問3. 簿記上の勘定科目を分類する5つのグループとして正しいものはどれか?
- A. 資産・負債・純資産・収益・費用
- B. 現金・預金・材料・建物・土地
- C. 会社・個人・銀行・取引先・従業員
- D. 本社・支店・現場・営業所・工場
正解: A. 資産・負債・純資産・収益・費用 / すべての勘定科目は「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」のいずれかに分類されます。この5分類の理解が仕訳の基本になります。
問4. 資産が増加した場合、仕訳のどちら側に記入するか?
- A. 借方(左)
- B. 貸方(右)
- C. どちらでもよい
- D. 記入しない
正解: A. 借方(左) / 資産の増加は借方(左側)に記入します。逆に資産が減少した場合は貸方(右側)に記入します。
問5. 負債が増加した場合、仕訳のどちら側に記入するか?
- A. 借方(左)
- B. 貸方(右)
- C. どちらでもよい
- D. 記入しない
正解: B. 貸方(右) / 負債・純資産・収益の増加は貸方(右側)に記入します。資産・費用の増加は借方(左側)に記入するというルールと対になっています。
問6. 次の勘定科目を正しい分類(資産・負債・純資産・収益・費用)に対応させよ。
- 現金 ー ( )
- 工事未払金 ー ( )
- 資本金 ー ( )
- 完成工事高 ー ( )
正解: 現金→資産、工事未払金→負債、資本金→純資産、完成工事高→収益 / 現金は資産、工事未払金(下請業者等への未払代金)は負債、資本金は純資産、完成工事高(一般企業の売上高に相当)は収益に分類されます。
問7. 一般企業の「売上高」に相当する建設業特有の勘定科目はどれか?
- A. 完成工事高
- B. 未成工事支出金
- C. 完成工事原価
- D. 工事未払金
正解: A. 完成工事高 / 建設業では工事が完成し引き渡した時点で計上する収益を「完成工事高」と呼びます。一般企業の「売上高」に相当する建設業特有の勘定科目です。
問8. 一般企業の「売上原価」に相当する建設業特有の勘定科目はどれか?
- A. 完成工事原価
- B. 完成工事高
- C. 未成工事受入金
- D. 完成工事未収入金
正解: A. 完成工事原価 / 完成し引き渡した工事にかかった原価(材料費・労務費・外注費・経費の合計)を「完成工事原価」といい、完成工事高に対応する原価として計上します。
問9. 工事がまだ完成していない段階で、その工事のためにすでに支払った材料費・労務費などを一時的に集計しておく勘定科目はどれか?
- A. 未成工事支出金
- B. 完成工事原価
- C. 工事未払金
- D. 未成工事受入金
正解: A. 未成工事支出金 / 「未成工事支出金」は工事完成前の原価を集計しておく資産勘定で、一般製造業でいう「仕掛品」に相当します。工事完成時に完成工事原価へ振り替えます。
問10. 工事完成前に発注者から受け取った前受金にあたる建設業特有の勘定科目はどれか?
- A. 未成工事受入金
- B. 完成工事未収入金
- C. 未成工事支出金
- D. 完成工事高
正解: A. 未成工事受入金 / 「未成工事受入金」は工事代金の一部を工事完成前に受け取った際に用いる負債勘定です。一般企業の「前受金」に相当します。
問11. 工事が完成し引き渡した後、まだ回収していない工事代金を表す建設業特有の勘定科目はどれか?
- A. 完成工事未収入金
- B. 未成工事受入金
- C. 工事未払金
- D. 未成工事支出金
正解: A. 完成工事未収入金 / 「完成工事未収入金」は完成・引渡し済みの工事について、まだ回収していない代金を表す資産勘定です。一般企業の「売掛金」に相当します。
問12. 下請業者への未払いの工事代金を表す建設業特有の勘定科目はどれか?
- A. 工事未払金
- B. 完成工事未収入金
- C. 未成工事受入金
- D. 未成工事支出金
正解: A. 工事未払金 / 「工事未払金」は資材業者や下請業者への未払代金を表す負債勘定です。一般企業の「買掛金」に相当します。
問13. 現金100万円を元入れして会社を設立した。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 現金、資本金、完成工事高、工事未払金
貸方候補: 現金、資本金、完成工事高、工事未払金正解: 借方「現金」/ 貸方「資本金」 / 元入れにより現金(資産)が増加し、その原資となる資本金(純資産)も増加するため、(借)現金100万円/(貸)資本金100万円と仕訳します。
問14. 工事用の材料50万円を購入し、代金は掛けとした。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 材料費(未成工事支出金)、工事未払金、現金、完成工事高
貸方候補: 材料費(未成工事支出金)、工事未払金、現金、完成工事高正解: 借方「材料費(未成工事支出金)」/ 貸方「工事未払金」 / 材料の購入により未成工事支出金(原価)が発生し、代金は掛け(後払い)のため工事未払金が増加します。(借)未成工事支出金50万円/(貸)工事未払金50万円。
問15. 工事未払金30万円を現金で支払った。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 工事未払金、現金、完成工事高、未成工事支出金
貸方候補: 工事未払金、現金、完成工事高、未成工事支出金正解: 借方「工事未払金」/ 貸方「現金」 / 負債である工事未払金の減少は借方に、資産である現金の減少は貸方に記入します。(借)工事未払金30万円/(貸)現金30万円。
問16. 工事が完成し、発注者に引き渡した。工事代金200万円は未収である。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 完成工事未収入金、完成工事高、未成工事支出金、現金
貸方候補: 完成工事未収入金、完成工事高、未成工事支出金、現金正解: 借方「完成工事未収入金」/ 貸方「完成工事高」 / 工事の完成・引渡しにより収益(完成工事高)を計上し、対価が未収であるため完成工事未収入金(資産)を計上します。(借)完成工事未収入金200万円/(貸)完成工事高200万円。
問17. 工事着手前に、発注者から工事代金の一部として50万円を現金で受け取った。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 現金、未成工事受入金、完成工事高、工事未払金
貸方候補: 現金、未成工事受入金、完成工事高、工事未払金正解: 借方「現金」/ 貸方「未成工事受入金」 / 工事完成前に受け取った代金は、まだ収益として確定していないため「未成工事受入金」(負債)で処理します。(借)現金50万円/(貸)未成工事受入金50万円。
問18. 取引が発生した順に、日付・勘定科目・金額を記録する帳簿はどれか?
- A. 仕訳帳
- B. 総勘定元帳
- C. 試算表
- D. 精算表
正解: A. 仕訳帳 / 仕訳帳は取引が発生するたびに、その内容を仕訳の形で時系列に記録する帳簿です。ここに記録された内容が総勘定元帳の各勘定口座に転記されます。
問19. 仕訳帳に記録された内容を、勘定科目ごとに集計し直す帳簿はどれか?
- A. 総勘定元帳
- B. 仕訳帳
- C. 現金出納帳
- D. 得意先元帳
正解: A. 総勘定元帳 / 総勘定元帳は、仕訳帳に記録された取引を勘定科目ごとの口座に転記し、各勘定科目の増減と残高を把握できるようにした帳簿です。
問20. 簿記の一巡の手続きを正しい順序に並び替えよ。
- ( )取引の発生
- ( )仕訳帳への記入
- ( )総勘定元帳への転記
- ( )試算表の作成
- ( )財務諸表の作成
正解の順序: 取引の発生 → 仕訳帳への記入 → 総勘定元帳への転記 → 試算表の作成 → 財務諸表の作成 / 簿記は「取引の発生→仕訳→転記→試算表→財務諸表」という一連の流れ(簿記一巡の手続き)で処理されます。
問21. 試算表を作成する主な目的はどれか?
- A. 総勘定元帳への転記が正しく行われたかを検証するため
- B. 従業員の勤怠を集計するため
- C. 工事の進捗率を計算するため
- D. 税金の申告書を作成するため
正解: A. 総勘定元帳への転記が正しく行われたかを検証するため / 試算表は、各勘定の借方合計と貸方合計を一覧にまとめ、複式簿記の「貸借平均の原理」により転記の正確性を検証するために作成します。
問22. 資産合計800万円、負債合計500万円のとき、純資産はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 資産=負債+純資産という貸借対照表の基本等式を使う
正解: 300万円 / 純資産=資産-負債=800-500=300万円。
問23. 簿記上「現金」として扱われるものに含まれないものはどれか?
- A. 通貨(紙幣・硬貨)
- B. 他人振出の小切手
- C. 送金小切手
- D. 建物
正解: D. 建物 / 簿記上の現金には、通貨のほか、他人振出小切手・送金小切手・郵便為替証書などの「通貨代用証券」も含まれます。建物は固定資産であり現金には含まれません。
問24. 得意先から工事代金80万円が当座預金口座に振り込まれた(未収の完成工事代金の回収)。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 当座預金、完成工事未収入金、完成工事高、現金
貸方候補: 当座預金、完成工事未収入金、完成工事高、現金正解: 借方「当座預金」/ 貸方「完成工事未収入金」 / 当座預金(資産)の増加を借方に、完成工事未収入金(資産)の減少を貸方に記入します。(借)当座預金80万円/(貸)完成工事未収入金80万円。
問25. 建設業の工事原価を構成する4つの要素として正しいものはどれか?
- A. 材料費・労務費・外注費・経費
- B. 材料費・労務費・経費・販売費
- C. 人件費・広告費・交際費・雑費
- D. 本社費・支店費・現場費・営業費
正解: A. 材料費・労務費・外注費・経費 / 建設業の工事原価は、一般の製造業でいう原価3要素(材料費・労務費・経費)に加えて「外注費」(下請業者への支払い)を独立した要素として扱うのが大きな特徴です。
問26. 建設業原価計算における「外注費」の説明として正しいものはどれか?
- A. 自社の従業員に支払う給料
- B. 工事の一部を下請業者に発注した際に支払う費用
- C. 本社の家賃
- D. 銀行からの借入金の利息
正解: B. 工事の一部を下請業者に発注した際に支払う費用 / 外注費は、工事の一部(型枠工事・電気工事など)を下請業者に発注した際に支払う費用です。建設業は分業体制が発達しているため、外注費が原価に占める割合が大きいのが特徴です。
問27. 建設業原価計算における「労務費」に含まれるものはどれか?
- A. 本社の経理担当者の給料
- B. 自社の現場作業員に支払う賃金
- C. 下請業者への外注費
- D. 銀行への支払利息
正解: B. 自社の現場作業員に支払う賃金 / 労務費は、自社が直接雇用する現場作業員に対して支払う賃金・手当等を指します。本社の管理部門の人件費は一般管理費として区別されます。
問28. 建設業原価計算における「経費」に含まれる典型的な項目はどれか?
- A. 材料の購入代金
- B. 下請業者への外注費
- C. 機械の減価償却費・動力用水光熱費
- D. 従業員への給料
正解: C. 機械の減価償却費・動力用水光熱費 / 経費には、材料費・労務費・外注費のいずれにも該当しない原価(機械の減価償却費、動力用水光熱費、修繕維持費、租税公課、労働保険料など)が含まれます。
問29. 下請業者に電気工事を発注し、外注費40万円を現金で支払った(工事は未完成)。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 未成工事支出金(外注費)、現金、完成工事原価、工事未払金
貸方候補: 未成工事支出金(外注費)、現金、完成工事原価、工事未払金正解: 借方「未成工事支出金(外注費)」/ 貸方「現金」 / 工事未完成の段階で発生した外注費は、いったん未成工事支出金として集計します。(借)未成工事支出金(外注費)40万円/(貸)現金40万円。
問30. 工事が完成したとき、それまで未成工事支出金として集計していた原価はどのように処理するか?
- A. そのまま資産として繰り越す
- B. 完成工事原価に振り替える
- C. 全額を経費として計上し直す
- D. 工事未払金と相殺する
正解: B. 完成工事原価に振り替える / 工事が完成すると、それまで未成工事支出金(資産)として集計していた原価を、完成工事原価(費用)に振り替えます。これにより収益(完成工事高)と費用(完成工事原価)が対応します。
問31. 工事が完成し、それまで未成工事支出金として集計していた150万円を完成工事原価に振り替えた。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 完成工事原価、未成工事支出金、完成工事高、現金
貸方候補: 完成工事原価、未成工事支出金、完成工事高、現金正解: 借方「完成工事原価」/ 貸方「未成工事支出金」 / 完成工事原価(費用)を借方に計上し、未成工事支出金(資産)を貸方で減少させます。(借)完成工事原価150万円/(貸)未成工事支出金150万円。
問32. 一定期間(通常1年)の経営成績と期末時点の財政状態を明らかにする手続きを何というか?
- A. 決算
- B. 仕訳
- C. 転記
- D. 検収
正解: A. 決算 / 決算とは、会計期間の終わりに帳簿を整理し、その期間の経営成績(損益計算書)と期末時点の財政状態(貸借対照表)を明らかにする一連の手続きです。
問33. 会社が任意に定める、決算を行う1年間の区切りを何というか?
- A. 会計期間(事業年度)
- B. 工事期間
- C. 契約期間
- D. 決算日
正解: A. 会計期間(事業年度) / 会計期間(事業年度)は、会社が経営成績・財政状態を区切って把握するために定める1年以内の期間です。多くの会社は4月1日〜翌年3月31日を採用しています。
問34. 決算日時点の資産・負債・純資産の状態を表す財務諸表はどれか?
- A. 貸借対照表
- B. 損益計算書
- C. 完成工事原価報告書
- D. 株主資本等変動計算書
正解: A. 貸借対照表 / 貸借対照表(B/S)は、決算日(ある時点)における資産・負債・純資産の残高=財政状態を表す財務諸表です。
問35. 1会計期間の収益と費用、およびその差額としての利益を表す財務諸表はどれか?
- A. 損益計算書
- B. 貸借対照表
- C. 試算表
- D. 仕訳帳
正解: A. 損益計算書 / 損益計算書(P/L)は、1会計期間における収益から費用を差し引いた利益(または損失)=経営成績を表す財務諸表です。
問36. 貸借対照表の借方(左側)に記載される項目はどれか?
- A. 資産
- B. 負債
- C. 純資産
- D. 負債と純資産
正解: A. 資産 / 貸借対照表は借方(左側)に資産、貸方(右側)に負債と純資産を記載します。左右の合計金額は必ず一致します。
問37. 完成工事高500万円、完成工事原価380万円、その他の費用20万円のとき、当期純利益はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 利益=収益-費用の合計 で計算する
正解: 100万円 / 当期純利益=完成工事高500-(完成工事原価380+その他費用20)=500-400=100万円。
問38. 建設業簿記が一般の商業簿記と大きく異なる点として最も適切なものはどれか?
- A. 現金・預金の勘定科目が存在しない
- B. 工事案件ごとに収益・原価を対応させる独自の勘定科目体系を持つ
- C. 複式簿記の原理を使わない
- D. 決算を行う必要がない
正解: B. 工事案件ごとに収益・原価を対応させる独自の勘定科目体系を持つ / 建設業では工事1件ごとに長期間・多額の取引が発生するため、完成工事高・完成工事原価・未成工事支出金など、工事の進捗に応じた独自の勘定科目体系を用いる点が特徴です。
問39. 取引が実際に行われたことを裏付ける書類(領収書・請求書・納品書など)を何というか?
- A. 証ひょう
- B. 仕訳帳
- C. 総勘定元帳
- D. 試算表
正解: A. 証ひょう / 証ひょうは、取引の事実を証明する書類の総称です。領収書・請求書・納品書・見積書などが該当し、仕訳の根拠資料として保存が必要です。
問40. 取引の内容ごとに定型の用紙(入金伝票・出金伝票・振替伝票など)に記入する記帳方法を何というか?
- A. 伝票制度
- B. 帳簿組織
- C. 証ひょう制度
- D. 元帳転記制度
正解: A. 伝票制度 / 伝票制度は、仕訳帳の代わりに入金伝票・出金伝票・振替伝票などの伝票に取引を記入し、複数の担当者で分担して記帳できるようにする仕組みです。