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建設業経理士3級 決算処理(精算表・決算整理)
全40問 / トルカ(https://toruca.app)
問1. 決算整理を行う理由として最も適切なものはどれか?
- A. 日々の取引記録だけでは正しい期間損益計算ができない項目があるため
- B. 従業員に賞与を支給するため
- C. 銀行から融資を受けるため
- D. 工事を受注するため
正解: A. 日々の取引記録だけでは正しい期間損益計算ができない項目があるため / 現金の実際有高の確認、経過勘定の計上、減価償却など、日々の記帳だけでは反映されない項目を正しく期間損益に反映させるために決算整理を行います。
問2. 決算整理事項に含まれないものはどれか?
- A. 減価償却費の計上
- B. 貸倒引当金の設定
- C. 経過勘定項目の整理
- D. 工事の受注契約締結
正解: D. 工事の受注契約締結 / 減価償却・貸倒引当金・経過勘定の整理は代表的な決算整理事項です。工事の受注契約締結は日常的な営業取引であり決算整理事項ではありません。
問3. 決算整理前残高試算表から決算整理仕訳を経て、損益計算書・貸借対照表に至る過程を一覧表にまとめたものを何というか?
- A. 精算表
- B. 仕訳帳
- C. 総勘定元帳
- D. 工事台帳
正解: A. 精算表 / 精算表は、決算整理前残高試算表・修正記入(決算整理仕訳)・損益計算書・貸借対照表の各欄を1枚の表にまとめ、決算の全体像を把握しやすくするための表です。
問4. 8桁精算表における欄の並び順として正しいものを選べ。
- ( )決算整理前残高試算表
- ( )修正記入(決算整理仕訳)
- ( )損益計算書
- ( )貸借対照表
正解の順序: 決算整理前残高試算表 → 修正記入(決算整理仕訳) → 損益計算書 → 貸借対照表 / 8桁精算表は、①決算整理前残高試算表、②修正記入、③損益計算書、④貸借対照表の4つの欄(各借方・貸方で8列)で構成されます。
問5. 精算表の損益計算書欄・貸借対照表欄への記入に関する説明として正しいものはどれか?
- A. 収益・費用は損益計算書欄へ、資産・負債・純資産は貸借対照表欄へ記入する
- B. すべての勘定科目を損益計算書欄にのみ記入する
- C. すべての勘定科目を貸借対照表欄にのみ記入する
- D. 決算整理前残高試算表の金額をそのまま転記せず、無視してよい
正解: A. 収益・費用は損益計算書欄へ、資産・負債・純資産は貸借対照表欄へ記入する / 精算表では、収益・費用に関する勘定は損益計算書欄へ、資産・負債・純資産に関する勘定は貸借対照表欄へ、それぞれ整理後の金額を記入します。
問6. 決算にあたり、完成工事未収入金の期末残高に2%の貸倒引当金を設定する。貸倒引当金の設定前残高が3万円、当期末に必要な貸倒引当金が8万円である場合(差額補充法)、この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 貸倒引当金繰入、貸倒引当金、完成工事未収入金、現金
貸方候補: 貸倒引当金繰入、貸倒引当金、完成工事未収入金、現金正解: 借方「貸倒引当金繰入」/ 貸方「貸倒引当金」 / 差額補充法では、必要額と既存残高の差額のみを追加計上します。(借)貸倒引当金繰入5万円(8-3)/(貸)貸倒引当金5万円。
問7. 完成工事未収入金の期末残高が600万円、貸倒実績率2%、貸倒引当金の設定前残高が5万円である場合、差額補充法による貸倒引当金繰入額はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 必要額=期末残高×貸倒実績率。繰入額=必要額-設定前残高
正解: 7万円 / 必要額=600×2%=12万円。繰入額=12-5=7万円。
問8. 固定資産の減価償却費を計上する際、間接的に「減価償却累計額」という勘定を用いて記帳する方法を何というか?
- A. 間接法
- B. 直接法
- C. 定率法
- D. 定額法
正解: A. 間接法 / 間接法は、固定資産の取得原価をそのまま残し、減価償却累計額(資産のマイナス勘定)を用いて減価償却額を間接的に表示する記帳方法です。建設業経理士検定でも広く扱われます。
問9. 決算にあたり、建設機械の減価償却費40万円を間接法により計上する。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 減価償却費、減価償却累計額、機械装置、現金
貸方候補: 減価償却費、減価償却累計額、機械装置、現金正解: 借方「減価償却費」/ 貸方「減価償却累計額」 / 間接法では、機械装置の帳簿価額を直接減らさず「減価償却累計額」を計上します。(借)減価償却費40万円/(貸)減価償却累計額40万円。
問10. 取得原価500万円、償却率20%の建設機械について、定率法(初年度、期首帳簿価額=取得原価)による1年目の減価償却費はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 定率法:減価償却費=期首帳簿価額×償却率
正解: 100万円 / 1年目の減価償却費=500万円×20%=100万円。定率法は毎期末の帳簿価額(未償却残高)に一定の償却率を掛けて計算するため、年数が経つにつれ償却額は逓減します。
問11. 期の途中で取得した固定資産の当期の減価償却費を計算する際に必要な考え方はどれか?
- A. 使用月数に応じて月割計算する
- B. 常に1年分をそのまま計上する
- C. 減価償却は行わない
- D. 取得原価の半分を一律計上する
正解: A. 使用月数に応じて月割計算する / 期中に取得した固定資産は、取得日から決算日までの使用月数に応じて年間償却費を月割りするのが原則です。
問12. 年間の減価償却費が120万円と計算される建設機械を、当期の10月1日に取得した(決算日は3月31日)。当期分の減価償却費はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 使用月数=10月〜3月の6か月。月割計算=年間償却費×使用月数÷12
正解: 60万円 / 使用月数=6か月。当期の減価償却費=120万円×6/12=60万円。
問13. 決算にあたり、支払済みの保険料のうち、翌期分にあたる4万円を前払費用として繰り延べる。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 前払費用、保険料、未払費用、現金
貸方候補: 前払費用、保険料、未払費用、現金正解: 借方「前払費用」/ 貸方「保険料」 / 翌期分の費用を当期の費用から除くため、(借)前払費用4万円/(貸)保険料4万円と仕訳します。
問14. 決算にあたり、当期分として発生しているが未払いの借入金利息3万円を見越し計上する。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 支払利息、未払費用、前払費用、現金
貸方候補: 支払利息、未払費用、前払費用、現金正解: 借方「支払利息」/ 貸方「未払費用」 / 当期に発生しているが未払いの利息を費用として見越し計上します。(借)支払利息3万円/(貸)未払費用3万円。
問15. 決算整理仕訳をすべて総勘定元帳に反映させた後に作成する試算表を何というか?
- A. 決算整理後残高試算表
- B. 決算整理前残高試算表
- C. 合計試算表
- D. 残高試算表(月次)
正解: A. 決算整理後残高試算表 / 決算整理後残高試算表は、決算整理仕訳を転記した後の各勘定の残高を集計した試算表で、この金額をもとに損益計算書・貸借対照表を作成します。
問16. 決算にあたり、収益・費用の各勘定残高を集めて当期純利益(または純損失)を計算するために設けられる勘定を何というか?
- A. 損益勘定
- B. 繰越利益剰余金
- C. 資本金勘定
- D. 未成工事支出金
正解: A. 損益勘定 / 損益勘定は、決算時に収益・費用の各勘定残高を振り替えて集計し、当期純利益(または純損失)を算定するために一時的に設けられる勘定です。
問17. 決算にあたり、完成工事高500万円を損益勘定に振り替える。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 完成工事高、損益、完成工事原価、繰越利益剰余金
貸方候補: 完成工事高、損益、完成工事原価、繰越利益剰余金正解: 借方「完成工事高」/ 貸方「損益」 / 収益勘定(完成工事高)の残高を損益勘定に振り替えて締め切ります。(借)完成工事高500万円/(貸)損益500万円。
問18. 損益勘定で計算された当期純利益80万円を繰越利益剰余金に振り替える。この取引の仕訳の借方・貸方に入る勘定科目はどれか?
借方候補: 損益、繰越利益剰余金、資本金、完成工事高
貸方候補: 損益、繰越利益剰余金、資本金、完成工事高正解: 借方「損益」/ 貸方「繰越利益剰余金」 / 当期純利益は最終的に純資産の内訳である繰越利益剰余金に振り替えられます。(借)損益80万円/(貸)繰越利益剰余金80万円。
問19. 決算にあたり収益・費用の勘定残高をゼロにリセットする理由として正しいものはどれか?
- A. 次期の損益計算に前期の収益・費用を混在させないため
- B. 資産の残高を消すため
- C. 税金を安くするため
- D. 銀行融資を受けやすくするため
正解: A. 次期の損益計算に前期の収益・費用を混在させないため / 収益・費用の勘定は各会計期間の成果を測定するためのものなので、決算時に損益勘定へ振り替えてゼロにし、翌期はまたゼロから集計を始めます(資産・負債・純資産は残高を翌期に繰り越します)。
問20. 精算表の損益計算書欄で、貸方合計(収益合計)が800万円、借方合計(費用合計)が650万円であった。当期純利益はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 当期純利益=収益合計-費用合計
正解: 150万円 / 当期純利益=800-650=150万円。精算表では、この差額を借方(費用側)に追加記入して貸借を一致させ、同額を貸借対照表欄の貸方に記入します。
問21. 決算日時点で未完成の工事について、未成工事支出金の残高はどのように扱うか?
- A. 貸借対照表の資産として翌期に繰り越す
- B. 全額を完成工事原価として当期の費用にする
- C. 全額を貸倒損失として処理する
- D. 消去して残高をゼロにする
正解: A. 貸借対照表の資産として翌期に繰り越す / 未完成の工事にかかる原価(未成工事支出金)は、まだ収益に対応する費用として確定していないため、貸借対照表の資産(棚卸資産)として翌期に繰り越します。
問22. 完成工事原価報告書は、どのタイミングで確定した工事の原価をもとに作成されるか?
- A. 当期中に完成し、完成工事高を計上した工事の原価
- B. 着工前の全工事の見積原価
- C. 翌期に完成予定の工事の原価
- D. 会社全体の全経費
正解: A. 当期中に完成し、完成工事高を計上した工事の原価 / 完成工事原価報告書は、当期中に完成し完成工事高(収益)を計上した工事について、その原価の内訳(材料費・労務費・外注費・経費)を示す報告書です。
問23. 建設業の貸借対照表において、未成工事支出金はどの区分に表示されるか?
- A. 流動資産
- B. 固定資産
- C. 繰延資産
- D. 純資産
正解: A. 流動資産 / 未成工事支出金は棚卸資産の一種であり、通常1年以内に完成・費用化されるため「流動資産」に区分表示されます。
問24. 建設業の貸借対照表において、未成工事受入金はどの区分に表示されるか?
- A. 流動負債
- B. 固定負債
- C. 純資産
- D. 特別損失
正解: A. 流動負債 / 未成工事受入金は工事完成前に受け取った前受金であり、通常1年以内に完成工事高へ充当されるため「流動負債」に区分表示されます。
問25. 資産・負債を流動・固定に分類する際に用いる、決算日の翌日から1年以内かどうかで区分する基準を何というか?
- A. 1年基準(ワン・イヤー・ルール)
- B. 正常営業循環基準
- C. 重要性の原則
- D. 実現主義
正解: A. 1年基準(ワン・イヤー・ルール) / 1年基準(ワン・イヤー・ルール)は、決算日の翌日から1年以内に現金化・費用化・支払期限が到来するものを流動項目、それを超えるものを固定項目に分類する基準です。
問26. 完成工事未収入金や未成工事支出金のように、通常の営業取引過程で発生する資産を、期間の長短にかかわらず流動資産に分類する基準を何というか?
- A. 正常営業循環基準
- B. 1年基準
- C. 実現主義
- D. 費用収益対応の原則
正解: A. 正常営業循環基準 / 正常営業循環基準は、企業の主目的たる営業活動(工事の受注から完成・代金回収まで)の循環過程内にある資産・負債を、その期間の長短を問わず流動項目とする基準です。
問27. 建設業の損益計算書において、完成工事高から完成工事原価を差し引いた利益を何というか?
- A. 完成工事総利益
- B. 営業利益
- C. 経常利益
- D. 当期純利益
正解: A. 完成工事総利益 / 完成工事総利益(工事利益)は、完成工事高から完成工事原価を差し引いた利益で、一般企業の売上総利益に相当します。
問28. 完成工事高が900万円、完成工事原価が650万円であるとき、完成工事総利益はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 完成工事総利益=完成工事高-完成工事原価
正解: 250万円 / 完成工事総利益=900-650=250万円。
問29. 完成工事総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた利益を何というか?
- A. 営業利益
- B. 完成工事総利益
- C. 経常利益
- D. 税引前当期純利益
正解: A. 営業利益 / 営業利益は、完成工事総利益(+兼業事業総利益)から販売費及び一般管理費を差し引いた、本業の営業活動から生じる利益です。
問30. 完成工事総利益が250万円、販売費及び一般管理費が160万円であるとき、営業利益はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 営業利益=完成工事総利益-販売費及び一般管理費
正解: 90万円 / 営業利益=250-160=90万円。
問31. 営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いた利益を何というか?
- A. 経常利益
- B. 営業利益
- C. 特別利益
- D. 税引前当期純利益
正解: A. 経常利益 / 経常利益は、営業利益に受取利息等の営業外収益を加算し、支払利息等の営業外費用を差し引いて算定する、経常的な経営活動全体の成果を表す利益です。
問32. 営業利益が90万円、営業外収益(受取利息等)が5万円、営業外費用(支払利息等)が15万円であるとき、経常利益はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用
正解: 80万円 / 経常利益=90+5-15=80万円。
問33. 固定資産売却益や火災による損失など、臨時的・非経常的に発生する損益を何というか?
- A. 特別損益(特別利益・特別損失)
- B. 営業損益
- C. 経常損益
- D. 工事損益
正解: A. 特別損益(特別利益・特別損失) / 特別損益は、固定資産売却損益や災害による損失など、毎期経常的には発生しない臨時的な損益項目です。経常利益に加減して税引前当期純利益を算定します。
問34. 経常利益が80万円、特別利益(固定資産売却益)が10万円、特別損失が0円であるとき、税引前当期純利益はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失
正解: 90万円 / 税引前当期純利益=80+10-0=90万円。
問35. 税引前当期純利益に対して課される法人税・住民税・事業税をまとめて何というか?
- A. 法人税等
- B. 消費税等
- C. 印紙税等
- D. 固定資産税等
正解: A. 法人税等 / 法人税・住民税・事業税をまとめて「法人税等」といい、税引前当期純利益からこれを差し引いて当期純利益を算定します。
問36. 税引前当期純利益が90万円、法人税等が27万円であるとき、当期純利益はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 当期純利益=税引前当期純利益-法人税等
正解: 63万円 / 当期純利益=90-27=63万円。
問37. 建設業の損益計算書における利益の算定順序を正しく並び替えよ。
- ( )完成工事総利益
- ( )営業利益
- ( )経常利益
- ( )税引前当期純利益
- ( )当期純利益
正解の順序: 完成工事総利益 → 営業利益 → 経常利益 → 税引前当期純利益 → 当期純利益 / 完成工事総利益→(販管費控除)→営業利益→(営業外損益加減)→経常利益→(特別損益加減)→税引前当期純利益→(法人税等控除)→当期純利益、という順に段階的に算定されます。
問38. 当期純利益は貸借対照表のどの項目に反映されるか?
- A. 純資産の繰越利益剰余金に加算される
- B. 資産の現金に直接加算される
- C. 負債の工事未払金に加算される
- D. 貸借対照表には反映されない
正解: A. 純資産の繰越利益剰余金に加算される / 当期純利益は損益勘定を経て繰越利益剰余金(純資産)に振り替えられ、貸借対照表の純資産の部に反映されます。これにより損益計算書と貸借対照表がつながります。
問39. 建設業者が作成した決算書(財務諸表)は、経営事項審査を受ける際にどのように利用されるか?
- A. 経営規模・経営状況の評点(Y点等)の算定に用いられる
- B. 利用されることはない
- C. 工事の設計図として利用される
- D. 従業員の給与計算に直接利用される
正解: A. 経営規模・経営状況の評点(Y点等)の算定に用いられる / 経営事項審査では、決算書の自己資本額・利益額・キャッシュフロー等の数値をもとに経営状況分析(Y点)などの評点が算定され、公共工事の入札参加資格に影響します。
問40. 建設業の計算書類(財務諸表)に含まれる代表的な書類の組み合わせとして適切なものはどれか?
- A. 貸借対照表・損益計算書・完成工事原価報告書・株主資本等変動計算書
- B. 工程表・施工計画書のみ
- C. 見積書・請求書のみ
- D. 労働者名簿・出勤簿のみ
正解: A. 貸借対照表・損益計算書・完成工事原価報告書・株主資本等変動計算書 / 建設業の計算書類は、一般企業と同様の貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書に加え、建設業特有の完成工事原価報告書を含むのが特徴です。