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建設業経理士2級 建設業特有の決算・財務諸表作成
全40問 / トルカ(https://toruca.app)
問1. 建設業の貸借対照表において、資産の部の区分として正しいものはどれか?
- A. 流動資産・固定資産・繰延資産
- B. 完成工事高・完成工事原価
- C. 収益・費用
- D. 工事直接費・工事間接費
正解: A. 流動資産・固定資産・繰延資産 / 貸借対照表の資産の部は、一般企業と同様に「流動資産」「固定資産」(有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産)「繰延資産」に区分されます。
問2. 建設業の貸借対照表における流動資産の代表的な勘定科目の並び順として一般的なものはどれか?
- A. 現金預金→受取手形→完成工事未収入金→未成工事支出金→材料貯蔵品
- B. 土地→建物→機械装置
- C. 資本金→資本準備金→利益準備金
- D. 完成工事高→完成工事原価
正解: A. 現金預金→受取手形→完成工事未収入金→未成工事支出金→材料貯蔵品 / 流動資産は現金化しやすい順(流動性配列法)に、現金預金・受取手形・完成工事未収入金・未成工事支出金・材料貯蔵品等の順に表示するのが一般的です。
問3. 建設業が保有する重機・車両は、貸借対照表上どの区分に表示されるか?
- A. 有形固定資産(機械装置・車両運搬具等)
- B. 流動資産(棚卸資産)
- C. 無形固定資産
- D. 繰延資産
正解: A. 有形固定資産(機械装置・車両運搬具等) / 重機・車両は長期間使用する有形の固定資産であるため「有形固定資産」(機械装置・車両運搬具等)に区分され、減価償却の対象となります。
問4. 長期保有目的の有価証券や、決算日の翌日から1年を超えて回収予定の貸付金は、貸借対照表上どの区分に表示されるか?
- A. 投資その他の資産
- B. 流動資産
- C. 無形固定資産
- D. 繰延資産
正解: A. 投資その他の資産 / 長期保有目的の投資有価証券や長期貸付金など、有形固定資産・無形固定資産以外の長期性資産は「投資その他の資産」に区分表示されます。
問5. 会社の設立や新株発行等のために支出した費用のうち、資産として計上し複数期間にわたって償却できるものを何というか?
- A. 繰延資産(創立費・株式交付費等)
- B. 有形固定資産
- C. 流動資産
- D. 無形固定資産
正解: A. 繰延資産(創立費・株式交付費等) / 繰延資産は、すでに代価の支払いが完了し役務の提供を受けたが、その効果が将来にわたって発現すると期待される費用(創立費・開業費・株式交付費等)を資産計上したものです。
問6. 建設業の貸借対照表における負債の部の区分として正しいものはどれか?
- A. 流動負債・固定負債
- B. 資産・純資産
- C. 収益・費用
- D. 材料費・労務費
正解: A. 流動負債・固定負債 / 負債の部は「流動負債」(工事未払金・未成工事受入金・短期借入金等)と「固定負債」(長期借入金・退職給付引当金等)に区分されます。
問7. 貸借対照表の純資産の部を構成する項目として適切でないものはどれか?
- A. 資本金
- B. 利益剰余金
- C. 工事未払金
- D. 資本剰余金
正解: C. 工事未払金 / 純資産の部は主に株主資本(資本金・資本剰余金・利益剰余金・自己株式)等で構成されます。工事未払金は負債の部の項目です。
問8. 建設業の損益計算書が採用する、収益から段階的に費用を差し引いて複数の利益を表示する形式を何というか?
- A. 区分損益計算書(段階式)
- B. 勘定式のみ
- C. 報告式(無区分)
- D. 総額のみ表示
正解: A. 区分損益計算書(段階式) / 建設業を含む多くの会社の損益計算書は、完成工事総利益→営業利益→経常利益→税引前当期純利益→当期純利益と段階的に利益を表示する「区分損益計算書(報告式)」を採用します。
問9. 建設業者が兼業事業を営む場合、損益計算書上の売上高(収益)はどのように表示されるか?
- A. 完成工事高と兼業事業売上高に区分して表示する
- B. すべて完成工事高として一括表示する
- C. すべて営業外収益として表示する
- D. 表示しなくてよい
正解: A. 完成工事高と兼業事業売上高に区分して表示する / 建設業者が兼業事業を営む場合、損益計算書では建設業に係る「完成工事高」と、兼業事業に係る「兼業事業売上高」を区分して表示します。
問10. 完成工事高が2,700万円、兼業事業売上高が300万円である場合、完成工事高比率(売上高全体に占める完成工事高の割合)は何%か?
単位: % / ヒント: 完成工事高比率=完成工事高÷(完成工事高+兼業事業売上高)×100
正解: 90% / 完成工事高比率=2,700÷(2,700+300)×100=2,700÷3,000×100=90%。
問11. 建設業の損益計算書における「販売費及び一般管理費」に含まれる典型的な項目はどれか?
- A. 本社の役員報酬・広告宣伝費
- B. 現場作業員の労務費
- C. 外注費
- D. 材料費
正解: A. 本社の役員報酬・広告宣伝費 / 販売費及び一般管理費には、本社の役員報酬・広告宣伝費・本社建物の減価償却費等、工事原価に含まれない販売・管理活動に係る費用が計上されます。
問12. 建設業の損益計算書における「営業外収益」に含まれる典型的な項目はどれか?
- A. 受取利息・受取配当金
- B. 完成工事高
- C. 完成工事原価
- D. 外注費
正解: A. 受取利息・受取配当金 / 営業外収益は、本業(建設工事の請負)以外から経常的に生じる収益で、受取利息・受取配当金・有価証券利息などが該当します。
問13. 建設業の損益計算書における「営業外費用」に含まれる典型的な項目はどれか?
- A. 支払利息・手形売却損
- B. 完成工事原価
- C. 販売費及び一般管理費
- D. 特別損失
正解: A. 支払利息・手形売却損 / 営業外費用は、本業以外から経常的に生じる費用で、支払利息・手形売却損・社債利息などが該当します。
問14. 会社法上の計算書類の1つで、重要な会計方針や貸借対照表・損益計算書に関する注記事項をまとめた書類を何というか?
- A. 個別注記表
- B. 完成工事原価報告書
- C. 附属明細書
- D. 事業報告
正解: A. 個別注記表 / 個別注記表は、継続企業の前提に関する注記、重要な会計方針に係る事項、貸借対照表・損益計算書等に関する注記をまとめた会社法上の計算書類です。
問15. 計算書類の内容を補足するために作成する、有形固定資産の増減明細等を記載した書類を何というか?
- A. 附属明細書
- B. 個別注記表
- C. 完成工事原価報告書
- D. 株主資本等変動計算書
正解: A. 附属明細書 / 附属明細書は、有形固定資産及び無形固定資産の明細、引当金の明細等、計算書類の内容を補足する詳細情報を記載する書類です。
問16. 企業が将来にわたって事業を継続するという前提を何というか?
- A. 継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)
- B. 清算前提
- C. 分割前提
- D. 解散前提
正解: A. 継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン) / 継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)は、企業が将来にわたって事業を継続するという前提のことで、財務諸表はこの前提のもとで作成されます。重要な疑義がある場合は注記が必要です。
問17. 有価証券の評価基準、たな卸資産の評価方法、固定資産の減価償却方法など、財務諸表作成にあたって採用した会計処理の原則・手続きを何というか?
- A. 重要な会計方針
- B. 経営事項審査基準
- C. 建設業許可基準
- D. 配賦基準
正解: A. 重要な会計方針 / 重要な会計方針は、財務諸表の作成にあたって採用した会計処理の原則・手続き(減価償却方法、たな卸資産の評価方法等)で、個別注記表に記載します。
問18. 一会計期間における資金(現金及び現金同等物)の増減を、営業活動・投資活動・財務活動の区分で示す財務諸表を何というか?
- A. キャッシュフロー計算書
- B. 完成工事原価報告書
- C. 株主資本等変動計算書
- D. 個別注記表
正解: A. キャッシュフロー計算書 / キャッシュフロー計算書は、資金の増減を「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3区分で示す財務諸表です。上場企業等には作成が義務付けられています。
問19. キャッシュフロー計算書における「営業活動によるキャッシュフロー」に含まれる典型的な項目はどれか?
- A. 完成工事未収入金の回収による収入
- B. 建設機械の購入による支出
- C. 借入金の返済による支出
- D. 新株発行による収入
正解: A. 完成工事未収入金の回収による収入 / 営業活動によるキャッシュフローには、完成工事未収入金の回収、材料費・外注費の支払いなど、本業の営業活動に関連する資金の増減が含まれます。
問20. キャッシュフロー計算書における「投資活動によるキャッシュフロー」に含まれる典型的な項目はどれか?
- A. 建設機械(有形固定資産)の取得による支出
- B. 完成工事高の回収による収入
- C. 借入金による収入
- D. 配当金の支払い
正解: A. 建設機械(有形固定資産)の取得による支出 / 投資活動によるキャッシュフローには、有形固定資産の取得・売却、有価証券の取得・売却など、投資に関連する資金の増減が含まれます。
問21. キャッシュフロー計算書における「財務活動によるキャッシュフロー」に含まれる典型的な項目はどれか?
- A. 借入金の借入れ・返済、配当金の支払い
- B. 材料の購入による支出
- C. 工事現場の運営費
- D. 受取利息の受取り
正解: A. 借入金の借入れ・返済、配当金の支払い / 財務活動によるキャッシュフローには、借入れ・返済、社債の発行・償還、新株発行、配当金の支払いなど、資金調達・返済に関連する資金の増減が含まれます。
問22. キャッシュフロー計算書の「営業活動によるキャッシュフロー」の表示方法のうち、税引前当期純利益に非資金損益項目等を加減して表示する方法を何というか?
- A. 間接法
- B. 直接法
- C. 定額法
- D. 定率法
正解: A. 間接法 / 間接法は、税引前当期純利益から出発し、減価償却費(非資金項目)の加算、売上債権・仕入債務の増減などを加減してキャッシュフローを表示する方法です。実務上広く採用されています。
問23. 税引前当期純利益が300万円、減価償却費が50万円、完成工事未収入金の増加額が40万円であった(他の調整項目はないものとする)。間接法による営業活動によるキャッシュフローはいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 税引前当期純利益+減価償却費(非資金費用を足し戻す)-売上債権の増加額(資金が寝ている分を差し引く)
正解: 310万円 / 営業活動によるキャッシュフロー=300+50-40=310万円。減価償却費は資金の流出を伴わない費用のため足し戻し、完成工事未収入金の増加は未回収資金の増加のため差し引きます。
問24. 総資本(総資産)に占める自己資本(純資産)の割合を示す財務指標を何というか?
- A. 自己資本比率
- B. 流動比率
- C. 当座比率
- D. 固定比率
正解: A. 自己資本比率 / 自己資本比率は「自己資本(純資産)÷総資本(総資産)×100」で計算され、財務の安全性・健全性を示す代表的な指標です。経営事項審査の評点にも用いられます。
問25. 純資産が2,400万円、総資産が8,000万円であるとき、自己資本比率は何%か?
単位: % / ヒント: 自己資本比率=純資産÷総資産×100
正解: 30% / 自己資本比率=2,400÷8,000×100=30%。
問26. 流動負債に対する流動資産の割合を示し、短期的な支払能力を測る指標を何というか?
- A. 流動比率
- B. 自己資本比率
- C. 固定長期適合率
- D. 総資本回転率
正解: A. 流動比率 / 流動比率は「流動資産÷流動負債×100」で計算され、短期的な債務の支払能力を示す代表的な安全性の指標です。一般的に200%以上が望ましいとされます。
問27. 流動資産が4,000万円、流動負債が2,000万円であるとき、流動比率は何%か?
単位: % / ヒント: 流動比率=流動資産÷流動負債×100
正解: 200% / 流動比率=4,000÷2,000×100=200%。
問28. 経営事項審査の指標にも用いられる「完成工事高キャッシュフロー」の説明として正しいものはどれか?
- A. 完成工事高の規模に対する営業キャッシュフローの水準を示す指標
- B. 完成工事高の伸び率のみを示す指標
- C. 工事間接費の配賦率を示す指標
- D. 従業員1人あたりの完成工事高を示す指標
正解: A. 完成工事高の規模に対する営業キャッシュフローの水準を示す指標 / 完成工事高キャッシュフローは、経営事項審査の経営状況分析(Y点)で用いられる指標の1つで、企業のキャッシュを生み出す力を評価します。
問29. 経営事項審査の経営状況分析で用いられる、完成工事高に対する支払利息等の負担割合を示す指標を何というか?
- A. 純支払利子比率
- B. 自己資本比率
- C. 流動比率
- D. 固定比率
正解: A. 純支払利子比率 / 純支払利子比率は「(支払利息-受取利息配当金)÷完成工事高×100」等で算定され、借入金への依存度・利息負担の重さを示す指標です。低いほど良好とされます。
問30. 自己資本に対する固定資産の割合を示し、固定資産投資の安全性を測る指標を何というか?
- A. 固定比率
- B. 流動比率
- C. 当座比率
- D. 自己資本比率
正解: A. 固定比率 / 固定比率は「固定資産÷自己資本×100」で計算され、固定資産への投資が自己資本の範囲内で賄われているかを示す長期的な安全性の指標です。低いほど安全とされます。
問31. 固定資産が3,000万円、自己資本(純資産)が2,500万円であるとき、固定比率は何%か(小数点以下四捨五入)。
単位: % / ヒント: 固定比率=固定資産÷自己資本×100
正解: 120% / 固定比率=3,000÷2,500×100=120%。100%を超えると、固定資産の一部が自己資本以外(負債)で賄われていることを意味します。
問32. 総資本(総資産)が完成工事高(売上高)を生み出す効率を示す指標を何というか?
- A. 総資本回転率
- B. 自己資本比率
- C. 流動比率
- D. 固定比率
正解: A. 総資本回転率 / 総資本回転率は「完成工事高÷総資本」で計算され、投下した資本がどれだけ効率的に売上を生み出しているかを示す活動性(効率性)の指標です。
問33. 完成工事高に対する完成工事総利益の割合を示す収益性の指標を何というか?
- A. 完成工事高総利益率
- B. 自己資本比率
- C. 流動比率
- D. 総資本回転率
正解: A. 完成工事高総利益率 / 完成工事高総利益率は「完成工事総利益÷完成工事高×100」で計算され、工事案件全体の収益性の高さを示す指標です。
問34. 完成工事高が5,000万円、完成工事総利益が900万円であるとき、完成工事高総利益率は何%か?
単位: % / ヒント: 完成工事高総利益率=完成工事総利益÷完成工事高×100
正解: 18% / 完成工事高総利益率=900÷5,000×100=18%。
問35. 現時点で受注済みだが、まだ完成・引渡しが終わっていない工事の請負金額の合計を何というか?
- A. 手持工事高
- B. 完成工事高
- C. 兼業事業売上高
- D. 未成工事支出金
正解: A. 手持工事高 / 手持工事高は、受注済みで未完成の工事の請負金額の合計で、将来の完成工事高の見通しを示す重要な経営指標として活用されます。
問36. ある期間の「受注高」と「完成工事高」「手持工事高」の関係として正しいものはどれか?
- A. 期末の手持工事高=期首の手持工事高+当期受注高-当期完成工事高
- B. 受注高は完成工事高と常に一致する
- C. 手持工事高は毎期ゼロになる
- D. 受注高と手持工事高は無関係である
正解: A. 期末の手持工事高=期首の手持工事高+当期受注高-当期完成工事高 / 手持工事高は「期首手持工事高+当期受注高-当期完成工事高」の関係で増減します。受注が完成工事高を上回れば手持工事高は増加します。
問37. 期首の手持工事高が3,000万円、当期の受注高が2,200万円、当期の完成工事高が2,500万円であった。期末の手持工事高はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 期末手持工事高=期首手持工事高+当期受注高-当期完成工事高
正解: 2700万円 / 期末手持工事高=3,000+2,200-2,500=2,700万円。
問38. 借入金・社債など、利息の支払いを伴う負債の総称を何というか?
- A. 有利子負債
- B. 無利子負債
- C. 工事未払金
- D. 未成工事受入金
正解: A. 有利子負債 / 有利子負債は、借入金・社債など利息の支払いを伴う負債の総称で、財務の健全性を評価する際に重視される概念です。
問39. 自己資本比率・流動比率・完成工事高総利益率など複数の財務指標を組み合わせて企業を評価する意義として最も適切なものはどれか?
- A. 収益性・安全性・効率性など多面的な観点から経営状態を総合的に把握するため
- B. 1つの指標だけで全てを判断すればよいため不要
- C. 税金を減らすため
- D. 従業員の給与を決めるため
正解: A. 収益性・安全性・効率性など多面的な観点から経営状態を総合的に把握するため / 収益性(総利益率等)・安全性(自己資本比率・流動比率等)・効率性(回転率等)など複数の指標を組み合わせることで、企業の経営状態を多面的かつ総合的に評価できます。
問40. 決算書(財務諸表)の数値分析だけでは把握しきれない情報として適切なものはどれか?
- A. 技術者の育成状況や現場の施工品質など、数値化しにくい定性的情報
- B. 自己資本比率
- C. 完成工事高
- D. 流動比率
正解: A. 技術者の育成状況や現場の施工品質など、数値化しにくい定性的情報 / 決算書の数値分析は経営状態を把握する重要な手段ですが、技術者の育成状況や施工品質、企業文化など数値化しにくい定性的な情報は別途把握する必要があります。