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建設業経理士1級 財務分析比率の算定
全40問 / トルカ(https://toruca.app)
問1. 企業の財務分析を行う際に用いられる分析の視点として適切でないものはどれか?
- A. 収益性・安全性・効率性・成長性
- B. 経営者の身長・体重
- C. 生産性
- D. キャッシュフロー分析
正解: B. 経営者の身長・体重 / 財務分析は収益性・安全性・効率性・成長性・生産性・キャッシュフロー等の視点から行われます。経営者の身体的特徴は財務分析の対象にはなりません。
問2. 当期純利益が360万円、自己資本(純資産)が3,000万円であるとき、自己資本利益率(ROE)は何%か?
単位: % / ヒント: ROE=当期純利益÷自己資本×100
正解: 12% / ROE=360÷3,000×100=12%。ROEは株主が投じた資本をどれだけ効率的に利益に変えたかを示す指標です。
問3. 経常利益が480万円、総資本(総資産)が8,000万円であるとき、総資本経常利益率は何%か?
単位: % / ヒント: 総資本経常利益率=経常利益÷総資本×100
正解: 6% / 総資本経常利益率=480÷8,000×100=6%。総資本経常利益率は、投下した総資本がどれだけ効率的に経常利益を生み出しているかを示す指標です。
問4. 総資本経常利益率(ROA)を「売上高経常利益率×総資本回転率」に分解して要因分析する手法を何というか?
- A. デュポン分解(デュポンシステム)
- B. 配賦計算
- C. 工事番号制
- D. 低価法
正解: A. デュポン分解(デュポンシステム) / デュポン分解(デュポンシステム)は、ROA(またはROE)を収益性(利益率)と効率性(回転率)の要素に分解し、収益性向上の要因をより深く分析する手法です。
問5. 完成工事高経常利益率が8%、総資本回転率が0.75回であるとき、総資本経常利益率は何%か?
単位: % / ヒント: 総資本経常利益率=完成工事高経常利益率×総資本回転率
正解: 6% / 総資本経常利益率=8%×0.75=6%。
問6. 流動資産のうち、より換金性の高い当座資産(現金預金・受取手形・完成工事未収入金等)と流動負債を対比する、より厳格な短期安全性の指標を何というか?
- A. 当座比率
- B. 流動比率
- C. 固定比率
- D. 自己資本比率
正解: A. 当座比率 / 当座比率は「当座資産÷流動負債×100」で計算され、換金性の低い未成工事支出金等を除いた、より保守的・厳格な短期支払能力の指標です(一般に100%以上が望ましいとされます)。
問7. 当座資産(現金預金・受取手形・完成工事未収入金の合計)が3,600万円、流動負債が3,000万円であるとき、当座比率は何%か?
単位: % / ヒント: 当座比率=当座資産÷流動負債×100
正解: 120% / 当座比率=3,600÷3,000×100=120%。
問8. 固定資産が自己資本と固定負債(長期資金)の合計でどの程度賄われているかを示す指標を何というか?
- A. 固定長期適合率
- B. 固定比率
- C. 流動比率
- D. 当座比率
正解: A. 固定長期適合率 / 固定長期適合率は「固定資産÷(自己資本+固定負債)×100」で計算され、固定比率より緩やかな基準で長期資金による固定資産のカバー状況を評価する指標です(100%以下が望ましいとされます)。
問9. 固定資産が4,000万円、自己資本が2,500万円、固定負債が1,500万円であるとき、固定長期適合率は何%か?
単位: % / ヒント: 固定長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100
正解: 100% / 固定長期適合率=4,000÷(2,500+1,500)×100=4,000÷4,000×100=100%。
問10. 自己資本に対する負債の割合を示し、財務レバレッジの程度を測る指標を何というか?
- A. 負債比率
- B. 流動比率
- C. 自己資本比率
- D. 固定比率
正解: A. 負債比率 / 負債比率は「負債÷自己資本×100」で計算され、自己資本に対する他人資本(負債)の依存度を示す指標です。低いほど財務的に安定していると評価されます。
問11. 負債合計が4,500万円、自己資本が3,000万円であるとき、負債比率は何%か?
単位: % / ヒント: 負債比率=負債÷自己資本×100
正解: 150% / 負債比率=4,500÷3,000×100=150%。
問12. 営業利益と受取利息配当金等の合計が、支払利息をどれだけ上回っているかを示す指標を何というか?
- A. インタレスト・カバレッジ・レシオ
- B. 流動比率
- C. 自己資本比率
- D. 固定比率
正解: A. インタレスト・カバレッジ・レシオ / インタレスト・カバレッジ・レシオは「(営業利益+受取利息配当金)÷支払利息」で計算され、企業が利息支払能力をどの程度余裕を持って有しているかを示す指標です。数値が高いほど安全とされます。
問13. 営業利益が800万円、受取利息配当金が20万円、支払利息が82万円であるとき、インタレスト・カバレッジ・レシオは何倍か(小数点第1位まで)。
単位: 倍 / ヒント: インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+受取利息配当金)÷支払利息
正解: 10倍 / インタレスト・カバレッジ・レシオ=(800+20)÷82=820÷82≒10.0倍。
問14. 完成工事未収入金の回収がどの程度効率的に行われているかを示す指標を何というか?
- A. 完成工事未収入金回転率
- B. 棚卸資産回転率
- C. 総資本回転率
- D. 自己資本比率
正解: A. 完成工事未収入金回転率 / 完成工事未収入金回転率は「完成工事高÷完成工事未収入金」で計算され、値が大きいほど代金回収が効率的に(早く)行われていることを示します。
問15. 完成工事高が6,000万円、完成工事未収入金の平均残高が1,000万円であるとき、完成工事未収入金回転率は何回か?
単位: 回 / ヒント: 完成工事未収入金回転率=完成工事高÷完成工事未収入金
正解: 6回 / 完成工事未収入金回転率=6,000÷1,000=6回。
問16. 上記の完成工事未収入金回転率6回について、回転期間(月数)を計算するといくらか?
単位: ヶ月 / ヒント: 回転期間(月)=12か月÷回転率
正解: 2ヶ月 / 回転期間=12か月÷6回=2か月。平均して2か月で完成工事未収入金が回収されていることを意味します。
問17. 未成工事支出金(棚卸資産)が完成工事原価に対してどの程度効率的に回転しているかを示す指標を何というか?
- A. 未成工事支出金回転率
- B. 完成工事未収入金回転率
- C. 自己資本比率
- D. 固定比率
正解: A. 未成工事支出金回転率 / 未成工事支出金回転率は「完成工事原価÷未成工事支出金」で計算され、工事案件が滞留せずに効率的に完成へと進んでいるかを示す指標です。
問18. 完成工事原価が4,800万円、未成工事支出金の平均残高が800万円であるとき、未成工事支出金回転率は何回か?
単位: 回 / ヒント: 未成工事支出金回転率=完成工事原価÷未成工事支出金
正解: 6回 / 未成工事支出金回転率=4,800÷800=6回。
問19. 従業員1人あたりがどれだけの付加価値(完成工事総利益等)を生み出しているかを示す生産性の指標を何というか?
- A. 労働生産性(従業員1人当たり完成工事総利益等)
- B. 自己資本比率
- C. 流動比率
- D. 固定比率
正解: A. 労働生産性(従業員1人当たり完成工事総利益等) / 労働生産性は「完成工事総利益(付加価値)÷従業員数」等で計算され、従業員1人あたりがどれだけ効率的に付加価値を生み出しているかを示す生産性の指標です。
問20. 完成工事総利益が9,000万円、従業員数が60人であるとき、従業員1人当たりの完成工事総利益(労働生産性)はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 労働生産性=完成工事総利益÷従業員数
正解: 150万円 / 労働生産性=9,000万円÷60人=150万円/人。
問21. 従業員1人あたりの有形固定資産額を示し、設備投資の充実度を測る指標を何というか?
- A. 労働装備率
- B. 労働生産性
- C. 総資本回転率
- D. 自己資本比率
正解: A. 労働装備率 / 労働装備率は「有形固定資産÷従業員数」で計算され、従業員1人当たりにどれだけの設備(重機等)が投下されているかを示す指標です。
問22. 有形固定資産が3,600万円、従業員数が40人であるとき、労働装備率はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 労働装備率=有形固定資産÷従業員数
正解: 90万円 / 労働装備率=3,600万円÷40人=90万円/人。
問23. 完成工事高から外部購入価値(材料費・外注費等)を差し引いて付加価値を算定する方法を何というか?
- A. 控除法(中小企業庁方式等)
- B. 加算法
- C. 総額法のみ
- D. 純額法のみ
正解: A. 控除法(中小企業庁方式等) / 控除法は、完成工事高から材料費・外注費等の外部購入価値を差し引いて付加価値を算定する方法です。加算法(人件費・賃借料・金融費用・租税公課・減価償却費・経常利益等を積み上げる方法)と対比されます。
問24. 完成工事高が5,000万円、材料費・外注費(外部購入価値)が3,200万円であるとき、控除法による付加価値額はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 付加価値額=完成工事高-外部購入価値(材料費・外注費等)
正解: 1800万円 / 付加価値額=5,000-3,200=1,800万円。
問25. 付加価値のうち、どの程度が人件費として従業員に分配されているかを示す指標を何というか?
- A. 労働分配率
- B. 自己資本比率
- C. 流動比率
- D. 固定比率
正解: A. 労働分配率 / 労働分配率は「人件費÷付加価値×100」で計算され、企業が生み出した付加価値のうち労働者への分配割合を示す指標です。高すぎると収益性を圧迫する要因になりえます。
問26. 付加価値額が1,800万円、人件費が1,080万円であるとき、労働分配率は何%か?
単位: % / ヒント: 労働分配率=人件費÷付加価値額×100
正解: 60% / 労働分配率=1,080÷1,800×100=60%。
問27. 有形固定資産がどれだけ効率的に付加価値を生み出しているかを示す指標を何というか?
- A. 設備投資効率(付加価値÷有形固定資産)
- B. 自己資本比率
- C. 流動比率
- D. 負債比率
正解: A. 設備投資効率(付加価値÷有形固定資産) / 設備投資効率は「付加価値÷有形固定資産×100」で計算され、投下した設備がどれだけ効率的に付加価値を生み出しているかを示す指標です。
問28. 前期の完成工事高と当期の完成工事高を比較し、企業の成長度合いを測る指標を何というか?
- A. 完成工事高増加率
- B. 自己資本比率
- C. 流動比率
- D. 労働分配率
正解: A. 完成工事高増加率 / 完成工事高増加率は「(当期完成工事高-前期完成工事高)÷前期完成工事高×100」で計算され、企業の売上規模の成長度合いを示す指標です。
問29. 前期の完成工事高が4,000万円、当期の完成工事高が4,600万円であるとき、完成工事高増加率は何%か?
単位: % / ヒント: 完成工事高増加率=(当期完成工事高-前期完成工事高)÷前期完成工事高×100
正解: 15% / 完成工事高増加率=(4,600-4,000)÷4,000×100=600÷4,000×100=15%。
問30. 前期と当期の経常利益を比較し、収益力の成長度合いを測る指標を何というか?
- A. 経常利益増加率
- B. 完成工事高増加率
- C. 自己資本比率
- D. 労働分配率
正解: A. 経常利益増加率 / 経常利益増加率は「(当期経常利益-前期経常利益)÷前期経常利益×100」で計算され、企業の収益力の伸びを示す指標です。
問31. 前期の経常利益が300万円、当期の経常利益が360万円であるとき、経常利益増加率は何%か?
単位: % / ヒント: 経常利益増加率=(当期経常利益-前期経常利益)÷前期経常利益×100
正解: 20% / 経常利益増加率=(360-300)÷300×100=60÷300×100=20%。
問32. 前期末と当期末の自己資本を比較し、企業の財務体質の強化度合いを測る指標を何というか?
- A. 自己資本増加率
- B. 完成工事高増加率
- C. 労働分配率
- D. 固定比率
正解: A. 自己資本増加率 / 自己資本増加率は「(当期末自己資本-前期末自己資本)÷前期末自己資本×100」で計算され、内部留保の蓄積等による財務体質強化の度合いを示す指標です。
問33. 当期純利益のうち、配当金として株主に還元される割合を示す指標を何というか?
- A. 配当性向
- B. 労働分配率
- C. 自己資本比率
- D. 流動比率
正解: A. 配当性向 / 配当性向は「配当金総額÷当期純利益×100」で計算され、稼得した利益のうちどの程度を株主に配当として還元しているかを示す指標です。
問34. 当期純利益が500万円、配当金総額が150万円であるとき、配当性向は何%か?
単位: % / ヒント: 配当性向=配当金総額÷当期純利益×100
正解: 30% / 配当性向=150÷500×100=30%。
問35. 総資本に対する固定資産の割合を示し、資本集約的な事業構造かどうかを判断する指標を何というか?
- A. 資本集約度
- B. 自己資本比率
- C. 労働分配率
- D. 流動比率
正解: A. 資本集約度 / 資本集約度は「固定資産÷総資本×100」等で計算され、企業がどれだけ資本(設備)に依存した事業構造を持つかを示す指標です。
問36. 単一の財務指標のみで企業の経営状態を判断することの問題点として最も適切なものはどれか?
- A. 指標間にはトレードオフの関係もあり、単一指標だけでは経営の全体像を見誤る可能性がある
- B. 単一指標だけで完全に経営状態を把握できるため問題はない
- C. 財務指標はすべて同じ情報を示しているため1つで十分である
- D. 財務指標は経営判断には一切役立たない
正解: A. 指標間にはトレードオフの関係もあり、単一指標だけでは経営の全体像を見誤る可能性がある / 例えば自己資本比率を高めようとすると資金調達の柔軟性が下がる等、指標間にはトレードオフの関係が存在することもあり、複数の指標を組み合わせた総合的な評価が必要です。
問37. 自社の財務指標を分析する際、業界平均値と比較することの意義として最も適切なものはどれか?
- A. 業界特有の事業構造・慣行を踏まえたうえで、自社の相対的な立ち位置を把握できる
- B. 業界平均との比較は無意味である
- C. 自社の数値は常に業界平均と一致するはずである
- D. 業界平均は税務署が独自に算定するものである
正解: A. 業界特有の事業構造・慣行を踏まえたうえで、自社の相対的な立ち位置を把握できる / 建設業は他業種と異なる特有の資本構成・回転期間を持つため、単純な絶対値だけでなく業界平均値と比較することで、自社の相対的なポジションや改善点をより的確に把握できます。
問38. 自社の過去数年間にわたる財務指標の推移を分析する手法を何というか?
- A. 時系列分析(トレンド分析)
- B. クロスセクション分析
- C. 感度分析
- D. 配賦計算
正解: A. 時系列分析(トレンド分析) / 時系列分析(トレンド分析)は、自社の財務指標の過去からの推移を分析することで、経営改善の効果や悪化の兆候を早期に把握する手法です。
問39. 財務分析の結果を単なる過去の評価にとどめず、将来の経営改善に活かすための視点として適切なものはどれか?
- A. 分析結果から課題を特定し、具体的な改善施策(原価管理強化、資金繰り改善等)につなげる
- B. 分析結果はファイルに保存するだけでよい
- C. 分析結果は経営者にのみ極秘で管理し活用しない
- D. 分析結果を踏まえた改善は不要である
正解: A. 分析結果から課題を特定し、具体的な改善施策(原価管理強化、資金繰り改善等)につなげる / 財務分析は過去の実績評価にとどまらず、明らかになった課題(低い自己資本比率、長い回収期間等)に対する具体的な改善施策の立案・実行につなげてこそ、経営に真に貢献する分析といえます。
問40. 1級建設業経理士(財務分析科目)で修得した知識を実務で活かす場面として最も適切なものはどれか?
- A. 自社および取引先・競合他社の経営状態を多面的に分析し、経営戦略や与信管理の判断に役立てる
- B. 施工図面を描く際にのみ使う
- C. 重機の点検記録の作成にのみ使う
- D. 資格試験合格後は一切活用しない
正解: A. 自社および取引先・競合他社の経営状態を多面的に分析し、経営戦略や与信管理の判断に役立てる / 財務分析科目で修得する各種比率分析・成長性分析・生産性分析の知識は、自社の経営改善だけでなく、取引先や競合他社の経営状態の評価(与信管理等)にも幅広く活用できる実務能力です。