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ビジネス実務法務3級 企業取引

40問 / トルカ(https://toruca.app)

  1. 1. 契約不適合責任の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約内容に適合しない場合に、売主が負う責任
    • B. 買主が代金を支払わない場合に、買主が負う責任
    • C. 契約締結前の交渉段階における一切の責任
    • D. 契約書に署名しなかった当事者が負う責任

    正解: A. 引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約内容に適合しない場合に、売主が負う責任契約不適合責任は、引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しないものであった場合に、売主が買主に対して負う責任であり、追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除等が認められる。

  2. 2. 契約不適合責任に基づいて買主が請求できるものを全て選べ。

    • A. 追完請求
    • B. 代金減額請求
    • C. 損害賠償請求・契約の解除
    • D. 刑事罰の科料請求

    正解: A・B・C契約不適合責任に基づき買主は、目的物の修補等の追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約の解除を求めることができる。刑事罰の請求は私法上の契約不適合責任には含まれない。

  3. 3. 危険負担の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務の履行ができなくなった場合の代金支払義務の帰趨に関するルール
    • B. 契約締結時に必ず保険に加入しなければならないという義務
    • C. 商品の運送を必ず売主が行わなければならないという義務
    • D. 危険物を取り扱う契約にのみ適用される特別なルール

    正解: A. 当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務の履行ができなくなった場合の代金支払義務の帰趨に関するルール危険負担は、当事者双方の責めに帰することができない事由によって目的物が滅失するなど債務の履行ができなくなった場合に、代金支払義務がどうなるかを定めるルールである(現行民法では原則として買主は代金支払いを拒むことができる)。

  4. 4. 基本契約と個別契約の関係として最も適切なものはどれか。

    • A. 基本契約で取引全体に共通するルールを定め、個別契約で個々の取引の具体的な内容(数量・納期等)を定める
    • B. 基本契約と個別契約は常に同一内容であり区別する意味がない
    • C. 個別契約を締結すれば基本契約は当然に不要になる
    • D. 基本契約は口頭でしか締結できない

    正解: A. 基本契約で取引全体に共通するルールを定め、個別契約で個々の取引の具体的な内容(数量・納期等)を定める継続的な取引関係においては、取引条件の一般的なルール(決済方法・契約解除事由等)を基本契約(取引基本契約)で定め、個々の発注ごとの具体的な数量・納期等を個別契約(注文書・注文請書等)で定める実務が広く行われている。

  5. 5. 代理店契約の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 代理店がメーカー等の商品を、自己の名と計算で仕入れて販売する取引形態を含む契約
    • B. 必ず代理店が本人の代理人として契約の効果を本人に帰属させる契約のみを指す
    • C. 代理店は在庫リスクを一切負わない取引形態のみを指す
    • D. 代理店契約という用語は法律上一切用いられない

    正解: A. 代理店がメーカー等の商品を、自己の名と計算で仕入れて販売する取引形態を含む契約実務上「代理店契約」という名称は、狭義の代理(本人に契約効果が帰属する)だけでなく、代理店が自己の名と計算で商品を仕入れて販売する形態(いわゆる販売店契約に近い実質を持つもの)も含めて広く使われることが多い。

  6. 6. フランチャイズ契約の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 本部(フランチャイザー)が加盟店(フランチャイジー)に商標の使用やノウハウの提供を許諾し、対価としてロイヤルティを受け取る契約
    • B. 本部と加盟店が完全に対等な独立事業者として何のノウハウ提供も行わない契約
    • C. 加盟店が本部の完全子会社となることを内容とする契約
    • D. 本部が加盟店の全ての経営責任を無条件で負う契約

    正解: A. 本部(フランチャイザー)が加盟店(フランチャイジー)に商標の使用やノウハウの提供を許諾し、対価としてロイヤルティを受け取る契約フランチャイズ契約は、本部(フランチャイザー)が加盟店(フランチャイジー)に対し、商標・商号の使用や経営ノウハウの提供等を許諾し、その対価として加盟店がロイヤルティ(対価)を支払う契約形態である。

  7. 7. 業務委託契約(請負・準委任の実務上の総称)を締結する際の実務上の留意点として最も適切なものはどれか。

    • A. 成果物の完成を目的とするか、事務処理の遂行自体を目的とするかにより、請負・準委任いずれの性質を持つか整理する必要がある
    • B. 業務委託契約は常に雇用契約と全く同じ法的性質を持つ
    • C. 業務委託契約には報酬の定めを一切置くことができない
    • D. 業務委託契約は書面によらなければ一切無効である

    正解: A. 成果物の完成を目的とするか、事務処理の遂行自体を目的とするかにより、請負・準委任いずれの性質を持つか整理する必要がある実務上「業務委託契約」と呼ばれるものは、成果物の完成を目的とする場合は請負、事務処理の遂行自体を目的とする場合は準委任の性質を持つことが多く、契約書作成時にはその法的性質を意識して権利義務関係を整理する必要がある。

  8. 8. 業務委託契約と雇用契約の実質的な違いを判断する際に重視される要素として最も適切なものはどれか。

    • A. 業務遂行における指揮命令の有無や、時間的・場所的拘束の程度
    • B. 契約書のタイトルに「業務委託契約書」と書かれているかどうかのみ
    • C. 報酬の金額の多寡のみ
    • D. 契約期間の長さのみ

    正解: A. 業務遂行における指揮命令の有無や、時間的・場所的拘束の程度業務委託契約という名称であっても、実態として発注者の指揮命令を受け、時間的・場所的な拘束を強く受けているような場合には、労働関係法令上「労働者」と判断され、雇用契約類似の保護が及ぶ可能性がある点に注意が必要である(契約書の名称のみで法的性質は決まらない)。

  9. 9. 約束手形の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 振出人が受取人に対し、一定の期日に一定の金額を支払うことを約束する有価証券
    • B. 第三者に対して支払いを委託する有価証券のみを指す
    • C. 必ず銀行が発行する証券である
    • D. 手形の裏書は法律上禁止されている

    正解: A. 振出人が受取人に対し、一定の期日に一定の金額を支払うことを約束する有価証券約束手形は、振出人自身が受取人に対して、一定の期日に一定の金額の支払いを約束する有価証券である(支払いを第三者に委託する形式の手形は為替手形と呼ばれる)。

  10. 10. 手形の「裏書」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 手形の所持人が、その手形上の権利を第三者に譲渡するために手形の裏面に署名等を行うこと
    • B. 手形を無効にするために行う手続
    • C. 手形の金額を訂正するために必ず行わなければならない手続
    • D. 手形の支払期日を延長するためにのみ行う手続

    正解: A. 手形の所持人が、その手形上の権利を第三者に譲渡するために手形の裏面に署名等を行うこと裏書は、手形の所持人が手形上の権利を第三者に譲渡するために、手形の裏面等に必要事項を記載して署名等を行う手続であり、手形を転々流通させる機能を持つ。

  11. 11. 電子契約(電子署名を用いた契約締結)の法的な位置づけとして最も適切なものはどれか。

    • A. 一定の要件を満たす電子署名がなされた電磁的記録は、本人による正当な作成として推定される
    • B. 電子契約は書面契約に比べて一切法的効力が認められない
    • C. 電子契約には印紙税が紙の契約書より高く課される
    • D. 電子署名はいかなる場合も本人の意思を推定する効力を持たない

    正解: A. 一定の要件を満たす電子署名がなされた電磁的記録は、本人による正当な作成として推定される電子署名法上、一定の要件(本人だけが行うことができる方式による電子署名等)を満たす電磁的記録は、本人による正当な作成として推定される効力が認められており、電子契約も適切な要件を満たせば書面契約と同様の証拠力を持ちうる。

  12. 12. クーリングオフ制度の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 訪問販売等の特定の取引について、一定期間内であれば消費者が理由を問わず無条件で契約を解除できる制度
    • B. 事業者間取引(BtoB)についても一律に適用される制度
    • C. 契約締結後はいかなる理由があっても解除を一切認めない制度
    • D. 契約書に署名した時点で解除権が消滅する制度

    正解: A. 訪問販売等の特定の取引について、一定期間内であれば消費者が理由を問わず無条件で契約を解除できる制度クーリングオフ制度は、特定商取引法等に基づき、訪問販売・電話勧誘販売など特定の取引類型について、消費者が一定期間内であれば理由を問わず無条件で契約の申込みの撤回・解除ができる制度である(主に消費者取引を対象とする)。

  13. 13. 消費者契約法における「不当条項」に該当し無効とされる条項の例として最も適切なものはどれか。

    • A. 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害賠償責任を全部免除する条項
    • B. 消費者に商品の使用方法を説明する条項
    • C. 商品の保証期間を明示する条項
    • D. 支払方法の選択肢を複数提示する条項

    正解: A. 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害賠償責任を全部免除する条項消費者契約法では、事業者の債務不履行や不法行為により消費者に生じた損害賠償責任の全部を免除する条項など、消費者の利益を一方的に害する不当条項は無効とされる。

  14. 14. 製造物責任法(PL法)における「欠陥」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていること
    • B. 製品の価格が市場相場より高いこと
    • C. 製品のデザインが流行に合っていないこと
    • D. 製品の販売数量が予測より少なかったこと

    正解: A. 当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていること製造物責任法(PL法)における「欠陥」とは、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、製造上の欠陥・設計上の欠陥・指示警告上の欠陥に分類される。

  15. 15. 製造物責任法(PL法)に基づく損害賠償請求の特徴として最も適切なものはどれか。

    • A. 被害者は製造業者等の過失を立証する必要がなく、欠陥の存在と損害の因果関係を立証すればよい
    • B. 被害者は製造業者等の故意を立証しなければ一切請求できない
    • C. PL法は事業者間取引(BtoB)専用の法律であり消費者は利用できない
    • D. PL法による請求は製造から100年間いつでも可能である

    正解: A. 被害者は製造業者等の過失を立証する必要がなく、欠陥の存在と損害の因果関係を立証すればよい製造物責任法は無過失責任を採用しており、被害者は製造業者等の故意・過失を立証する必要がなく、製造物に欠陥が存在したこと、損害が発生したこと、両者の因果関係を立証すれば損害賠償を請求できる(民法の不法行為責任における過失の立証負担を軽減する趣旨)。

  16. 16. リース契約の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. リース会社が物件を購入し、ユーザーに長期間使用させ、対価としてリース料を受け取る取引
    • B. ユーザーが物件を購入し、その代金をリース会社に立て替えてもらう取引
    • C. リース契約は必ず所有権がユーザーに移転する契約である
    • D. リース契約には中途解約の制限が一切存在しない

    正解: A. リース会社が物件を購入し、ユーザーに長期間使用させ、対価としてリース料を受け取る取引リース契約(主にファイナンス・リース)は、リース会社がユーザーの指定する物件を購入し、これをユーザーに長期間使用させ、その対価としてリース料を受け取る取引であり、実質的に物件の購入資金を分割で回収する金融的機能を持つ。

  17. 17. 秘密保持契約(NDA)を締結する主な目的として最も適切なものはどれか。

    • A. 取引の検討過程で開示される営業秘密・技術情報等が第三者に漏えい・目的外利用されることを防ぐこと
    • B. 契約の対価(代金)の金額を確定させること
    • C. 契約の履行期限を確定させること
    • D. 契約の準拠法を確定させることのみを目的とする契約

    正解: A. 取引の検討過程で開示される営業秘密・技術情報等が第三者に漏えい・目的外利用されることを防ぐこと秘密保持契約(NDA:Non-Disclosure Agreement)は、業務提携やM&A等の検討過程で相手方に開示する営業秘密・技術情報等が、第三者への漏えいや契約目的外での利用をされないよう取り決める契約である。

  18. 18. 覚書・念書の実務上の位置づけとして最も適切なものはどれか。

    • A. 契約書と同様に当事者間の合意内容を証する文書となりうるものであり、タイトルだけで法的効力の有無は決まらない
    • B. 覚書・念書には一切の法的効力が認められない
    • C. 覚書・念書は必ず公証役場での認証を受けなければ作成できない
    • D. 覚書は口頭でしか作成できない文書である

    正解: A. 契約書と同様に当事者間の合意内容を証する文書となりうるものであり、タイトルだけで法的効力の有無は決まらない「覚書」「念書」といったタイトルの文書であっても、当事者間の合意内容を証する実質を備えていれば契約書と同様の法的効力を持ちうる。文書の名称ではなく、記載内容・当事者の意思により法的性質・効力が判断される。

  19. 19. 下請法(下請代金支払遅延等防止法)が親事業者に義務付ける内容として最も適切なものはどれか。

    • A. 発注内容を記載した書面(3条書面)を交付すること、下請代金を支払期日までに支払うこと
    • B. 下請事業者に対していつでも自由に代金を減額してよいこと
    • C. 下請事業者からの給付を受領した後、理由なく受領を拒否してよいこと
    • D. 下請事業者に対して協賛金等の負担を無条件で要求してよいこと

    正解: A. 発注内容を記載した書面(3条書面)を交付すること、下請代金を支払期日までに支払うこと下請法は、資本力等で優位に立つ親事業者に対し、発注内容を記載した書面(3条書面)の交付義務、下請代金の支払期日までの支払義務等を課すとともに、代金の減額・受領拒否・返品・買いたたき等の禁止行為を定めている。

  20. 20. 契約書に「準拠法」を定める条項を置く主な目的として最も適切なものはどれか。

    • A. 契約に関する紛争が生じた際に、どの国・地域の法律を適用して解釈・判断するかをあらかじめ明確にすること
    • B. 契約の締結場所を確定させることのみを目的とする
    • C. 契約書の印刷用紙のサイズを確定させることを目的とする
    • D. 契約当事者の使用言語を確定させることのみを目的とする

    正解: A. 契約に関する紛争が生じた際に、どの国・地域の法律を適用して解釈・判断するかをあらかじめ明確にすること準拠法条項は、特に国際取引において、契約の解釈や紛争解決に際してどの国・地域の法律を適用するかをあらかじめ当事者間で合意しておくための条項であり、法的な予測可能性を高める目的がある。

  21. 21. 契約書に「管轄合意」条項を置く主な目的として最も適切なものはどれか。

    • A. 契約に関する訴訟が生じた場合に、第一審の管轄裁判所をあらかじめ合意しておくこと
    • B. 契約の履行期限を確定させることを目的とする
    • C. 契約の目的物の品質基準を確定させることを目的とする
    • D. 契約の当事者の人数を確定させることを目的とする

    正解: A. 契約に関する訴訟が生じた場合に、第一審の管轄裁判所をあらかじめ合意しておくこと管轄合意条項は、契約に関して訴訟が生じた場合に、どの裁判所を第一審の管轄裁判所とするかをあらかじめ当事者間で合意しておく条項であり、紛争解決の予測可能性・利便性を高める目的がある。

  22. 22. 契約書における「損害賠償の予定」条項の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 債務不履行があった場合の損害賠償額をあらかじめ契約で定めておく条項
    • B. 損害が発生した場合に一切の賠償を免除する条項
    • C. 損害賠償請求権を放棄することのみを定める条項
    • D. 契約締結後は損害賠償額を一切変更できないことのみを意味する条項

    正解: A. 債務不履行があった場合の損害賠償額をあらかじめ契約で定めておく条項損害賠償額の予定条項は、債務不履行が生じた場合の損害賠償額をあらかじめ契約で定めておく条項であり、損害額の立証の手間を省き、紛争を予防する機能を持つ。

  23. 23. 契約書に定める「反社会的勢力の排除条項(反社条項)」の目的として最も適切なものはどれか。

    • A. 契約の相手方が暴力団等の反社会的勢力でないことを確認し、該当する場合には契約を解除できるようにすること
    • B. 契約の相手方の信用情報を無条件で第三者に開示することを義務付けること
    • C. 反社会的勢力との取引を促進すること
    • D. 契約の代金支払方法を確定させることのみを目的とする

    正解: A. 契約の相手方が暴力団等の反社会的勢力でないことを確認し、該当する場合には契約を解除できるようにすること反社条項は、契約の相手方が暴力団等の反社会的勢力に該当しないことを表明・保証させ、該当することが判明した場合には無催告で契約を解除できるようにする条項であり、企業の社会的責任・コンプライアンスの観点から広く用いられている。

  24. 24. 契約書に「秘密保持義務」の存続期間を契約終了後も一定期間存続させる条項を置く理由として最も適切なものはどれか。

    • A. 契約終了後も一定期間、開示された秘密情報の漏えいや目的外利用を防ぐ必要があるため
    • B. 契約終了後は秘密保持義務を一切課すことができないため、あえて明記する必要があるため
    • C. 秘密保持義務は契約締結前にのみ発生し、契約終了後は当然に消滅するため
    • D. 契約終了後の秘密保持義務は法律上一律に5年と定められているため

    正解: A. 契約終了後も一定期間、開示された秘密情報の漏えいや目的外利用を防ぐ必要があるため秘密保持義務は契約が終了しても直ちに消滅するものではないため、契約終了後も一定期間(例:3年、5年等)秘密保持義務が存続する旨を契約書に明記することで、情報漏えいリスクへの備えとする実務が一般的である。

  25. 25. 独占禁止法が規制する「不当な取引制限」の例として最も適切なものはどれか。

    • A. 競合事業者間で価格を協定するカルテル
    • B. 自社の従業員に対する人事評価
    • C. 自社製品の品質改善のための研究開発
    • D. 取引先への納期の相談

    正解: A. 競合事業者間で価格を協定するカルテル独占禁止法上の「不当な取引制限」とは、複数の事業者が共同して価格や生産数量等を取り決める行為(カルテル)等であり、公正かつ自由な競争を阻害するため禁止されている。

  26. 26. 独占禁止法が禁止する「優越的地位の濫用」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 取引上優位な地位にある事業者が、その地位を利用して取引先に対し不当に不利益な要求を行うこと
    • B. 全ての事業者間の取引条件交渉を一律に禁止すること
    • C. 中小企業が大企業と取引すること自体を禁止すること
    • D. 価格交渉を一切行ってはならないとする規制

    正解: A. 取引上優位な地位にある事業者が、その地位を利用して取引先に対し不当に不利益な要求を行うこと優越的地位の濫用は、取引上優越した地位にある事業者が、その地位を利用して取引の相手方に対し、代金の減額や不当な返品など不利益な要求を行うことであり、独占禁止法により禁止されている。

  27. 27. 著作権と特許権の違いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 著作権は創作と同時に発生し申請不要だが、特許権は特許庁への出願・登録が必要である
    • B. 著作権も特許権もいずれも出願・登録がなければ発生しない
    • C. 著作権は発明を保護し、特許権は思想・感情の創作的表現を保護する
    • D. 著作権と特許権は全く同じ権利の別名である

    正解: A. 著作権は創作と同時に発生し申請不要だが、特許権は特許庁への出願・登録が必要である著作権は著作物の創作と同時に発生し、特許庁への出願・登録は不要である(無方式主義)。一方、特許権は発明について特許庁への出願・審査・登録を経て初めて発生する(方式主義)。

  28. 28. 個人情報取扱事業者が個人データを第三者に提供する際の原則として最も適切なものはどれか。

    • A. 原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要がある
    • B. 本人の同意の有無にかかわらず自由に第三者へ提供できる
    • C. 個人情報保護法は事業者間の情報提供には一切適用されない
    • D. 第三者提供には常に行政の許可が必要である

    正解: A. 原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要がある個人情報保護法上、個人情報取扱事業者が個人データを第三者に提供する場合、法令に定める例外を除き、原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要がある。

  29. 29. OEM取引契約の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 委託者のブランド名で製品を製造・供給することを内容とする契約
    • B. 受託者の自社ブランドのみで販売することを内容とする契約
    • C. 製品の企画開発を一切行わない契約
    • D. 必ず海外企業との取引にのみ用いられる契約類型

    正解: A. 委託者のブランド名で製品を製造・供給することを内容とする契約OEM(Original Equipment Manufacturing)取引契約は、委託者のブランド名(商標)で製品を製造し供給することを内容とする契約であり、品質基準・納期・知的財産権の帰属等を取り決める必要がある。

  30. 30. 継続的取引における契約解除の実務上の留意点として最も適切なものはどれか。

    • A. 長期間継続してきた取引を一方的に打ち切る場合、相当な予告期間を置くなど信義則上の配慮が求められることがある
    • B. 継続的取引であっても契約書があれば即日・無条件でいつでも打ち切ってよい
    • C. 継続的取引の解除には常に裁判所の許可が必要である
    • D. 継続的取引は法律上、解除自体が一切認められない

    正解: A. 長期間継続してきた取引を一方的に打ち切る場合、相当な予告期間を置くなど信義則上の配慮が求められることがある長期間にわたり継続してきた取引関係を一方的に打ち切ると、相手方に大きな不利益を与えることがあるため、判例上、相当な予告期間を置く、あるいはやむを得ない事情を要するなど、信義則に基づく一定の制約が認められる場合がある。

  31. 31. 商人間の売買における目的物の検査・通知義務(商法上の特則)の趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 取引の迅速な確定を図るため、買主に目的物の速やかな検査と不適合の通知を求めるもの
    • B. 売主にのみ一方的に有利な特則であり買主保護の趣旨は一切ない
    • C. 消費者取引にのみ適用される特則である
    • D. 検査・通知義務を怠っても買主の権利には何の影響もない

    正解: A. 取引の迅速な確定を図るため、買主に目的物の速やかな検査と不適合の通知を求めるもの商人間の売買では、取引の迅速な法律関係の確定という商取引の要請から、買主は目的物を受領後遅滞なく検査し、契約不適合を発見した場合は直ちに売主に通知しなければ、原則としてその不適合を理由とする権利行使ができなくなるという特則が設けられている。

  32. 32. 定型約款(普通取引約款)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 多数の相手方との取引を画一的に行うために、あらかじめ定型化された契約条項の総称
    • B. 個別の相手方ごとに一から交渉して作成される契約条項
    • C. 口頭でのみ合意される契約条項
    • D. 必ず消費者に不利な内容のみを定めた条項

    正解: A. 多数の相手方との取引を画一的に行うために、あらかじめ定型化された契約条項の総称定型約款(普通取引約款)は、鉄道の運送約款や保険約款のように、不特定多数の相手方との取引を画一的・効率的に行うためにあらかじめ定型化された契約条項群であり、民法にも一定の要件のもとで契約内容となる旨の規定が置かれている。

  33. 33. 商品の「委託販売」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 委託者が受託者に商品の販売を委託し、商品が売れた場合に手数料等を支払う取引形態
    • B. 受託者が商品を必ず買い取ってから販売する取引形態
    • C. 委託者と受託者の間で所有権の移転が一切生じない取引形態を指す用語ではない
    • D. 委託販売という取引形態は法律上存在しない

    正解: A. 委託者が受託者に商品の販売を委託し、商品が売れた場合に手数料等を支払う取引形態委託販売は、委託者(メーカー等)が受託者(販売店等)に商品の販売を委託し、商品の所有権は売却されるまで委託者に留保されたまま、販売できた場合に受託者が手数料等を得る取引形態である。

  34. 34. 契約書の「完全合意条項」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 契約書に記載された内容が当事者間の完全な合意であり、それ以前の合意や交渉内容に優先することを定める条項
    • B. 契約締結後の全ての変更を無条件で認める条項
    • C. 契約書は口頭でも変更できることのみを定める条項
    • D. 契約の一部無効の場合に契約全体を無効とする条項

    正解: A. 契約書に記載された内容が当事者間の完全な合意であり、それ以前の合意や交渉内容に優先することを定める条項完全合意条項は、契約書に記載された内容が当事者間の完全な合意内容であり、契約締結前の交渉過程における合意や覚書等はこれに優先しない(契約書の内容が全てである)旨を明確化する条項である。

  35. 35. 契約書の「分離可能性条項(可分性条項)」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 契約の一部の条項が法令違反等で無効となった場合でも、契約全体は無効とならず、他の条項は効力を維持する旨を定める条項
    • B. 契約書を物理的に複数の書類に分割することを義務付ける条項
    • C. 契約の一部でも無効になれば契約全体を当然に無効とする条項
    • D. 契約当事者を複数に分離することを定める条項

    正解: A. 契約の一部の条項が法令違反等で無効となった場合でも、契約全体は無効とならず、他の条項は効力を維持する旨を定める条項分離可能性条項(可分性条項)は、契約中の一部の条項が法令違反等の理由で無効・執行不能となった場合でも、その他の条項の効力には影響を及ぼさず、契約全体としては有効に存続する旨を定める条項である。

  36. 36. 商品の「返品」に関する実務上の留意点として最も適切なものはどれか。

    • A. 契約や商慣習上の根拠なく一方的に返品を要求すると、優越的地位の濫用等の問題になりうる
    • B. 返品は理由の如何を問わず常に自由に行うことができる
    • C. 返品には法律上の規制が一切存在しない
    • D. 返品を行うと必ず契約全体が無効になる

    正解: A. 契約や商慣習上の根拠なく一方的に返品を要求すると、優越的地位の濫用等の問題になりうる特に取引上優越した地位にある事業者が、契約や正当な理由なく一方的に商品の返品を要求することは、独占禁止法上の優越的地位の濫用や下請法上の禁止行為に該当するおそれがあるため、実務上は注意が必要である。

  37. 37. 特定商取引法が規制する取引類型に含まれるものとして最も適切なものはどれか。

    • A. 訪問販売・電話勧誘販売・通信販売
    • B. 会社間の継続的な原材料供給契約のみ
    • C. 上場企業同士のM&A契約のみ
    • D. 国と地方公共団体との間の契約のみ

    正解: A. 訪問販売・電話勧誘販売・通信販売特定商取引法は、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売・連鎖販売取引等、消費者トラブルが生じやすい特定の取引類型を対象に、事業者に対する規制やクーリングオフ等の消費者保護のルールを定めている。

  38. 38. 「売買基本契約書」に一般的に規定される事項として最も適切でないものはどれか。

    • A. 契約当事者双方の役員の個人的な健康診断結果
    • B. 個別契約の成立方法(発注書・注文請書のやり取り等)
    • C. 代金の支払方法・支払期日
    • D. 契約不適合責任に関する取り決め

    正解: A. 契約当事者双方の役員の個人的な健康診断結果売買基本契約書には、個別契約の成立方法、代金の支払条件、契約不適合責任、秘密保持、契約解除事由などが一般的に規定されるが、役員個人の健康診断結果のような事項は通常規定されない。

  39. 39. 国際的な物品売買契約でしばしば用いられる「インコタームズ(Incoterms)」の役割として最も適切なものはどれか。

    • A. 運送費用・保険料の負担者や危険負担の移転時期など、貿易取引条件を統一的に定めた国際規則
    • B. 各国の関税率そのものを定める国際条約
    • C. 国際的な会社設立手続を定めた規則
    • D. 為替レートを固定するための国際協定

    正解: A. 運送費用・保険料の負担者や危険負担の移転時期など、貿易取引条件を統一的に定めた国際規則インコタームズは、国際商業会議所(ICC)が定める貿易取引条件に関する国際規則であり、FOB・CIF等の条件ごとに運送費用・保険料の負担者、危険負担の移転時期などを統一的に定めている。

  40. 40. 契約書を作成する意義として最も適切なものはどれか。

    • A. 当事者間の合意内容を明確化し、後日の紛争を予防するとともに、紛争が生じた際の証拠とすること
    • B. 契約書がなければ契約は一切成立しないことを示すためだけのものである
    • C. 契約書は税務申告のためだけに作成される書類である
    • D. 契約書の作成は口頭合意の効力を無効にするために行う

    正解: A. 当事者間の合意内容を明確化し、後日の紛争を予防するとともに、紛争が生じた際の証拠とすること契約書は、口頭でも成立しうる契約内容を書面化することで当事者間の合意内容を明確にし、後日の解釈をめぐる紛争を予防するとともに、万一紛争が生じた場合の重要な証拠として機能する重要な役割を持つ。