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ビジネス実務法務3級 法体系・法律行為

40問 / トルカ(https://toruca.app)

  1. 1. 公法と私法の区分についての説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 公法は国家と個人の関係を規律し、私法は個人相互の関係を規律する
    • B. 公法は個人相互の関係のみを規律し、私法は国家間の関係のみを規律する
    • C. 公法と私法は同一の法律の別名であり実質的な違いはない
    • D. 私法は刑法のみを指し、公法は民法のみを指す

    正解: A. 公法は国家と個人の関係を規律し、私法は個人相互の関係を規律する公法は国家と個人(国民)との関係を規律する法(憲法・行政法・刑法等)、私法は個人相互間の関係を規律する法(民法・商法等)に大別される。

  2. 2. 権利能力の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 権利を有し義務を負うことができる法律上の資格で、自然人は出生により取得する
    • B. 契約内容を自分一人で有効に判断できる能力のみを指す
    • C. 会社の代表取締役だけが持つ特別な資格
    • D. 選挙権を行使できる資格のみを指す

    正解: A. 権利を有し義務を負うことができる法律上の資格で、自然人は出生により取得する権利能力とは、権利を有し義務を負うことができる法律上の資格であり、自然人は出生によって当然に取得する(民法上、私権の享有は出生に始まる)。

  3. 3. 行為能力の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 単独で完全に有効な法律行為(契約等)を行うことができる能力
    • B. 犯罪の責任を負う能力のみを指す
    • C. 会社を設立できる資本金の額を指す
    • D. 選挙で投票できる年齢に達していることのみを指す

    正解: A. 単独で完全に有効な法律行為(契約等)を行うことができる能力行為能力とは、単独で完全に有効な法律行為(契約の締結等)を行うことができる能力であり、未成年者などの制限行為能力者はこれが制限されている。

  4. 4. 制限行為能力者の類型と、その法律行為を補う制度を対応させよ。

    • 未成年者 ー (     )
    • 成年被後見人 ー (     )
    • 被保佐人 ー (     )

    正解: 未成年者→法定代理人の同意が原則必要、成年被後見人→成年後見人が原則として代理して行う、被保佐人→重要な行為には保佐人の同意が必要制限行為能力者制度は判断能力が不十分な者を保護する制度で、未成年者(法定代理人の同意)、成年被後見人(成年後見人が代理)、被保佐人(重要な行為に保佐人の同意)、被補助人(特定の行為に補助人の同意・代理)に分かれる。

  5. 5. 未成年者が法定代理人の同意を得ずに行った契約の効力として最も適切なものはどれか。

    • A. 未成年者本人または法定代理人が取り消すことができる
    • B. 契約は当然に無効であり、取消しの意思表示は不要である
    • C. 契約は取り消すことができず、常に有効である
    • D. 相手方のみが取り消すことができる

    正解: A. 未成年者本人または法定代理人が取り消すことができる未成年者が法定代理人の同意を得ずに行った契約は、原則として未成年者本人または法定代理人が取り消すことができる(取り消されるまでは一応有効な「取消しうべき行為」)。

  6. 6. 契約の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 当事者の対立する意思表示(申込みと承諾)が合致することによって成立する法律行為
    • B. 1人の意思表示のみによって成立する法律行為
    • C. 3人以上の当事者が同一方向の意思表示をして成立する法律行為
    • D. 裁判所の判決によってのみ成立する法律行為

    正解: A. 当事者の対立する意思表示(申込みと承諾)が合致することによって成立する法律行為契約は、申込みと承諾という対立する当事者の意思表示が合致することによって成立する法律行為(双方行為)である。1人の意思表示のみで成立するものは単独行為(遺言等)と呼ばれる。

  7. 7. 心裡留保(しんりりゅうほ)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 表意者が真意でないことを自分で知りながら意思表示をすること
    • B. 相手方と通謀して虚偽の意思表示をすること
    • C. 他人にだまされて意思表示をすること
    • D. 第三者から脅されて意思表示をすること

    正解: A. 表意者が真意でないことを自分で知りながら意思表示をすること心裡留保は、表意者が自分の真意でないことを知りながら意思表示をすることであり、原則として有効だが、相手方が悪意または善意有過失の場合は無効となる。

  8. 8. 虚偽表示(通謀虚偽表示)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 相手方と示し合わせて、真意ではない意思表示を行うこと
    • B. 自分一人の判断で真意でない意思表示をすること
    • C. 第三者から詐欺を受けて行う意思表示
    • D. 錯誤に基づいて行う意思表示

    正解: A. 相手方と示し合わせて、真意ではない意思表示を行うこと虚偽表示(通謀虚偽表示)は、相手方と示し合わせて(通謀して)真意でない意思表示を行うことであり、当事者間では原則として無効だが、善意の第三者には対抗できない。

  9. 9. 民法上の錯誤による意思表示が取り消せるための要件として最も適切なものはどれか。

    • A. その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであること
    • B. 表意者にどんなに軽微な勘違いでもあれば常に取り消せる
    • C. 相手方が全く関与していない場合に限り取り消せる
    • D. 錯誤による意思表示は常に無効であり、取消しの必要がない

    正解: A. その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであること錯誤による意思表示は、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なもの(要素の錯誤)であるときに取り消すことができる。表意者に重大な過失があった場合は原則として取り消せない。

  10. 10. 詐欺による意思表示の効力として最も適切なものはどれか。

    • A. 表意者は詐欺を理由に意思表示を取り消すことができる
    • B. 詐欺による意思表示は当然に無効であり、取消しの意思表示は不要である
    • C. 詐欺による意思表示は取り消すことができず、常に有効である
    • D. 第三者による詐欺の場合は、相手方の善意悪意を問わず常に取り消せる

    正解: A. 表意者は詐欺を理由に意思表示を取り消すことができる詐欺による意思表示は、表意者がこれを理由として取り消すことができる。ただし第三者が詐欺を行った場合、相手方がその事実を知り、または知ることができたときに限り取り消せる。また善意無過失の第三者には対抗できない。

  11. 11. 代理制度における「顕名主義」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 代理人が本人のためにすることを相手方に示して意思表示を行う原則
    • B. 代理人が自己の名で契約し、その効果も代理人自身に帰属する原則
    • C. 代理契約を必ず書面で締結しなければならない原則
    • D. 本人の同意なく代理行為を行ってよいとする原則

    正解: A. 代理人が本人のためにすることを相手方に示して意思表示を行う原則顕名主義とは、代理人が「本人のためにすること」を相手方に示して意思表示を行う必要があるとする原則であり、顕名がなければ原則として代理人自身のための意思表示とみなされる。

  12. 12. 無権代理の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 代理権がないにもかかわらず代理人として行為をすること
    • B. 本人から正式に代理権を授与された代理人が行う行為
    • C. 法律の規定によって当然に生じる代理(法定代理)のみを指す
    • D. 代理契約の解除後に行う適法な行為

    正解: A. 代理権がないにもかかわらず代理人として行為をすること無権代理は、代理権がないにもかかわらず代理人として行為をすることであり、原則として本人に効果は帰属せず、本人の追認がなければ無権代理人が責任を負う。

  13. 13. 表見代理制度の目的として最も適切なものはどれか。

    • A. 代理権があるかのような外観を信頼した相手方を保護すること
    • B. 本人の利益のみを一方的に保護すること
    • C. 無権代理人を刑事罰に処すること
    • D. 代理契約を必ず無効にすること

    正解: A. 代理権があるかのような外観を信頼した相手方を保護すること表見代理は、代理権があるかのような外観が存在し、相手方がそれを信頼したことについて正当な理由がある場合に、取引の安全を図るため本人に責任を負わせる制度である。

  14. 14. 契約はどの時点で成立するか、最も適切なものはどれか。

    • A. 申込みに対して承諾の意思表示がなされた(到達した)時点
    • B. 契約書に双方が署名・押印した時点でなければ成立しない
    • C. 商品の引渡しが完了した時点でなければ成立しない
    • D. 代金の支払いが完了した時点でなければ成立しない

    正解: A. 申込みに対して承諾の意思表示がなされた(到達した)時点契約は原則として、申込みに対して相手方の承諾の意思表示が到達した時点で成立する(諾成契約の原則)。契約書の作成は多くの場合、成立要件ではなく証拠のためのものである。

  15. 15. 諾成契約の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 当事者の意思表示の合致のみによって成立し、物の引渡し等を成立要件としない契約
    • B. 物の引渡しがなければ成立しない契約
    • C. 必ず書面によらなければ成立しない契約
    • D. 公正証書によらなければ成立しない契約

    正解: A. 当事者の意思表示の合致のみによって成立し、物の引渡し等を成立要件としない契約諾成契約は、当事者の意思表示の合致のみによって成立する契約であり、売買契約などの多くの典型契約がこれにあたる。物の引渡しを成立要件とする契約は要物契約と呼ばれる。

  16. 16. 民法上の典型契約の名称と内容を対応させよ。

    • 売買 ー (     )
    • 賃貸借 ー (     )
    • 請負 ー (     )
    • 委任 ー (     )

    正解: 売買→財産権を移転し、その対価として代金を支払う契約、賃貸借→物を使用収益させ、その対価として賃料を支払う契約、請負→仕事の完成を約し、その結果に対して報酬を支払う契約、委任→法律行為をすることを委託し、受任者がこれを承諾する契約民法は13種類の典型契約(有名契約)を定めており、売買・賃貸借・請負・委任はその代表例。それぞれ契約の目的・当事者の義務の内容が異なる。

  17. 17. 請負契約と委任契約の違いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 請負は仕事の完成を約束する契約であり、委任は法律行為等の事務処理を委託する契約である
    • B. 請負と委任は全く同じ内容の契約であり呼び方が異なるだけである
    • C. 請負契約には報酬の定めを置くことができない
    • D. 委任契約は必ず有償でなければならない

    正解: A. 請負は仕事の完成を約束する契約であり、委任は法律行為等の事務処理を委託する契約である請負契約は仕事の完成(結果)を目的とする契約であるのに対し、委任契約は法律行為その他の事務処理(過程)を委託する契約であり、結果の完成自体は必須ではない点が異なる。

  18. 18. 履行遅滞の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 債務の履行が可能であるにもかかわらず、履行期を過ぎても履行しないこと
    • B. 債務の履行がそもそも不可能になったこと
    • C. 債務の履行はしたが内容が不完全であったこと
    • D. 債権者が受け取りを拒否したこと

    正解: A. 債務の履行が可能であるにもかかわらず、履行期を過ぎても履行しないこと履行遅滞は、債務の履行が可能であるにもかかわらず、履行期を過ぎても債務者が履行しない債務不履行の類型である。履行が不可能になった場合は履行不能と呼ばれる。

  19. 19. 履行不能の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 契約や社会通念に照らして債務の履行が不可能になったこと
    • B. 債務者が単に履行を遅らせているだけであること
    • C. 債務の内容通りではあるが質が低い履行がなされたこと
    • D. 債権者が履行を受け取らないこと

    正解: A. 契約や社会通念に照らして債務の履行が不可能になったこと履行不能は、契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして、債務の履行が不可能になった債務不履行の類型である(目的物の滅失等)。

  20. 20. 契約の解除の効果として最も適切なものはどれか。

    • A. 契約は初めからなかったことになり、当事者は原状回復義務を負う
    • B. 契約は将来に向かってのみ効力を失い、過去に受け取った物は返還不要である
    • C. 契約の解除をしても損害賠償請求は一切できなくなる
    • D. 解除には相手方の承諾が常に必要である

    正解: A. 契約は初めからなかったことになり、当事者は原状回復義務を負う契約が解除されると、契約は原則として初めから(遡って)なかったことになり、当事者は原状回復義務を負う(既に受領した物の返還義務等)。また解除によっても損害賠償請求は妨げられない。

  21. 21. 催告による解除の要件として最も適切なものはどれか。

    • A. 相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないこと
    • B. 催告を一切行わずいつでも即座に解除できる
    • C. 裁判所の許可を得なければ催告できない
    • D. 催告は口頭で行うことが法律上禁止されている

    正解: A. 相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないこと催告による解除は、相手方の債務不履行に対し、相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がない場合に契約を解除できるとする一般的な解除の要件である。

  22. 22. 取得時効の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 一定期間、他人の物を自己の物として占有し続けることで所有権等を取得する制度
    • B. 一定期間権利を行使しないことで、その権利が消滅する制度
    • C. 契約書を一定期間保存しなければならない制度
    • D. 会社の設立から一定期間経過すると自動的に解散する制度

    正解: A. 一定期間、他人の物を自己の物として占有し続けることで所有権等を取得する制度取得時効は、一定期間、他人の物を自己の物として占有し続けること(自主占有)によって、その所有権等の権利を取得する制度である。

  23. 23. 消滅時効の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 権利を行使することができる時から一定期間権利を行使しないことで、その権利が消滅する制度
    • B. 他人の物を占有することで所有権を取得する制度
    • C. 契約締結後、常に5年で契約自体が自動的に無効になる制度
    • D. 犯罪の時効のみを指す用語である

    正解: A. 権利を行使することができる時から一定期間権利を行使しないことで、その権利が消滅する制度消滅時効は、権利を行使することができる時から一定期間、権利者が権利を行使しない状態が継続することによって、その権利が消滅する制度である(債権は原則として権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)。

  24. 24. 時効の完成猶予・更新の制度趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 権利者が権利行使の意思を示した場合等に、時効の完成を一定期間止めたり、進行していた期間をリセットしたりする
    • B. 時効は一度完成すると誰の請求があっても絶対に覆せないようにする
    • C. 全ての権利について時効を撤廃するための制度
    • D. 契約書を紛失した場合にのみ適用される特別な制度

    正解: A. 権利者が権利行使の意思を示した場合等に、時効の完成を一定期間止めたり、進行していた期間をリセットしたりする権利者が裁判上の請求などを行った場合、時効の完成が一定期間猶予される(完成猶予)、あるいは確定判決等により進行していた時効期間がリセットされ新たに進行を始める(更新)などの制度が設けられている。

  25. 25. 贈与契約の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 当事者の一方が無償で財産を相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することで成立する契約
    • B. 必ず対価を伴う契約であり、無償の契約は贈与に該当しない
    • C. 書面によらなければ一切成立しない契約
    • D. 会社間の取引でのみ用いられる契約類型

    正解: A. 当事者の一方が無償で財産を相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することで成立する契約贈与契約は、当事者の一方(贈与者)が無償で財産を相手方(受贈者)に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって成立する諾成・無償の契約である。

  26. 26. 使用貸借契約の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 無償で目的物を使用収益させることを内容とする契約
    • B. 必ず賃料の支払いを伴う契約
    • C. 金銭の消費を目的とする契約
    • D. 労務の提供のみを目的とする契約

    正解: A. 無償で目的物を使用収益させることを内容とする契約使用貸借契約は、無償で目的物を借主に使用収益させることを内容とする契約であり、賃料を伴う賃貸借契約とは異なる。

  27. 27. 雇用契約の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働者が労務に従事し、使用者がその対価として報酬を支払う契約
    • B. 仕事の完成を約束し、結果に対してのみ報酬を支払う契約
    • C. 法律行為の代理のみを目的とする契約
    • D. 無償で労務を提供することのみを目的とする契約

    正解: A. 労働者が労務に従事し、使用者がその対価として報酬を支払う契約雇用契約は、労働者が使用者に対して労務に従事することを約し、使用者がこれに対してその報酬を支払うことを約する契約であり、実務上は労働基準法等の労働関係法令による修正も受ける。

  28. 28. 公序良俗違反の法律行為の効力として最も適切なものはどれか。

    • A. 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は無効である
    • B. 公序良俗違反の法律行為は取り消すことができるにとどまり、追認すれば有効になる
    • C. 公序良俗という概念は商取引には一切適用されない
    • D. 公序良俗違反は刑事罰の対象になるだけで、私法上の効力には影響しない

    正解: A. 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は無効である民法上、公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とされる。取消しとは異なり、当初から効力を生じない点に注意が必要である。

  29. 29. 強行法規と任意法規の違いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 強行法規は当事者の合意によって排除できないが、任意法規は当事者の合意で内容を変更できる
    • B. 強行法規と任意法規は全く同じ効力を持つ
    • C. 任意法規は当事者の合意によっても絶対に変更できない
    • D. 強行法規は私人間の契約には一切適用されない

    正解: A. 強行法規は当事者の合意によって排除できないが、任意法規は当事者の合意で内容を変更できる強行法規は公益的な観点から当事者の合意によっても排除できない規定(労働基準法の多くの規定等)であり、任意法規は当事者間の合意によって内容を変更できる規定(契約自由の原則が働く多くの民法規定)である。

  30. 30. 法定代理と任意代理の違いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 法定代理は法律の規定に基づいて代理権が生じ、任意代理は本人の意思に基づいて代理権が授与される
    • B. 法定代理と任意代理はいずれも本人の意思によってのみ生じる
    • C. 任意代理は未成年者の親権者にのみ認められる代理である
    • D. 法定代理は会社の取締役にのみ認められる代理である

    正解: A. 法定代理は法律の規定に基づいて代理権が生じ、任意代理は本人の意思に基づいて代理権が授与される法定代理は法律の規定に基づいて当然に代理権が発生する代理(親権者・成年後見人等)であり、任意代理は本人が代理人に代理権を授与する意思表示(委任等)に基づいて生じる代理である。

  31. 31. 契約自由の原則に含まれる内容として最も適切でないものはどれか。

    • A. 強行法規に違反する内容の契約でも常に有効とする自由
    • B. 契約を締結するかどうかを決定する自由
    • C. 契約の相手方を選択する自由
    • D. 契約の内容を当事者が自由に決定する自由

    正解: A. 強行法規に違反する内容の契約でも常に有効とする自由契約自由の原則は「締結の自由」「相手方選択の自由」「内容決定の自由」「方式の自由」から成るが、強行法規や公序良俗に反する内容の契約は無効となり、契約自由の原則にも一定の限界がある。

  32. 32. 寄託契約の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 当事者の一方が相手方のために物を保管することを約する契約
    • B. 金銭の貸し借りのみを目的とする契約
    • C. 労務の提供のみを目的とする契約
    • D. 不動産の売買のみを目的とする契約

    正解: A. 当事者の一方が相手方のために物を保管することを約する契約寄託契約は、当事者の一方(受寄者)が相手方(寄託者)のために物を保管することを約する契約であり、倉庫業者への物品保管委託などがこれにあたる。

  33. 33. 条件(停止条件・解除条件)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 停止条件は成就により効力が発生し、解除条件は成就により効力が消滅する
    • B. 停止条件も解除条件もいずれも成就により効力が発生する
    • C. 条件付き法律行為は条件成就前であっても常に無効である
    • D. 停止条件と解除条件に法的な違いはない

    正解: A. 停止条件は成就により効力が発生し、解除条件は成就により効力が消滅する停止条件は、その条件が成就することによって法律行為の効力が発生する条件であり、解除条件は、その条件が成就することによって既に生じていた効力が消滅する条件である。

  34. 34. 期限(確定期限・不確定期限)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 到来することは確実であるが、到来時期が確定しているかどうかで区別される
    • B. 期限は必ず到来するかどうかが不確実な事実である
    • C. 確定期限は到来するかどうか不確実である
    • D. 期限という概念は契約には一切適用されない

    正解: A. 到来することは確実であるが、到来時期が確定しているかどうかで区別される期限は到来することが確実な事実であり、到来時期が確定している「確定期限」(〇年〇月〇日等)と、到来することは確実だが時期が不確定な「不確定期限」(人の死亡等)に分類される。到来が不確実な条件とは区別される。

  35. 35. 強迫による意思表示の効力として最も適切なものはどれか。

    • A. 表意者は強迫を理由に意思表示を取り消すことができる
    • B. 強迫による意思表示は当然に無効であり、取消しの意思表示は不要である
    • C. 強迫による意思表示であっても取消しは一切認められない
    • D. 強迫の場合、善意の第三者にも常に対抗できない

    正解: A. 表意者は強迫を理由に意思表示を取り消すことができる強迫による意思表示は、表意者がこれを理由として取り消すことができる。詐欺の場合と異なり、強迫の場合は善意無過失の第三者に対しても取消しの効果を対抗できる点が特徴である。

  36. 36. 実体法と手続法の違いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 実体法は権利義務の内容そのものを定め、手続法はその実現手続を定める
    • B. 実体法と手続法はいずれも権利義務の実現手続のみを定める
    • C. 実体法は民事訴訟法のみを指す
    • D. 手続法は民法・商法のみを指す

    正解: A. 実体法は権利義務の内容そのものを定め、手続法はその実現手続を定める実体法は権利義務の発生・変更・消滅の内容そのものを定める法(民法・商法等)であり、手続法はその権利義務を実現するための手続を定める法(民事訴訟法・民事執行法等)である。

  37. 37. 契約の「解除」と「取消し」の違いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 解除は有効に成立した契約を債務不履行等を理由に消滅させる制度、取消しは意思表示の瑕疵等を理由に法律行為を消滅させる制度である
    • B. 解除と取消しは全く同じ意味で使われる制度である
    • C. 解除は制限行為能力者を保護するためだけの制度である
    • D. 取消しは債務不履行があった場合にのみ認められる制度である

    正解: A. 解除は有効に成立した契約を債務不履行等を理由に消滅させる制度、取消しは意思表示の瑕疵等を理由に法律行為を消滅させる制度である解除は、有効に成立した契約を、相手方の債務不履行等を理由に一方的な意思表示で消滅させる制度であるのに対し、取消しは、制限行為能力や意思表示の瑕疵(錯誤・詐欺・強迫等)を理由に法律行為の効力を遡って消滅させる制度である。

  38. 38. 無効と取消しの違いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 無効は初めから当然に効力を生じないが、取消しは取消しの意思表示があって初めて遡って効力を失う
    • B. 無効も取消しも意思表示が必要な点で共通する
    • C. 取消しは常に第三者にも対抗できる
    • D. 無効な行為は追認によって有効にすることができる

    正解: A. 無効は初めから当然に効力を生じないが、取消しは取消しの意思表示があって初めて遡って効力を失う無効な法律行為は、特段の意思表示を要せず初めから当然に効力を生じない。これに対し取消しうべき行為は、取消権者が取消しの意思表示をして初めて、その効力が遡って失われる(それまでは一応有効)。

  39. 39. 消費貸借契約の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 借主が受け取った物を消費し、同種・同等・同量の物を返還することを約する契約
    • B. 借主が借りた物そのものを返還することを約する契約
    • C. 必ず無利息でなければならない契約
    • D. 不動産についてのみ成立する契約

    正解: A. 借主が受け取った物を消費し、同種・同等・同量の物を返還することを約する契約消費貸借契約は、借主が相手方から金銭その他の物を受け取り、これを消費した上で、種類・品質・数量の同じ物をもって返還することを約する契約であり、金銭消費貸借(お金の貸し借り)が代表例である。

  40. 40. 民法と商法の関係として最も適切なものはどれか。

    • A. 商法は商取引に関する民法の特別法であり、商法に規定がない事項には民法が適用される
    • B. 商法と民法は全く別個独立で相互に関係しない
    • C. 商法は刑事責任のみを定める法律である
    • D. 民法は会社にのみ適用され、個人には適用されない

    正解: A. 商法は商取引に関する民法の特別法であり、商法に規定がない事項には民法が適用される商法は商人間の取引など商行為に関する民法の特別法という位置づけであり、「特別法は一般法に優先する」原則に基づき、商法に規定がある事項は商法が優先適用され、規定がない事項には一般法である民法が適用される。