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ビジネス実務法務2級 企業活動と法規制(応用)

40問 / トルカ(https://toruca.app)

  1. 1. 独占禁止法上の企業結合規制の目的として最も適切なものはどれか。

    • A. 合併・株式取得等により一定の取引分野における競争が実質的に制限されることを防止すること
    • B. 全ての企業結合(合併等)を一律に禁止すること
    • C. 企業結合規制は上場企業のみを対象とし非上場企業には一切適用されない
    • D. 企業結合規制は国内企業同士の結合にのみ適用され外国企業には一切適用されない

    正解: A. 合併・株式取得等により一定の取引分野における競争が実質的に制限されることを防止すること独占禁止法上の企業結合規制は、合併・株式取得・事業譲受け等の企業結合により、一定の取引分野における競争が実質的に制限されることとなる場合を規制し、公正取引委員会への届出・審査を通じて競争環境の維持を図るものである。

  2. 2. 一定規模以上の会社間の株式取得・合併等について公正取引委員会への届出が義務付けられる趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 競争制限的な企業結合を事前に審査し、必要に応じて是正措置を求められるようにするため
    • B. 届出は単なる統計データの収集のみを目的とする
    • C. 届出義務は全ての企業結合に例外なく適用される
    • D. 届出をすれば企業結合の適法性が自動的に確定する

    正解: A. 競争制限的な企業結合を事前に審査し、必要に応じて是正措置を求められるようにするため一定の売上高基準を超える会社間の株式取得・合併等については、公正取引委員会への事前届出が義務付けられており、これにより競争制限的な企業結合を事前に審査し、問題がある場合には是正措置(問題解消措置)を求めることができる仕組みとなっている。

  3. 3. 金融商品取引法が規制する「インサイダー取引」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 上場会社の役職員等が、未公表の重要事実を知りながらその会社の株式等を売買すること
    • B. 上場会社の株式を市場で公正に売買すること全般を指す
    • C. インサイダー取引は民事責任のみが問題となり刑事罰の対象にはならない
    • D. インサイダー取引規制は非上場会社の株式取引にも同様に適用される

    正解: A. 上場会社の役職員等が、未公表の重要事実を知りながらその会社の株式等を売買することインサイダー取引は、上場会社の役職員や特定の関係者等が、株価に重要な影響を与えうる未公表の情報(重要事実)を知りながら、その会社の株式等を売買することであり、金融商品取引法上禁止され、刑事罰の対象ともなりうる。

  4. 4. 金融商品取引法上の「適時開示」制度の趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 投資家の投資判断に重要な影響を与える会社情報を、速やかに開示することで市場の公正性・透明性を確保すること
    • B. 適時開示は年に1回のみ行えばよいとする制度である
    • C. 適時開示は上場会社の任意の判断のみに委ねられる制度である
    • D. 適時開示制度は非上場会社にも当然に義務付けられる

    正解: A. 投資家の投資判断に重要な影響を与える会社情報を、速やかに開示することで市場の公正性・透明性を確保すること適時開示制度は、上場会社の決定事実・発生事実・決算情報等、投資家の投資判断に重要な影響を与える情報を、証券取引所のルール等に基づき速やかに開示することを求める制度であり、金融商品市場の公正性・透明性を確保する目的がある。

  5. 5. 特許権の共有における実施・実施許諾に関する原則として最も適切なものはどれか。

    • A. 共有者は原則として他の共有者の同意を得なくても自ら実施できるが、第三者へのライセンスには他の共有者全員の同意が必要となる
    • B. 共有特許権は共有者全員の同意がなければ自己実施も一切できない
    • C. 共有特許権の場合、第三者へのライセンスも共有者の1人の判断のみで自由に行える
    • D. 特許権の共有という制度は特許法上認められていない

    正解: A. 共有者は原則として他の共有者の同意を得なくても自ら実施できるが、第三者へのライセンスには他の共有者全員の同意が必要となる特許権が共有されている場合、各共有者は原則として他の共有者の同意を得ずに自ら特許発明を実施することができるが、第三者に通常実施権を許諾する場合には、他の共有者全員の同意を得る必要があるとされている。

  6. 6. 専用実施権と通常実施権の違いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 専用実施権は設定範囲内で独占的に実施でき特許権者自身も実施できなくなるが、通常実施権は独占性がなく重複して許諾できる
    • B. 専用実施権・通常実施権のいずれも特許庁への登録が実施権発生の要件である
    • C. 通常実施権は専用実施権よりも常に強い権利である
    • D. 専用実施権は特許庁への登録がなくても第三者に対抗できる

    正解: A. 専用実施権は設定範囲内で独占的に実施でき特許権者自身も実施できなくなるが、通常実施権は独占性がなく重複して許諾できる専用実施権は、設定した範囲内で独占的に特許発明を実施できる権利であり、設定すると特許権者自身もその範囲では実施できなくなる(特許庁への登録が効力発生要件)。これに対し通常実施権は独占性がなく、複数の者に重複して許諾することができる。

  7. 7. 特許の「先願主義」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 同一の発明について複数の出願があった場合、最先の出願人のみが特許を受けることができる原則
    • B. 最初に発明を完成させた者が常に特許を受けられる原則(先発明主義)と同じ意味である
    • C. 先願主義のもとでは出願日の先後は特許の帰趨に一切影響しない
    • D. 先願主義は商標登録にのみ適用される原則である

    正解: A. 同一の発明について複数の出願があった場合、最先の出願人のみが特許を受けることができる原則先願主義は、同一の発明について複数の特許出願がなされた場合、発明の完成時期の先後にかかわらず、最も早く出願した者のみが特許を受けることができるとする原則であり、日本の特許法はこの先願主義を採用している(最初に発明した者を優先する先発明主義とは異なる)。

  8. 8. 特許出願における新規性喪失の例外規定の趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 発明者自らの行為等により発明が公知となった場合でも、一定の期間内に出願すれば新規性を失っていないものとして扱う救済措置
    • B. この規定を利用すれば出願期限を無期限に延長できる
    • C. 新規性喪失の例外規定は第三者による公知行為にのみ適用される
    • D. 新規性喪失の例外規定を利用すると先願主義の適用が完全に排除される

    正解: A. 発明者自らの行為等により発明が公知となった場合でも、一定の期間内に出願すれば新規性を失っていないものとして扱う救済措置新規性喪失の例外規定は、発明者自身の学会発表や試作品の展示等により発明が公知となってしまった場合でも、公知になった日から一定期間内(日本では原則1年以内)に特許出願をすれば、新規性を喪失していないものとして扱う救済措置である。

  9. 9. 個人情報保護法上の「匿名加工情報」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 特定の個人を識別できないように個人情報を加工し、当該個人情報を復元できないようにした情報
    • B. 匿名加工情報は元の個人情報と全く同じ扱いを受ける情報である
    • C. 匿名加工情報を作成すれば本人の同意なくいかなる目的にも自由に利用できなくなるわけではないが、一切の規制対象外となる
    • D. 匿名加工情報の作成には常に本人の事前同意が必要である

    正解: A. 特定の個人を識別できないように個人情報を加工し、当該個人情報を復元できないようにした情報匿名加工情報は、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工し、かつ当該個人情報を復元できないようにした情報であり、一定の作成方法・公表義務等のルールに従うことで、本人同意なく第三者提供等の取扱いが可能となる(ただし匿名加工情報としての法律上の義務は別途課される)。

  10. 10. 個人データの越境移転(外国にある第三者への提供)に関する個人情報保護法上の規制として最も適切なものはどれか。

    • A. 原則として、移転先の国が十分性認定を受けている場合等の例外を除き、本人からの同意取得等が必要となる
    • B. 越境移転には一切の規制が存在しない
    • C. 越境移転は国内での第三者提供と全く同一の規制のみが適用される
    • D. 越境移転は個人情報保護法の適用対象外である

    正解: A. 原則として、移転先の国が十分性認定を受けている場合等の例外を除き、本人からの同意取得等が必要となる個人データを外国にある第三者に提供する場合、原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要があるが、移転先の国が個人情報保護委員会規則で定める基準に適合する体制を整備している場合や、十分性認定を受けた国への移転等、一定の例外が定められている。

  11. 11. 景品表示法における「打消し表示」に関する留意点として最も適切なものはどれか。

    • A. 強調表示に対する例外や制約条件を示す打消し表示が、一般消費者に認識されない態様であれば不当表示につながるおそれがある
    • B. 打消し表示は常に強調表示より大きな文字で表示しなければならない
    • C. 打消し表示は一切表示する必要がない
    • D. 打消し表示があれば強調表示の内容がどれほど誇大であっても常に適法となる

    正解: A. 強調表示に対する例外や制約条件を示す打消し表示が、一般消費者に認識されない態様であれば不当表示につながるおそれがある広告等における強調表示(「無料」「〇〇%オフ」等)に対する例外や条件を示す「打消し表示」が、文字が小さすぎる、表示位置が離れている等の理由で一般消費者に適切に認識されない場合、実質的に強調表示のみが伝わり、不当表示(優良誤認・有利誤認)に該当するおそれがある点に留意が必要である。

  12. 12. 景品表示法上の「課徴金制度」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 優良誤認表示・有利誤認表示を行った事業者に対し、対象商品等の売上額に一定率を乗じた課徴金の納付を命じることができる制度
    • B. 課徴金制度は景品表示法には存在しない制度である
    • C. 課徴金は違反事業者の希望があれば一律に免除される
    • D. 課徴金の納付を命じられても是正措置は一切不要になる

    正解: A. 優良誤認表示・有利誤認表示を行った事業者に対し、対象商品等の売上額に一定率を乗じた課徴金の納付を命じることができる制度景品表示法上、優良誤認表示・有利誤認表示を行った事業者に対しては、対象商品・サービスの売上額に一定率を乗じた課徴金の納付を命じることができる課徴金制度が設けられている(自主申告による課徴金の減額制度等もある)。

  13. 13. 産業廃棄物の処理に関する排出事業者責任の原則として最も適切なものはどれか。

    • A. 産業廃棄物を排出した事業者が、その処理を適正に行う(または委託先に適正な処理を行わせる)責任を負う
    • B. 排出事業者は処理業者に委託すればその後の一切の責任を免れる
    • C. 産業廃棄物の処理責任は国が全て負うものであり事業者には責任がない
    • D. 排出事業者責任の原則は大企業にのみ適用される

    正解: A. 産業廃棄物を排出した事業者が、その処理を適正に行う(または委託先に適正な処理を行わせる)責任を負う廃棄物処理法上、産業廃棄物を排出した事業者は、自らその処理を行うか、許可を受けた処理業者に委託して適正な処理を行わせる責任(排出事業者責任)を負っており、委託後も産業廃棄物管理票(マニフェスト)による処理状況の確認義務等が課される。

  14. 14. 産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度の目的として最も適切なものはどれか。

    • A. 廃棄物の排出から最終処分に至るまでの流れを記録・管理し、不法投棄等の不適正処理を防止すること
    • B. マニフェストは廃棄物の販売価格を証明するための書類である
    • C. マニフェスト制度は排出事業者の責任を完全に免除するための制度である
    • D. マニフェストは廃棄物の運搬業者にのみ交付が義務付けられる

    正解: A. 廃棄物の排出から最終処分に至るまでの流れを記録・管理し、不法投棄等の不適正処理を防止すること産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度は、廃棄物の排出事業者が処理を委託する際にマニフェストを交付し、収集運搬・処分の各段階で報告を受けることで、廃棄物の流れを把握・管理し、不法投棄等の不適正な処理を防止することを目的とする制度である。

  15. 15. 電子帳簿保存法が求める「電子取引」データの保存義務の内容として最も適切なものはどれか。

    • A. 電子的に授受した取引情報(見積書・請求書等)を、真実性・可視性の要件を満たす形で電磁的に保存すること
    • B. 電子取引データは紙に印刷して保存すれば電子データ自体は破棄してよい
    • C. 電子帳簿保存法は税務書類の保存には一切関係しない法律である
    • D. 電子取引データの保存には特段の要件が課されない

    正解: A. 電子的に授受した取引情報(見積書・請求書等)を、真実性・可視性の要件を満たす形で電磁的に保存すること電子帳簿保存法上、電子的に授受した取引情報(見積書・注文書・請求書等)については、タイムスタンプの付与や訂正・削除の履歴が残るシステムの利用等による真実性の確保、及び検索機能の確保等の可視性の要件を満たしたうえで電磁的に保存することが求められている。

  16. 16. 適格請求書等保存方式(インボイス制度)の趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 複数税率のもとで適正な消費税額の計算を行うため、一定の記載事項を満たす適格請求書の保存を仕入税額控除の要件とする制度
    • B. インボイス制度は所得税の計算にのみ関係する制度である
    • C. インボイス制度のもとでは誰でも無条件で適格請求書を発行できる
    • D. インボイス制度は法人にのみ適用され個人事業主には一切関係しない

    正解: A. 複数税率のもとで適正な消費税額の計算を行うため、一定の記載事項を満たす適格請求書の保存を仕入税額控除の要件とする制度適格請求書等保存方式(インボイス制度)は、軽減税率制度のもと複数税率が併存する状況下で、適正な消費税額の計算・仕入税額控除を行うため、登録を受けた適格請求書発行事業者が発行する、一定の記載事項(登録番号・税率ごとの消費税額等)を満たす適格請求書の保存を仕入税額控除の要件とする制度である。

  17. 17. 独占禁止法上の「一定の取引分野」の画定にあたって考慮される要素として最も適切なものはどれか。

    • A. 商品・役務の代替性、地理的範囲等の需要者・供給者の観点からの市場の範囲
    • B. 取引に関与する企業の従業員数のみ
    • C. 取引先企業の資本金の額のみ
    • D. 取引される商品の色や形状のみ

    正解: A. 商品・役務の代替性、地理的範囲等の需要者・供給者の観点からの市場の範囲独占禁止法における「一定の取引分野」(市場)の画定にあたっては、商品・役務の代替性(需要者にとって代替可能な範囲か)、地理的範囲(どの地域まで競争が及ぶか)等、経済実態に即した観点から市場の範囲が検討される。

  18. 18. 独占禁止法違反行為に対する「排除措置命令」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 公正取引委員会が違反事業者に対し、違反行為の差止めや再発防止措置等を命じる行政処分
    • B. 排除措置命令は必ず刑事罰を伴わなければ発することができない
    • C. 排除措置命令に従わなくても事業者には何ら不利益が生じない
    • D. 排除措置命令は民間企業同士の合意のみで完結する制度である

    正解: A. 公正取引委員会が違反事業者に対し、違反行為の差止めや再発防止措置等を命じる行政処分排除措置命令は、公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いがある行為について、違反事業者に対しその行為の差止め、契約条項の削除、再発防止のための措置等を命じる行政処分であり、命令に従わない場合には刑事罰の対象となりうる。

  19. 19. 同一労働同一賃金の考え方(パートタイム・有期雇用労働法)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 職務内容等が同一である場合、正社員と非正規雇用労働者との間で不合理な待遇差を設けてはならないとする考え方
    • B. 同一労働同一賃金は正社員のみに適用され非正規雇用労働者には一切関係しない
    • C. 同一労働同一賃金は賃金以外の待遇(福利厚生等)には一切適用されない
    • D. 同一労働同一賃金の考え方は法律上の根拠を持たない企業の任意の取り組みにすぎない

    正解: A. 職務内容等が同一である場合、正社員と非正規雇用労働者との間で不合理な待遇差を設けてはならないとする考え方パートタイム・有期雇用労働法上の同一労働同一賃金の考え方は、職務内容・配置の変更範囲等が同一である場合、正社員と短時間労働者・有期雇用労働者との間で、賃金だけでなく賞与・手当・福利厚生等の待遇について不合理な差を設けることを禁止するものである。

  20. 20. 整理解雇(経営上の理由による解雇)が有効と認められるために考慮される要素として最も適切でないものはどれか。

    • A. 解雇対象者の私生活における個人的な趣味嗜好
    • B. 人員削減の必要性
    • C. 解雇回避努力(配置転換等の実施)
    • D. 解雇対象者の選定基準の合理性

    正解: A. 解雇対象者の私生活における個人的な趣味嗜好整理解雇の有効性は、判例上いわゆる整理解雇の4要素(人員削減の必要性、解雇回避努力義務の履行、被解雇者選定の合理性、手続の妥当性)を総合的に考慮して判断されるとされており、解雇対象者の私生活上の趣味嗜好はこれらの考慮要素に含まれない。

  21. 21. 労働災害に対する使用者の安全配慮義務の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 使用者は労働者の生命・身体等の安全を確保しつつ労働できるよう必要な配慮をする義務を負う
    • B. 安全配慮義務は労働契約に明記された場合にのみ発生する義務である
    • C. 安全配慮義務違反があっても使用者は一切の民事責任を負わない
    • D. 安全配慮義務は正社員にのみ適用され、パート・アルバイトには適用されない

    正解: A. 使用者は労働者の生命・身体等の安全を確保しつつ労働できるよう必要な配慮をする義務を負う使用者は、労働契約に伴い信義則上、労働者がその生命・身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう必要な配慮をする安全配慮義務を負うとされており(労働契約法にも明文化)、これに違反し労働災害が発生した場合、使用者は債務不履行または不法行為に基づく損害賠償責任を負いうる。

  22. 22. 職務著作(法人著作)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 法人等の発意に基づきその業務に従事する者が職務上作成する著作物で、一定の要件を満たす場合、法人等が著作者となる
    • B. 職務著作は常に個々の従業員が著作者となる制度である
    • C. 職務著作の制度は特許権にのみ存在し著作権には存在しない
    • D. 職務著作に該当すると著作権自体が一切発生しなくなる

    正解: A. 法人等の発意に基づきその業務に従事する者が職務上作成する著作物で、一定の要件を満たす場合、法人等が著作者となる職務著作(法人著作)は、法人等の発意に基づきその業務に従事する者が職務上作成する著作物について、契約・就業規則等に別段の定めがない限り、その法人等自身が著作者となる制度であり、企業が業務上作成した著作物の権利を一元的に管理できる利点がある。

  23. 23. 商標の「先使用権」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 他人の商標登録出願前から不正競争の目的なく使用していた商標について、一定の要件のもとで継続的に使用できる権利
    • B. 先使用権は商標登録を受けた者にのみ認められる権利である
    • C. 先使用権があれば商標権者と同様に他人に使用を禁止できる
    • D. 先使用権は特許法にのみ存在し商標法には存在しない

    正解: A. 他人の商標登録出願前から不正競争の目的なく使用していた商標について、一定の要件のもとで継続的に使用できる権利商標法上の先使用権は、他人の商標登録出願前から不正競争の目的なくその商標を使用しており、出願時に周知性を有していた者について、その使用の範囲内で継続的にその商標を使用できる権利であり、後から登録された商標権の効力が制限される場面である。

  24. 24. 労働者派遣における「労働契約申込みみなし制度」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 派遣先が違法派遣を受け入れた場合、派遣先が派遣労働者に対して労働契約の申込みをしたものとみなす制度
    • B. 労働契約申込みみなし制度は派遣元にのみ適用される制度である
    • C. この制度が適用されても派遣労働者は何ら保護を受けない
    • D. 労働契約申込みみなし制度は適法な派遣にも常に適用される

    正解: A. 派遣先が違法派遣を受け入れた場合、派遣先が派遣労働者に対して労働契約の申込みをしたものとみなす制度労働契約申込みみなし制度は、派遣先が労働者派遣の禁止業務での受入れや無許可派遣元からの受入れ等の違法派遣を行った場合、派遣先が派遣労働者に対してその派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなす制度であり、違法派遣に対する労働者保護の観点から設けられている。

  25. 25. 確約手続の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 違反被疑事業者が自主的な改善措置計画を提出し、公正取引委員会がこれを認定することで、正式な法的措置によらず問題を解決する手続
    • B. 確約手続を利用すると罰則が必ず加重される
    • C. 確約手続は全ての独占禁止法違反類型に例外なく適用される
    • D. 確約手続は事業者の同意を一切必要としない一方的な手続である

    正解: A. 違反被疑事業者が自主的な改善措置計画を提出し、公正取引委員会がこれを認定することで、正式な法的措置によらず問題を解決する手続確約手続は、独占禁止法違反の疑いのある事業者が、自主的に問題を解消するための改善措置計画(確約計画)を策定・申請し、公正取引委員会がこれを認定することで、排除措置命令等の正式な法的措置によらずに事案を解決する手続であり、迅速な問題解消を図る趣旨がある。

  26. 26. 特許無効審判の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 既に登録された特許について、新規性・進歩性の欠如等の無効理由があることを主張し、その特許を無効にすることを求める審判手続
    • B. 特許無効審判は特許出願前にのみ利用できる手続である
    • C. 特許無効審判の請求には利害関係を全く必要としない
    • D. 特許無効審判で無効が確定しても特許権は当然には消滅しない

    正解: A. 既に登録された特許について、新規性・進歩性の欠如等の無効理由があることを主張し、その特許を無効にすることを求める審判手続特許無効審判は、既に設定登録された特許について、新規性・進歩性の欠如、記載要件の不備等の無効理由があることを主張し、特許庁の審判によってその特許を無効にすることを求める手続であり、無効審決が確定すると特許権は原則として初めから存在しなかったものとみなされる。

  27. 27. 個人情報取扱事業者が講じるべき「安全管理措置」の内容として最も適切なものはどれか。

    • A. 個人データの漏えい・滅失・毀損の防止のための組織的・人的・物理的・技術的な措置
    • B. 安全管理措置は個人データを紙媒体で保管する場合にのみ求められる
    • C. 安全管理措置を講じれば漏えい等が発生しても一切の報告義務が生じない
    • D. 安全管理措置は個人情報保護法上の努力義務にすぎず違反しても問題は生じない

    正解: A. 個人データの漏えい・滅失・毀損の防止のための組織的・人的・物理的・技術的な措置個人情報保護法上、個人情報取扱事業者は、取り扱う個人データの漏えい・滅失・毀損の防止その他の安全管理のために必要かつ適切な措置(組織的安全管理措置、人的安全管理措置、物理的安全管理措置、技術的安全管理措置)を講じなければならないとされている。

  28. 28. 高度プロフェッショナル制度の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 高度の専門的知識等を有し一定の年収要件を満たす労働者について、労使委員会の決議等を経て労働時間規制の一部を適用除外とする制度
    • B. 高度プロフェッショナル制度はあらゆる労働者に無条件で適用される制度である
    • C. この制度が適用されると健康確保措置も一切不要になる
    • D. 高度プロフェッショナル制度は年収要件を問わず全ての管理職に適用される

    正解: A. 高度の専門的知識等を有し一定の年収要件を満たす労働者について、労使委員会の決議等を経て労働時間規制の一部を適用除外とする制度高度プロフェッショナル制度は、高度の専門的知識等を必要とし、業務の性質上従事した時間と成果との関連性が高くない業務に従事し、一定の年収要件を満たす労働者について、本人同意及び労使委員会の決議等を要件として、労働基準法の労働時間・休憩・休日・深夜割増賃金に関する規定の適用を除外する制度であり、健康確保措置の実施が義務付けられている。

  29. 29. 地球温暖化対策推進法に基づく温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度の趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 一定規模以上の温室効果ガスを排出する事業者に対し、排出量の算定・国への報告を義務付け、情報開示を通じて排出削減の取り組みを促すこと
    • B. この制度は温室効果ガスの排出を完全に禁止する制度である
    • C. 算定・報告・公表制度は中小企業にのみ適用される
    • D. この制度に基づく報告は任意であり法律上の義務ではない

    正解: A. 一定規模以上の温室効果ガスを排出する事業者に対し、排出量の算定・国への報告を義務付け、情報開示を通じて排出削減の取り組みを促すこと地球温暖化対策推進法上の温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度は、一定規模以上の温室効果ガスを排出する事業者に対し、自らの排出量を算定して国に報告することを義務付け、それを国が集計・公表することで、事業者の自主的な排出削減の取り組みを促す仕組みである。

  30. 30. 移転価格税制の趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 海外の関連会社との取引価格を通常の独立企業間価格と異なる価格に設定することで、意図的に所得を海外に移転することを防止すること
    • B. 移転価格税制は国内取引のみを対象とする税制である
    • C. 移転価格税制は消費税の計算にのみ関係する制度である
    • D. 移転価格税制は個人の確定申告にのみ適用される

    正解: A. 海外の関連会社との取引価格を通常の独立企業間価格と異なる価格に設定することで、意図的に所得を海外に移転することを防止すること移転価格税制は、企業が海外の関連会社(子会社等)との取引価格を、独立した第三者間の取引であれば成立するはずの価格(独立企業間価格)と異なる価格に設定することで、意図的にグループ全体の所得を税負担の低い国に移転することを防止するための税制である。

  31. 31. フリーライダー問題の解消等を理由に、一定の要件のもとで正当化されうる取引制限行為の例として最も適切なものはどれか。

    • A. 販売店に一定の販売地域を割り当てること(テリトリー制)などの流通取引慣行における合理的な制限
    • B. 全ての垂直的制限は例外なく違法とされる
    • C. 販売地域の割当ては常に独占禁止法違反となり正当化の余地は一切ない
    • D. 流通取引慣行に関するガイドラインは存在しない

    正解: A. 販売店に一定の販売地域を割り当てること(テリトリー制)などの流通取引慣行における合理的な制限公正取引委員会の流通・取引慣行に関するガイドライン等では、販売店へのテリトリー制の導入など一定の垂直的制限行為について、フリーライダー問題(販売促進努力をしない業者が他の業者の努力にただ乗りする問題)の解消などの正当な目的があり、競争制限効果が目的達成に必要な範囲にとどまる場合には、独占禁止法上問題とならない場合があるとされている。

  32. 32. パリ条約における「優先権制度」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 第一国出願日から一定期間内に他の同盟国に出願した場合、その出願が第一国出願日にされたものとして扱われる制度
    • B. 優先権制度を利用すると特許権の存続期間が無制限に延長される
    • C. 優先権制度は商標登録にのみ適用され特許には適用されない
    • D. 優先権制度の利用には期間制限が一切ない

    正解: A. 第一国出願日から一定期間内に他の同盟国に出願した場合、その出願が第一国出願日にされたものとして扱われる制度パリ条約の優先権制度は、同盟国の一国(第一国)に出願した後、一定期間内(特許・実用新案は原則12か月、意匠・商標は原則6か月)に他の同盟国に出願した場合、新規性等の判断において第一国出願日にされたものとして扱われる制度であり、国際的な権利取得を円滑にする趣旨がある。

  33. 33. 副業・兼業を認める企業が留意すべき事項として最も適切なものはどれか。

    • A. 労働時間の通算による法定労働時間の管理や、秘密保持・競業避止義務との関係を整理する必要がある
    • B. 副業・兼業を認めると労働時間の管理は一切不要になる
    • C. 副業・兼業は法律上全ての企業で一律に禁止されている
    • D. 副業・兼業を認めても安全配慮義務は一切問題にならない

    正解: A. 労働時間の通算による法定労働時間の管理や、秘密保持・競業避止義務との関係を整理する必要がある副業・兼業を認める場合、労働基準法上、原則として本業と副業の労働時間は通算して管理する必要があり、法定労働時間を超える部分については割増賃金の支払義務が生じうる。また、秘密保持義務・競業避止義務との関係整理や、長時間労働による健康影響への配慮(安全配慮義務)も重要な留意点となる。

  34. 34. 特許権の存続期間の延長登録制度の趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 医薬品等、安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可等を得るのに長期間を要した場合に、その期間分特許権の存続期間を延長する制度
    • B. 延長登録制度は全ての特許権に無条件で適用される制度である
    • C. 延長登録により特許権の存続期間は無制限に延長できる
    • D. 延長登録制度は商標権にのみ適用される制度である

    正解: A. 医薬品等、安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可等を得るのに長期間を要した場合に、その期間分特許権の存続期間を延長する制度特許権の存続期間の延長登録制度は、医薬品・農薬等、安全性の確保等を目的とする法律の規定により承認等を得るまでに長期間を要し、その間特許発明を実施できなかった場合に、その実施できなかった期間に相当する期間(一定の上限あり)、特許権の存続期間を延長できる制度である。

  35. 35. テレワーク(在宅勤務)における労働時間管理の留意点として最も適切なものはどれか。

    • A. 自己申告制やITツールの活用等により、始業・終業時刻や実労働時間を適切に把握する必要がある
    • B. テレワークでは労働基準法の労働時間規制が一切適用されなくなる
    • C. テレワークでは使用者の労働時間管理義務が完全に免除される
    • D. テレワーク中の労働災害は一切労災保険の対象とならない

    正解: A. 自己申告制やITツールの活用等により、始業・終業時刻や実労働時間を適切に把握する必要があるテレワーク(在宅勤務)であっても労働基準法上の労働時間規制は適用されるため、使用者は自己申告制やパソコンの使用時間記録等のITツールの活用により、始業・終業時刻や実労働時間を適切に把握する義務を負う。テレワーク中に生じた労働災害についても、業務遂行性・業務起因性が認められれば労災保険の対象となりうる。

  36. 36. セーフハーバー基準(企業結合審査における市場シェア基準)の実務上の意義として最も適切なものはどれか。

    • A. 一定の市場シェア(HHI等)を下回る企業結合は、競争を実質的に制限することとなるおそれが小さいと整理され、簡易な審査で処理されうる目安となる
    • B. セーフハーバー基準を満たせば企業結合審査は一切不要になる
    • C. セーフハーバー基準は全ての企業結合を一律に禁止する基準である
    • D. セーフハーバー基準は独占禁止法には存在しない概念である

    正解: A. 一定の市場シェア(HHI等)を下回る企業結合は、競争を実質的に制限することとなるおそれが小さいと整理され、簡易な審査で処理されうる目安となる企業結合審査においては、ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI)等の市場集中度の指標をもとに、一定の基準を下回る企業結合は競争を実質的に制限することとなるおそれが小さいと整理される目安(セーフハーバー基準)が公正取引委員会のガイドラインで示されており、実務上の予測可能性を高める役割を果たしている。

  37. 37. 個人情報保護法における「仮名加工情報」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように加工した情報であり、匿名加工情報より緩やかな規律のもとで内部分析等に活用しやすい
    • B. 仮名加工情報は匿名加工情報と全く同じ規律が適用される
    • C. 仮名加工情報は第三者への提供が原則自由に認められる情報である
    • D. 仮名加工情報を作成すれば元の個人情報としての性質を完全に失う

    正解: A. 他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように加工した情報であり、匿名加工情報より緩やかな規律のもとで内部分析等に活用しやすい仮名加工情報は、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように個人情報を加工した情報であり、匿名加工情報に比べて加工基準が緩やかで、事業者内部でのデータ分析等に活用しやすい一方、第三者提供は原則としてできない等、匿名加工情報とは異なる規律が適用される。

  38. 38. 冒認出願(発明者でない者による特許出願)の効果として最も適切なものはどれか。

    • A. 冒認出願により特許が付与されても、真の発明者は無効審判や移転請求等により是正を求めることができる
    • B. 冒認出願は発見されても一切是正できない
    • C. 冒認出願は特許法上規制されておらず自由に行うことができる
    • D. 冒認出願であっても真の発明者には一切の権利救済がない

    正解: A. 冒認出願により特許が付与されても、真の発明者は無効審判や移転請求等により是正を求めることができる冒認出願(発明者でない者や発明者から特許を受ける権利を承継していない者による出願)に対しては、真の発明者・権利者が、無効審判の請求や、特許権の移転を求める請求(特許を受ける権利の帰属に関する救済制度)等によって是正を図ることができる。

  39. 39. 外国人労働者を雇用する際の在留資格に関する使用者の留意点として最も適切なものはどれか。

    • A. 従事させる業務が在留資格の範囲内であることを確認し、資格外活動にならないよう留意する必要がある
    • B. 在留資格の確認は使用者の義務ではなく外国人本人のみの責任である
    • C. 在留資格の範囲を超えて就労させても使用者には一切責任が生じない
    • D. 在留資格の確認は不要であり、日本語能力の確認のみで足りる

    正解: A. 従事させる業務が在留資格の範囲内であることを確認し、資格外活動にならないよう留意する必要がある外国人労働者を雇用する使用者は、その在留資格が従事させようとする業務に対応したものであるかを確認し、在留資格の範囲を超える資格外活動にならないよう留意する必要がある。不法就労者を雇用した場合、使用者自身も不法就労助長罪に問われうる。

  40. 40. グループ法人税制における完全支配関係にある法人間の資産譲渡の取扱いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 一定の資産の譲渡損益について、グループ外への譲渡等の一定の事由が生じるまで課税を繰り延べる措置がとられる
    • B. グループ法人間の資産譲渡は常に非課税であり課税繰延べという概念はない
    • C. グループ法人税制は個人事業主にのみ適用される制度である
    • D. グループ法人税制は完全支配関係の有無を一切考慮しない制度である

    正解: A. 一定の資産の譲渡損益について、グループ外への譲渡等の一定の事由が生じるまで課税を繰り延べる措置がとられるグループ法人税制上、100%の完全支配関係にある内国法人間で一定の資産(固定資産・土地等の譲渡損益調整資産)を譲渡した場合、その譲渡損益はグループ外への譲渡等の一定の事由が生じるまで課税を繰り延べる措置がとられる。