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ビジネス実務法務2級 債権管理・回収(応用)

40問 / トルカ(https://toruca.app)

  1. 1. 抵当権の実行方法である「担保不動産競売」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 裁判所に申し立て、不動産を強制的に売却してその代金から優先弁済を受ける手続
    • B. 抵当権者が自ら不動産を占有し利用収益することで弁済を受ける手続
    • C. 担保不動産競売には裁判所への申立てが一切不要である
    • D. 担保不動産競売を行うと抵当権設定契約自体が無効になる

    正解: A. 裁判所に申し立て、不動産を強制的に売却してその代金から優先弁済を受ける手続担保不動産競売は、抵当権者が裁判所に競売を申し立て、対象不動産を強制的に売却(換価)し、その売却代金から優先的に弁済を受ける抵当権の実行方法である。

  2. 2. 根抵当権の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 一定の範囲に属する不特定の債権を、極度額の限度で担保する抵当権
    • B. 特定の1個の債権のみを担保する抵当権
    • C. 根抵当権は極度額の定めを一切必要としない
    • D. 根抵当権は不動産以外の財産にのみ設定できる

    正解: A. 一定の範囲に属する不特定の債権を、極度額の限度で担保する抵当権根抵当権は、継続的な取引関係から生じる一定の範囲に属する不特定の債権を、あらかじめ定めた極度額の限度で担保する抵当権であり、個々の債権が発生・消滅しても根抵当権自体は消滅せず、極度額の範囲で優先弁済を受けることができる。

  3. 3. 根抵当権の「元本確定」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 被担保債権の範囲に属する元本債権が特定の時点で確定し、以後新たな債権が担保されなくなること
    • B. 根抵当権の極度額が自動的に増額されること
    • C. 元本確定をすると根抵当権自体が当然に消滅する
    • D. 元本確定は根抵当権設定と同時に必ず生じる

    正解: A. 被担保債権の範囲に属する元本債権が特定の時点で確定し、以後新たな債権が担保されなくなること根抵当権の元本確定は、一定の事由(確定期日の到来、元本確定請求等)によって被担保債権の元本が特定の時点で確定し、それ以降に発生する新たな債権は当該根抵当権によって担保されなくなる仕組みである。

  4. 4. 集合動産譲渡担保の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 倉庫内の在庫商品のように、内容の変動する動産の集合体を一体として担保の目的とする譲渡担保
    • B. 個々の動産を1点ずつ個別に特定して担保設定する制度のみを指す
    • C. 集合動産譲渡担保は不動産にのみ利用される制度である
    • D. 集合動産譲渡担保を設定すると在庫商品の入れ替えが一切できなくなる

    正解: A. 倉庫内の在庫商品のように、内容の変動する動産の集合体を一体として担保の目的とする譲渡担保集合動産譲渡担保は、倉庫内の在庫商品のように、種類・所在場所・量的範囲等で特定される変動する動産の集合体を、一体として担保の目的とする譲渡担保であり、通常の事業活動としての在庫の入れ替え(通常の営業の範囲内の処分)は認められる。

  5. 5. 集合債権譲渡担保の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 将来発生する売掛金債権等を含め、一定の範囲の債権を包括的に担保の目的として譲渡する担保手法
    • B. 既に発生した個々の債権のみを対象とし、将来債権は一切対象にできない担保手法
    • C. 集合債権譲渡担保には対抗要件を具備する必要が一切ない
    • D. 集合債権譲渡担保は不動産取引にのみ利用される

    正解: A. 将来発生する売掛金債権等を含め、一定の範囲の債権を包括的に担保の目的として譲渡する担保手法集合債権譲渡担保は、既発生の債権だけでなく、将来発生する予定の売掛金債権等も含めて一定の範囲の債権を包括的に担保目的で譲渡する担保手法であり、対抗要件として債権譲渡登記等の活用が実務上重要となる。

  6. 6. ファクタリングの説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 事業者が保有する売掛金債権をファクタリング会社に譲渡し、期日前に資金化する取引
    • B. 事業者が金融機関から不動産を担保に融資を受ける取引のみを指す
    • C. ファクタリングは必ず債務者(売掛先)の関与を要する取引形態のみである
    • D. ファクタリングは在庫商品の売買を指す用語である

    正解: A. 事業者が保有する売掛金債権をファクタリング会社に譲渡し、期日前に資金化する取引ファクタリングは、事業者が保有する売掛金債権をファクタリング会社(ファクター)に譲渡(売却)し、支払期日前に資金化する取引であり、資金調達手段や債権回収リスクの移転手段として活用される。

  7. 7. 債権譲渡制限特約が付された債権が譲渡された場合の現行民法上の扱いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 譲渡制限特約があっても債権譲渡自体は原則として有効であるが、悪意・重過失の譲受人に対しては債務者が履行を拒める
    • B. 譲渡制限特約に反する債権譲渡は常に無効である
    • C. 譲渡制限特約があると債権譲渡登記を一切利用できなくなる
    • D. 譲渡制限特約は現行民法上一切効力を持たない

    正解: A. 譲渡制限特約があっても債権譲渡自体は原則として有効であるが、悪意・重過失の譲受人に対しては債務者が履行を拒める現行民法では、当事者が債権譲渡を禁止・制限する特約(譲渡制限特約)をした場合でも、債権譲渡自体の効力は原則として妨げられない(債権の流動化促進の趣旨)が、譲受人が譲渡制限特約の存在について悪意または重過失であった場合、債務者は譲受人への履行を拒み、譲渡人への弁済等をもって譲受人に対抗することができる。

  8. 8. 破産手続における「否認権」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 破産手続開始前に行われた債務者の財産を減少させる行為等の効力を否定し、財産を破産財団に回復させる管財人の権利
    • B. 破産者が全ての契約を無条件で解消できる権利
    • C. 否認権は破産手続開始後の行為にのみ行使できる権利である
    • D. 否認権を行使すると破産手続自体が終了する

    正解: A. 破産手続開始前に行われた債務者の財産を減少させる行為等の効力を否定し、財産を破産財団に回復させる管財人の権利否認権は、破産手続開始前に破産者が行った、破産財団を不当に減少させる行為(詐害行為、偏頗行為等)の効力を否定し、逸出した財産を破産財団に回復させることを目的として、破産管財人に認められる権利である。

  9. 9. 破産手続における「双方未履行双務契約」の取扱いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 破産管財人は、契約の解除または履行の選択をすることができる
    • B. 双方未履行双務契約は破産手続開始と同時に当然に消滅する
    • C. 破産管財人にはいかなる選択権も認められない
    • D. 双方未履行双務契約は必ず履行しなければならない

    正解: A. 破産管財人は、契約の解除または履行の選択をすることができる破産者と相手方の双方がまだ契約上の債務を履行していない双務契約(双方未履行双務契約)について、破産管財人は契約の解除をするか、あるいは自ら履行を選択して相手方に反対給付を請求するかを選択することができる。

  10. 10. 倒産手続における相殺の制限(相殺禁止)が設けられている趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 支払不能後に他の債権者を害することを知りながら債務を負担する等、特定の債権者が不当に優先的な回収を図ることを防止するため
    • B. 倒産手続では相殺が一切制限されることはない
    • C. 相殺の制限は全ての債権者に等しく適用され例外は一切ない
    • D. 相殺の制限は担保権者にのみ適用される制度である

    正解: A. 支払不能後に他の債権者を害することを知りながら債務を負担する等、特定の債権者が不当に優先的な回収を図ることを防止するため破産法・民事再生法等は、支払不能後に他の債権者を害することを知りながら債務を負担する等して相殺を行うことにより、特定の債権者が不当に優先的な回収を図ることを防止するため、一定の場合に相殺を制限する規定を設けている。

  11. 11. 経営者保証ガイドラインの目的として最も適切なものはどれか。

    • A. 中小企業の経営者による個人保証について、合理的な保証履行の範囲や保証に依存しない融資の在り方等の考え方を示すこと
    • B. 経営者保証を法律上完全に禁止すること
    • C. 経営者保証ガイドラインには法的拘束力による強制はなく自主的な準則としての性格を持つが、経営者保証を無条件で必須とすることのみを目的とする
    • D. 経営者保証は個人保証人を一切保護しない仕組みであることを確認するためのもの

    正解: A. 中小企業の経営者による個人保証について、合理的な保証履行の範囲や保証に依存しない融資の在り方等の考え方を示すこと経営者保証ガイドラインは、中小企業の経営者による個人保証について、法人と個人が明確に分離されている場合の保証の見直し、保証履行時の生活費等に配慮した残存資産の範囲等の考え方を示した自主的な準則であり、法的拘束力はないが金融機関等において尊重・活用されている。

  12. 12. 事業譲渡に伴う債務の承継に関する原則として最も適切なものはどれか。

    • A. 事業譲渡では、譲渡会社の債務は当然には譲受会社に承継されず、個別の債権者の同意(免責的債務引受)等が必要となる
    • B. 事業譲渡をすると譲渡会社の全ての債務が当然に譲受会社に承継される
    • C. 事業譲渡には債権者の同意は一切不要である
    • D. 事業譲渡は会社分割と全く同じ法的効果を持つ

    正解: A. 事業譲渡では、譲渡会社の債務は当然には譲受会社に承継されず、個別の債権者の同意(免責的債務引受)等が必要となる事業譲渡(会社の事業の全部または一部を個別の契約により譲渡する取引)では、会社分割のような包括承継とは異なり、譲渡会社の債務は当然には譲受会社に承継されず、債務を譲受会社に移転させるためには債権者の同意(免責的債務引受)等の個別の手続が必要となる。

  13. 13. 事業譲渡において「商号を引き続き使用する場合」の譲受会社の責任として最も適切なものはどれか。

    • A. 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合、原則として譲渡会社の事業によって生じた債務についても弁済の責任を負う
    • B. 商号を引き続き使用しても譲受会社は一切責任を負わない
    • C. 商号続用の場合の責任は会社法上一切規定されていない
    • D. 商号を変更すれば譲受会社は常にあらゆる責任を免れる

    正解: A. 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合、原則として譲渡会社の事業によって生じた債務についても弁済の責任を負う会社法上、事業を譲り受けた会社が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合、原則としてその譲渡会社の事業によって生じた債務についても弁済する責任を負うとされている(債権者保護のための規定であり、遅滞なく免責の登記・通知をすれば責任を免れることができる)。

  14. 14. 会社更生手続の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 主に株式会社を対象とし、経営陣を退陣させて更生管財人のもとで大規模な再建を図る再建型倒産手続
    • B. 会社更生手続は個人事業主にのみ適用される手続である
    • C. 会社更生手続は清算のみを目的とする手続である
    • D. 会社更生手続では既存の経営陣が必ずそのまま経営を継続する

    正解: A. 主に株式会社を対象とし、経営陣を退陣させて更生管財人のもとで大規模な再建を図る再建型倒産手続会社更生手続は、主に株式会社を対象とした再建型の倒産処理手続であり、原則として既存の経営陣は退陣し、裁判所が選任する更生管財人のもとで大規模かつ抜本的な事業再建・権利関係の調整が図られる点で、民事再生手続とは異なる特徴を持つ。

  15. 15. 特別清算手続の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 株式会社の通常清算手続に清算の遂行に著しい支障がある事情等がある場合に、裁判所の監督下で行われる清算型手続
    • B. 特別清算は個人事業主のみを対象とする手続である
    • C. 特別清算は再建型の倒産処理手続の一種である
    • D. 特別清算手続には裁判所が一切関与しない

    正解: A. 株式会社の通常清算手続に清算の遂行に著しい支障がある事情等がある場合に、裁判所の監督下で行われる清算型手続特別清算は、株式会社の通常の清算手続を遂行するにあたり、清算の遂行に著しい支障をきたすべき事情や債務超過の疑いがある場合に、裁判所の監督のもとで行われる清算型の特別な倒産処理手続である。

  16. 16. 動産譲渡担保の実行方法である「私的実行」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 裁判所の競売手続によらず、当事者の合意に基づく処分清算方式や帰属清算方式等により担保権を実行する方法
    • B. 私的実行は必ず裁判所の許可を得なければ実施できない
    • C. 私的実行を行うと譲渡担保設定者の清算金請求権が当然に消滅する
    • D. 私的実行という方法は日本の担保実務では一切認められていない

    正解: A. 裁判所の競売手続によらず、当事者の合意に基づく処分清算方式や帰属清算方式等により担保権を実行する方法動産譲渡担保の実行方法として、裁判所の関与する競売手続によらず、目的物を第三者に売却してその代金から精算する処分清算方式や、担保権者が目的物の所有権を取得して評価額との差額を精算する帰属清算方式など、当事者の合意に基づく私的実行の方法が実務上広く用いられている。

  17. 17. 第三者からの情報取得手続の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 債権者の申立てにより、裁判所を通じて金融機関等から債務者の財産に関する情報(預貯金口座等)を取得できる手続
    • B. 情報取得手続は債務者本人にのみ利用が認められている
    • C. 情報取得手続を利用すると自動的に強制執行が完了する
    • D. 情報取得手続は不動産に関する情報のみを対象とする

    正解: A. 債権者の申立てにより、裁判所を通じて金融機関等から債務者の財産に関する情報(預貯金口座等)を取得できる手続第三者からの情報取得手続は、民事執行法上の制度で、債権者の申立てにより裁判所が金融機関や登記所等の第三者に対し、債務者の財産(預貯金口座、勤務先、不動産等)に関する情報の提供を命じることができる手続であり、財産隠しへの対応として実務上活用されている。

  18. 18. 財産開示手続の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 債務名義を有する債権者の申立てにより、債務者を裁判所に呼び出し自己の財産状況を陳述させる手続
    • B. 財産開示手続は債務者の同意なく開始できない任意の手続である
    • C. 財産開示手続に応じなくても債務者には何ら不利益が生じない
    • D. 財産開示手続は不動産執行を完了させるための手続そのものである

    正解: A. 債務名義を有する債権者の申立てにより、債務者を裁判所に呼び出し自己の財産状況を陳述させる手続財産開示手続は、債務名義を有する債権者等の申立てにより、裁判所が債務者を呼び出して自己の財産状況について陳述させる手続であり、正当な理由なく出頭・陳述を拒んだ場合等には刑事罰の対象となりうる。

  19. 19. 経営者保証における「保証債務履行時の残存資産」の考え方として最も適切なものはどれか。

    • A. 一定期間の生活費に相当する資産等を残存資産として保証人の手元に残すことを検討する
    • B. 経営者保証を履行する際、保証人の財産は例外なく全て処分しなければならない
    • C. 残存資産の考え方は法律上一切根拠がない
    • D. 残存資産の考慮は法人にのみ認められ、個人経営者には一切認められない

    正解: A. 一定期間の生活費に相当する資産等を残存資産として保証人の手元に残すことを検討する経営者保証ガイドラインでは、保証債務の履行の際、保証人の申し出等を踏まえ、一定期間の生活費に相当する現預金等を残存資産として手元に残すことを検討するなど、保証人の履行後の生活再建に配慮する考え方が示されている。

  20. 20. 民事再生手続における「再生計画」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 債務の減免・弁済方法等を定めた再建のための計画であり、債権者集会での可決及び裁判所の認可を経て効力を生じる
    • B. 再生計画は債務者が単独で自由に策定・実行できる計画である
    • C. 再生計画には債権者の関与が一切不要である
    • D. 再生計画が認可されると全ての債権が消滅する

    正解: A. 債務の減免・弁済方法等を定めた再建のための計画であり、債権者集会での可決及び裁判所の認可を経て効力を生じる民事再生手続における再生計画は、債務の減免割合・弁済方法・弁済期間等を定めた再建計画であり、法定多数の債権者の同意(決議での可決)及び裁判所の認可決定を経て効力を生じる。

  21. 21. 取引先の信用不安の兆候を把握するための情報源として最も適切なものはどれか。

    • A. 手形の不渡り情報、決算書の内容変化、支払いの遅延頻度等の複合的な情報
    • B. 取引先の経営者の個人的な趣味に関する情報のみ
    • C. 信用不安の兆候は事前に把握することが法律上一切禁止されている
    • D. 取引先のオフィスの内装デザインのみ

    正解: A. 手形の不渡り情報、決算書の内容変化、支払いの遅延頻度等の複合的な情報取引先の信用不安の兆候は、手形・小切手の不渡り情報、決算書における財務内容の悪化、支払いの遅延頻度の増加、取引条件の変更要求など、複合的な情報を総合的に分析することで早期に把握することが与信管理上重要である。

  22. 22. 担保不動産収益執行の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 抵当権者が、対象不動産から生じる賃料等の収益を収取して優先弁済を受ける実行方法
    • B. 対象不動産を必ず即座に売却して換価する方法のみを指す
    • C. 担保不動産収益執行を行うと抵当権自体が消滅する
    • D. 担保不動産収益執行は動産についてのみ利用できる制度である

    正解: A. 抵当権者が、対象不動産から生じる賃料等の収益を収取して優先弁済を受ける実行方法担保不動産収益執行は、対象不動産を売却するのではなく、その不動産から生じる賃料等の収益を管理人が収取・管理し、そこから抵当権者が優先弁済を受ける実行方法であり、収益力のある賃貸不動産等について競売と並ぶ選択肢として利用される。

  23. 23. 動産・債権を担保にした資金調達(ABL:Asset Based Lending)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 不動産担保に依存せず、企業が保有する在庫や売掛金等の事業性資産を担保として活用する資金調達手法
    • B. ABLは必ず不動産のみを担保とする融資手法である
    • C. ABLは上場企業のみが利用できる資金調達手法である
    • D. ABLを利用すると担保の目的物を一切事業に利用できなくなる

    正解: A. 不動産担保に依存せず、企業が保有する在庫や売掛金等の事業性資産を担保として活用する資金調達手法ABL(動産・債権譲渡担保融資)は、不動産担保に依存せず、企業が事業活動で保有する在庫商品や売掛金等の事業性資産を担保として活用する資金調達手法であり、中小企業の資金調達手段の多様化に資するものとして活用されている。

  24. 24. 倒産手続における「共益債権(財団債権)」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 手続の遂行に必要な費用等、他の一般債権者に優先して随時弁済を受けられる債権
    • B. 共益債権は一般債権者と全く同じ順位で扱われる債権である
    • C. 共益債権は倒産手続開始後に一切発生しない債権である
    • D. 共益債権は必ず債権届出をしなければ弁済を受けられない

    正解: A. 手続の遂行に必要な費用等、他の一般債権者に優先して随時弁済を受けられる債権共益債権(破産手続では財団債権と呼ばれる)は、倒産手続の遂行に必要な費用(管財人報酬等)や手続開始後の事業継続に必要な費用などから生じる債権であり、再生(更生)計画によらず、他の一般の再生(更生)債権者に優先して随時弁済を受けることができる。

  25. 25. 取引先の信用調査において「商業登記簿(履歴事項全部証明書)」から確認できる情報として最も適切なものはどれか。

    • A. 会社の商号・本店所在地・役員・資本金・目的等の登記事項
    • B. 会社の直近の売上高や利益額そのもの
    • C. 会社の従業員の個人的な評価
    • D. 取引先の預金残高そのもの

    正解: A. 会社の商号・本店所在地・役員・資本金・目的等の登記事項商業登記簿(履歴事項全部証明書)からは、会社の商号・本店所在地・役員構成・資本金の額・事業目的・設立年月日等の登記事項を確認することができ、取引先の基本情報を把握するための信用調査の基礎資料として活用される。

  26. 26. 質権の実行方法である「流質契約」の原則的な扱いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 民法上、弁済期前の流質契約(質物をもって直ちに弁済に充当する契約)は原則として禁止されている
    • B. 流質契約は民法上いかなる場合も全面的に許容されている
    • C. 流質契約は動産質にのみ禁止され不動産質には常に許容される
    • D. 流質契約という概念は民法に一切規定されていない

    正解: A. 民法上、弁済期前の流質契約(質物をもって直ちに弁済に充当する契約)は原則として禁止されている民法上、質権設定者が弁済期前に、弁済に代えて質権者に質物の所有権を取得させる契約(流質契約)を締結することは、暴利行為から質権設定者を保護する趣旨から原則として禁止されている(商法上の商行為による質権等には別途の特則がある)。

  27. 27. リバースファクタリング(サプライチェーンファイナンス)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 発注企業(買主)の信用力を活用し、金融機関が仕入先(売主)の売掛債権を早期に買い取る仕組み
    • B. 仕入先が発注企業に融資を行う仕組みのみを指す
    • C. リバースファクタリングは在庫の廃棄処分を意味する用語である
    • D. リバースファクタリングには金融機関が一切関与しない

    正解: A. 発注企業(買主)の信用力を活用し、金融機関が仕入先(売主)の売掛債権を早期に買い取る仕組みリバースファクタリング(サプライチェーンファイナンス)は、発注企業(買主)の信用力を活用して、金融機関が仕入先(売主)の有する売掛債権を早期に買い取ることで、仕入先の資金繰りを改善する仕組みである。

  28. 28. 私的整理に関するガイドライン(中小企業版を含む)が果たす役割として最も適切なものはどれか。

    • A. 法的倒産手続によらず、金融機関等の合意に基づき私的整理を円滑に進めるための手続・考え方の準則を提供すること
    • B. 私的整理ガイドラインは法律そのものであり違反すると刑事罰が科される
    • C. 私的整理ガイドラインを利用すると裁判所の関与が完全に不要になる法的手続に転換される
    • D. 私的整理ガイドラインは大企業にのみ適用される

    正解: A. 法的倒産手続によらず、金融機関等の合意に基づき私的整理を円滑に進めるための手続・考え方の準則を提供すること私的整理に関するガイドライン(中小企業の事業再生等に関するガイドライン等)は、法律そのものではなく、法的倒産手続によらない私的整理を、債権者(金融機関等)と債務者が合意に基づき公正・円滑に進めるための手続や考え方を示した自主的な準則として機能している。

  29. 29. 根抵当権の元本確定前における被担保債権の譲渡の効果として最も適切なものはどれか。

    • A. 元本確定前に個別の債権を譲渡しても、その債権は原則として根抵当権によって担保されなくなる(随伴性がない)
    • B. 元本確定前の債権譲渡は根抵当権にも当然に随伴し、譲受人が根抵当権を取得する
    • C. 根抵当権には随伴性の有無という論点自体が存在しない
    • D. 元本確定前は根抵当権を第三者に譲渡することが一切できない

    正解: A. 元本確定前に個別の債権を譲渡しても、その債権は原則として根抵当権によって担保されなくなる(随伴性がない)根抵当権は、通常の抵当権と異なり元本確定前は個々の被担保債権との結びつき(随伴性)がなく、元本確定前に個別の債権を譲渡しても、その債権については原則として根抵当権による担保を受けられない(根抵当権自体は基となる取引契約に基づき存続する)という特徴がある。

  30. 30. 取引信用保険(取引先の倒産等による売掛金回収不能リスクをカバーする保険)の実務上の意義として最も適切なものはどれか。

    • A. 取引先の倒産等により売掛金が回収不能となった場合の損失を保険によってカバーし、与信リスクを分散する
    • B. 取引信用保険を付保すると与信管理を一切行わなくてよくなる
    • C. 取引信用保険は在庫商品の損害のみを対象とする保険である
    • D. 取引信用保険は事業者間取引には利用できない

    正解: A. 取引先の倒産等により売掛金が回収不能となった場合の損失を保険によってカバーし、与信リスクを分散する取引信用保険は、取引先の倒産や長期にわたる支払遅延等により売掛金が回収不能となった場合の損失を保険によってカバーする損害保険であり、与信管理の一環として与信リスクを分散する目的で活用される(保険加入後も与信管理自体は引き続き重要である)。

  31. 31. 売掛債権の証券化(流動化)の実務上の目的として最も適切なものはどれか。

    • A. 多数の売掛債権をまとめて信託等のスキームに組み込み、これを裏付けとした証券を発行することで資金調達を図ること
    • B. 証券化は必ず不動産の売買のみを対象とする手法である
    • C. 債権の証券化は法律上一切認められていない
    • D. 証券化を行うと元となる債権が当然に消滅する

    正解: A. 多数の売掛債権をまとめて信託等のスキームに組み込み、これを裏付けとした証券を発行することで資金調達を図ること売掛債権の証券化(流動化)は、多数の売掛債権を信託等の仕組みに組み入れ、これを裏付け資産として証券(受益権等)を発行し投資家に販売することで、企業がバランスシート上の資産を早期に資金化する手法である。

  32. 32. 民事執行法上の「配当要求」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 既に開始されている強制執行手続に対し、他の債権者が自己の債権についても配当を受けられるよう申し立てる手続
    • B. 配当要求は債務名義を有しない者は一切利用できない
    • C. 配当要求をすると新たに別個の強制執行手続が開始される
    • D. 配当要求は不動産執行にのみ認められる制度である

    正解: A. 既に開始されている強制執行手続に対し、他の債権者が自己の債権についても配当を受けられるよう申し立てる手続配当要求は、既に開始されている強制執行手続(不動産執行・債権執行等)に対し、一定の要件を満たす他の債権者が、自らの債権についても売却代金等からの配当を受けられるよう申し立てる手続である。

  33. 33. 簡易再生・同意再生手続の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 再生債権者の多くが再生計画案に同意することが見込まれる場合に、債権調査等の手続を簡略化して迅速に手続を進める仕組み
    • B. 簡易再生手続は債権者の同意を一切必要としない手続である
    • C. 簡易再生・同意再生手続は法人にのみ適用され個人には利用できない
    • D. 簡易再生手続を利用すると裁判所の認可決定が一切不要になる

    正解: A. 再生債権者の多くが再生計画案に同意することが見込まれる場合に、債権調査等の手続を簡略化して迅速に手続を進める仕組み簡易再生・同意再生手続は、あらかじめ多くの再生債権者から再生計画案への同意が見込まれる場合に、通常の民事再生手続における債権調査等の手続を簡略化し、迅速に再生計画の決議・認可に進められるようにする仕組みである。

  34. 34. 抵当権に基づく物上代位の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 抵当目的物の滅失・毀損等により債務者が受けるべき保険金請求権等に対し、抵当権者が優先的な権利を行使できる制度
    • B. 物上代位は抵当目的物が滅失しても抵当権に一切影響を及ぼさないことを意味する
    • C. 物上代位を行使するには常に新たな担保設定契約が必要である
    • D. 物上代位は動産質権にのみ認められる制度である

    正解: A. 抵当目的物の滅失・毀損等により債務者が受けるべき保険金請求権等に対し、抵当権者が優先的な権利を行使できる制度物上代位は、抵当目的物の売却・賃貸・滅失・損傷によって債務者(設定者)が受けるべき金銭その他の物(保険金請求権、賃料債権等)に対しても、抵当権者がその払渡し前に差押えをすることで優先弁済権を行使できる制度である。

  35. 35. 取引先の信用リスクを分散するための実務上の手法として最も適切でないものはどれか。

    • A. 特定の1社への売上依存度を意図的に極端に高めること
    • B. 取引先を複数に分散させること
    • C. 与信限度額を設定し定期的に見直すこと
    • D. 取引信用保険を活用すること

    正解: A. 特定の1社への売上依存度を意図的に極端に高めること与信リスクの分散という観点からは、特定の1社への売上依存度を意図的に高めることはむしろリスクを集中させる方向であり、取引先の分散、与信限度額の設定・見直し、取引信用保険の活用等がリスク分散の手法として適切である。

  36. 36. 民事執行手続における「執行文の付与」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 債務名義に基づいて強制執行を実施するために必要な、執行力の存在を公証する裁判所書記官等の証明
    • B. 執行文の付与を受けなくても全ての債務名義で当然に強制執行を開始できる
    • C. 執行文の付与は債務者が申請しなければならない手続である
    • D. 執行文の付与手続は判決確定と同時に一切不要になる

    正解: A. 債務名義に基づいて強制執行を実施するために必要な、執行力の存在を公証する裁判所書記官等の証明執行文の付与は、確定判決等の債務名義について、現に執行力(強制執行を行いうる効力)が存在することを裁判所書記官または公証人が証明する手続であり、原則として債務名義とともに執行文の付与を受けたものでなければ強制執行を開始することができない。

  37. 37. 動産売買先取特権の実務上の意義として最も適切なものはどれか。

    • A. 動産の売主が、その売買代金債権について、目的動産が転売された場合の代金債権等に対しても一定の要件で優先権を行使できる
    • B. 動産売買先取特権は当事者間の特約がなければ一切発生しない権利である
    • C. 動産売買先取特権は不動産の売買にのみ適用される
    • D. 動産売買先取特権を有していても優先弁済を一切受けられない

    正解: A. 動産の売主が、その売買代金債権について、目的動産が転売された場合の代金債権等に対しても一定の要件で優先権を行使できる動産売買先取特権は、動産の売主がその代金・利息債権について、法律上当然に発生する法定担保物権であり、目的動産がさらに転売された場合には、買主が第三者から取得すべき代金債権に対しても、物上代位により優先権を行使しうる場合がある。

  38. 38. 倒産手続開始後に事業を継続しながら早期にスポンサーへ事業譲渡等を行う「プレパッケージ型」の再生手法の意義として最も適切なものはどれか。

    • A. 手続開始前からスポンサー候補との調整を進めておくことで、事業価値の毀損を最小限に抑えつつ迅速な再建を図ること
    • B. プレパッケージ型はスポンサーの関与を一切排除する手法である
    • C. プレパッケージ型手続では債権者の同意が一切不要になる
    • D. プレパッケージ型は必ず清算のみを目的とする手法である

    正解: A. 手続開始前からスポンサー候補との調整を進めておくことで、事業価値の毀損を最小限に抑えつつ迅速な再建を図ることプレパッケージ型の事業再生は、法的倒産手続の申立て前からスポンサー候補との調整をあらかじめ進めておき、手続開始後速やかに事業譲渡等を実行することで、手続の長期化による取引先の離反や事業価値の毀損を最小限に抑えつつ、迅速な再建を図る手法である。

  39. 39. 取引先の連結子会社・関連会社を含めたグループ全体の与信管理を行う理由として最も適切なものはどれか。

    • A. グループ内の一部企業の信用悪化が他のグループ会社の経営にも波及するリスクがあるため
    • B. グループ会社の与信状況は個別に一切関連しないため考慮不要である
    • C. グループ全体の与信管理は法律上禁止されている
    • D. 与信管理は単体の取引先企業についてのみ行えば十分である

    正解: A. グループ内の一部企業の信用悪化が他のグループ会社の経営にも波及するリスクがあるため取引先が企業グループを形成している場合、グループ内の一部企業の信用悪化が、資金繰り支援等を通じて他のグループ会社の経営にも波及するリスクがあるため、単体企業だけでなくグループ全体の財務状況・関係性を踏まえた与信管理を行うことが実務上重要である。

  40. 40. 継続的な取引基本契約に「表明保証条項」を設ける実務上の意義として最も適切なものはどれか。

    • A. 取引開始時点における相手方の財務状況や反社会的勢力との無関係性等の一定の事実を表明・保証させ、違反時の解除事由等として活用する
    • B. 表明保証条項は継続的取引契約には一切用いられない
    • C. 表明保証条項があれば与信管理は一切不要になる
    • D. 表明保証条項は必ず公正証書によらなければ効力を生じない

    正解: A. 取引開始時点における相手方の財務状況や反社会的勢力との無関係性等の一定の事実を表明・保証させ、違反時の解除事由等として活用する継続的な取引基本契約における表明保証条項は、契約締結時点における相手方の財務状況・反社会的勢力との無関係性等の一定の事実を表明・保証させ、これに違反した場合には契約解除事由・期限の利益喪失事由とするなど、与信管理・リスク管理の実務上の手段として活用される。