印刷プレビューです。ブラウザの印刷機能でPDF保存・印刷できます。

ビジネス実務法務2級 会社法

40問 / トルカ(https://toruca.app)

  1. 1. 発起設立と募集設立の違いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 発起設立は発起人のみが設立時発行株式の全部を引き受けるのに対し、募集設立は発起人以外にも株主を募集する
    • B. 発起設立は必ず複数の発起人を必要とし、募集設立は1人でも設立できる
    • C. 募集設立には発起人が一切関与しない
    • D. 発起設立と募集設立は全く同一の手続である

    正解: A. 発起設立は発起人のみが設立時発行株式の全部を引き受けるのに対し、募集設立は発起人以外にも株主を募集する発起設立は発起人のみが設立時発行株式の全部を引き受けて会社を設立する方法であり、募集設立は発起人が設立時発行株式の一部を引き受け、残りについて発起人以外の者からも株主を募集する方法である。実務上は手続が簡便な発起設立が広く利用される。

  2. 2. 定款の「絶対的記載事項」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 記載を欠くと定款自体が無効となる、必ず記載しなければならない事項
    • B. 記載してもしなくても定款の効力に一切影響しない事項
    • C. 絶対的記載事項は会社が任意に選んで記載する事項である
    • D. 絶対的記載事項には目的や商号は含まれない

    正解: A. 記載を欠くと定款自体が無効となる、必ず記載しなければならない事項定款の絶対的記載事項は、目的・商号・本店の所在地・設立に際して出資される財産の価額(またはその最低額)・発起人の氏名等、記載を欠くと定款全体が無効となる、必ず記載しなければならない事項である。

  3. 3. 種類株式のうち「議決権制限株式」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 株主総会において議決権を行使できる事項が制限されている株式
    • B. 配当を一切受け取れない株式
    • C. 議決権制限株式は必ず上場会社にのみ発行が認められる
    • D. 議決権制限株式を発行すると普通株式が消滅する

    正解: A. 株主総会において議決権を行使できる事項が制限されている株式議決権制限株式は、株主総会において議決権を行使できる事項が全部または一部制限されている種類株式であり、事業承継の場面で、経営権は後継者に集中させつつ、他の相続人には配当優先の議決権制限株式を承継させる等の活用例がある。

  4. 4. 自己株式の取得に関する会社法上の原則として最も適切なものはどれか。

    • A. 分配可能額の範囲内で、株主総会(または取締役会)の決議等の所定の手続を経て取得することができる
    • B. 自己株式の取得は会社法上一切禁止されている
    • C. 自己株式はいくらでも無制限に取得することができる
    • D. 自己株式の取得には常に裁判所の許可が必要である

    正解: A. 分配可能額の範囲内で、株主総会(または取締役会)の決議等の所定の手続を経て取得することができる自己株式の取得は、かつて原則禁止とされていたが、現行会社法では、分配可能額の範囲内で、株主総会の決議(市場取引等による場合は取締役会決議でも可)等の所定の手続を経ることにより認められている。

  5. 5. 単元株制度の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 一定数の株式をまとめて1単元とし、1単元につき1個の議決権を認める制度
    • B. 全ての株式に無条件で1株1議決権を認める制度と同じ意味である
    • C. 単元株制度を採用すると株式の譲渡が一切できなくなる
    • D. 単元株制度は非公開会社には採用できない制度である

    正解: A. 一定数の株式をまとめて1単元とし、1単元につき1個の議決権を認める制度単元株制度は、一定数の株式をまとめて1単元とし、1単元について1個の議決権を認め、単元未満株式については原則として議決権を認めないとする制度であり、株主総会の運営コストの軽減等を目的として活用されている。

  6. 6. 募集株式の発行における「有利発行」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 既存株主にとって特に有利な(市場価格より著しく低い)払込金額で株式を発行すること
    • B. 全ての新株発行は当然に有利発行に該当する
    • C. 有利発行は株主総会の特別決議を経なくても常に自由に行える
    • D. 有利発行は既存株主の利益を害さない発行方法である

    正解: A. 既存株主にとって特に有利な(市場価格より著しく低い)払込金額で株式を発行すること有利発行は、既存株主以外の者に対し、特に有利な払込金額(時価より著しく低い金額)で募集株式を発行することであり、既存株主の持株比率の希釈化や経済的損失につながりうるため、原則として株主総会の特別決議による承認が必要とされる。

  7. 7. 新株予約権の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 会社に対して行使することにより、当該会社の株式の交付を受けることができる権利
    • B. 既に発行された株式そのものを指す用語である
    • C. 新株予約権は行使することなく当然に株式に転換される
    • D. 新株予約権は取締役にのみ付与が認められる制度である

    正解: A. 会社に対して行使することにより、当該会社の株式の交付を受けることができる権利新株予約権は、その権利を有する者が会社に対してこれを行使することにより、あらかじめ定めた条件で会社の株式の交付を受けることができる権利であり、ストックオプションとして役員・従業員に付与されることもある。

  8. 8. 会社の機関設計の類型と特徴を対応させよ。

    • 監査役会設置会社 ー (     )
    • 指名委員会等設置会社 ー (     )
    • 監査等委員会設置会社 ー (     )

    正解: 監査役会設置会社→3人以上の監査役(うち半数以上は社外監査役)で構成される監査役会を置く、指名委員会等設置会社→指名委員会・監査委員会・報酬委員会を置き、執行役が業務執行を担う、監査等委員会設置会社→監査等委員会(過半数が社外取締役)が監査を担い、取締役会から一部権限委譲が可能会社法上の機関設計には、伝統的な監査役会設置会社に加え、指名委員会等設置会社(3委員会+執行役)、監査等委員会設置会社(監査等委員会が監査役会に代わり監査機能を担う)という選択肢があり、それぞれガバナンス体制の特徴が異なる。

  9. 9. 指名委員会等設置会社における「執行役」の役割として最も適切なものはどれか。

    • A. 取締役会から委任を受けた業務執行の意思決定を行い、会社の業務を執行する
    • B. 執行役は監査業務のみを専門的に担当する
    • C. 執行役は株主総会の議長を必ず務める
    • D. 執行役は取締役会の決議によらず単独で定款を変更できる

    正解: A. 取締役会から委任を受けた業務執行の意思決定を行い、会社の業務を執行する指名委員会等設置会社における執行役は、取締役会から委任された業務執行の意思決定を行い、会社の業務執行を担う機関であり、監督機能を担う取締役会と執行機能を担う執行役とを分離する(監督と執行の分離)ことがこの機関設計の特徴である。

  10. 10. 取締役の「競業避止義務」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 取締役が自己または第三者のために会社の事業の部類に属する取引をしようとするときは、株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の承認を得なければならない
    • B. 取締役は在任中いかなる場合も競業行為が全面的に禁止され、承認を得る余地は一切ない
    • C. 競業避止義務は監査役にのみ課される義務である
    • D. 競業避止義務は退任後も無期限に効力を持つ会社法上の義務である

    正解: A. 取締役が自己または第三者のために会社の事業の部類に属する取引をしようとするときは、株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の承認を得なければならない取締役の競業避止義務は、取締役が自己または第三者のために会社の事業の部類に属する取引を行おうとする場合、株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の承認を得なければならないとするものであり、無承認で行った場合は会社に対して損害賠償責任を負いうる(取締役の得た利益額が損害額と推定される)。

  11. 11. 取締役の「利益相反取引」規制の趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 取締役が自己または第三者のために会社と取引をする場合等、会社の利益が害されるおそれがあるため、株主総会等の承認を要求すること
    • B. 取締役は会社と一切取引をすることができない
    • C. 利益相反取引の承認を得た場合、取締役は事後の責任を一切免れる
    • D. 利益相反取引規制は監査役会設置会社にのみ適用される

    正解: A. 取締役が自己または第三者のために会社と取引をする場合等、会社の利益が害されるおそれがあるため、株主総会等の承認を要求すること利益相反取引規制は、取締役が自己または第三者のために会社と取引をする場合(直接取引)や、会社が取締役の債務を保証する場合等(間接取引)に、会社の利益が害されるおそれがあることから、株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の承認を要求する制度である。

  12. 12. 株主代表訴訟の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 会社が取締役の責任追及を怠る場合に、一定の要件を満たす株主が会社に代わって取締役の責任を追及する訴訟
    • B. 株主が自己の個人的な損害の賠償を会社に請求する訴訟のみを指す
    • C. 株主代表訴訟は会社の全株主が原告にならなければ提起できない
    • D. 株主代表訴訟の提訴には取締役会の承認が必要である

    正解: A. 会社が取締役の責任追及を怠る場合に、一定の要件を満たす株主が会社に代わって取締役の責任を追及する訴訟株主代表訴訟は、会社が取締役等の責任追及を怠っている場合に、一定期間株式を保有する株主が、会社に代わって取締役等に対する責任追及の訴えを提起できる制度であり、経営陣に対する株主によるガバナンスの一手段として機能する。

  13. 13. 経営判断原則(ビジネスジャッジメントルール)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 取締役の経営判断が、判断の前提事実の認識に不注意な誤りがなく、その判断の過程・内容が著しく不合理でない限り、善管注意義務違反を問われないとする考え方
    • B. 取締役の経営判断は結果の良し悪しのみで一律に責任の有無が判断される
    • C. 経営判断原則により取締役はいかなる場合も一切責任を負わない
    • D. 経営判断原則は監査役の判断にのみ適用される考え方である

    正解: A. 取締役の経営判断が、判断の前提事実の認識に不注意な誤りがなく、その判断の過程・内容が著しく不合理でない限り、善管注意義務違反を問われないとする考え方経営判断原則(ビジネスジャッジメントルール)は、事後的に見て結果が悪かったというだけで取締役の責任を問うのではなく、判断の前提となった事実認識の過程に不注意な誤りがなく、意思決定の過程・内容が著しく不合理でない限り、善管注意義務違反を問われないとする裁判例上確立した考え方である。

  14. 14. 剰余金の配当の財源規制の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 剰余金の配当は分配可能額の範囲内でしか行うことができない
    • B. 剰余金の配当には財源に関する制限が一切存在しない
    • C. 分配可能額を超えて配当しても会社法上何ら問題は生じない
    • D. 剰余金の配当は必ず資本金の額そのものから行わなければならない

    正解: A. 剰余金の配当は分配可能額の範囲内でしか行うことができない剰余金の配当は、会社債権者保護の観点から、分配可能額(その他資本剰余金・その他利益剰余金等をもとに算定される金額)の範囲内でしか行うことができないという財源規制が会社法上定められている。

  15. 15. 計算書類に含まれる書類として最も適切なものはどれか。

    • A. 貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表
    • B. 取締役会議事録のみ
    • C. 定款のみ
    • D. 株主名簿のみ

    正解: A. 貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表会社法上の計算書類は、貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表から構成され、各事業年度ごとに作成し、定時株主総会での承認等の手続を経る必要がある。

  16. 16. 吸収合併の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を存続する会社が承継するもの
    • B. 合併により新たに設立される会社に権利義務を承継させる合併のみを指す
    • C. 吸収合併には債権者保護手続が一切不要である
    • D. 吸収合併は必ず現金のみを対価として行わなければならない

    正解: A. 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を存続する会社が承継するもの吸収合併は、合併により消滅する会社(消滅会社)の権利義務の全部を、合併後存続する会社(存続会社)が包括的に承継する組織再編行為であり、原則として株主総会の特別決議による承認及び債権者保護手続が必要となる。

  17. 17. 会社分割(吸収分割)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 会社の事業に関する権利義務の全部または一部を、既存の他の会社に包括的に承継させる組織再編行為
    • B. 会社分割は必ず個別の資産ごとに契約を締結して移転する手続である
    • C. 会社分割には債権者保護手続が一切不要である
    • D. 会社分割は必ず新設される会社にのみ権利義務を承継させる手続を指す

    正解: A. 会社の事業に関する権利義務の全部または一部を、既存の他の会社に包括的に承継させる組織再編行為会社分割(吸収分割)は、会社が事業に関する権利義務の全部または一部を、既存の他の会社(承継会社)に包括的に承継させる組織再編行為であり、事業譲渡(個別の資産ごとの移転)とは異なり、契約・許認可等も原則として当然に承継される点が特徴である。

  18. 18. 株式交換の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 既存の会社(完全子会社となる会社)の発行済株式の全部を、他の会社(完全親会社となる会社)に取得させる組織再編行為
    • B. 株式交換は新たに会社を設立して完全親子会社関係を作る手続のみを指す
    • C. 株式交換をすると完全子会社となる会社は消滅する
    • D. 株式交換には株主総会の承認が一切不要である

    正解: A. 既存の会社(完全子会社となる会社)の発行済株式の全部を、他の会社(完全親会社となる会社)に取得させる組織再編行為株式交換は、既存の会社の発行済株式の全部を、他の既存の会社に取得させることにより、完全親子会社関係を創設する組織再編行為であり、完全子会社となる会社は消滅せず、法人格を維持したまま親会社の傘下に入る点が特徴である(新設会社を用いる場合は株式移転と呼ばれる)。

  19. 19. 株式移転の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 1つまたは複数の会社が、その発行済株式の全部を、新たに設立する会社に取得させる組織再編行為
    • B. 株式移転は既存の会社にのみ株式を取得させる行為であり新設会社は用いない
    • C. 株式移転をすると元の会社は必ず消滅する
    • D. 株式移転には対価として金銭しか用いることができない

    正解: A. 1つまたは複数の会社が、その発行済株式の全部を、新たに設立する会社に取得させる組織再編行為株式移転は、1つまたは複数の株式会社が、その発行済株式の全部を、新たに設立する会社(完全親会社)に取得させる組織再編行為であり、持株会社(ホールディングカンパニー)体制を構築する際などに利用される。

  20. 20. 組織再編(合併等)における「債権者保護手続」の内容として最も適切なものはどれか。

    • A. 官報公告及び知れている債権者への個別催告を行い、異議を述べた債権者に対して弁済等の措置をとること
    • B. 債権者保護手続は組織再編には一切不要である
    • C. 債権者保護手続は債権者の同意が得られるまで組織再編を無期限に延期させる手続にすぎない
    • D. 債権者保護手続は株主のみを対象とする手続である

    正解: A. 官報公告及び知れている債権者への個別催告を行い、異議を述べた債権者に対して弁済等の措置をとること合併・会社分割等の組織再編行為は、会社の債権者の利害に重大な影響を及ぼしうるため、原則として官報での公告及び知れている債権者への個別の催告を行い、一定期間内に異議を述べた債権者に対しては弁済や担保提供等の保護措置をとる債権者保護手続が必要とされる。

  21. 21. M&Aにおける「株式譲渡」による買収方式の特徴として最も適切なものはどれか。

    • A. 対象会社の株式を取得することで経営権を取得する方式であり、対象会社の法人格・契約関係はそのまま維持される
    • B. 株式譲渡を行うと対象会社の資産・負債を個別に選別して承継できる
    • C. 株式譲渡には株主総会の特別決議が常に必要である
    • D. 株式譲渡による買収では対象会社は消滅する

    正解: A. 対象会社の株式を取得することで経営権を取得する方式であり、対象会社の法人格・契約関係はそのまま維持される株式譲渡による買収は、対象会社の株式を取得することで経営権(支配権)を取得する方式であり、対象会社そのものの法人格・契約関係・許認可等はそのまま維持される点が、事業譲渡や会社分割とは異なる特徴である。

  22. 22. 友好的買収と敵対的買収の違いとして最も適切なものはどれか。

    • A. 友好的買収は対象会社の経営陣の同意を得て行われるのに対し、敵対的買収は経営陣の同意を得ずに行われる
    • B. 友好的買収・敵対的買収のいずれも法律上全く同じ手続でなければならない
    • C. 敵対的買収は日本の会社法上一切禁止されている
    • D. 友好的買収では株主の同意は一切不要である

    正解: A. 友好的買収は対象会社の経営陣の同意を得て行われるのに対し、敵対的買収は経営陣の同意を得ずに行われる友好的買収は対象会社の経営陣の同意(賛同)を得て進められる買収であるのに対し、敵対的買収は対象会社の経営陣の同意を得ずに、株式の公開買付け等を通じて進められる買収であり、対象会社が買収防衛策を検討する場合もある。

  23. 23. 株式公開買付け(TOB:Take Over Bid)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 買付期間・価格・株数等を公告し、不特定多数の株主から株式を買い集める制度
    • B. TOBは必ず対象会社の同意を得なければ一切実施できない
    • C. TOBは非公開会社の株式取得にのみ利用される制度である
    • D. TOBを実施すると対象会社は自動的に解散する

    正解: A. 買付期間・価格・株数等を公告し、不特定多数の株主から株式を買い集める制度株式公開買付け(TOB)は、買付者があらかじめ買付期間・買付価格・買付予定株数等を公告し、市場外で不特定多数の株主から株式を買い集める制度であり、金融商品取引法上、一定の要件を満たす株式買付けについてTOBによることが義務付けられる場合がある。

  24. 24. M&A契約における「クロージング条件」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 契約締結後、実際に取引を実行(クロージング)するために満たされるべき前提条件(表明保証の真実性、必要な許認可の取得等)
    • B. クロージング条件はM&A契約の締結と同時に自動的に消滅する
    • C. クロージング条件を満たさなくても取引は必ず実行しなければならない
    • D. クロージング条件は買主にのみ課される条件であり売主には一切課されない

    正解: A. 契約締結後、実際に取引を実行(クロージング)するために満たされるべき前提条件(表明保証の真実性、必要な許認可の取得等)クロージング条件は、M&A契約の締結からクロージング(決済・実行)までの間に満たされるべき前提条件であり、表明保証の真実性の維持、必要な許認可・第三者の同意の取得、重大な悪影響の不発生などが一般的に定められる。

  25. 25. 会計参与の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 取締役と共同して計算書類等を作成する会社の機関であり、公認会計士・監査法人・税理士・税理士法人のいずれかでなければならない
    • B. 会計参与は必ず取締役を兼任しなければならない
    • C. 会計参与は監査役と全く同じ職務のみを行う機関である
    • D. 会計参与の設置は全ての株式会社に義務付けられている

    正解: A. 取締役と共同して計算書類等を作成する会社の機関であり、公認会計士・監査法人・税理士・税理士法人のいずれかでなければならない会計参与は、取締役と共同して計算書類等を作成する株式会社の機関であり、公認会計士(監査法人)または税理士(税理士法人)でなければ就任することができない。中小企業における計算書類の信頼性向上を目的として設けられた任意設置の機関である。

  26. 26. 社外取締役の要件として最も適切なものはどれか。

    • A. その会社またはその子会社の業務執行取締役等でなく、一定期間その関係にないこと等の独立性の要件を満たす者
    • B. 社外取締役は必ず外国籍でなければならない
    • C. 社外取締役は必ず会社の大株主でなければならない
    • D. 社外取締役の要件は会社が自由に定めればよく法律上の定めはない

    正解: A. その会社またはその子会社の業務執行取締役等でなく、一定期間その関係にないこと等の独立性の要件を満たす者社外取締役は、当該会社またはその子会社の業務執行取締役・執行役・使用人でなく、就任前一定期間その地位になかったこと等の独立性に関する要件を会社法上満たす取締役であり、経営の監督機能の強化を目的として重視されている。

  27. 27. 株主総会の特別決議が必要とされる事項の例として最も適切なものはどれか。

    • A. 定款の変更、事業譲渡の承認、組織再編(合併等)の承認
    • B. 計算書類の閲覧請求のみ
    • C. 取締役の日常的な業務執行の承認
    • D. 特別決議は普通決議より要件が緩やかな決議である

    正解: A. 定款の変更、事業譲渡の承認、組織再編(合併等)の承認株主総会の特別決議は、定款の変更、事業の全部または重要な一部の譲渡、合併・会社分割等の組織再編の承認など、会社にとって特に重要な事項について要求される決議であり、普通決議よりも厳格な定足数・賛成要件(議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成等)が定められている。

  28. 28. 株主総会決議の瑕疵を争う訴えのうち「決議取消しの訴え」の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 招集手続や決議方法の法令・定款違反等を理由に、決議の日から3か月以内に提起する訴え
    • B. 決議取消しの訴えには提訴期間の制限が一切ない
    • C. 決議取消しの訴えは会社の役員のみが提起できる
    • D. 決議取消しの訴えは決議内容が法令に違反する場合にのみ利用できる訴えである

    正解: A. 招集手続や決議方法の法令・定款違反等を理由に、決議の日から3か月以内に提起する訴え株主総会決議取消しの訴えは、招集手続または決議方法の法令・定款違反、決議内容の定款違反、特別利害関係人の議決権行使による著しく不当な決議等を理由に、株主等が決議の日から3か月以内に提起することができる訴えである。

  29. 29. 取締役の第三者に対する責任(会社法429条)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 取締役がその職務を行うについて悪意または重過失があったときは、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う
    • B. 取締役は第三者に対していかなる責任も一切負わない
    • C. 取締役の第三者に対する責任は会社に対する責任と全く同一の要件で成立する
    • D. 取締役の第三者に対する責任は必ず刑事罰を伴う

    正解: A. 取締役がその職務を行うについて悪意または重過失があったときは、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う会社法上、取締役がその職務を行うについて悪意または重大な過失があったときは、これによって第三者(会社の取引先や債権者等)に生じた損害を賠償する責任を負うとされており、会社に対する任務懈怠責任とは別に、第三者との関係でも一定の要件のもとで責任を負う制度である。

  30. 30. 監査役の任期に関する会社法上の原則として最も適切なものはどれか。

    • A. 選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
    • B. 監査役の任期は会社が自由にいつでも短縮できる
    • C. 監査役の任期は取締役と全く同じ2年である
    • D. 監査役には任期の定めが法律上一切存在しない

    正解: A. 選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで監査役の任期は、原則として選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされており、取締役の任期(原則2年)よりも長く定められている。これは監査役の独立性を確保する趣旨である。

  31. 31. 社債の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 会社が資金調達のために発行する債券であり、一定期間後に元本を償還し、定期的に利息を支払う金銭債務
    • B. 社債は株式と全く同じ性質を持ち議決権を伴う
    • C. 社債の発行には常に株主総会の特別決議が必要である
    • D. 社債権者は会社の株主総会に一切関与する余地がない代わりに、会社に対する債権者としての権利を持たない

    正解: A. 会社が資金調達のために発行する債券であり、一定期間後に元本を償還し、定期的に利息を支払う金銭債務社債は、会社が資金調達のために発行する債券であり、社債権者は会社に対する債権者として、一定期間後の元本の償還と定期的な利息の支払いを受ける権利を有する。株式のような議決権は伴わない。

  32. 32. 準備金(資本準備金・利益準備金)を積み立てる会社法上の趣旨として最も適切なものはどれか。

    • A. 会社財産の流出を一定程度抑制し、会社債権者保護や財務基盤の安定化を図ること
    • B. 準備金は株主に対して優先的に配当するための財源である
    • C. 準備金の積立ては会社法上一切義務付けられていない
    • D. 準備金を積み立てると資本金の額が当然に減少する

    正解: A. 会社財産の流出を一定程度抑制し、会社債権者保護や財務基盤の安定化を図ること資本準備金・利益準備金の積立ては、剰余金の配当等により会社財産が過度に社外流出することを一定程度抑制し、会社債権者の保護や会社の財務基盤の安定化を図る趣旨で会社法上求められている(剰余金の配当を行う際、原則として一定額を準備金として積み立てる必要がある)。

  33. 33. 発起人の会社設立に関する責任として最も適切なものはどれか。

    • A. 会社が成立しなかった場合、発起人は設立に関して支出した費用等について連帯して責任を負う
    • B. 発起人は会社が成立しなくても一切の責任を負わない
    • C. 発起人の責任は会社成立後には常に一切消滅する
    • D. 発起人は設立時に出資を一切する必要がない

    正解: A. 会社が成立しなかった場合、発起人は設立に関して支出した費用等について連帯して責任を負う会社が成立しなかった場合、発起人は会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、設立に関して支出した費用を負担する(会社が成立しなかった場合の連帯責任)とされている。

  34. 34. 全部取得条項付種類株式の実務上の活用例として最も適切なものはどれか。

    • A. 会社が株主総会の特別決議によりその種類の株式全部を取得することで、少数株主を締め出す(キャッシュアウト)手法として用いられる
    • B. 全部取得条項付種類株式は配当を絶対に受け取れない株式である
    • C. 全部取得条項付種類株式は議決権を必ず有しない株式である
    • D. 全部取得条項付種類株式は非上場会社には発行できない

    正解: A. 会社が株主総会の特別決議によりその種類の株式全部を取得することで、少数株主を締め出す(キャッシュアウト)手法として用いられる全部取得条項付種類株式は、会社が株主総会の特別決議によりその種類の株式の全部を取得できる旨が定められた種類株式であり、M&A等において少数株主に金銭等を交付して株主の地位を失わせる(キャッシュアウト・スクイーズアウト)手法の一つとして実務上活用される。

  35. 35. 簡易組織再編(簡易合併等)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 存続会社等が交付する対価の額が純資産額の一定割合以下であるなど、影響が軽微な場合に株主総会決議を省略できる制度
    • B. 簡易組織再編を行うと債権者保護手続も一切不要になる
    • C. 簡易組織再編は消滅会社側にも常に無条件で適用される
    • D. 簡易組織再編には反対株主の株式買取請求権が一切認められない

    正解: A. 存続会社等が交付する対価の額が純資産額の一定割合以下であるなど、影響が軽微な場合に株主総会決議を省略できる制度簡易組織再編は、存続会社等が交付する対価の額が自社の純資産額の一定割合(原則5分の1)以下であるなど、株主への影響が軽微と考えられる場合に、存続会社側の株主総会決議を省略できる制度であり、機動的な組織再編を可能にする。

  36. 36. 現物出資の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 金銭以外の財産(不動産・動産・有価証券等)をもって出資すること
    • B. 現物出資は必ず金銭出資よりも多くの株式を取得できる出資方法である
    • C. 現物出資には検査役の調査等が一切不要である
    • D. 現物出資は発起設立にのみ認められ、募集設立には認められない

    正解: A. 金銭以外の財産(不動産・動産・有価証券等)をもって出資すること現物出資は、金銭以外の財産(不動産・動産・有価証券・事業用資産等)をもって出資することであり、出資財産の過大評価を防止するため、原則として検査役の調査等の手続が必要とされる(一定の少額の場合等は例外がある)。

  37. 37. 取締役の会社に対する責任を一部免除する制度(責任限定契約)の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 業務執行を行わない非業務執行取締役等について、定款の定めに基づき、あらかじめ責任限度額を定める契約を締結できる制度
    • B. 責任限定契約を締結すれば取締役はいかなる責任も一切負わなくなる
    • C. 責任限定契約は業務執行取締役にも無制限に適用できる
    • D. 責任限定契約の締結には定款の定めは一切不要である

    正解: A. 業務執行を行わない非業務執行取締役等について、定款の定めに基づき、あらかじめ責任限度額を定める契約を締結できる制度責任限定契約は、業務執行を行わない社外取締役や会計参与・監査役・会計監査人等について、定款にその旨の定めを置くことにより、あらかじめ会社との間で責任の限度額を定める契約を締結できる制度であり、有能な社外役員の確保等を目的とする。

  38. 38. 会社法上の会社の種類として定められているものの組み合わせとして最も適切なものはどれか。

    • A. 株式会社、合名会社、合資会社、合同会社
    • B. 株式会社と有限会社の2種類のみ
    • C. 株式会社のみが会社法上の会社である
    • D. 合同会社は会社法には規定されていない会社形態である

    正解: A. 株式会社、合名会社、合資会社、合同会社会社法上の会社は、株式会社と持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)に分類される。有限会社は会社法施行(2006年)により新設ができなくなり、既存の有限会社は特例有限会社として存続する扱いとなっている。

  39. 39. 会社補償(役員等賠償責任保険・補償契約)制度の説明として最も適切なものはどれか。

    • A. 役員等が職務執行に関して負う争訟費用や損害賠償金等の全部または一部を会社が補償することを取り決める契約等の制度
    • B. 会社補償を行うと役員等はいかなる責任も一切負わなくなる
    • C. 会社補償契約の締結には取締役会等の決定は一切不要である
    • D. 会社補償は役員等の故意による法令違反行為についても無制限に補償することを認める制度である

    正解: A. 役員等が職務執行に関して負う争訟費用や損害賠償金等の全部または一部を会社が補償することを取り決める契約等の制度会社補償(補償契約)は、役員等がその職務の執行に関して負うことになる争訟費用や第三者への損害賠償金等について、会社があらかじめ契約に基づき補償することを取り決める制度であり、優秀な人材の役員就任を促進する目的等で会社法に規定が設けられている(ただし会社に対する責任に基づく損害等、補償できない範囲もある)。

  40. 40. 監査等委員会設置会社の特徴として最も適切なものはどれか。

    • A. 監査等委員会(過半数が社外取締役)が監査を担うことで、一定の要件のもとで取締役会から重要な業務執行の決定権限の一部を委譲できる
    • B. 監査等委員会設置会社には監査役を置くことが会社法上義務付けられている
    • C. 監査等委員会設置会社は指名委員会等設置会社と全く同じ機関設計である
    • D. 監査等委員会設置会社では取締役会を置くことができない

    正解: A. 監査等委員会(過半数が社外取締役)が監査を担うことで、一定の要件のもとで取締役会から重要な業務執行の決定権限の一部を委譲できる監査等委員会設置会社は、取締役会の中に過半数が社外取締役で構成される監査等委員会を置き、監査役に代えて監査機能を担わせる機関設計であり、一定の要件を満たす場合には、取締役会から重要な業務執行の決定権限の一部を取締役に委譲できる点で、意思決定の迅速化を図ることができる。