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秘書検定1級 理論領域(資質・職務知識・一般知識)
全40問 / トルカ(https://toruca.app)
問1. 経営トップ(社長・会長等)付きの秘書に求められる最高水準の資質として最も適切なものはどれか。
- A. 極めて高い機密保持意識と、経営判断の重みを理解した上での的確な状況判断力・自律的な補佐能力
- B. 経営トップ付きの秘書には他の秘書と全く同じ水準の資質があれば十分である
- C. 機密保持意識は経営トップ付きの秘書には特に求められない
- D. 経営トップ付きの秘書は自律的な判断を一切行うべきではない
正解: A. 極めて高い機密保持意識と、経営判断の重みを理解した上での的確な状況判断力・自律的な補佐能力 / 経営トップ付きの秘書には、組織全体に影響を及ぼす経営判断の重みを理解したうえで、極めて高い機密保持意識と、状況に応じた的確な判断を自律的に行える補佐能力という、最高水準の資質が求められる。
問2. 秘書が経営トップの意思決定を的確に補佐するために、経営戦略の基本的なフレームワーク(SWOT分析等)を理解しておく意義として最も適切なものはどれか。
- A. 経営会議等の議論の背景・論点をより深く理解し、質の高い情報収集・資料整理につなげられるため
- B. 経営戦略のフレームワークは秘書業務には一切関係のない専門知識である
- C. フレームワークを理解すると秘書が経営判断を代行できるようになる
- D. 秘書は経営戦略に関する知識を一切持つべきではない
正解: A. 経営会議等の議論の背景・論点をより深く理解し、質の高い情報収集・資料整理につなげられるため / SWOT分析等の経営戦略の基本的なフレームワークを理解しておくことで、秘書は経営会議等における議論の背景・論点をより深く理解でき、経営判断そのものを代行するのではなく、質の高い情報収集・資料整理という補佐業務の質を高めることにつながる。
問3. 多国籍企業のグローバル経営における「現地化(ローカライゼーション)」の考え方として最も適切なものはどれか。
- A. 進出先の文化・法制度・市場特性に合わせて経営手法や商品・サービスを適応させること
- B. 現地化とは全ての国で完全に同一の経営手法を画一的に適用することを指す
- C. 現地化はグローバル経営とは全く無関係の概念である
- D. 現地化は秘書業務には一切関係のない専門用語である
正解: A. 進出先の文化・法制度・市場特性に合わせて経営手法や商品・サービスを適応させること / グローバル経営における現地化(ローカライゼーション)は、進出先の文化・法制度・市場特性等に合わせて経営手法や商品・サービスを適応させる考え方であり、画一的なグローバル展開のみでは対応できない各地域の実情への配慮を示す。
問4. 経営トップが多様なステークホルダー(株主・従業員・取引先・地域社会等)との関係を管理する際、秘書が果たしうる役割として最も適切なものはどれか。
- A. 各ステークホルダーとの関係性や過去の経緯に関する情報を整理し、上司が適切な対応を判断できるよう支援する
- B. ステークホルダーとの関係管理は秘書業務には一切関係がない
- C. 秘書がステークホルダーへの対応方針を独断で決定すべきである
- D. ステークホルダーに関する情報整理は不要であり全て記憶に頼ればよい
正解: A. 各ステークホルダーとの関係性や過去の経緯に関する情報を整理し、上司が適切な対応を判断できるよう支援する / 経営トップが多様なステークホルダーとの関係を管理する際、秘書は各ステークホルダーとの関係性・過去の経緯に関する情報を整理し、上司が状況に応じた適切な対応方針を判断できるよう、情報面から支援する役割を担う。
問5. 「シナリオプランニング」の経営における意義として最も適切なものはどれか。
- A. 将来起こりうる複数の不確実なシナリオを想定し、それぞれへの対応策を事前に検討しておく手法
- B. シナリオプランニングは過去の実績のみに基づき将来を確定的に予測する手法である
- C. シナリオプランニングは秘書業務とは全く無関係の概念である
- D. シナリオプランニングは1つの確定的な未来像のみを描く手法である
正解: A. 将来起こりうる複数の不確実なシナリオを想定し、それぞれへの対応策を事前に検討しておく手法 / シナリオプランニングは、将来起こりうる複数の不確実なシナリオ(楽観的な状況、悲観的な状況等)を想定し、それぞれのシナリオに対する対応策を事前に検討しておくことで、不確実性の高い経営環境への備えを強化する手法である。
問6. 秘書が経営トップの後継者選定プロセスに関する情報を扱う際、最も重視すべき原則として最も適切なものはどれか。
- A. 極めて機密性が高く、株価・組織の安定に重大な影響を与えうる情報として厳格に管理する
- B. 後継者選定に関する情報は秘書には一切開示されないため意識する必要がない
- C. 後継者選定の情報は積極的に社内で共有し議論を活性化させるべきである
- D. 後継者選定プロセスに関する情報管理の原則は存在しない
正解: A. 極めて機密性が高く、株価・組織の安定に重大な影響を与えうる情報として厳格に管理する / 経営トップの後継者選定プロセスに関する情報は、株価や組織の安定に重大な影響を与えうる極めて機密性の高い情報であるため、秘書はこれを厳格に管理し、関係者以外への漏えいを絶対に防止する原則を徹底する必要がある。
問7. 「M&A(企業の合併・買収)」に関する情報を秘書が扱う際に特に留意すべき事項として最も適切なものはどれか。
- A. 未公表の段階では極めて厳格な情報管理が求められ、インサイダー取引規制にも十分注意する必要がある
- B. M&Aに関する情報は秘書業務には一切関係のない専門的な内容である
- C. M&Aの情報は公表前であっても自由に社内外に共有してよい
- D. M&Aに関する秘書の関与にはインサイダー取引規制は一切適用されない
正解: A. 未公表の段階では極めて厳格な情報管理が求められ、インサイダー取引規制にも十分注意する必要がある / M&A(企業の合併・買収)に関する情報は、未公表の段階では株価に重大な影響を与えうる特に機密性の高い情報であり、秘書はこれに接する場合、金融商品取引法上のインサイダー取引規制の趣旨を十分理解し、厳格な情報管理に努める必要がある。
問8. 経営トップの秘書が、自らの立ち居振る舞いを通じて組織文化の醸成に寄与しうる側面として最も適切なものはどれか。
- A. 経営トップに近い立場として模範的な行動・対応を示すことが、組織全体の規範意識に良い影響を与えうる
- B. 秘書の立ち居振る舞いは組織文化には一切影響を与えない
- C. 組織文化の醸成は経営トップのみの責任であり秘書には一切関係がない
- D. 秘書は模範的な行動を意識する必要が一切ない
正解: A. 経営トップに近い立場として模範的な行動・対応を示すことが、組織全体の規範意識に良い影響を与えうる / 経営トップに近い立場にある秘書の立ち居振る舞い(誠実さ、機密保持、礼儀正しさ等)は、他の従業員から見える模範的な姿として、組織全体の規範意識や企業文化の醸成に間接的に良い影響を与えうる側面がある。
問9. 「デューデリジェンス」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. M&A等の取引に先立ち、対象企業の財務・法務・事業等の状況を詳細に調査・分析すること
- B. デューデリジェンスとは株主総会の議事進行手順のみを指す用語である
- C. デューデリジェンスは秘書業務とは全く無関係の概念である
- D. デューデリジェンスは従業員の勤怠管理手法のみを指す用語である
正解: A. M&A等の取引に先立ち、対象企業の財務・法務・事業等の状況を詳細に調査・分析すること / デューデリジェンスは、M&A等の重要な取引に先立ち、対象企業の財務状況・法務リスク・事業内容等を詳細に調査・分析するプロセスを指し、秘書はこうした重要案件に関連する日程調整・資料整理等の実務支援に関与することがある。
問10. 経営トップが重大な経営危機(大規模な不祥事、業績の急激な悪化等)に直面した際、秘書が果たすべき最も本質的な役割として最も適切なものはどれか。
- A. 冷静に情報を整理し、意思決定に必要な正確な情報を迅速に提供することで、経営トップが適切な判断を下せるよう支える
- B. 経営危機への対応方針そのものを秘書が主導して決定する
- C. 経営危機の際は秘書の通常業務を全て停止し何もしないことが適切である
- D. 情報の整理・提供は経営危機の際にはむしろ避けるべきである
正解: A. 冷静に情報を整理し、意思決定に必要な正確な情報を迅速に提供することで、経営トップが適切な判断を下せるよう支える / 経営トップが重大な経営危機に直面した際、秘書の最も本質的な役割は、危機対応の方針決定そのものを主導することではなく、冷静に情報を整理し、意思決定に必要な正確な情報を迅速に提供することで、経営トップが適切な判断を下せるよう支えることにある。
問11. 「アクティビスト投資家」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. 投資先企業に対し、経営方針の変更や株主還元の強化等を積極的に働きかける投資家
- B. アクティビスト投資家とは経営に一切関与せず配当のみを受け取る投資家を指す
- C. アクティビスト投資家は秘書業務とは全く無関係の概念である
- D. アクティビスト投資家は従業員の労働組合活動のみを指す用語である
正解: A. 投資先企業に対し、経営方針の変更や株主還元の強化等を積極的に働きかける投資家 / アクティビスト投資家は、投資先企業の株式を取得したうえで、経営方針の変更、株主還元の強化、取締役の選任等について積極的に経営陣へ働きかけを行う投資家を指し、近年の企業経営における重要なステークホルダーの一類型として認識されている。
問12. 秘書が経営トップの意向を正確に汲み取るために日頃から心がけるべき最も本質的な姿勢として最も適切なものはどれか。
- A. 日常的なコミュニケーションを丁寧に重ね、経営トップの考え方・価値観・判断基準への理解を深めること
- B. 経営トップの意向は毎回明示的な指示を待つのみで十分であり理解を深める必要はない
- C. 経営トップの考え方を理解する努力は秘書業務には一切不要である
- D. 日常的なコミュニケーションは経営トップの意向把握には全く関係がない
正解: A. 日常的なコミュニケーションを丁寧に重ね、経営トップの考え方・価値観・判断基準への理解を深めること / 秘書が経営トップの意向を正確に汲み取るためには、日常的なコミュニケーションを丁寧に重ね、経営トップの考え方・価値観・判断基準への理解を深めることが最も本質的であり、これにより明示的な指示がない場面でも的確な補佐が可能になる。
問13. 「インテグリティ(誠実性)経営」が重視される理由として最も適切なものはどれか。
- A. 経営陣の誠実な姿勢が、従業員・株主・社会からの信頼獲得と持続的な企業価値向上の基盤となるため
- B. インテグリティ経営は利益の最大化とは無関係の理想論にすぎない
- C. インテグリティ経営は秘書業務とは全く無関係の概念である
- D. インテグリティ経営は従業員の給与額を決定するための指標にすぎない
正解: A. 経営陣の誠実な姿勢が、従業員・株主・社会からの信頼獲得と持続的な企業価値向上の基盤となるため / インテグリティ(誠実性)経営が重視されるのは、経営陣の誠実な姿勢が、従業員・株主・取引先・社会からの信頼獲得につながり、それが持続的な企業価値向上の基盤となると考えられているためである。秘書自身の誠実な業務遂行も、こうした組織全体の信頼構築の一端を担う。
問14. 秘書が経営トップの「意思決定の質」を高めるために提供すべき情報の在り方として最も適切なものはどれか。
- A. 多角的な視点からの情報を偏りなく整理し、賛否両論がある場合はその双方を公平に提示する
- B. 経営トップに都合の良い情報のみを選別して提供すべきである
- C. 情報の偏りは意思決定の質には一切影響しない
- D. 賛否両論がある場合は片方の意見のみを提示すればよい
正解: A. 多角的な視点からの情報を偏りなく整理し、賛否両論がある場合はその双方を公平に提示する / 秘書が経営トップの意思決定の質を高めるためには、多角的な視点からの情報を偏りなく整理し、賛否両論がある論点についてはその双方を公平に提示することで、経営トップがバイアスに影響されにくい、より的確な判断を下せるよう支援することが重要である。
問15. 「パーパス経営」の考え方として最も適切なものはどれか。
- A. 企業の存在意義・社会的な使命(パーパス)を経営の中心に据え、それに基づいて戦略や意思決定を行う経営スタイル
- B. パーパス経営とは短期的な利益の最大化のみを追求する経営スタイルである
- C. パーパス経営は秘書業務とは全く無関係の概念である
- D. パーパス経営は企業の存在意義を一切考慮しない経営スタイルである
正解: A. 企業の存在意義・社会的な使命(パーパス)を経営の中心に据え、それに基づいて戦略や意思決定を行う経営スタイル / パーパス経営は、企業が「何のために存在するのか」という存在意義・社会的な使命(パーパス)を経営の中心に据え、それに基づいて戦略立案や日々の意思決定を行う経営スタイルであり、近年、長期的な企業価値向上との関連で注目されている考え方である。
問16. 経営トップが機関投資家との対話(IRミーティング等)に臨む際、秘書が果たしうる支援として最も適切なものはどれか。
- A. 過去の対話履歴や投資家の関心事項を整理し、経営トップが的確に対応できるよう準備を支援する
- B. 機関投資家との対話内容そのものについて秘書が代理で回答する
- C. IRミーティングへの支援は秘書の業務範囲には一切含まれない
- D. 過去の対話履歴を整理する必要は一切ない
正解: A. 過去の対話履歴や投資家の関心事項を整理し、経営トップが的確に対応できるよう準備を支援する / 経営トップが機関投資家との対話(IRミーティング等)に臨む際、秘書は過去の対話履歴や投資家の関心事項(経営戦略、ESGへの取り組み等)を整理し、経営トップが的確な対応を準備できるよう支援する役割を担うことができる。
問17. 「レジリエントなサプライチェーン」構築が近年重視される背景として最も適切なものはどれか。
- A. 自然災害・地政学リスク等によるサプライチェーンの分断が企業経営に重大な影響を与えることが認識されているため
- B. サプライチェーンのレジリエンスは企業経営とは全く無関係の概念である
- C. サプライチェーンは一切分断されるリスクが存在しないため対策は不要である
- D. サプライチェーンの構築は秘書業務には一切関係のない専門分野である
正解: A. 自然災害・地政学リスク等によるサプライチェーンの分断が企業経営に重大な影響を与えることが認識されているため / 近年、自然災害・地政学リスク・感染症の流行等によるサプライチェーンの分断が企業経営に重大な影響を与えることが広く認識されており、こうしたリスクに対して柔軟に対応できる「レジリエントなサプライチェーン」の構築が経営上の重要課題とされている。
問18. 秘書が複数の経営幹部(社長・副社長等)に同時に付く場合に生じうる利益相反的な状況への対応として最も適切なものはどれか。
- A. 各幹部の機密情報を厳格に区分し、一方の情報を他方に不用意に共有しないよう細心の注意を払う
- B. 複数の経営幹部に付く場合、情報は全て共有してよく区分する必要はない
- C. 利益相反的な状況は秘書業務には一切生じえない
- D. 各幹部の機密情報を区分する必要は一切ない
正解: A. 各幹部の機密情報を厳格に区分し、一方の情報を他方に不用意に共有しないよう細心の注意を払う / 複数の経営幹部に同時に付く秘書は、各幹部が持つ機密情報を厳格に区分して管理し、一方の情報を他方へ不用意に共有することがないよう、細心の注意を払う必要がある。これは秘書としての信頼性を維持するうえで極めて重要な原則である。
問19. 「非財務情報の開示」(人的資本、環境対応等)が近年重視される理由として最も適切なものはどれか。
- A. 財務情報だけでは把握しきれない企業の持続的な価値創造力を評価するために、投資家等から重視されているため
- B. 非財務情報の開示は法律上一切禁止されている行為である
- C. 非財務情報は財務情報よりも重要性が常に低いとされている
- D. 非財務情報の開示は秘書業務とは全く無関係な概念である
正解: A. 財務情報だけでは把握しきれない企業の持続的な価値創造力を評価するために、投資家等から重視されているため / 非財務情報(人的資本への投資状況、環境対応、ガバナンス体制等)の開示が近年重視されているのは、従来の財務情報だけでは把握しきれない企業の持続的な価値創造力を、投資家等のステークホルダーが評価するうえで重要な情報とされているためである。
問20. 秘書が経営トップの「代弁者」的な立場で対外的なコミュニケーションを行う場面が生じた際の心得として最も適切なものはどれか。
- A. 自らの発言が経営トップの意向を代表するものと受け取られる重みを自覚し、逸脱のない範囲で慎重に対応する
- B. 代弁者的な立場では秘書個人の自由な見解を発言してよい
- C. 対外的なコミュニケーションでは経営トップの意向を無視してよい
- D. 代弁者的な立場になることは秘書には一切生じえない
正解: A. 自らの発言が経営トップの意向を代表するものと受け取られる重みを自覚し、逸脱のない範囲で慎重に対応する / 秘書が経営トップの「代弁者」的な立場で対外的なコミュニケーションを行う場面では、自らの発言が経営トップの意向を代表するものと受け取られうる重みを自覚し、事前に確認した範囲を逸脱しないよう慎重に対応することが求められる。
問21. 「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が経営戦略上重視される理由として最も適切なものはどれか。
- A. デジタル技術の活用によりビジネスモデルや業務プロセスを変革し、競争優位性を確立するため
- B. DXとは単にパソコンを導入することのみを指す用語である
- C. DXは秘書業務とは全く無関係の専門的すぎる概念である
- D. DXは既存のビジネスモデルを一切変更しないことを目的とする取り組みである
正解: A. デジタル技術の活用によりビジネスモデルや業務プロセスを変革し、競争優位性を確立するため / DX(デジタルトランスフォーメーション)は、単なるITツールの導入にとどまらず、デジタル技術の活用によってビジネスモデルや業務プロセスそのものを変革し、競争優位性を確立することを目指す経営戦略上の重要な取り組みである。秘書業務においても、スケジュール管理や文書管理のデジタル化はその一端といえる。
問22. 秘書が経営トップの健康管理(多忙による過労のリスク等)に配慮する意義として最も適切なものはどれか。
- A. 経営トップの健康状態は組織全体の意思決定の質や事業の継続性に直結しうるため
- B. 経営トップの健康管理は秘書業務には一切関係がない
- C. 経営トップは多忙であるほど良い経営判断ができるため健康への配慮は不要である
- D. 健康管理への配慮は経営トップ本人にのみ委ねるべきで秘書は一切関与すべきでない
正解: A. 経営トップの健康状態は組織全体の意思決定の質や事業の継続性に直結しうるため / 経営トップの健康状態は、組織全体の意思決定の質や事業の継続性に直結しうる重要な経営リスクの一つであるため、秘書はスケジュール管理を通じて過度な負荷がかからないよう配慮するなど、健康管理への側面的な支援を行うことに意義がある。
問23. 「フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. 他者の利益のために業務を行う者が、その他者の利益を最優先して誠実に職務を遂行すべき責任
- B. フィデューシャリー・デューティーとは自己の利益のみを最優先すべき責任を指す
- C. フィデューシャリー・デューティーは秘書業務とは全く無関係の法律用語である
- D. フィデューシャリー・デューティーは会社の設立手続にのみ関係する概念である
正解: A. 他者の利益のために業務を行う者が、その他者の利益を最優先して誠実に職務を遂行すべき責任 / フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)は、他者(顧客・投資家等)の利益のために業務を行う者が、自己の利益よりもその他者の利益を最優先して誠実に職務を遂行すべき責任を指し、資産運用業等の文脈で特に重視される概念である。
問24. 秘書が経営トップの「意思決定の履歴(ログ)」を適切に記録・保管する意義として最も適切なものはどれか。
- A. 後日の説明責任(アカウンタビリティ)や、意思決定プロセスの透明性の確保に資するため
- B. 意思決定の履歴を記録することには一切の意義がない
- C. 意思決定の履歴は記録せず全て記憶に頼るべきである
- D. 意思決定の履歴の記録は秘書業務には一切関係がない
正解: A. 後日の説明責任(アカウンタビリティ)や、意思決定プロセスの透明性の確保に資するため / 秘書が経営トップの意思決定の履歴(議事録、検討経緯の記録等)を適切に記録・保管しておくことは、後日その意思決定について説明を求められた際の説明責任(アカウンタビリティ)の確保や、意思決定プロセス全体の透明性向上に資する重要な意義がある。
問25. 「エンゲージメント(従業員エンゲージメント)」が経営指標として重視される理由として最も適切なものはどれか。
- A. 従業員の仕事への熱意・組織への愛着が、生産性や離職率等の経営成果に影響を与えると考えられているため
- B. 従業員エンゲージメントは経営成果とは全く無関係の指標である
- C. エンゲージメントは秘書業務には一切関係のない概念である
- D. エンゲージメントは従業員の給与額のみを表す指標である
正解: A. 従業員の仕事への熱意・組織への愛着が、生産性や離職率等の経営成果に影響を与えると考えられているため / 従業員エンゲージメント(仕事への熱意や組織への愛着の度合い)が経営指標として重視されるのは、これが生産性の向上や離職率の低下等、企業の持続的な成長に関わる経営成果に影響を与えると考えられているためである。
問26. 秘書が経営トップの後任(次期社長等)への引継ぎに関与する場合に留意すべき事項として最も適切なものはどれか。
- A. 現職と後任双方の意向を踏まえつつ、極めて機密性の高い情報の取扱いに細心の注意を払う
- B. 後任への引継ぎに秘書が関与することは一切あってはならない
- C. 後任への引継ぎでは現職の意向を一切考慮する必要がない
- D. 機密性の高い情報は後任には一切共有すべきではない
正解: A. 現職と後任双方の意向を踏まえつつ、極めて機密性の高い情報の取扱いに細心の注意を払う / 経営トップの後任への引継ぎに秘書が関与する場合、現職と後任双方の意向を踏まえたうえで、経営上極めて機密性の高い情報(人事、財務、係争案件等)の取扱いには細心の注意を払い、円滑かつ適切な引継ぎを支援することが求められる。
問27. 「サステナビリティ経営」の考え方として最も適切なものはどれか。
- A. 環境・社会への配慮と経済的な成長を両立させ、持続可能な形で企業価値の向上を目指す経営の考え方
- B. サステナビリティ経営とは短期的な利益の最大化のみを目的とする経営である
- C. サステナビリティ経営は秘書業務とは全く無関係の概念である
- D. サステナビリティ経営は環境・社会への配慮を一切考慮しない経営である
正解: A. 環境・社会への配慮と経済的な成長を両立させ、持続可能な形で企業価値の向上を目指す経営の考え方 / サステナビリティ経営は、環境・社会への配慮と経済的な成長を両立させながら、持続可能な形で企業価値の向上を目指す経営の考え方であり、近年の企業経営における重要な潮流として広く認識されている。
問28. 秘書が経営トップの下で複数の重要案件(M&A、大型投資等)の機密情報を同時に扱う際に徹底すべき原則として最も適切なものはどれか。
- A. 各案件の情報を厳格に区分(コンパートメント化)し、関係者以外や無関係な案件担当者へ情報が漏れないよう徹底する
- B. 複数案件の機密情報は全て一括で管理し区分する必要はない
- C. 機密情報の区分管理は秘書業務には一切求められない
- D. 案件間で情報を積極的に共有することが望ましい
正解: A. 各案件の情報を厳格に区分(コンパートメント化)し、関係者以外や無関係な案件担当者へ情報が漏れないよう徹底する / 複数の重要案件の機密情報を同時に扱う場合、秘書は各案件の情報を厳格に区分(コンパートメント化)し、関係者以外や無関係な他の案件の担当者へ情報が漏れることのないよう、徹底した情報管理を行う必要がある。
問29. 「ダイベストメント(投資撤退)」が企業の資本政策・事業ポートフォリオの文脈で意味する内容として最も適切なものはどれか。
- A. 収益性や戦略適合性の低下した事業・資産等から資本を引き揚げること
- B. ダイベストメントとは新規事業へ積極的に投資することのみを指す用語である
- C. ダイベストメントは秘書業務とは全く無関係の概念である
- D. ダイベストメントは従業員の採用活動のみを指す用語である
正解: A. 収益性や戦略適合性の低下した事業・資産等から資本を引き揚げること / ダイベストメント(投資撤退)は、収益性や戦略適合性が低下した事業・資産・子会社等から資本を引き揚げる(売却・撤退する)ことを指し、選択と集中を進める事業ポートフォリオ戦略の一環として行われることが多い。
問30. 秘書検定1級で求められる「理論」領域の到達水準として最も適切なものはどれか。
- A. 経営トップ層を補佐するにふさわしい、経営戦略・グローバル経営・高度な危機管理への深い理解と、極めて高い倫理観・機密保持意識
- B. 1級の理論領域は準1級と全く同じ内容の繰り返しにすぎない
- C. 1級では理論的な知識は一切問われない
- D. 1級の理論領域は経営に関する知識を一切必要としない
正解: A. 経営トップ層を補佐するにふさわしい、経営戦略・グローバル経営・高度な危機管理への深い理解と、極めて高い倫理観・機密保持意識 / 秘書検定1級で求められる理論領域の到達水準は、経営トップ層を補佐するにふさわしい、経営戦略・グローバル経営・高度な危機管理等への深い理解と、極めて高い倫理観・機密保持意識を兼ね備えた、最高水準の補佐能力である。なお1級には筆記試験に加えて面接試験(実技の実演)が課される点にも留意が必要である。
問31. 秘書が経営トップの意思決定に関わる会議に陪席(同席)する際に求められる姿勢として最も適切なものはどれか。
- A. 議論の内容を正確に記録・把握しつつ、自らの意見を差し挟むことなく中立的な立場で職務に徹する
- B. 陪席する秘書は議論に積極的に参加し自らの経営判断を主張すべきである
- C. 陪席の際は議論の内容を記録する必要が一切ない
- D. 中立的な立場を保つ必要は一切ない
正解: A. 議論の内容を正確に記録・把握しつつ、自らの意見を差し挟むことなく中立的な立場で職務に徹する / 秘書が経営トップの意思決定に関わる会議に陪席する際は、議論の内容を正確に記録・把握する役割に徹し、自らの意見を差し挟むことなく中立的な立場を保つことが、秘書としての職務上求められる基本的な姿勢である。
問32. 「デジタル・ディバイド」への配慮が企業のダイバーシティ推進において意味する内容として最も適切なものはどれか。
- A. デジタル技術へのアクセスやリテラシーの格差により生じうる不利益・排除に配慮すること
- B. デジタル・ディバイドとはデジタル機器の性能差のみを指す技術用語である
- C. デジタル・ディバイドは企業経営とは全く無関係の概念である
- D. デジタル・ディバイドへの配慮は秘書業務には一切関係がない
正解: A. デジタル技術へのアクセスやリテラシーの格差により生じうる不利益・排除に配慮すること / デジタル・ディバイド(情報格差)への配慮は、デジタル技術へのアクセスやリテラシーの違いにより生じうる従業員間・顧客間の不利益や排除に配慮することを意味し、ダイバーシティ推進や働き方改革の文脈で考慮されるべき視点の一つである。
問33. 秘書が経営トップの下で、複数年にわたる長期的な経営課題(事業承継、組織再編等)に継続的に関わる場合の心得として最も適切なものはどれか。
- A. 経緯・検討過程を体系的に記録し、担当者が変わっても一貫した対応ができるよう情報を整理・引き継ぐ
- B. 長期的な経営課題への関与は秘書業務には一切求められない
- C. 経緯の記録は不要でありその都度記憶に頼ればよい
- D. 長期的な課題では一貫性よりもその場しのぎの対応を優先すべきである
正解: A. 経緯・検討過程を体系的に記録し、担当者が変わっても一貫した対応ができるよう情報を整理・引き継ぐ / 複数年にわたる長期的な経営課題に継続的に関わる場合、秘書はその経緯・検討過程を体系的に記録し、たとえ担当者(秘書自身を含む)が変わっても一貫した対応ができるよう、情報を整理・引き継ぐことが重要である。
問34. 「ステークホルダー資本主義」の考え方として最も適切なものはどれか。
- A. 株主だけでなく、従業員・顧客・取引先・地域社会等、多様なステークホルダーの利益を考慮して経営を行うべきとする考え方
- B. ステークホルダー資本主義とは株主の利益のみを唯一絶対視する考え方である
- C. ステークホルダー資本主義は秘書業務とは全く無関係の概念である
- D. ステークホルダー資本主義は従業員の利益を一切考慮しない考え方である
正解: A. 株主だけでなく、従業員・顧客・取引先・地域社会等、多様なステークホルダーの利益を考慮して経営を行うべきとする考え方 / ステークホルダー資本主義は、株主の利益のみを重視する従来型の考え方(株主資本主義)に対し、従業員・顧客・取引先・地域社会等、多様なステークホルダーの利益を総合的に考慮して経営を行うべきとする考え方であり、近年の経営における重要な潮流として広がっている。
問35. 秘書が経営トップの下で「危機の芽」(将来重大な問題に発展しうる小さな兆候)に日頃から注意を払う意義として最も適切なものはどれか。
- A. 早期に兆候を察知し報告することで、重大な危機へと発展する前に対処する機会を確保できるため
- B. 危機の芽への注意は秘書業務には一切求められない
- C. 小さな兆候は重大な危機には一切発展しないため注意する必要がない
- D. 危機の兆候を察知しても報告する必要は一切ない
正解: A. 早期に兆候を察知し報告することで、重大な危機へと発展する前に対処する機会を確保できるため / 秘書が日頃から「危機の芽」(クレームの増加、社内の異変等、将来重大な問題に発展しうる小さな兆候)に注意を払い、早期に察知して上司に報告することは、重大な危機へと発展する前に組織が対処する機会を確保するうえで重要な意義を持つ。
問36. 「ガバナンス・リスク・コンプライアンス(GRC)」を統合的に管理する考え方の意義として最も適切なものはどれか。
- A. 各領域を個別最適で管理するのではなく、相互に関連させて全社的なリスク管理体制の実効性を高めること
- B. GRCは各領域を完全に独立させ相互に関連させないための考え方である
- C. GRCは秘書業務とは全く無関係の専門的すぎる概念である
- D. GRCはガバナンスのみを対象としリスクやコンプライアンスとは無関係である
正解: A. 各領域を個別最適で管理するのではなく、相互に関連させて全社的なリスク管理体制の実効性を高めること / GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)を統合的に管理する考え方は、これらの領域を個別最適でバラバラに管理するのではなく、相互に関連させて捉えることで、全社的なリスク管理体制の実効性を高めることを目指すものである。
問37. 秘書が経営トップの「意思決定を遅らせない」ための情報提供の在り方として最も適切なものはどれか。
- A. 必要な情報を過不足なく、判断に必要なタイミングで的確に提供する
- B. 情報は可能な限り遅く提供した方が意思決定の質が高まる
- C. 情報提供のタイミングは意思決定の速度には一切影響しない
- D. 必要な情報を意図的に一部隠して提供することが望ましい
正解: A. 必要な情報を過不足なく、判断に必要なタイミングで的確に提供する / 秘書が経営トップの意思決定を遅らせないためには、必要な情報を過不足なく整理し、判断が必要となるタイミングを見極めて的確に提供することが重要であり、情報の欠落や過剰、提供の遅れは意思決定の停滞を招くおそれがある。
問38. 「ヒューマンキャピタル(人的資本)経営」の考え方として最も適切なものはどれか。
- A. 従業員を単なるコストではなく、企業価値創造の源泉となる資本として捉え、その育成・活用に戦略的に投資する経営
- B. ヒューマンキャピタル経営とは従業員を単なるコストとしてのみ捉える経営である
- C. ヒューマンキャピタル経営は秘書業務とは全く無関係の概念である
- D. ヒューマンキャピタル経営は従業員への投資を一切行わない経営である
正解: A. 従業員を単なるコストではなく、企業価値創造の源泉となる資本として捉え、その育成・活用に戦略的に投資する経営 / ヒューマンキャピタル(人的資本)経営は、従業員を単なるコストではなく、企業価値創造の源泉となる「資本」として捉え、その育成・活用に戦略的に投資することで、持続的な企業価値の向上を図る経営の考え方であり、近年の情報開示の潮流とも関連が深い。
問39. 秘書が長年の経験を通じて培った「暗黙知」(言語化しにくいノウハウ)を後進に伝えることの意義として最も適切なものはどれか。
- A. 組織全体の秘書機能の質を維持・向上させ、属人化によるリスクを軽減すること
- B. 暗黙知は言語化できないため一切継承する必要がない
- C. 暗黙知の継承は秘書個人の利益にしかならず組織には無関係である
- D. 後進への指導は秘書検定1級の求める資質には一切含まれない
正解: A. 組織全体の秘書機能の質を維持・向上させ、属人化によるリスクを軽減すること / 秘書が長年の経験で培った暗黙知(言語化しにくい判断基準やノウハウ)を後進に伝えることは、特定の個人にしかできない状態(属人化)に伴うリスクを軽減し、組織全体としての秘書機能の質を維持・向上させるという重要な意義を持つ。
問40. 秘書検定1級の取得が、秘書としてのキャリアにおいて持つ意義として最も適切なものはどれか。
- A. 経営トップ層を補佐する高度な実務能力・判断力・倫理観を体系的に有していることの対外的な証明となる
- B. 1級の取得には秘書としてのキャリア上いかなる意義も存在しない
- C. 1級は筆記試験のみで完結し実務能力とは一切関係がない資格である
- D. 1級の取得は秘書業務の質の向上には一切寄与しない
正解: A. 経営トップ層を補佐する高度な実務能力・判断力・倫理観を体系的に有していることの対外的な証明となる / 秘書検定1級の取得は、経営トップ層を補佐するために求められる高度な実務能力・状況判断力・倫理観を体系的に有していることを対外的に証明するものであり、秘書としてのキャリアにおいて重要な意義を持つ。試験は筆記に加え面接(実技の実演)も課され、知識と実践力の両面が問われる。