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販売士検定2級 販売・経営管理(応用)
全40問 / トルカ(https://toruca.app)
問1. ある小売企業の売上高が1億円、経常利益が800万円の場合、売上高経常利益率(%)はいくらか。
売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100。経常利益800万円、売上高1億円として計算せよ。単位: % / ヒント: 8,000,000 ÷ 100,000,000 × 100
正解: 8% / 売上高経常利益率=経常利益8,000,000円÷売上高100,000,000円×100=8%となる。売上高経常利益率は、金融収支等の経常的な収益力を含めた企業全体の収益性を測る代表的な指標である。
問2. 流動資産が600万円、流動負債が300万円の場合、流動比率(%)はいくらか。
流動比率=流動資産÷流動負債×100。流動資産600万円、流動負債300万円として計算せよ。単位: % / ヒント: 6,000,000 ÷ 3,000,000 × 100
正解: 200% / 流動比率=流動資産6,000,000円÷流動負債3,000,000円×100=200%となる。流動比率は、短期的な支払能力(安全性)を測る指標であり、一般的に200%以上あれば望ましいとされる。
問3. 「自己資本比率」が高い企業の特徴として最も適切なものはどれか。
- A. 総資産に占める返済不要の自己資本の割合が高く、財務的な安全性・健全性が高いと評価される
- B. 自己資本比率が高いほど借入金への依存度が高いことを意味する
- C. 自己資本比率は企業の収益性のみを表す指標であり安全性とは無関係である
- D. 自己資本比率は流動資産の割合のみを表す指標である
正解: A. 総資産に占める返済不要の自己資本の割合が高く、財務的な安全性・健全性が高いと評価される / 自己資本比率(自己資本÷総資産×100)は、総資産のうち返済不要の自己資本(株主資本等)が占める割合を示す指標であり、比率が高いほど借入金への依存度が低く、財務的な安全性・健全性が高いと評価される。
問4. 損益分岐点比率が低い企業の経営上の意味として最も適切なものはどれか。
- A. 実際の売上高が損益分岐点売上高を大きく上回っており、売上が多少減少しても赤字に陥りにくい経営体質である
- B. 損益分岐点比率が低いほど、わずかな売上減少でも赤字に陥りやすい経営体質である
- C. 損益分岐点比率は固定費の割合とは全く無関係な指標である
- D. 損益分岐点比率が低い企業は必ず赤字経営に陥っている
正解: A. 実際の売上高が損益分岐点売上高を大きく上回っており、売上が多少減少しても赤字に陥りにくい経営体質である / 損益分岐点比率(損益分岐点売上高÷実際の売上高×100)が低いということは、実際の売上高が損益分岐点売上高を大きく上回っている状態を意味し、売上がある程度減少しても赤字に陥りにくい、経営の安全性が高い体質であるといえる。
問5. 「キャッシュフロー計算書」を分析する意義として最も適切なものはどれか。
- A. 損益計算書上は黒字でも資金繰りが悪化する「黒字倒産」のリスクを把握し、実際の資金の増減を営業・投資・財務の3区分で確認できる
- B. キャッシュフロー計算書は損益計算書と全く同じ情報のみを示す書類である
- C. キャッシュフロー計算書には営業活動によるキャッシュフローという区分は一切存在しない
- D. キャッシュフロー計算書の分析には黒字倒産のリスク把握という意義は一切関係ない
正解: A. 損益計算書上は黒字でも資金繰りが悪化する「黒字倒産」のリスクを把握し、実際の資金の増減を営業・投資・財務の3区分で確認できる / キャッシュフロー計算書は、企業の資金(現金)の増減を「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3区分で表す財務諸表であり、損益計算書上は黒字であっても実際の資金繰りが悪化する「黒字倒産」のリスクを把握するうえで重要な分析対象となる。
問6. 「営業活動によるキャッシュフロー」がマイナスである状態が意味することとして最も適切なものはどれか。
- A. 本業の営業活動から資金が流出しており、事業運営上の資金繰りに問題が生じている可能性を示す
- B. 営業活動によるキャッシュフローがマイナスであることは常に健全な経営状態を意味する
- C. 営業活動によるキャッシュフローは投資活動の状況とは全く無関係である
- D. 営業活動によるキャッシュフローのマイナスは企業の成長を示す望ましい兆候である
正解: A. 本業の営業活動から資金が流出しており、事業運営上の資金繰りに問題が生じている可能性を示す / 営業活動によるキャッシュフローがマイナスであるということは、本業の営業活動(商品の仕入・販売等)から資金が流出している状態を意味し、事業運営上の資金繰りに問題が生じている可能性を示す警戒すべき兆候である(ただし急成長期の在庫積み増し等、一時的な要因の場合もあるため詳細な分析が必要)。
問7. 小売業の「中期経営計画」を策定する際に含めるべき要素として最も適切なものはどれか。
- A. 外部環境分析(市場動向、競合状況)、内部環境分析(自社の強み弱み)、具体的な数値目標、実行のためのアクションプラン
- B. 中期経営計画には数値目標という要素は一切含める必要がない
- C. 中期経営計画は外部環境分析を一切考慮せず策定すべきである
- D. 中期経営計画は経営者のみが把握していればよく従業員には共有する必要がない
正解: A. 外部環境分析(市場動向、競合状況)、内部環境分析(自社の強み弱み)、具体的な数値目標、実行のためのアクションプラン / 小売業の中期経営計画には、市場動向や競合状況等の外部環境分析、自社の強み・弱みを把握する内部環境分析(SWOT分析等)を踏まえたうえで、売上高・利益等の具体的な数値目標と、それを実現するための実行可能なアクションプラン(出店計画、商品戦略等)を含めることが求められる。
問8. 小売業における「リスクマネジメント」の体系化として最も適切なものはどれか。
- A. 自然災害、サイバー攻撃、サプライチェーン寸断等、想定されるリスクを洗い出し、発生可能性と影響度を評価したうえで、優先順位をつけて対策を講じる
- B. リスクマネジメントはリスクの洗い出しという工程は一切不要である
- C. リスクマネジメントは自然災害のみを対象とした取り組みである
- D. リスクマネジメントには優先順位付けという考え方は一切関係ない
正解: A. 自然災害、サイバー攻撃、サプライチェーン寸断等、想定されるリスクを洗い出し、発生可能性と影響度を評価したうえで、優先順位をつけて対策を講じる / 小売業におけるリスクマネジメントの体系化では、自然災害、サイバー攻撃、サプライチェーンの寸断、風評被害等、事業に影響を及ぼしうる様々なリスクを網羅的に洗い出し、それぞれの発生可能性と影響度(損失規模)を評価したうえで、優先順位の高いリスクから重点的に対策(回避・低減・移転・受容)を講じるプロセスが重要である。
問9. 小売業における「サイバーセキュリティリスク」への対応として最も適切なものはどれか。
- A. 顧客の個人情報や決済情報を保護するため、システムのセキュリティ対策強化に加え、従業員への情報セキュリティ教育を実施する
- B. サイバーセキュリティリスクは大企業のみが対応すべきであり中小小売業には無関係である
- C. サイバーセキュリティリスクへの対応にはシステム面の対策のみで十分であり従業員教育は不要である
- D. サイバーセキュリティリスクは実店舗のみを運営する小売業には一切関係のないリスクである
正解: A. 顧客の個人情報や決済情報を保護するため、システムのセキュリティ対策強化に加え、従業員への情報セキュリティ教育を実施する / 小売業におけるサイバーセキュリティリスクへの対応としては、ECサイトや決済システム等における顧客の個人情報・決済情報を保護するためのセキュリティ対策の強化(不正アクセス防止、暗号化等)に加え、フィッシング詐欺等の被害を防ぐための従業員への情報セキュリティ教育の実施が重要である。
問10. 小売業における「コンプライアンス経営」の意義として最も適切なものはどれか。
- A. 法令遵守にとどまらず、社会的規範や企業倫理も踏まえた誠実な事業運営を行うことで、顧客・取引先からの信頼を維持・向上させること
- B. コンプライアンス経営は法令遵守のみを意味し企業倫理は一切考慮しない
- C. コンプライアンス経営は大企業にのみ求められる考え方であり中小小売業には無関係である
- D. コンプライアンス経営は企業の信頼向上には一切寄与しない
正解: A. 法令遵守にとどまらず、社会的規範や企業倫理も踏まえた誠実な事業運営を行うことで、顧客・取引先からの信頼を維持・向上させること / コンプライアンス経営は、単に法令を遵守するだけでなく、社会的規範や企業倫理も踏まえた誠実な事業運営を行うことを指し、これにより顧客・取引先・従業員・地域社会からの信頼を維持・向上させ、持続的な企業価値の向上につなげることを意義とする。
問11. 「同一労働同一賃金」の考え方が小売業のパート・アルバイト雇用管理に与える影響として最も適切なものはどれか。
- A. 正社員とパート・アルバイトとの間で、職務内容や責任の程度が同等であれば、不合理な待遇差を設けることが禁止される
- B. 同一労働同一賃金は正社員のみを対象とした考え方でありパート・アルバイトには一切関係ない
- C. 同一労働同一賃金の考え方により、いかなる待遇差も一切認められなくなる
- D. 同一労働同一賃金は賃金以外の待遇(賞与・福利厚生等)には一切関係のない考え方である
正解: A. 正社員とパート・アルバイトとの間で、職務内容や責任の程度が同等であれば、不合理な待遇差を設けることが禁止される / 「同一労働同一賃金」の考え方(パートタイム・有期雇用労働法)は、正社員と非正規雇用労働者(パート・アルバイト等)との間で、職務内容や責任の程度、配置転換の範囲等が同等であるにもかかわらず、不合理な待遇差(基本給、賞与、福利厚生等)を設けることを禁止するものであり、小売業の雇用管理に大きな影響を与えている。
問12. 「同一労働同一賃金」への対応として、企業が講じるべき取り組みとして最も適切なものはどれか。
- A. 職務内容や待遇の違いを整理し、待遇差がある場合はその理由を合理的に説明できるよう、賃金制度・評価制度を見直す
- B. 同一労働同一賃金への対応には賃金制度の見直しという取り組みは一切不要である
- C. 待遇差の理由を説明する義務は正社員に対してのみ発生する
- D. 同一労働同一賃金への対応は評価制度とは全く無関係である
正解: A. 職務内容や待遇の違いを整理し、待遇差がある場合はその理由を合理的に説明できるよう、賃金制度・評価制度を見直す / 同一労働同一賃金への対応としては、正社員と非正規雇用労働者の職務内容・責任の程度・待遇の違いを整理したうえで、待遇差がある場合にはその理由を労働者に説明できるよう、賃金制度や人事評価制度そのものを見直す取り組みが求められる。
問13. 「個人情報保護法」における「要配慮個人情報」の取り扱いとして最も適切なものはどれか。
- A. 人種、信条、病歴等の要配慮個人情報を取得する際は、原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要がある
- B. 要配慮個人情報は通常の個人情報と全く同じ取り扱いでよく特別な配慮は不要である
- C. 要配慮個人情報の取得には本人の同意を得る必要は一切ない
- D. 要配慮個人情報には病歴という情報は一切含まれない
正解: A. 人種、信条、病歴等の要配慮個人情報を取得する際は、原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要がある / 個人情報保護法における「要配慮個人情報」(人種、信条、病歴、犯罪歴等、本人に対する不当な差別・偏見が生じないよう特に配慮を要する情報)を取得する際は、通常の個人情報とは異なり、原則としてあらかじめ本人の同意を得ることが義務付けられている。
問14. 「デジタルプラットフォーム取引透明化法」が対象とする事業者として最も適切なものはどれか。
- A. オンラインモールやアプリストア等、一定規模以上のデジタルプラットフォームを提供する事業者
- B. この法律は実店舗のみを運営する小売業を対象とした法律である
- C. この法律はデジタルプラットフォームとは全く無関係な法律である
- D. この法律は消費者個人を規制対象とする法律である
正解: A. オンラインモールやアプリストア等、一定規模以上のデジタルプラットフォームを提供する事業者 / デジタルプラットフォーム取引透明化法は、オンラインモール(ECモール)やアプリストア等、一定規模以上のデジタルプラットフォームを提供する事業者を対象に、取引条件の開示や運営の透明性・公正性の確保を求める法律であり、プラットフォームを利用する出店事業者の保護を目的としている。
問15. 中小小売業における「事業承継」に関する経営上の課題として最も適切なものはどれか。
- A. 後継者不足や、経営権・株式の円滑な引き継ぎ、取引先・従業員との関係維持等、多岐にわたる課題への対応が必要
- B. 事業承継には後継者の確保という課題は一切関係ない
- C. 事業承継は大企業にのみ発生する課題であり中小小売業には無関係である
- D. 事業承継は経営権の引き継ぎのみを考慮すればよく取引先との関係は無関係である
正解: A. 後継者不足や、経営権・株式の円滑な引き継ぎ、取引先・従業員との関係維持等、多岐にわたる課題への対応が必要 / 中小小売業における事業承継には、後継者不足(親族内承継の困難化)への対応、経営権・株式の円滑な引き継ぎ(相続税・贈与税対策を含む)、長年培ってきた取引先や従業員との信頼関係の維持等、多岐にわたる経営上の課題への対応が求められる。
問16. 小売業における「M&A(企業の合併・買収)」を活用する狙いとして最も適切なものはどれか。
- A. 新規出店に比べて短期間での事業規模拡大や、新市場・新業態への進出、シナジー効果の創出を図ること
- B. M&Aは事業規模の拡大には一切寄与しない手法である
- C. M&Aは新市場への進出とは全く無関係な手法である
- D. M&Aは大企業のみが実施可能であり中小小売業には一切関係のない手法である
正解: A. 新規出店に比べて短期間での事業規模拡大や、新市場・新業態への進出、シナジー効果の創出を図ること / 小売業におけるM&A(企業の合併・買収)は、自社での新規出店による事業拡大に比べて短期間で事業規模を拡大できるほか、新市場・新業態への進出、仕入や物流の統合によるシナジー効果(コスト削減、シェア拡大等)の創出を狙いとして活用される。
問17. 「ROE(自己資本利益率)」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. 株主が出資した自己資本に対して、企業がどれだけの利益を生み出したかを示す、株主視点での収益性指標
- B. ROEは総資産に対する利益の割合のみを表す指標である
- C. ROEには自己資本という要素は一切考慮されない
- D. ROEは売上高に対する利益の割合のみを表す指標である
正解: A. 株主が出資した自己資本に対して、企業がどれだけの利益を生み出したかを示す、株主視点での収益性指標 / ROE(自己資本利益率:Return On Equity)は、当期純利益を自己資本で除して算出される指標であり、株主が出資した自己資本に対して企業がどれだけの利益を効率的に生み出したかを示す、株主視点での収益性を測る重要な経営指標である。
問18. 「ROA(総資産利益率)」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. 企業が保有する総資産(自己資本+負債)を活用して、どれだけの利益を効率的に生み出したかを示す指標
- B. ROAは自己資本のみを分母として算出される指標である
- C. ROAには負債という要素は一切考慮されない
- D. ROAは株主に対する配当額のみを表す指標である
正解: A. 企業が保有する総資産(自己資本+負債)を活用して、どれだけの利益を効率的に生み出したかを示す指標 / ROA(総資産利益率:Return On Assets)は、当期純利益(または経常利益)を総資産(自己資本と負債の合計)で除して算出される指標であり、企業が保有する総資産を活用してどれだけの利益を効率的に生み出したかを示す、経営全体の効率性を測る指標である。
問19. 小売業における「予算管理(予算統制)」を実施する意義として最も適切なものはどれか。
- A. 売上・経費等の予算目標を設定し、実績との差異を分析することで、経営計画の進捗を管理し早期の軌道修正を可能にする
- B. 予算管理は一度予算を設定すれば実績との比較は一切不要である
- C. 予算管理には差異分析という工程は一切含まれない
- D. 予算管理は大企業にのみ必要な取り組みであり中小小売業には無関係である
正解: A. 売上・経費等の予算目標を設定し、実績との差異を分析することで、経営計画の進捗を管理し早期の軌道修正を可能にする / 予算管理(予算統制)は、売上高や各種経費についての予算目標をあらかじめ設定し、実際の実績との差異を定期的に分析することで、経営計画の進捗状況を把握し、計画からの乖離が生じた場合には早期に軌道修正の対応を講じることを可能にする、経営管理上重要な仕組みである。
問20. 小売業における「内部統制」を整備する目的として最も適切なものはどれか。
- A. 業務の適正性・効率性を確保し、不正・誤りの発生を未然に防止・早期発見する仕組みを構築すること
- B. 内部統制は不正の防止には一切関係のない仕組みである
- C. 内部統制は大企業にのみ求められる仕組みであり中小小売業には無関係である
- D. 内部統制の整備は業務の非効率化のみをもたらす取り組みである
正解: A. 業務の適正性・効率性を確保し、不正・誤りの発生を未然に防止・早期発見する仕組みを構築すること / 内部統制は、業務プロセスにおける権限分掌(例:発注担当者と支払承認者を分離する等)や承認手続き等を整備することで、業務の適正性・効率性を確保するとともに、不正行為やミスの発生を未然に防止し、万一発生した場合には早期に発見できる仕組みを構築することを目的とする。
問21. 「バリューチェーン分析」の考え方として最も適切なものはどれか。
- A. 商品の仕入から販売に至る一連の事業活動を機能ごとに分解し、どの活動で付加価値(強み)が生み出されているかを分析する手法
- B. バリューチェーン分析は財務諸表の数値のみを分析する手法である
- C. バリューチェーン分析には事業活動の機能分解という考え方は一切関係ない
- D. バリューチェーン分析は競合他社の分析には一切活用できない手法である
正解: A. 商品の仕入から販売に至る一連の事業活動を機能ごとに分解し、どの活動で付加価値(強み)が生み出されているかを分析する手法 / バリューチェーン分析は、商品の仕入・物流・販売・マーケティング・アフターサービス等、企業の一連の事業活動を機能ごとに分解し、それぞれの活動でどのような付加価値(強み・コスト優位性)が生み出されているかを分析する手法であり、自社の競争優位の源泉を特定するために活用される。
問22. 「アンゾフの成長マトリクス」における「多角化戦略」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. 既存の商品・市場のいずれとも異なる、新しい商品を新しい市場に展開する成長戦略で、4つの戦略の中で最もリスクが高い
- B. 多角化戦略は既存商品を既存市場でより深く浸透させる戦略を指す
- C. 多角化戦略は新商品を既存市場に投入する戦略を指す
- D. 多角化戦略は4つの成長戦略の中で最もリスクが低い戦略とされる
正解: A. 既存の商品・市場のいずれとも異なる、新しい商品を新しい市場に展開する成長戦略で、4つの戦略の中で最もリスクが高い / アンゾフの成長マトリクスにおける「多角化戦略」は、既存の商品・市場のいずれとも異なる、新しい商品を新しい市場に展開する成長戦略であり、市場浸透戦略・新市場開拓戦略・新商品開発戦略と比較して、未知の領域への挑戦となるため一般的に最もリスクが高いとされる。
問23. 「労働分配率」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. 企業が生み出した付加価値(粗利益等)のうち、人件費として従業員に分配された割合を示す指標
- B. 労働分配率は売上高に対する人件費の割合のみを表す指標である
- C. 労働分配率には付加価値という概念は一切考慮されない
- D. 労働分配率は従業員数のみを表す指標である
正解: A. 企業が生み出した付加価値(粗利益等)のうち、人件費として従業員に分配された割合を示す指標 / 労働分配率(人件費÷付加価値〈粗利益等〉×100)は、企業が生み出した付加価値のうち、どれだけの割合が人件費として従業員に分配されたかを示す指標であり、比率が高すぎると収益性を圧迫し、低すぎると従業員のモチベーション低下や人材流出のリスクを招く可能性があるため、バランスが重要である。
問24. 小売業が新規出店等の資金を調達する方法として「直接金融」に該当するものはどれか。
- A. 株式の新規発行や社債の発行により、投資家から直接資金を調達する方法
- B. 銀行からの借入により資金を調達する方法
- C. 取引先からの買掛金による資金調達方法
- D. リース契約による設備の調達方法
正解: A. 株式の新規発行や社債の発行により、投資家から直接資金を調達する方法 / 直接金融は、株式の新規発行(増資)や社債の発行により、金融機関等を介さずに投資家から直接資金を調達する方法であり、銀行等の金融機関を介して資金を調達する「間接金融」(融資・借入)と対比される概念である。
問25. 「非財務情報」を含めた企業評価が重視されるようになっている理由として最も適切なものはどれか。
- A. ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組み等、財務諸表には表れない要素が、企業の持続的な成長性や将来リスクを評価するうえで重要性を増しているため
- B. 非財務情報は企業評価には一切関係のない情報である
- C. 非財務情報には環境への取り組みという要素は一切含まれない
- D. 財務情報のみで企業の将来性を完全に評価できるため非財務情報は不要である
正解: A. ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組み等、財務諸表には表れない要素が、企業の持続的な成長性や将来リスクを評価するうえで重要性を増しているため / 近年、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組み状況等、従来の財務諸表には表れない「非財務情報」を含めた企業評価が重視されるようになっている背景には、こうした要素が企業の持続的な成長性やレピュテーションリスク、将来的な事業リスクを評価するうえで重要性を増していることがある。
問26. 「SDGs(持続可能な開発目標)」への取り組みが小売業経営に求められる理由として最も適切なものはどれか。
- A. 消費者・投資家・取引先からの評価・信頼向上につながるとともに、資源の有効活用や環境負荷低減が中長期的な事業リスクの低減にも寄与するため
- B. SDGsへの取り組みは小売業の事業活動には一切関係のない社会貢献活動である
- C. SDGsへの取り組みは大企業にのみ求められ中小小売業には一切無関係である
- D. SDGsへの取り組みは短期的な売上向上のみを目的とした活動である
正解: A. 消費者・投資家・取引先からの評価・信頼向上につながるとともに、資源の有効活用や環境負荷低減が中長期的な事業リスクの低減にも寄与するため / SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みは、消費者・投資家・取引先からの評価や信頼の向上につながるとともに、資源の有効活用や環境負荷の低減、サプライチェーンにおける人権配慮等が、中長期的な事業リスクの低減や企業の持続的成長にも寄与するため、小売業経営においても重要性を増している。
問27. 小売業における「コーポレートガバナンス(企業統治)」の目的として最も適切なものはどれか。
- A. 経営の透明性・公正性を確保し、株主をはじめとするステークホルダーの利益を守りながら、持続的な企業価値の向上を図ること
- B. コーポレートガバナンスは経営者の権限を無制限に拡大するための仕組みである
- C. コーポレートガバナンスにはステークホルダーの利益保護という視点は一切関係ない
- D. コーポレートガバナンスは上場企業のみに求められ非上場の中小小売業には一切不要である
正解: A. 経営の透明性・公正性を確保し、株主をはじめとするステークホルダーの利益を守りながら、持続的な企業価値の向上を図ること / コーポレートガバナンス(企業統治)は、経営の透明性・公正性を確保する仕組み(取締役会の監督機能、内部統制等)を整備することで、株主をはじめとする従業員・取引先・地域社会等のステークホルダーの利益を守りながら、持続的な企業価値の向上を図ることを目的とする。
問28. 複数の事業・業態を展開する小売グループが「事業ポートフォリオの見直し(不採算事業の撤退等)」を行う目的として最も適切なものはどれか。
- A. 限られた経営資源を成長性・収益性の高い事業に集中投下し、グループ全体としての企業価値を最大化すること
- B. 事業ポートフォリオの見直しは撤退という選択肢を一切含まない取り組みである
- C. 事業ポートフォリオの見直しには経営資源の再配分という考え方は一切関係ない
- D. 事業ポートフォリオの見直しは単一事業のみを展開する企業にのみ必要な取り組みである
正解: A. 限られた経営資源を成長性・収益性の高い事業に集中投下し、グループ全体としての企業価値を最大化すること / 複数の事業・業態を展開する小売グループが事業ポートフォリオの見直し(不採算事業からの撤退、成長事業への投資強化等)を行う目的は、限られた経営資源(資金・人材)を成長性・収益性の高い事業へ集中的に配分し、グループ全体としての企業価値を最大化することにある。
問29. 「人的資本経営」の考え方として最も適切なものはどれか。
- A. 従業員を単なるコストではなく価値創出の源泉となる「資本」として捉え、育成・活躍支援への投資を企業価値向上につなげる経営の考え方
- B. 人的資本経営は人件費を最大限削減することを目的とした経営手法である
- C. 人的資本経営には従業員への投資という視点は一切関係ない
- D. 人的資本経営は大企業にのみ適用可能な考え方であり中小小売業には無関係である
正解: A. 従業員を単なるコストではなく価値創出の源泉となる「資本」として捉え、育成・活躍支援への投資を企業価値向上につなげる経営の考え方 / 人的資本経営は、従業員を単なる人件費という「コスト」ではなく、企業価値の向上に貢献する「資本」として捉え、教育研修や活躍支援等への投資を積極的に行うことで、中長期的な企業価値の向上につなげようとする経営の考え方であり、近年、情報開示の観点からも注目されている。
問30. 「総資本回転率」が高い企業の特徴として最も適切なものはどれか。
- A. 保有する総資本(総資産)に対して、効率的に売上高を生み出している状態を示す
- B. 総資本回転率が高いほど自己資本比率が必ず低くなる
- C. 総資本回転率は売上高とは全く無関係な指標である
- D. 総資本回転率は流動比率と全く同じ意味を持つ指標である
正解: A. 保有する総資本(総資産)に対して、効率的に売上高を生み出している状態を示す / 総資本回転率(売上高÷総資本)は、企業が保有する総資本(総資産)をどれだけ効率的に活用して売上高を生み出しているかを示す指標であり、値が高いほど資産の運用効率が高い(少ない資産で多くの売上を生み出している)ことを意味する。
問31. 小売業における「不祥事対応(危機管理広報)」の基本方針として最も適切なものはどれか。
- A. 事実関係を迅速かつ正確に把握し、隠蔽することなく誠実に公表・説明責任を果たすことで、社会的信頼の回復を図る
- B. 不祥事対応の基本方針は事実関係の公表を可能な限り遅らせることである
- C. 危機管理広報には誠実な説明責任という考え方は一切関係ない
- D. 不祥事対応は経営者の個人的な謝罪のみで完結すべきである
正解: A. 事実関係を迅速かつ正確に把握し、隠蔽することなく誠実に公表・説明責任を果たすことで、社会的信頼の回復を図る / 小売業における不祥事対応(危機管理広報)の基本方針は、発生した事実関係を迅速かつ正確に把握し、隠蔽することなく誠実に公表するとともに、原因究明と再発防止策を含めた説明責任を果たすことで、顧客・取引先・社会からの信頼回復を図ることにある。
問32. 「デュポン分析」の考え方として最も適切なものはどれか。
- A. ROEを「売上高利益率」「総資産回転率」「財務レバレッジ」の3要素に分解し、収益性向上のボトルネックを特定する分析手法
- B. デュポン分析はROEを一切分解せずそのまま評価する手法である
- C. デュポン分析には財務レバレッジという要素は一切考慮されない
- D. デュポン分析は流動比率のみを分析する手法である
正解: A. ROEを「売上高利益率」「総資産回転率」「財務レバレッジ」の3要素に分解し、収益性向上のボトルネックを特定する分析手法 / デュポン分析は、ROE(自己資本利益率)を「売上高利益率(収益性)」「総資産回転率(効率性)」「財務レバレッジ(財務戦略)」の3つの要素に分解することで、ROEを向上させるためにどの要素に課題があるのか(ボトルネック)を特定し、経営改善の方向性を明確にする分析手法である。
問33. 出店計画における「商圏調査」を高度化する近年の手法として最も適切なものはどれか。
- A. 携帯電話の位置情報ビッグデータ等を活用し、より精緻な人流分析に基づいて出店候補地の集客ポテンシャルを評価する
- B. 商圏調査の高度化には位置情報データの活用という手法は一切関係ない
- C. 商圏調査は従来の統計データのみで十分でありデータの高度化は不要である
- D. 商圏調査は出店計画とは全く無関係な調査手法である
正解: A. 携帯電話の位置情報ビッグデータ等を活用し、より精緻な人流分析に基づいて出店候補地の集客ポテンシャルを評価する / 近年の商圏調査の高度化においては、携帯電話の位置情報ビッグデータ等を活用し、時間帯別・曜日別の人流(人の流れ)を精緻に分析することで、従来の人口統計データだけでは把握しきれなかった、より実態に即した出店候補地の集客ポテンシャルを評価する手法が普及している。
問34. 小売業が「サプライチェーン全体でのリスク分散」を図る意義として最も適切なものはどれか。
- A. 特定の仕入先・地域への依存を減らし、自然災害や国際情勢の変化等による供給途絶リスクを低減すること
- B. サプライチェーン全体でのリスク分散にはコストの増加という側面は一切考慮する必要がない
- C. リスク分散は仕入先を1社に集約することを意味する
- D. サプライチェーンのリスク分散は小売業の経営には一切関係のない取り組みである
正解: A. 特定の仕入先・地域への依存を減らし、自然災害や国際情勢の変化等による供給途絶リスクを低減すること / 小売業がサプライチェーン全体でのリスク分散を図る意義は、特定の仕入先や生産地域への過度な依存を避けることで、自然災害、感染症の流行、国際情勢の変化等による供給途絶リスクを低減し、事業の継続性を高めることにある。ただし、複数拠点の管理コストが増加する側面もあり、コストとリスクのバランスを踏まえた判断が必要となる。
問35. 小売業において「経営理念」を従業員に浸透させることの意義として最も適切なものはどれか。
- A. 従業員の判断や行動の拠り所を明確にし、現場での自律的な意思決定や、組織としての一体感の醸成につなげること
- B. 経営理念は経営者のみが理解していればよく従業員への浸透は不要である
- C. 経営理念の浸透には従業員の自律的な意思決定という効果は一切関係ない
- D. 経営理念は一度策定すれば内容を見直す必要が一切ない
正解: A. 従業員の判断や行動の拠り所を明確にし、現場での自律的な意思決定や、組織としての一体感の醸成につなげること / 小売業において経営理念を従業員に浸透させる意義は、日々の業務における判断や行動の拠り所を明確にすることで、現場の従業員が上司の指示を待たずとも自律的に適切な意思決定を行えるようにするとともに、組織全体としての一体感や帰属意識の醸成につなげることにある。
問36. 「キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. 商品の仕入から販売代金の回収までにかかる日数を示す指標で、短いほど資金効率が良いとされる
- B. CCCは企業の固定資産の総額のみを表す指標である
- C. CCCには在庫日数という要素は一切考慮されない
- D. CCCは長いほど資金効率が良いとされる指標である
正解: A. 商品の仕入から販売代金の回収までにかかる日数を示す指標で、短いほど資金効率が良いとされる / キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)は、「棚卸資産回転日数+売上債権回転日数-仕入債務回転日数」で算出され、商品の仕入から販売代金の回収までにかかる日数(資金が拘束される期間)を示す指標であり、この日数が短いほど資金効率が良く、資金繰りの負担が軽いとされる。
問37. 非上場の中小小売業が「情報開示(ディスクロージャー)」を積極的に行う意義として最も適切なものはどれか。
- A. 金融機関からの信用力向上や、取引先・従業員からの信頼獲得につながり、円滑な資金調達や人材確保にも寄与する
- B. 情報開示は上場企業のみに義務付けられ非上場企業には一切意義がない
- C. 情報開示を行うことは常に企業にとって不利益をもたらす
- D. 情報開示は資金調達には一切関係のない取り組みである
正解: A. 金融機関からの信用力向上や、取引先・従業員からの信頼獲得につながり、円滑な資金調達や人材確保にも寄与する / 非上場の中小小売業であっても、決算情報等の積極的な情報開示(ディスクロージャー)を行うことは、金融機関からの信用力向上(融資審査での有利な評価)や、取引先・求職者からの信頼獲得につながり、円滑な資金調達や人材確保という点でも意義がある。
問38. 小売業が「DX(デジタルトランスフォーメーション)投資」の意思決定を行う際に重視すべき点として最も適切なものはどれか。
- A. 投資に見合った効果(生産性向上、売上拡大等)を事前に見積もり、投資対効果(ROI)を検証したうえで優先順位を決定すること
- B. DX投資は投資対効果を一切検証せずに実施すべきである
- C. DX投資の意思決定には優先順位という考え方は一切関係ない
- D. DX投資は必ず全社一斉かつ大規模に実施すべきである
正解: A. 投資に見合った効果(生産性向上、売上拡大等)を事前に見積もり、投資対効果(ROI)を検証したうえで優先順位を決定すること / 小売業がDX投資の意思決定を行う際には、その投資によってどの程度の生産性向上や売上拡大等の効果が見込めるかを事前に見積もり、投資対効果(ROI)を検証したうえで、限られた経営資源をどの施策に優先的に投じるべきかを判断することが重要である。
問39. 変化の激しい小売業界において経営者に求められる資質として最も適切なものはどれか。
- A. 環境変化を的確に読み取り、データに基づいた迅速な意思決定を行いながら、従業員を巻き込んで組織を変革へと導くリーダーシップ
- B. 経営者には環境変化への対応力は一切求められない
- C. 経営者にはデータに基づく意思決定という資質は一切不要である
- D. 経営者は従業員を巻き込まず単独で全ての意思決定を行うべきである
正解: A. 環境変化を的確に読み取り、データに基づいた迅速な意思決定を行いながら、従業員を巻き込んで組織を変革へと導くリーダーシップ / 変化の激しい小売業界において経営者に求められる資質としては、市場環境や消費者ニーズの変化を的確に読み取る洞察力、データに基づいた迅速かつ的確な意思決定力、そして従業員を巻き込みながら組織全体を変革へと導くリーダーシップが挙げられる。
問40. 販売士検定2級の「販売・経営管理」科目全体を通じて求められる姿勢として最も適切なものはどれか。
- A. 経営分析比率や財務諸表を活用した定量的な経営判断力に加え、コンプライアンスやリスクマネジメント等、持続的な企業経営に必要な総合的なマネジメント能力を養うこと
- B. 販売・経営管理に関する知識は一度習得すれば今後一切更新する必要がない
- C. 販売・経営管理の応用知識は経営者のみが持つべきであり店舗従業員には無関係である
- D. 販売・経営管理に関する学習は実務上一切役に立たないという考え方
正解: A. 経営分析比率や財務諸表を活用した定量的な経営判断力に加え、コンプライアンスやリスクマネジメント等、持続的な企業経営に必要な総合的なマネジメント能力を養うこと / 販売士検定2級の「販売・経営管理」科目全体を通じて求められるのは、経営分析比率(ROE、ROA、CCC等)や財務諸表を活用した定量的な経営判断力に加え、コンプライアンス経営、リスクマネジメント、人的資本経営等、持続的な企業経営に必要な総合的なマネジメント能力を養う姿勢である。