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FP2級 相続・事業承継

28問 / トルカ(https://toruca.app)

  1. 1. 相続税額を計算する一般的な流れを、正しい順序に並び替えよ。

    • ( )各相続人等の課税価格を計算し合計する
    • ( )課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き、課税遺産総額を算出する
    • ( )課税遺産総額を法定相続分で按分し、各法定相続人の取得金額に税率を適用して相続税の総額を計算する
    • ( )相続税の総額を、各人が実際に取得した財産の割合で按分する

    正解の順序: 各相続人等の課税価格を計算し合計する → 課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き、課税遺産総額を算出する → 課税遺産総額を法定相続分で按分し、各法定相続人の取得金額に税率を適用して相続税の総額を計算する → 相続税の総額を、各人が実際に取得した財産の割合で按分する相続税額の計算は「①各人の課税価格の計算→②基礎控除額を差し引いた課税遺産総額の算出→③法定相続分で按分した仮の取得金額に税率を適用して相続税の総額を計算→④実際の取得割合で按分」という独特の2段階方式で行われます。

  2. 2. 課税価格の合計額が1億円、法定相続人が3人(基礎控除額4,800万円)のとき、課税遺産総額はいくらか?

    単位: 万円 / ヒント: 課税遺産総額=課税価格の合計額-基礎控除額

    正解: 5200万円課税遺産総額 = 10,000-4,800 = 5,200万円。この金額を法定相続分で按分した上で税率を適用し、相続税の総額を計算します。

  3. 3. 相続税額の「2割加算」の対象となる者として正しいものはどれか?

    • A. 被相続人の配偶者や1親等の血族(子・父母)以外の者が財産を取得した場合(兄弟姉妹、孫(代襲相続人を除く)等)
    • B. 被相続人の配偶者
    • C. 被相続人の実子
    • D. 被相続人と養子縁組をしていない者は2割加算の対象にならない場合がある一方、配偶者・1親等の血族には常に加算がない

    正解: A. 被相続人の配偶者や1親等の血族(子・父母)以外の者が財産を取得した場合(兄弟姉妹、孫(代襲相続人を除く)等)相続税には、被相続人の配偶者及び1親等の血族(子・父母。代襲相続人となった孫を含む)以外の者が財産を取得した場合、その者の相続税額に2割を加算する制度があります。兄弟姉妹や、代襲相続人でない孫(養子として相続人になった孫等)が対象になり得ます。

  4. 4. 「配偶者に対する相続税額の軽減(配偶者の税額軽減)」の仕組みとして正しいものはどれか?

    • A. 配偶者が取得した財産が、配偶者の法定相続分相当額と1億6,000万円のいずれか多い金額までであれば、原則として配偶者の相続税額が実質的にゼロになる
    • B. 配偶者はどれだけ財産を取得しても無条件で相続税が非課税になる
    • C. 配偶者の税額軽減は婚姻期間が20年以上でなければ適用されない
    • D. 配偶者の税額軽減は相続税の申告をしなくても自動的に適用される

    正解: A. 配偶者が取得した財産が、配偶者の法定相続分相当額と1億6,000万円のいずれか多い金額までであれば、原則として配偶者の相続税額が実質的にゼロになる配偶者の税額軽減は、配偶者が取得した財産が「配偶者の法定相続分相当額」または「1億6,000万円」のいずれか多い金額までであれば、その部分に対応する相続税額が軽減される(実質的にかからなくなる)制度です。適用を受けるには原則として相続税の申告書の提出が必要です。

  5. 5. 法定相続人が4人、相続人が受け取った死亡保険金の合計が3,000万円のとき、相続税の課税対象となる保険金の金額はいくらか?

    単位: 万円 / ヒント: 非課税限度額=500万円×法定相続人の数。課税対象額=受取保険金合計-非課税限度額

    正解: 1000万円非課税限度額 = 500万円×4人 = 2,000万円。課税対象額 = 3,000-2,000 = 1,000万円。

  6. 6. 1年間に受けた贈与財産の価額が500万円(暦年課税、基礎控除110万円)で、基礎控除後の課税価格に対する税率が20%・控除額30万円の区分に該当する場合、贈与税額はいくらか?

    単位: 万円 / ヒント: 課税価格=贈与財産の価額-基礎控除110万円。贈与税額=課税価格×税率-控除額

    正解: 48万円課税価格 = 500-110 = 390万円。贈与税額 = 390×20%-30 = 78-30 = 48万円。

  7. 7. 18歳以上の者が直系尊属(父母・祖父母等)から贈与を受けた財産(「特例贈与財産」)に適用される贈与税の税率に関する説明として正しいものはどれか?

    • A. 一般の贈与財産(一般税率)に比べて、同じ課税価格でも税率が優遇されている(特例税率が適用される)
    • B. 直系尊属からの贈与は必ず贈与税が非課税になる
    • C. 直系尊属からの贈与には一般贈与よりも重い税率が適用される
    • D. 直系尊属からの贈与には基礎控除が一切適用されない

    正解: A. 一般の贈与財産(一般税率)に比べて、同じ課税価格でも税率が優遇されている(特例税率が適用される)18歳以上の者が直系尊属から受けた贈与財産(特例贈与財産)には、一般の贈与(一般税率)よりも緩やかな「特例税率」が適用され、同じ課税価格でも税額が軽減される仕組みになっています。

  8. 8. 相続時精算課税制度を選択した場合の贈与税・相続税の関係として正しいものはどれか?

    • A. 特別控除額を超える部分について贈与時に一定税率で贈与税を納付し、将来の相続時にその贈与財産の価額(原則贈与時の価額)を相続財産に合算して相続税を計算した上で、既に納付した贈与税額を相続税額から控除する
    • B. 相続時精算課税制度を選択すると贈与税・相続税ともに一切課税されなくなる
    • C. 相続時精算課税制度で贈与した財産は将来の相続税の計算に一切関係しない
    • D. 相続時精算課税制度は一度選択しても翌年から暦年課税に自由に戻せる

    正解: A. 特別控除額を超える部分について贈与時に一定税率で贈与税を納付し、将来の相続時にその贈与財産の価額(原則贈与時の価額)を相続財産に合算して相続税を計算した上で、既に納付した贈与税額を相続税額から控除する相続時精算課税制度は、特別控除額を超える贈与について贈与時に一定税率(一律)で贈与税を納付し、将来の相続時にその贈与財産(原則として贈与時の価額)を相続財産に合算して相続税額を計算、既に納めた贈与税額を控除(精算)する制度です。一度選択すると、その贈与者からの贈与について暦年課税に戻すことはできません。

  9. 9. 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税特例の趣旨として正しいものはどれか?

    • A. 一定の要件を満たす場合、直系尊属から住宅取得等資金として贈与を受けた金額のうち、一定額までを贈与税の課税対象から除外できる
    • B. この特例は誰から贈与を受けても無条件で適用される
    • C. この特例には住宅の床面積や取得時期等の要件が一切ない
    • D. この特例を利用すると相続時精算課税制度は一切利用できなくなる

    正解: A. 一定の要件を満たす場合、直系尊属から住宅取得等資金として贈与を受けた金額のうち、一定額までを贈与税の課税対象から除外できる直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受け、一定の要件(住宅の床面積・受贈者の所得要件等)を満たす場合、一定額まで贈与税が非課税となる特例があります(暦年課税・相続時精算課税のいずれとも併用可能です)。

  10. 10. 「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」の仕組みとして正しいものはどれか?

    • A. 金融機関との一定の契約に基づき、直系尊属から教育資金として一括で贈与を受けた金額のうち、一定額までが非課税となる制度
    • B. 教育資金であればいくら贈与を受けても無条件かつ無制限に非課税である
    • C. この措置の対象は大学の学費のみに限定され、学校以外の習い事等の費用は一切対象にならない
    • D. この措置は成人した受贈者にのみ適用され未成年者は対象外である

    正解: A. 金融機関との一定の契約に基づき、直系尊属から教育資金として一括で贈与を受けた金額のうち、一定額までが非課税となる制度教育資金の一括贈与の非課税措置は、金融機関に開設した専用口座を通じて直系尊属から教育資金の贈与を受けた場合、学校等への支払いだけでなく一定の学校等以外の教育費用(塾等)も一定額まで対象として非課税となる制度です。

  11. 11. 非上場の同族会社の株式(取引相場のない株式)を評価する方法の一つである「類似業種比準方式」の考え方として正しいものはどれか?

    • A. 事業内容が類似する上場企業の株価や配当・利益・純資産の水準と比較して、評価対象会社の株式価値を算定する方式
    • B. 会社の帳簿上の純資産額のみをそのまま株式評価額とする方式
    • C. 類似業種比準方式は必ず純資産価額方式より高い評価額になる
    • D. 類似業種比準方式は上場企業の株式にのみ適用される評価方式である

    正解: A. 事業内容が類似する上場企業の株価や配当・利益・純資産の水準と比較して、評価対象会社の株式価値を算定する方式類似業種比準方式は、事業内容が類似する上場企業の株価・配当金額・利益金額・純資産価額の水準と比較(比準)して、評価対象の非上場株式の価値を算定する方式です。もう一つの代表的な方式である「純資産価額方式」(会社の純資産を基準とする方式)と、会社の規模等に応じて使い分けたり併用したりします。

  12. 12. 「純資産価額方式」による非上場株式の評価の考え方として正しいものはどれか?

    • A. 会社の総資産・負債を相続税評価の基準により評価替えし、その評価差額に対する法人税相当額等を控除した金額を基に1株当たりの評価額を算定する方式
    • B. 類似業種比準方式と全く同じ計算方法である
    • C. 純資産価額方式は会社の株価変動を一切考慮しない代わりに、上場企業の指標も一切参照しない点が類似業種比準方式との共通点である(この記述に誤りはない)
    • D. 純資産価額方式は会社の帳簿価額をそのまま使用し評価替えを一切行わない

    正解: A. 会社の総資産・負債を相続税評価の基準により評価替えし、その評価差額に対する法人税相当額等を控除した金額を基に1株当たりの評価額を算定する方式純資産価額方式は、会社の資産・負債を相続税評価の基準に基づいて評価替えし、評価差額に対する法人税等相当額を控除した金額をもとに1株当たりの純資産価額を算定する評価方式です。会社規模が小さいほど純資産価額方式(またはその併用)の影響が大きくなる傾向があります。

  13. 13. 法人版事業承継税制(特例措置)における対象株式・猶予割合の考え方として正しいものはどれか?

    • A. 特例措置では、対象となる非上場株式等について(一定の上限はあるが)猶予割合が拡充され、贈与税は猶予割合100%となるなど、一般措置より手厚い納税猶予が受けられる
    • B. 事業承継税制は上場企業の株式にのみ適用される
    • C. 事業承継税制の適用に事前の特例承継計画の提出などの手続きは一切不要である
    • D. 事業承継税制を利用すると株式の評価額そのものがゼロになる

    正解: A. 特例措置では、対象となる非上場株式等について(一定の上限はあるが)猶予割合が拡充され、贈与税は猶予割合100%となるなど、一般措置より手厚い納税猶予が受けられる法人版事業承継税制の特例措置では、非上場株式等について贈与税は猶予割合100%となるなど、一般措置と比べて対象株式数の上限撤廃や猶予割合の拡大などの拡充が図られています。適用には事前の特例承継計画の提出等、一定の手続きが必要です。

  14. 14. 遺産分割の方法である「代償分割」の説明として正しいものはどれか?

    • A. 特定の相続人が遺産(自社株や不動産等)を現物で取得する代わりに、他の相続人に対して自己の固有財産から代償金を支払う分割方法
    • B. 遺産を全て売却して現金化してから分割する方法(換価分割の別名)
    • C. 遺産を共有名義で取得する分割方法(現物分割の一種)
    • D. 代償分割では現金のやり取りが一切発生しない

    正解: A. 特定の相続人が遺産(自社株や不動産等)を現物で取得する代わりに、他の相続人に対して自己の固有財産から代償金を支払う分割方法代償分割は、特定の相続人(例えば後継者)が自社株や事業用不動産などを単独で取得する代わりに、他の相続人に対して自己の固有財産(現金等)から代償金を支払うことで遺産分割の公平を図る方法です。事業承継の場面で株式の分散を防ぐために活用されることがあります。

  15. 15. 遺産分割の方法である「換価分割」の説明として正しいものはどれか?

    • A. 遺産の全部または一部を売却(換価)し、その売却代金を相続人間で分割する方法
    • B. 遺産を現物のまま、相続人が単独で取得する方法(現物分割の別名)
    • C. 特定の相続人が代償金を支払う方法(代償分割の別名)
    • D. 換価分割では譲渡所得税が一切課されない

    正解: A. 遺産の全部または一部を売却(換価)し、その売却代金を相続人間で分割する方法換価分割は遺産(不動産等)を売却して換金し、その代金を相続人間で分割する方法です。不動産のように現物での分割が難しい財産を公平に分けたい場合に活用されますが、売却により譲渡所得税が課される場合がある点に留意が必要です。

  16. 16. 遺留分を侵害された相続人が行使できる「遺留分侵害額請求権」の内容として正しいものはどれか?

    • A. 遺留分を侵害する遺贈・贈与を受けた者に対して、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できる権利
    • B. 遺留分侵害額請求権を行使すると、遺贈・贈与された財産(不動産等)そのものの所有権が自動的に請求者に移転する
    • C. 遺留分侵害額請求権には行使期間の制限が一切ない
    • D. 遺留分侵害額請求権は遺言によって完全に排除することができる

    正解: A. 遺留分を侵害する遺贈・贈与を受けた者に対して、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できる権利現行民法では、遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額に相当する「金銭」の支払いを請求する権利(遺留分侵害額請求権)を持ちます(以前の「遺留分減殺請求」のように不動産等の現物そのものの返還を求める制度から金銭債権化されています)。この権利には時効による行使期間の制限があります。

  17. 17. 法務局による「自筆証書遺言書保管制度」を利用するメリットとして正しいものはどれか?

    • A. 遺言書の紛失・偽造変造のリスクを防げるほか、この制度を利用した場合は家庭裁判所での検認が不要になる
    • B. この制度を利用すると遺言の内容そのものを法務局が保証してくれる
    • C. この制度は公正証書遺言にのみ利用できる制度である
    • D. この制度を利用すると遺留分の制約が一切なくなる

    正解: A. 遺言書の紛失・偽造変造のリスクを防げるほか、この制度を利用した場合は家庭裁判所での検認が不要になる自筆証書遺言書保管制度を利用すると、遺言書は法務局で保管されるため紛失・偽造変造のリスクを防げるほか、通常の自筆証書遺言で必要な家庭裁判所の検認手続きが不要になるというメリットがあります。

  18. 18. 課税遺産総額が6,000万円、法定相続人が配偶者と子1人(合計2人)の場合、法定相続分に応じた各人の取得金額はそれぞれいくらか(配偶者の取得金額を答えよ)?

    単位: 万円 / ヒント: 配偶者と子が相続人の場合、法定相続分は配偶者1/2・子1/2

    正解: 3000万円配偶者の法定相続分に応じた取得金額 = 6,000 × 1/2 = 3,000万円。子も同様に3,000万円となり、それぞれの金額に税率を適用して相続税の総額を計算します。

  19. 19. 遺産分割における「特別受益」の考え方として正しいものはどれか?

    • A. 共同相続人の中に、被相続人から生前贈与や遺贈により特別な利益を受けた者がいる場合、その分を考慮して相続分を調整する制度
    • B. 特別受益を受けた相続人は自動的に相続権を失う
    • C. 特別受益は必ず現金の贈与にのみ適用される
    • D. 特別受益の制度は配偶者には一切適用されない

    正解: A. 共同相続人の中に、被相続人から生前贈与や遺贈により特別な利益を受けた者がいる場合、その分を考慮して相続分を調整する制度特別受益は、共同相続人の中に被相続人から生前贈与(住宅取得資金の援助等)や遺贈により特別な利益を受けた者がいる場合、その利益を考慮して具体的な相続分を調整(持ち戻し計算等)する制度で、相続人間の公平を図る趣旨があります。

  20. 20. 遺産分割における「寄与分」の考え方として正しいものはどれか?

    • A. 共同相続人の中に、被相続人の事業を無償で手伝う等して財産の維持・増加に特別に貢献した者がいる場合、その貢献分を相続財産の取得において考慮する制度
    • B. 寄与分は法定相続分を一切変更できない絶対的な制度である
    • C. 寄与分は配偶者には一切認められない
    • D. 寄与分の主張には家庭裁判所への申立てが一切不要である

    正解: A. 共同相続人の中に、被相続人の事業を無償で手伝う等して財産の維持・増加に特別に貢献した者がいる場合、その貢献分を相続財産の取得において考慮する制度寄与分は、共同相続人の中に被相続人の事業を手伝う、療養看護を行う等して被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした者がいる場合、その貢献を評価し、通常の相続分に加えて財産を取得できるようにする制度です。

  21. 21. 相続税の計算に関する記述として正しいものを全て選べ。

    • A. 配偶者の税額軽減により、配偶者の取得財産が一定額までであれば配偶者の相続税額は実質的にゼロになり得る
    • B. 被相続人の1親等の血族でない者(兄弟姉妹等)が財産を取得した場合、相続税額の2割加算の対象となり得る
    • C. 死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税限度額がある
    • D. 相続税の基礎控除額は法定相続人の数が増えるほど小さくなる

    正解: A・B・C配偶者の税額軽減・2割加算・死亡保険金の非課税限度額に関する記述はいずれも正しい説明です。相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)は、法定相続人の数が増えるほど大きくなります。

  22. 22. オーナー経営者が事業承継対策として法人契約の生命保険を活用する典型的な目的として最も適切なものはどれか?

    • A. 経営者の死亡時に、後継者が自社株や事業用資産を相続する際の相続税の納税資金や、他の相続人への代償金の原資を確保するため
    • B. 生命保険は事業承継対策として一切活用されない
    • C. 生命保険に加入すると自社株の評価額が必ずゼロになる
    • D. 生命保険は法人税の申告そのものを不要にする効果がある

    正解: A. 経営者の死亡時に、後継者が自社株や事業用資産を相続する際の相続税の納税資金や、他の相続人への代償金の原資を確保するため法人契約の生命保険は、経営者の死亡時に法人に保険金が支払われることで、死亡退職金の支給原資や、後継者が自社株を取得する際の代償金・納税資金の確保など、事業承継における資金対策として広く活用されています。

  23. 23. 相続開始前の一定期間内に、相続人等が被相続人から暦年課税による贈与を受けていた場合の取り扱いとして正しいものはどれか?

    • A. その贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算する「生前贈与加算」の対象となる場合がある
    • B. 生前の贈与は相続税の計算に一切影響を与えない
    • C. 生前贈与加算の対象になると、既に納付した贈与税は一切考慮されない
    • D. 生前贈与加算は相続人以外の受贈者にも無条件で適用される

    正解: A. その贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算する「生前贈与加算」の対象となる場合がある相続や遺贈により財産を取得した者が、相続開始前の一定期間内に被相続人から暦年課税による贈与を受けていた場合、その贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算する「生前贈与加算」の対象となることがあります。なお、既に納付した贈与税額は相続税額から控除されるため、二重課税にはなりません。

  24. 24. 相続放棄をした者が、被相続人が保険料を負担していた死亡保険金の受取人になっていた場合の取り扱いとして正しいものはどれか?

    • A. 相続放棄をしても受取人固有の権利として死亡保険金を受け取ることができるが、生命保険金の非課税限度額(500万円×法定相続人の数)の適用は受けられない
    • B. 相続放棄をすると死亡保険金も一切受け取れなくなる
    • C. 相続放棄をした者が受け取る死亡保険金には常に非課税限度額が適用される
    • D. 相続放棄と死亡保険金の受給は全く無関係の制度であり、相続放棄をした者は保険金を通常の相続人と全く同様に扱われる

    正解: A. 相続放棄をしても受取人固有の権利として死亡保険金を受け取ることができるが、生命保険金の非課税限度額(500万円×法定相続人の数)の適用は受けられない死亡保険金の受取人固有の権利は相続財産そのものではないため、相続放棄をした者でも受取人に指定されていれば保険金を受け取ることができます。ただし、生命保険金の非課税限度額(500万円×法定相続人の数)は「相続人が取得した場合」に適用される特典であるため、相続放棄をした者にはこの非課税枠は適用されません。

  25. 25. 相続税の税務調査等でしばしば問題となる「名義預金」とは何か?

    • A. 預金の名義は配偶者や子等になっているが、実質的な出捐者(お金を拠出した者)や管理・支配の実態から、被相続人自身の財産と認定される預金
    • B. 名義人が自由に使える、名義人自身の固有の財産である預金
    • C. 名義預金は必ず相続財産から除外される預金である
    • D. 名義預金という概念は税務上存在しない

    正解: A. 預金の名義は配偶者や子等になっているが、実質的な出捐者(お金を拠出した者)や管理・支配の実態から、被相続人自身の財産と認定される預金名義預金とは、預金の名義が配偶者や子・孫等になっていても、実際の出捐者や管理・支配の実態(通帳・印鑑の保管者、贈与の認識の有無等)から見て被相続人自身の財産であると認定される預金を指し、相続税の税務調査でしばしば問題となります。名義が異なるだけでは贈与が成立したとは認められない点に注意が必要です。

  26. 26. 「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」の仕組みとして正しいものはどれか?

    • A. 金融機関との一定の契約に基づき、直系尊属から結婚・子育て資金として一括贈与を受けた金額のうち、一定額までが非課税となる制度
    • B. この措置は誰からの贈与であっても無条件で適用される
    • C. この措置には受贈者の年齢要件が一切ない
    • D. この措置を利用すると相続時精算課税制度と重複して二重に非課税枠を使うことができる

    正解: A. 金融機関との一定の契約に基づき、直系尊属から結婚・子育て資金として一括贈与を受けた金額のうち、一定額までが非課税となる制度結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置は、金融機関に専用口座を開設し、直系尊属から結婚・子育てに要する資金の贈与を受けた場合に、一定額(結婚関係は内枠で上限あり)まで贈与税が非課税となる制度で、受贈者の年齢要件が設けられています。

  27. 27. 「遺言代用信託」の特徴として最も適切なものはどれか?

    • A. 委託者が生前に信託契約を結び、委託者の死亡後に特定の受益者(家族等)が財産を承継できるよう設計する、遺言と同様の機能を持たせた信託
    • B. 遺言代用信託は遺言書を作成する専門家(公証人)の別名である
    • C. 遺言代用信託を利用すると遺留分の制約が一切なくなる
    • D. 遺言代用信託は必ず家庭裁判所の検認が必要である

    正解: A. 委託者が生前に信託契約を結び、委託者の死亡後に特定の受益者(家族等)が財産を承継できるよう設計する、遺言と同様の機能を持たせた信託遺言代用信託は、委託者が生前に信託契約を締結し、委託者の死亡後に指定した受益者(配偶者や子等)が信託財産から給付を受けられるよう設計する信託で、遺言と同様の資産承継機能を持たせることができます(ただし遺留分の制約は及びます)。

  28. 28. 相続税の生前対策として一般的に活用される手法として適切なものを全て選べ。

    • A. 生前贈与(暦年課税・各種非課税特例の活用)
    • B. 生命保険への加入による非課税枠の活用
    • C. 不動産の購入による相続税評価額の圧縮
    • D. 相続財産を意図的に隠蔽し申告しないこと

    正解: A・B・C生前贈与・生命保険の非課税枠の活用・不動産購入による評価額圧縮はいずれも一般的な相続税の生前対策です。財産の隠蔽・無申告は脱税行為であり、重加算税等の対象となる違法な行為です。