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基本情報技術者 プロジェクトマネジメント
全40問 / トルカ(https://toruca.app)
問1. 「プロジェクト」の定義として最も適切なものはどれか。
- A. 独自の成果物やサービスを創造するために実施される、始まりと終わりが明確な有期性の業務
- B. 終わりのない、日常的に反復して行われる定型的な業務
- C. 1人のみで行うことが前提とされる業務
- D. 計画を一切立てずに進める業務
正解: A. 独自の成果物やサービスを創造するために実施される、始まりと終わりが明確な有期性の業務 / プロジェクトは、PMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)において「独自の成果物・サービス・所産を創造するために実施される、有期性のある業務」と定義されており、明確な始まりと終わりを持つ点が、終わりのない定型的な「オペレーション(定常業務)」との大きな違いである。
問2. 「プロジェクト憲章」の役割として最も適切なものはどれか。
- A. プロジェクトの目的・目標・プロジェクトマネージャーの権限等を正式に承認し、プロジェクトの立ち上げを公式に認可する文書
- B. プロジェクトの詳細なタスク一覧のみを記載した文書
- C. プロジェクト終了後の反省点のみをまとめた文書
- D. 従業員の給与体系を定めた文書
正解: A. プロジェクトの目的・目標・プロジェクトマネージャーの権限等を正式に承認し、プロジェクトの立ち上げを公式に認可する文書 / プロジェクト憲章は、プロジェクトの目的・目標・前提条件・制約条件、およびプロジェクトマネージャーの権限等を明文化し、プロジェクトの存在とプロジェクトマネージャーの任命を組織として正式に承認・認可する、プロジェクト立ち上げ時の重要な文書である。
問3. 「WBS(作業分解構成図)」の目的として最も適切なものはどれか。
- A. プロジェクトで実施すべき作業を、管理可能な小さな単位に階層的に分解し、作業の全体像を明確にする
- B. プロジェクトの予算のみを管理するための帳票
- C. プロジェクトメンバーの給与を計算するための表
- D. ハードウェアの物理的な配置図を作成すること
正解: A. プロジェクトで実施すべき作業を、管理可能な小さな単位に階層的に分解し、作業の全体像を明確にする / WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)は、プロジェクトで実施すべき作業(スコープ)を、成果物やフェーズを基準に、管理可能な小さな単位(ワークパッケージ)まで階層的に分解し、作業の全体像を明確にするための技法であり、その後のスケジュール管理やコスト見積りの基礎となる。
問4. PMBOKにおける「スコープ管理」の目的として最も適切なものはどれか。
- A. プロジェクトで実施すべき作業の範囲を明確に定義し、必要な作業を漏れなく、かつ不要な作業を含めないよう管理する
- B. プロジェクトの予算のみを管理すること
- C. プロジェクトメンバーの人間関係のみを管理すること
- D. ハードウェアの物理的な保守のみを行うこと
正解: A. プロジェクトで実施すべき作業の範囲を明確に定義し、必要な作業を漏れなく、かつ不要な作業を含めないよう管理する / スコープ管理は、PMBOKにおける知識エリアの一つであり、プロジェクトで実施すべき作業の範囲(スコープ)を明確に定義し、プロジェクトの成功に必要な作業を漏れなく含め、かつ不要な作業(スコープクリープ)を含めないよう管理することを目的とする。
問5. 「スコープクリープ」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. 適切な承認や管理を経ないまま、プロジェクトのスコープ(作業範囲)がなし崩し的に拡大していく現象
- B. プロジェクトのスコープが計画通りに縮小していく現象
- C. プロジェクトの予算が計画よりも大幅に削減される現象
- D. プロジェクトメンバーが計画通りに増員される現象
正解: A. 適切な承認や管理を経ないまま、プロジェクトのスコープ(作業範囲)がなし崩し的に拡大していく現象 / スコープクリープは、適切な変更管理プロセス(承認等)を経ないまま、利用者からの追加要望等によってプロジェクトのスコープ(作業範囲)がなし崩し的に拡大していく現象であり、スケジュール遅延やコスト超過の主要な原因の一つとして注意が必要である。
問6. 以下のアローダイアグラム(作業A→B→D、A→C→D、所要日数:A=3日、B=5日、C=4日、D=2日、A→C→Dが並行するもう1つの経路とする)において、A→B→Dの経路の所要日数は何日か。
作業A(3日)の後に作業B(5日)、その後に作業D(2日)を実施する経路の合計所要日数を求めよ。単位: 日 / ヒント: 各作業の所要日数を単純に合計する
正解: 10日 / A→B→Dの経路の所要日数は、A(3日)+B(5日)+D(2日)=10日となる。プロジェクトのスケジュール管理では、複数の経路のうち最も日数がかかる経路(クリティカルパス)を特定することが重要である。
問7. プロジェクトスケジュール管理における「クリティカルパス」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. プロジェクト開始から終了までの複数の経路のうち、最も所要日数が長く、遅延が許されない経路
- B. プロジェクトの中で最も予算がかからない経路
- C. プロジェクトの中で最も人員が少ない経路
- D. プロジェクトの中で最も所要日数が短い経路
正解: A. プロジェクト開始から終了までの複数の経路のうち、最も所要日数が長く、遅延が許されない経路 / クリティカルパスは、プロジェクトの開始から終了までを結ぶ複数の経路(作業の連なり)のうち、最も所要日数が長い経路であり、このクリティカルパス上の作業が1日でも遅延すると、プロジェクト全体の完了日も同じだけ遅延してしまうため、重点的な進捗管理が必要とされる。
問8. 経路①(A→B→D)の所要日数が10日、経路②(A→C→D)の所要日数が7日である場合、このプロジェクトのクリティカルパスの日数は何日か。
2つの経路のうち所要日数が長い方がクリティカルパスとなる。経路①=10日、経路②=7日として求めよ。単位: 日 / ヒント: クリティカルパスは最も所要日数が長い経路
正解: 10日 / クリティカルパスは複数ある経路のうち最も所要日数が長い経路を指すため、経路①(10日)が経路②(7日)より長く、このプロジェクトのクリティカルパスは10日となる。
問9. 「PERT(プログラム評価レビュー技法)」における作業所要時間の見積り方法として最も適切なものはどれか。
- A. 楽観値・最頻値・悲観値の3点の見積りを用いて、加重平均により期待値を算出する
- B. 過去の実績を一切参照せず、単一の固定値のみで見積もる
- C. 見積りを一切行わずにプロジェクトを開始する
- D. 最も楽観的な値のみを採用し他の値は考慮しない
正解: A. 楽観値・最頻値・悲観値の3点の見積りを用いて、加重平均により期待値を算出する / PERT(Program Evaluation and Review Technique)は、作業の所要時間について「楽観値(最短で終わる場合)」「最頻値(最も可能性が高い場合)」「悲観値(最長でかかる場合)」の3点を見積もり、一般に(楽観値+4×最頻値+悲観値)÷6という加重平均の計算式で期待値を算出することで、不確実性を考慮したスケジュール見積りを行う技法である。
問10. PERT法において、楽観値=4日、最頻値=6日、悲観値=8日の場合、期待値(日数)はいくらになるか。
期待値 = (楽観値 + 4×最頻値 + 悲観値) ÷ 6。楽観値=4、最頻値=6、悲観値=8として計算せよ。単位: 日 / ヒント: (4 + 4×6 + 8) ÷ 6 = (4+24+8)÷6
正解: 6日 / 期待値=(楽観値+4×最頻値+悲観値)÷6=(4+4×6+8)÷6=(4+24+8)÷6=36÷6=6日となる。
問11. 「ガントチャート」の特徴として最も適切なものはどれか。
- A. 縦軸に作業(タスク)、横軸に時間を取り、各作業の開始日・終了日・進捗状況を棒状に視覚化した図表
- B. 作業間の依存関係のみを矢印で厳密に表現する図表(これはアローダイアグラムの特徴に近い)
- C. 予算の増減のみを表現する図表
- D. 組織の指揮命令系統のみを表現する図表
正解: A. 縦軸に作業(タスク)、横軸に時間を取り、各作業の開始日・終了日・進捗状況を棒状に視覚化した図表 / ガントチャートは、縦軸に作業(タスク)の一覧、横軸に時間(日付)を取り、各作業の開始日から終了日までの期間や進捗状況を棒状のバーで視覚的に表現した図表であり、プロジェクトの進捗管理において広く用いられる。
問12. プロジェクトマネジメントにおける「資源の平準化(リソースレベリング)」の目的として最も適切なものはどれか。
- A. 特定の期間に人員等の資源が過度に集中しないよう、スケジュールを調整して資源の利用を均一化する
- B. 全ての作業を同時に開始し、資源の利用を意図的に集中させる
- C. プロジェクトの予算を削減することのみを目的とする
- D. 資源(人員)を一切割り当てないことを目的とする
正解: A. 特定の期間に人員等の資源が過度に集中しないよう、スケジュールを調整して資源の利用を均一化する / 資源の平準化(リソースレベリング)は、特定の期間に人員等の資源(リソース)の需要が過度に集中し、供給能力を超えてしまうことを避けるため、クリティカルパス上にない作業の開始・終了時期を調整する等してスケジュールを見直し、資源の利用を均一化する技法である。
問13. 「EVM(アーンドバリューマネジメント)」の目的として最も適切なものはどれか。
- A. コストとスケジュールの両方の観点から、プロジェクトの進捗状況を定量的に把握・管理する手法
- B. プロジェクトメンバーの人間関係のみを評価する手法
- C. ハードウェアの物理的な性能のみを測定する手法
- D. プロジェクトのリスクを一切考慮しない管理手法
正解: A. コストとスケジュールの両方の観点から、プロジェクトの進捗状況を定量的に把握・管理する手法 / EVM(Earned Value Management:アーンドバリューマネジメント)は、計画コスト(PV)・出来高(EV)・実コスト(AC)という3つの指標を用いて、コストとスケジュールの両方の観点からプロジェクトの進捗状況を定量的に把握・分析する管理手法である。
問14. EVM(アーンドバリューマネジメント)における各指標とその説明を正しく対応させよ。
- PV(計画価値) ー ( )
- EV(出来高価値) ー ( )
- AC(実コスト) ー ( )
正解: PV(計画価値)→計画時点で予定していた作業の完了に要するはずだったコスト、EV(出来高価値)→現時点までに実際に完了した作業の価値をコストに換算した値、AC(実コスト)→現時点までに実際に投入したコストの実績値 / EVMでは、PV(Planned Value:計画価値)、EV(Earned Value:出来高価値)、AC(Actual Cost:実コスト)という3つの基本指標を用いて、これらの差分や比率からコスト差異(CV)・スケジュール差異(SV)・コスト効率(CPI)・スケジュール効率(SPI)を算出し、プロジェクトの状況を分析する。
問15. あるプロジェクトにおいて、EV(出来高価値)が80万円、AC(実コスト)が100万円の場合、コスト差異(CV = EV - AC)はいくらになるか(万円)。マイナスの場合は負の数で答えよ。
CV = EV - AC。EV=80万円、AC=100万円として計算せよ。単位: 万円 / ヒント: 80 - 100
正解: -20万円 / コスト差異CV=EV-AC=80-100=-20万円となる。CVがマイナスということは、実際にかかったコスト(AC)が出来高(EV)を上回っており、予算超過(コスト効率が悪い)状態であることを意味する。
問16. あるプロジェクトにおいて、EV(出来高価値)が90万円、PV(計画価値)が100万円の場合、スケジュール差異(SV = EV - PV)はいくらになるか(万円)。マイナスの場合は負の数で答えよ。
SV = EV - PV。EV=90万円、PV=100万円として計算せよ。単位: 万円 / ヒント: 90 - 100
正解: -10万円 / スケジュール差異SV=EV-PV=90-100=-10万円となる。SVがマイナスということは、計画していたよりも実際の出来高(進捗)が少なく、スケジュールが遅延している状態であることを意味する。
問17. あるプロジェクトにおいて、EV(出来高価値)が120万円、AC(実コスト)が100万円の場合、コスト効率指数(CPI = EV ÷ AC)はいくらになるか。小数第2位まで答えよ。
CPI = EV ÷ AC。EV=120万円、AC=100万円として計算せよ。単位: / ヒント: 120 ÷ 100
正解: 1.2 / コスト効率指数CPI=EV÷AC=120÷100=1.2となる。CPIが1より大きい場合、投入したコストに対して出来高が多い、つまりコスト効率が良い(予算内に収まっている)状態を意味する。
問18. EVMにおいて「SPI(スケジュール効率指数)」が1より小さい場合、プロジェクトの状況として最も適切なものはどれか。
- A. 計画よりも進捗が遅れている状態
- B. 計画よりも進捗が早い状態
- C. 予算を計画よりも多く使い過ぎている状態(これはCPIに関する説明)
- D. プロジェクトが完全に予定通り進んでいる状態
正解: A. 計画よりも進捗が遅れている状態 / SPI(Schedule Performance Index:スケジュール効率指数)はEV÷PVで算出され、1より小さい場合は計画(PV)よりも実際の出来高(EV)が少ない、つまり計画よりも進捗が遅れている状態を示す。逆にSPIが1より大きい場合は計画よりも進捗が早いことを意味する。
問19. プロジェクトマネジメントにおける「リスク管理」の一連のプロセスとして最も適切なものはどれか。
- A. リスクの特定、リスクの分析(発生確率・影響度の評価)、対応策の計画、リスクの監視という一連のプロセスを継続的に実施する
- B. リスクを一切特定せずにプロジェクトを進める
- C. 発生したリスクへの対応策を事前に一切検討しない
- D. リスクが発生した後にのみ、その存在に気づけばよいという考え方
正解: A. リスクの特定、リスクの分析(発生確率・影響度の評価)、対応策の計画、リスクの監視という一連のプロセスを継続的に実施する / プロジェクトのリスク管理は、プロジェクトに影響を及ぼす可能性のある事象(リスク)を洗い出す「リスクの特定」、発生確率や影響度を評価する「リスクの分析」、回避・軽減・転嫁・受容等の「対応策の計画」、そして継続的に状況を追跡する「リスクの監視」という一連のプロセスを、プロジェクト期間を通じて繰り返し実施する活動である。
問20. プロジェクトのリスク対応戦略における「リスクの回避」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. リスクの原因となる活動そのものを中止・変更することで、リスクの発生自体をなくす対応
- B. リスクが顕在化した際の損失を保険等により第三者に移す対応(これはリスク移転)
- C. リスクの発生確率や影響度を低減させるための対策を講じる対応(これはリスク軽減)
- D. リスクを認識した上で特に対策を取らずそのまま受け入れる対応(これはリスク受容)
正解: A. リスクの原因となる活動そのものを中止・変更することで、リスクの発生自体をなくす対応 / リスクの回避は、リスクの対応戦略の一つであり、リスクの原因となる活動そのものを中止したり、計画を変更したりすることで、そのリスクが発生する可能性自体をなくしてしまう対応である。他にリスク軽減、リスク転嫁(移転)、リスク受容といった戦略がある。
問21. プロジェクトマネジメントにおける「品質保証」と「品質管理(品質コントロール)」の違いとして最も適切なものはどれか。
- A. 品質保証はプロジェクト全体のプロセスが適切であることを確認する活動であり、品質管理は成果物そのものが要求される品質基準を満たしているかを検証する活動である
- B. 品質保証と品質管理に実質的な違いはない
- C. 品質管理はプロセス全体の確認のみを行い、成果物の検証は一切行わない
- D. 品質保証は成果物の検証のみを行い、プロセスの確認は一切行わない
正解: A. 品質保証はプロジェクト全体のプロセスが適切であることを確認する活動であり、品質管理は成果物そのものが要求される品質基準を満たしているかを検証する活動である / 品質保証は、プロジェクトの活動全体が定められた品質基準やプロセスに沿って適切に実施されていることを確認する、プロセス重視の活動である。一方、品質管理(品質コントロール)は、実際に作成された成果物そのものが要求される品質基準を満たしているかを検証する、成果物重視の活動であり、両者は補完的な関係にある。
問22. プロジェクトマネジメントにおける「調達管理」の役割として最も適切なものはどれか。
- A. プロジェクトに必要な資材やサービスを外部の供給者(サプライヤー)から調達する際の計画・実施・管理を行う
- B. プロジェクトメンバーの人事評価のみを行う
- C. プロジェクトのスケジュールのみを管理する
- D. プロジェクトのリスクを一切考慮しない
正解: A. プロジェクトに必要な資材やサービスを外部の供給者(サプライヤー)から調達する際の計画・実施・管理を行う / 調達管理は、プロジェクトに必要な資材・サービス・成果物を、プロジェクトチーム外部の供給者(サプライヤー)から調達する必要がある場合に、その調達に関する計画立案、契約の締結、供給者の選定、契約の履行管理・終結を行うプロジェクトマネジメントの知識エリアである。
問23. プロジェクトマネジメントにおける「ステークホルダー」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. プロジェクトの意思決定・活動・成果によって影響を受ける、または影響を与える個人・グループ・組織
- B. プロジェクトに一切関与しない外部の第三者のみを指す用語
- C. プロジェクトマネージャー1人のみを指す用語
- D. プロジェクトのハードウェア機材のみを指す用語
正解: A. プロジェクトの意思決定・活動・成果によって影響を受ける、または影響を与える個人・グループ・組織 / ステークホルダー(利害関係者)は、プロジェクトの意思決定・活動・成果によって影響を受ける、または影響を与える可能性のある個人・グループ・組織を指し、発注者・利用者・開発チーム・経営層・規制当局等、多様な立場の関係者が含まれる。プロジェクトマネジメントにおいては、これらステークホルダーを適切に特定し、期待をマネジメントすることが重要である。
問24. プロジェクトマネジメントにおける「コミュニケーション管理」の目的として最も適切なものはどれか。
- A. プロジェクトに関する情報が、適切なタイミングで適切な関係者に、適切な方法で伝達されるようにする
- B. プロジェクトに関する情報を一切共有しないようにする
- C. プロジェクトの予算のみを管理する
- D. プロジェクトのハードウェアの物理的な設置のみを行う
正解: A. プロジェクトに関する情報が、適切なタイミングで適切な関係者に、適切な方法で伝達されるようにする / コミュニケーション管理は、プロジェクトに関する情報(進捗状況、課題、決定事項等)が、適切なタイミングで、適切な関係者(ステークホルダー)に対し、適切な方法(会議、報告書、メール等)で正確に伝達され、共有されるようにすることを目的とするプロジェクトマネジメントの知識エリアである。
問25. プロジェクトのコスト見積り技法における「3点見積り法」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. 楽観値・最頻値・悲観値の3つの見積り値を用いて、不確実性を考慮した見積りを行う手法
- B. 過去のプロジェクトを一切参照せずに見積もる手法
- C. 常に1種類の値のみで見積もる手法
- D. 見積りを完全に第三者に丸投げする手法
正解: A. 楽観値・最頻値・悲観値の3つの見積り値を用いて、不確実性を考慮した見積りを行う手法 / 3点見積り法は、作業のコストや所要時間について、楽観値・最頻値・悲観値の3つの見積り値を設定し、その加重平均等を用いることで、単一の値のみによる見積りよりも不確実性を考慮した、より現実的な見積りを行う手法であり、PERT法の考え方とも密接に関連する。
問26. 「マトリックス組織」の特徴として最も適切なものはどれか。
- A. 従業員が機能別組織(部門)に所属しながら、プロジェクトにも参加し、機能部門長とプロジェクトマネージャーの両方から指示を受ける組織形態
- B. 全ての従業員がプロジェクトのためだけに専属で配置される組織形態(これはプロジェクト型組織)
- C. プロジェクトという概念を一切用いない伝統的な組織形態のみを指す
- D. 従業員が1つの組織にのみ所属し、複数の指揮系統を持たない組織形態
正解: A. 従業員が機能別組織(部門)に所属しながら、プロジェクトにも参加し、機能部門長とプロジェクトマネージャーの両方から指示を受ける組織形態 / マトリックス組織は、従業員が通常の機能別組織(部門)に所属しながら、同時に特定のプロジェクトにも参加し、機能部門長とプロジェクトマネージャーという2つの指揮系統から指示を受ける組織形態であり、専門性の維持とプロジェクト遂行の両立を図る一方、指揮系統の複雑さという課題もある。
問27. プロジェクトマネジメントにおける一般的なプロジェクトのライフサイクル(フェーズ)の順序として最も適切なものはどれか。
- A. 立ち上げ→計画→実行→監視・コントロール→終結
- B. 終結→実行→計画→立ち上げ
- C. 実行→立ち上げ→終結→計画
- D. 計画のみを繰り返し行い、他のフェーズは存在しない
正解: A. 立ち上げ→計画→実行→監視・コントロール→終結 / PMBOKでは、プロジェクトマネジメントのプロセス群として、立ち上げプロセス群→計画プロセス群→実行プロセス群→監視・コントロールプロセス群→終結プロセス群という流れが定義されており、実行と監視・コントロールは並行して繰り返されながらプロジェクトが進行する。
問28. プロジェクトマネジメントにおける「統合変更管理」の目的として最も適切なものはどれか。
- A. プロジェクトに対する変更要求を一元的に管理し、承認された変更のみを計画に反映することで、プロジェクトの一貫性を保つ
- B. プロジェクトへのあらゆる変更要求を無条件に即座に反映する
- C. プロジェクトの変更要求を一切受け付けない
- D. 変更管理は品質管理とは全く無関係な活動である
正解: A. プロジェクトに対する変更要求を一元的に管理し、承認された変更のみを計画に反映することで、プロジェクトの一貫性を保つ / 統合変更管理は、プロジェクトの実行中に発生する様々な変更要求(スコープ、スケジュール、コスト等の変更)を一元的に受け付け、その影響を評価したうえで承認・却下を判断し、承認された変更のみを正式にプロジェクト計画へ反映することで、プロジェクト全体の一貫性を保つプロセスである。
問29. ITサービスマネジメントにおける「サービスカタログ」の役割として最も適切なものはどれか。
- A. 組織が提供するITサービスの一覧や、各サービスの内容・提供条件等を整理して利用者に示す文書
- B. 従業員の給与体系を定めた文書
- C. ハードウェアの物理的な調達価格のみを記載した文書
- D. プロジェクトのリスク一覧のみを記載した文書
正解: A. 組織が提供するITサービスの一覧や、各サービスの内容・提供条件等を整理して利用者に示す文書 / サービスカタログは、組織(ITサービス提供者)が提供するITサービスの一覧や、それぞれのサービスの内容・提供条件・申込方法等を整理し、利用者が必要なサービスを把握・選択できるようにするための文書・仕組みである。
問30. ITサービスマネジメントにおける「リリース管理」の目的として最も適切なものはどれか。
- A. 新規または変更されたソフトウェア・ハードウェアを、計画的かつ安全に本番環境へ展開する
- B. リリース作業を一切計画せず場当たり的に実施する
- C. リリースされた成果物のテストを一切実施しない
- D. 従業員の勤怠管理のみを行う
正解: A. 新規または変更されたソフトウェア・ハードウェアを、計画的かつ安全に本番環境へ展開する / リリース管理は、変更管理で承認された新規または変更されたソフトウェア・ハードウェアを、計画的かつ安全に本番環境へ展開(リリース)することを目的としたプロセスであり、リリースに伴うリスクの最小化や、展開後の問題発生時の切り戻し(ロールバック)計画の準備等も含まれる。
問31. スケジュール短縮技法「クラッシング」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. 作業に追加の資源(人員等)を投入することで、コストの増加と引き換えにスケジュールを短縮する技法
- B. 作業を意図的に並行させず、コストを一切かけずにスケジュールを短縮する技法
- C. 全てのリスクを完全に排除することでスケジュールを短縮する技法
- D. 作業の品質基準を引き下げることでスケジュールを短縮する技法
正解: A. 作業に追加の資源(人員等)を投入することで、コストの増加と引き換えにスケジュールを短縮する技法 / クラッシングは、クリティカルパス上の作業に対して追加の資源(人員・機材等)を投入することで、コストの増加と引き換えにプロジェクト全体のスケジュールを短縮するスケジュール短縮技法の一つである。
問32. スケジュール短縮技法「ファストトラッキング」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. 本来は順番に実施する作業の一部を並行して実施することで、追加コストをかけずにスケジュールを短縮する技法
- B. 追加の人員を投入してスケジュールを短縮する技法(これはクラッシングの説明)
- C. プロジェクトのスコープを完全に削減する技法
- D. リスクを一切考慮せずにスケジュールを組む技法
正解: A. 本来は順番に実施する作業の一部を並行して実施することで、追加コストをかけずにスケジュールを短縮する技法 / ファストトラッキングは、本来であれば順番(直列)に実施する作業の一部を、並行(並列)して実施することで、追加のコストをかけずにプロジェクト全体のスケジュールを短縮する技法であるが、作業の並行実施により手戻りのリスクが高まる可能性がある点に注意が必要である。
問33. アローダイアグラム法(PERT図)における「ダミー作業」の役割として最も適切なものはどれか。
- A. 実際の作業ではなく、作業間の依存関係のみを表現するために用いられる、所要時間がゼロの矢印
- B. プロジェクトの中で最も時間がかかる作業を表す
- C. プロジェクトの予算のみを表す矢印
- D. リスクが発生した作業のみを表す矢印
正解: A. 実際の作業ではなく、作業間の依存関係のみを表現するために用いられる、所要時間がゼロの矢印 / ダミー作業は、アローダイアグラム法(PERT図)において、実際の作業を表すものではなく、複数の作業間の依存関係(順序関係)のみを正しく表現するために用いられる、所要時間がゼロの点線の矢印である。
問34. プロジェクトマネジメントにおける「教訓(レッスンズラーンド)」の活用として最も適切なものはどれか。
- A. プロジェクトの実施過程で得られた成功要因や失敗要因等の知見を記録し、将来の同様のプロジェクトに活かす
- B. プロジェクトの記録を全て破棄し、教訓を一切残さない
- C. 教訓は口頭でのみ伝え、文書化は一切行わない
- D. 教訓はプロジェクトマネージャー個人のみが把握していればよい
正解: A. プロジェクトの実施過程で得られた成功要因や失敗要因等の知見を記録し、将来の同様のプロジェクトに活かす / 教訓(レッスンズラーンド)は、プロジェクトの実施過程(特に終結時)で得られた、成功要因や失敗要因、改善点等の知見を組織的に記録・蓄積し、将来の同様のプロジェクトの計画・実施に活かすための重要な取り組みであり、組織全体の継続的な改善に寄与する。
問35. アジャイル型のプロジェクト管理と、従来のウォーターフォール型のプロジェクト管理の違いとして最も適切なものはどれか。
- A. アジャイル型は短いサイクルで計画・実行・レビューを繰り返し変化に柔軟に対応するのに対し、ウォーターフォール型は工程を順番に進め、後戻りを想定しない
- B. アジャイル型とウォーターフォール型に実質的な違いはない
- C. ウォーターフォール型は必ずアジャイル型よりも短期間で完了する
- D. アジャイル型は要件定義を一切行わない開発手法である
正解: A. アジャイル型は短いサイクルで計画・実行・レビューを繰り返し変化に柔軟に対応するのに対し、ウォーターフォール型は工程を順番に進め、後戻りを想定しない / アジャイル型のプロジェクト管理は、短いサイクル(スプリント等)で計画・実行・レビューを繰り返しながら、途中での要求の変化に柔軟に対応することを重視する。一方、ウォーターフォール型は要件定義→設計→実装→テストという工程を順番に進め、前の工程への後戻りを基本的に想定しない、計画重視の進め方である。
問36. 「コンティンジェンシー予備(予備費)」の役割として最も適切なものはどれか。
- A. 特定済みのリスクが実際に顕在化した場合に備えて、あらかじめ確保しておく予算や時間の余裕
- B. プロジェクトの利益をあらかじめ確定させておくための予算
- C. 全てのプロジェクトメンバーの給与を保証するための予算
- D. リスクが一切発生しないことを前提とした予算計画
正解: A. 特定済みのリスクが実際に顕在化した場合に備えて、あらかじめ確保しておく予算や時間の余裕 / コンティンジェンシー予備(予備費)は、プロジェクトの計画段階で特定済みの既知のリスクが実際に顕在化した場合に備えて、あらかじめ確保しておく予算や時間の余裕であり、未知のリスクに備える「マネジメント予備」とは区別される概念である。
問37. 調達契約の形態のうち「請負契約」の特徴として最も適切なものはどれか。
- A. 受注者が仕事の完成を約束し、発注者はその完成した成果物に対して報酬を支払う契約形態
- B. 受注者が一定の労働力を提供すること自体を約束し、成果物の完成は約束しない契約形態(これは準委任契約に近い)
- C. 契約を一切締結せずに業務を委託する形態
- D. 発注者が受注者に対して一切の報酬を支払わない契約形態
正解: A. 受注者が仕事の完成を約束し、発注者はその完成した成果物に対して報酬を支払う契約形態 / 請負契約は、受注者が「仕事の完成」を約束し、発注者はその完成した成果物に対して報酬を支払う契約形態であり、システム開発における契約形態の一つとして、成果物に対する契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)が受注者に生じる点が特徴である。
問38. 調達契約の形態のうち「準委任契約」の特徴として最も適切なものはどれか。
- A. 成果物の完成そのものではなく、一定の業務(役務)の遂行を約束する契約形態で、システム開発においては要件定義やコンサルティング業務等で用いられることが多い
- B. 成果物の完成を約束し、完成しなければ報酬が一切支払われない契約形態(これは請負契約の特徴)
- C. 契約書を一切作成しない口約束のみの契約形態
- D. 発注者が受注者の従業員を直接指揮命令できる契約形態(これは労働者派遣契約に近い)
正解: A. 成果物の完成そのものではなく、一定の業務(役務)の遂行を約束する契約形態で、システム開発においては要件定義やコンサルティング業務等で用いられることが多い / 準委任契約は、成果物の完成そのものを約束するのではなく、専門的な知識・スキルに基づく一定の業務(役務)の遂行そのものを約束する契約形態であり、システム開発においては要件定義やコンサルティング業務等、成果物の完成が明確に定義しにくい業務で用いられることが多い。労働者派遣契約とは異なり、発注者が受注者側の従業員に直接指揮命令を行うことはできない点に注意が必要である。
問39. プロジェクトマネジメントにおける「組織のプロセス資産」の説明として最も適切なものはどれか。
- A. 組織が過去のプロジェクトを通じて蓄積してきた、方針・手順・過去の実績データ・テンプレート等の総称
- B. プロジェクトメンバー個人が保有する私物の資産
- C. プロジェクトで使用するハードウェア機材のみを指す用語
- D. プロジェクトが生み出す最終的な利益のみを指す用語
正解: A. 組織が過去のプロジェクトを通じて蓄積してきた、方針・手順・過去の実績データ・テンプレート等の総称 / 組織のプロセス資産は、組織が過去のプロジェクトを通じて蓄積してきた、標準的な方針・手順・ガイドライン、過去のプロジェクトの実績データ、各種テンプレート、教訓(レッスンズラーンド)等の総称であり、新規プロジェクトの計画立案時に有効に活用される。
問40. 基本情報技術者試験のプロジェクトマネジメント分野で求められる能力として最も適切なものはどれか。
- A. WBSによる作業分解、PERT/CPMによるスケジュール管理、EVMによるコスト・進捗管理、リスク管理等の考え方を理解し、実際のプロジェクト運営に活かせる能力
- B. 特定のプロジェクト管理ツールの操作方法のみを暗記していればよいという能力
- C. プロジェクトの計画は一切不要であるという考え方
- D. リスクは事前に検討する必要がないという考え方
正解: A. WBSによる作業分解、PERT/CPMによるスケジュール管理、EVMによるコスト・進捗管理、リスク管理等の考え方を理解し、実際のプロジェクト運営に活かせる能力 / 基本情報技術者試験のプロジェクトマネジメント分野で求められるのは、WBSによる作業の分解、PERT/CPM(クリティカルパス)によるスケジュール管理、EVMによる定量的なコスト・進捗管理、そしてリスク管理・品質管理・調達管理等の考え方を体系的に理解し、実際のプロジェクト運営の現場で活かせる実践的な能力である。