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1級 会計学理論②(各会計基準・管理会計)

25問 / トルカ(https://toruca.app)

  1. 1. 収益認識基準(IFRS15/ASC606)の5ステップを正しい順序に並べよ。

    • ( )取引価格の配分
    • ( )顧客との契約の識別
    • ( )取引価格の算定
    • ( )履行義務の充足時に収益を認識
    • ( )契約における履行義務の識別

    正解の順序: 顧客との契約の識別 → 契約における履行義務の識別 → 取引価格の算定 → 取引価格の配分 → 履行義務の充足時に収益を認識①契約識別→②履行義務識別→③取引価格算定→④各履行義務への配分→⑤充足時に認識。この5ステップが収益認識の基本フレームワーク。

  2. 2. 収益を「一定期間にわたって認識」する要件として正しいものはどれか?

    • A. 顧客が便益を享受しながら履行されること(例: 清掃サービス・SaaS利用)
    • B. 契約期間が1年を超えること
    • C. 商品の市場価格が変動しやすいこと
    • D. 前払いで代金を受け取っていること

    正解: A. 顧客が便益を享受しながら履行されること(例: 清掃サービス・SaaS利用)一定期間認識: ①顧客が便益を享受しながら履行(サービス等)②顧客の制御下で創出②履行で顧客が支配。商品販売は原則一時点(引渡し時)。

  3. 3. 収益認識における「変動対価」の取扱いとして正しいものを全て選べ。

    • A. 返品権付き販売では返品見積額を控除した金額を収益計上
    • B. 値引きの可能性がある場合、見積り控除後の金額を認識
    • C. 変動対価は常に契約金額の全額を計上する
    • D. リベートがある場合はリベート見積額を控除した金額
    • E. キャンセル保証がある場合、保証額相当を収益から控除

    正解: A・B・D・E変動対価: 返品・値引き・リベート・ペナルティ等で取引価格が変動する場合、最も可能性が高い金額または期待値で見積もり、控除後の金額で収益認識。

  4. 4. ファイナンスリース取引を売買取引として会計処理する理論的根拠はどれか?

    • A. リースの実態がファイナンス(資産の使用権と支払義務の認識)であり、経済的実質を優先するため
    • B. リース料を分割払いで支払うから
    • C. 税法上の処理に合わせるため
    • D. IFRS16に合わせるため

    正解: A. リースの実態がファイナンス(資産の使用権と支払義務の認識)であり、経済的実質を優先するためファイナンスリースの売買処理: リース物件の支配が借主に実質的に移転している(ノンキャンセラブル+フルペイアウト)ため、経済的実質(資産・負債の認識)を優先。

  5. 5. 金融商品の時価のインプットレベルと内容を正しく組み合わせよ。

    • レベル1(最も信頼性高) ー (     )
    • レベル2 ー (     )
    • レベル3(最も信頼性低) ー (     )

    正解: レベル1(最も信頼性高)→市場で観察可能な活発な市場の市場価格(上場株式等)、レベル2→レベル1以外の観察可能な市場データに基づく価格(類似資産等)、レベル3(最も信頼性低)→観察不能なインプットに基づく価格(DCF法等の内部モデル)時価評価のヒエラルキー: L1(観察可能な市場価格)→L2(類似資産の市場価格から補正)→L3(内部モデル・将来CF割引)。L1が最も客観的。

  6. 6. 減損会計の適用手順を正しい順序に並べよ。

    • ( )減損損失の測定(帳簿価額-回収可能価額)
    • ( )減損の兆候の識別
    • ( )回収可能価額の算定
    • ( )減損損失の認識(割引前CF < 帳簿価額)

    正解の順序: 減損の兆候の識別 → 減損損失の認識(割引前CF < 帳簿価額) → 回収可能価額の算定 → 減損損失の測定(帳簿価額-回収可能価額)①兆候の識別→②認識テスト(割引前CF<帳簿価額なら次へ)→③回収可能価額算定(max(使用価値, 正味売却価額))→④損失測定(帳簿価額-回収可能価額)。

  7. 7. 退職給付引当金の計上に関する要件として正しいものを全て選べ。

    • A. 退職給付債務は将来の退職給付の見込額の現在価値
    • B. 割引率は安全性の高い債券の市場利子率を参照
    • C. 年金資産が退職給付債務を上回る場合は前払年金費用を計上
    • D. 退職給付費用は全額損益計算書に計上しなければならない
    • E. 過去勤務費用は発生した期の費用として処理

    正解: A・B・C①退職給付債務=将来給付の現在価値②割引率は国債等の安全資産利率③年金資産>債務→前払年金費用④AOCIに計上可能(連結)⑤過去勤務費用は一定期間で費用化。

  8. 8. ヘッジ会計の適用要件として必須なものはどれか?

    • A. ヘッジの文書化・ヘッジ対象とヘッジ手段の指定・高い有効性(80-125%)の継続確認
    • B. 銀行の承認を得ること
    • C. デリバティブ商品のみをヘッジ手段とすること
    • D. ヘッジの有効性が100%であること

    正解: A. ヘッジの文書化・ヘッジ対象とヘッジ手段の指定・高い有効性(80-125%)の継続確認ヘッジ会計適用要件: ①ヘッジの文書化(指定・方針・方法)②ヘッジ有効性の継続確認(80〜125%の範囲)③ヘッジ対象のリスク特定。100%でなくても可(許容範囲内)。

  9. 9. ヘッジ会計の2種類とその処理を正しく組み合わせよ。

    • 時価ヘッジ(フェアバリューヘッジ) ー (     )
    • キャッシュフローヘッジ ー (     )

    正解: 時価ヘッジ(フェアバリューヘッジ)→ヘッジ対象を時価評価し損益をP/Lに計上、キャッシュフローヘッジ→ヘッジ手段の評価差額をOCI(純資産)に繰延時価ヘッジ: 固定利率負債の時価変動リスクをスワップでヘッジ等。対象と手段の両方をP/L対称計上。CFヘッジ: 変動利率の変動リスクをヘッジ。手段の評価差額をOCIへ繰延。

  10. 10. IFRSが日本基準と異なる概念的アプローチとして正しいものを全て選べ。

    • A. IFRSは資産負債アプローチを採用(B/Sの忠実な表示を重視)
    • B. IFRSはのれんを非償却とし定期的に減損テスト
    • C. IFRSは後入先出法(LIFO)を禁止
    • D. IFRSは全ての資産を時価評価する
    • E. IFRSはプリンシパルベース(原則主義)でルールベースではない

    正解: A・B・C・EIFRS特徴: ①資産負債アプローチ②のれん非償却③LIFO禁止④原則主義(プリンシパルベース)。「全資産を時価評価」は誤り(公正価値が拡大されているが全てではない)。

  11. 11. 原価計算基準の定める「原価計算の目的」を正しく組み合わせよ。

    • 財務諸表作成目的 ー (     )
    • 価格決定目的 ー (     )
    • 原価管理目的 ー (     )
    • 計画・意思決定目的 ー (     )

    正解: 財務諸表作成目的→売上原価・製品棚卸高のB/S・P/L計上、価格決定目的→製品の販売価格の設定に利用、原価管理目的→標準原価と実際の差異分析・コスト削減、計画・意思決定目的→経営計画・設備投資等の意思決定に活用原価計算の4目的: ①財務目的②価格決定③原価管理(PDCAサイクル)④経営計画・意思決定。複数の目的を持つ複合的な会計システム。

  12. 12. 原価の分類として正しいものを全て選べ。

    • A. 形態別: 材料費・労務費・経費
    • B. 製品との関連: 直接費・間接費
    • C. 操業度との関連: 変動費・固定費
    • D. 管理可能性: 管理可能費・管理不能費
    • E. 形態別: 製造費・販売費・管理費

    正解: A・B・C・D原価分類: 形態別(材料・労務・経費)、製品関連(直接・間接)、操業度(変動・固定)、管理可能性(管理可能・不能)。製造費・販売費は機能別分類(正しいが選択肢の説明が形態別と誤っている)。

  13. 13. 製造間接費の配賦が必要な理由として最も適切なものはどれか?

    • A. 間接費は特定製品との直接的な対応関係が明確でないため、合理的な基準で按分する必要がある
    • B. 税法上の要請があるため
    • C. 会計基準が配賦を義務付けているため
    • D. 変動費だけを製品原価とするため

    正解: A. 間接費は特定製品との直接的な対応関係が明確でないため、合理的な基準で按分する必要がある直接費: 特定製品に直接賦課可能(直接材料費・直接労務費)。間接費: 複数製品に共通(工場家賃・減価償却費等)→合理的な配賦基準(機械時間・直接作業時間等)で按分。

  14. 14. 標準原価計算の「原価管理目的」における差異分析の意義として正しいものはどれか?

    • A. あらかじめ設定した標準と実績の差異を把握し、原因を特定してPDCAサイクルで改善する
    • B. 税務申告の正確性を高めるため
    • C. 財務諸表の利益を増やすため
    • D. 在庫の物量管理を正確に行うため

    正解: A. あらかじめ設定した標準と実績の差異を把握し、原因を特定してPDCAサイクルで改善する標準原価計算の管理目的: 標準(あるべき姿)vs実際(結果)の差異を価格差異・数量差異等に分解し、改善点を特定→PDCAで原価低減。

  15. 15. 「製品原価」に含まれる(棚卸資産として計上される)ものを全て選べ。

    • A. 直接材料費
    • B. 工場の直接労務費(製造作業員の給与)
    • C. 工場の製造間接費(工場家賃・減価償却費等)
    • D. 本社の一般管理費(経営者報酬等)
    • E. 広告宣伝費(テレビCM等)

    正解: A・B・C製品原価(全部原価計算): 直接材料費・直接労務費・製造間接費(工場関連)。期間原価: 販売費・一般管理費(本社・広告等)。製品原価は棚卸資産→売却時に売上原価。

  16. 16. 管理会計と財務会計の最大の違いはどれか?

    • A. 管理会計は経営者の意思決定・管理に使う内部情報。財務会計は外部利害関係者への開示情報
    • B. 管理会計はコンピューターで処理する。財務会計は手作業
    • C. 管理会計は税務申告に使用。財務会計は株主報告
    • D. 管理会計は金額を使わない。財務会計は金額ベース

    正解: A. 管理会計は経営者の意思決定・管理に使う内部情報。財務会計は外部利害関係者への開示情報財務会計: 外部利害関係者(投資家・債権者・税務署)向け、会計基準・税法に縛られる。管理会計: 経営者・内部管理者向け、形式は自由(予算・原価管理・BSC等)。

  17. 17. 税引前当期純利益500万円、法人税等150万円、法人税等調整額(△20万円・費用減少)の場合、実効税率はいくらか?(法人税等調整額を控除後)

    単位: % / ヒント: 実効税率 = (法人税等 + 法人税等調整額) ÷ 税引前利益 × 100

    正解: 26%(150 - 20) ÷ 500 × 100 = 130 ÷ 500 × 100 = 26%。法人税等調整額のマイナス(△20万円)は費用を減らすため引く。

  18. 18. 金融商品に関する会計処理として正しいものを全て選べ。

    • A. 金融資産の評価は取得原価または時価による(種類による)
    • B. デリバティブは全て時価評価する
    • C. 社債(負債)は通常、償却原価法で評価する
    • D. 有価証券は全て時価評価する(種類に関係なく)
    • E. 有価証券の減損(著しい時価下落)は強制評価減が必要

    正解: A・B・C・E金融商品: ①種類により評価方法が異なる②デリバティブは全て時価③社債は償却原価法④有証全て時価ではない(子会社株等は原価)⑤著しい時価下落(50%以上等)は強制評価減。

  19. 19. 建設業における「工事進行基準」の適用要件として正しいものはどれか?

    • A. 工事の進捗度を合理的に見積もることができる場合(一定期間にわたり収益認識)
    • B. 工事期間が1年を超える場合のみ適用
    • C. 工事完了後の検収時のみに収益認識
    • D. 固定工事価格の場合のみ適用可能

    正解: A. 工事の進捗度を合理的に見積もることができる場合(一定期間にわたり収益認識)収益認識基準(建設業): 一定期間にわたる充足に該当(顧客が工事の進行に応じて便益を受ける)→進捗度に応じて収益認識(工事進行基準)。進捗度の合理的見積が要件。

  20. 20. 資産計上の判断手順を正しい順序に並べよ。

    • ( )金額を合理的に測定できるか?
    • ( )資産の定義を満たすか?(過去事象・支配・経済的資源)
    • ( )目的適合性があるか?(情報価値がある)
    • ( )信頼性(測定の信頼性)があるか?

    正解の順序: 資産の定義を満たすか?(過去事象・支配・経済的資源) → 目的適合性があるか?(情報価値がある) → 信頼性(測定の信頼性)があるか? → 金額を合理的に測定できるか?認識基準: ①資産の定義を満たす→②目的適合性→③信頼性→④測定可能性。定義を満たさなければ資産として計上不可。定義を満たしても認識要件(測定可能・目的適合)が必要。

  21. 21. バランスト・スコアカード(BSC)の4つの視点として正しい組み合わせはどれか?

    • A. 財務・顧客・内部プロセス・学習と成長
    • B. 財務・マーケティング・人事・IT
    • C. 売上・利益・コスト・品質
    • D. 長期・短期・内部・外部

    正解: A. 財務・顧客・内部プロセス・学習と成長BSCの4視点: ①財務(株主価値)②顧客(顧客満足・市場シェア)③内部プロセス(業務効率・品質)④学習と成長(人材・IT・組織文化)。財務指標だけでない多面的管理。

  22. 22. EVA(Economic Value Added)に関して正しいものを全て選べ。

    • A. 税引後営業利益から投下資本コストを引いた残余利益
    • B. EVAがプラスなら企業は資本コストを上回る価値を創造している
    • C. EVAはROIと全く同じ指標
    • D. 資本コストには有利子負債のみを含む

    正解: A・BEVA = 税引後営業利益 - 投下資本×加重平均資本コスト(WACC)。プラス→株主価値創造。ROIとは異なる(ROIは比率、EVAは金額)。WACCには有利子負債も自己資本も含む。

  23. 23. 原価企画(Target Costing)の説明として正しいものはどれか?

    • A. 市場価格から目標利益を引いて目標原価を設定し、開発・設計段階でコスト低減を図る
    • B. 製造後に実際原価と標準原価を比較してコスト低減する
    • C. 経理部門が主導して原価を計算するシステム
    • D. 製品完成後に顧客から得たフィードバックで原価改善する

    正解: A. 市場価格から目標利益を引いて目標原価を設定し、開発・設計段階でコスト低減を図る原価企画: 「市場価格−目標利益=目標原価」。製品企画・設計段階(上流)でコスト作りこみ。「コストを後から管理」の標準原価計算より事前(予防的)なアプローチ。

  24. 24. 責任センターの種類と管理責任を正しく組み合わせよ。

    • 原価センター(コストセンター) ー (     )
    • 利益センター(プロフィットセンター) ー (     )
    • 投資センター(インベストメントセンター) ー (     )

    正解: 原価センター(コストセンター)→コスト(費用)のみ管理、利益センター(プロフィットセンター)→収益とコストの両方を管理(利益責任)、投資センター(インベストメントセンター)→投資(資本)を含めて管理(ROI・EVA責任)責任会計: 原価センター(製造部門等)→コスト管理。利益センター(事業部等)→売上-コスト=利益管理。投資センター(最大単位)→ROI・残余利益で投資効率管理。

  25. 25. 会計方針の変更(棚卸資産評価方法の変更)を遡及適用する場合、過去の財務諸表はどう処理するか?

    • A. 比較表示される過去財務諸表を新方針で修正再表示し、最も古い比較期間の期首B/Sを調整
    • B. 変更年度のP/Lで一括修正する
    • C. 注記のみで財務諸表の数値は変更しない
    • D. 次期以降の財務諸表のみ変更し、過去は変更しない

    正解: A. 比較表示される過去財務諸表を新方針で修正再表示し、最も古い比較期間の期首B/Sを調整遡及適用: 比較表示期間の財務諸表を新方針で修正再表示。最古の比較期間の期首B/Sの利益剰余金等を調整。読者が新旧を比較できるよう整合性を保つ。