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1級 会計学理論①(企業会計原則)
全30問 / トルカ(https://toruca.app)
問1. 企業会計原則「一般原則」の7つを重要度(基本→派生)の順に並べよ。(上位4つ)
- ( )継続性の原則
- ( )真実性の原則
- ( )明瞭性の原則
- ( )保守主義の原則
正解の順序: 真実性の原則 → 明瞭性の原則 → 継続性の原則 → 保守主義の原則 / 真実性の原則が最上位の根本原則。明瞭性→継続性→保守主義の順で派生的に位置づけられる(真実性を達成するための手段)。
問2. 一般原則の名称と具体的内容を正しく組み合わせよ。
- 真実性の原則 ー ( )
- 継続性の原則 ー ( )
- 保守主義の原則 ー ( )
- 明瞭性の原則 ー ( )
正解: 真実性の原則→会計処理の選択の幅内での相対的真実を要求、継続性の原則→一度採用した会計方針は正当な理由なく変更しない、保守主義の原則→不確実な費用・損失は早期計上し、収益は慎重に計上、明瞭性の原則→財務諸表において利害関係者が理解できる明瞭な記載 / 真実性は根本原則(相対的真実)。継続性は会計方針の継続適用を要求。保守主義は不確実性への対応。明瞭性は重要性の原則と密接に関連。
問3. 資本取引・損益取引区分の原則において、資本取引として扱われるものはどれか?
- A. 株式発行による払込資本の増加
- B. 売上高の計上
- C. 減価償却費の計上
- D. 配当金の受取り(一般企業)
正解: A. 株式発行による払込資本の増加 / 資本取引: 株式発行・自己株式処分・資本金の払込等。損益取引: 営業活動から生じる損益。これを混同すると資本と利益が誤って計算される。
問4. 保守主義の原則の正しい適用例を全て選べ。
- A. 棚卸資産の低価法評価(帳簿価額 > 時価なら評価減)
- B. 貸倒引当金の設定(将来の損失見積もり)
- C. 売上の前倒し計上(まだ引き渡し前の売上を計上)
- D. 有価証券の時価が下落した場合の評価損計上
- E. 固定資産の減損処理
正解: A・B・D・E / 保守主義: 損失・費用は早めに計上(低価法・引当金・評価損・減損)。収益の前倒し計上は保守主義の濫用として禁止。実現主義を守ることが重要。
問5. 会計方針の変更が認められる「正当な理由」として最も適切なものはどれか?
- A. 変更後の会計方針がより適切な財政状態・経営成績を表示し、かつ合理的な事由がある場合
- B. 当期の利益を増加させるため
- C. 競合他社と会計方針を合わせるため(任意)
- D. 税金を減らすため
正解: A. 変更後の会計方針がより適切な財政状態・経営成績を表示し、かつ合理的な事由がある場合 / 正当な理由: 変更後の方が財務諸表の作成目的に合致し合理的な場合(例: IFRS採用・会計基準の改正)。利益操作目的の変更は「正当な理由」にならない。
問6. 単一性の原則について正しい説明はどれか?
- A. 各種目的のための財務諸表(税務・株主・開示等)は実質的に同一でなければならない
- B. 会計帳簿は1種類のみ使用しなければならない
- C. 財務諸表は単一の会計基準で作成しなければならない
- D. 単一企業(連結不要)の財務諸表のみを指す
正解: A. 各種目的のための財務諸表(税務・株主・開示等)は実質的に同一でなければならない / 単一性の原則: 税務申告・株主報告・公開財務諸表など各種目的の財務諸表は、その形式が異なっても実質的内容は同一でなければならない(二重帳簿の禁止)。
問7. 損益計算書の利益が計算される順序を正しく並べよ。
- ( )当期純利益
- ( )営業利益
- ( )売上総利益
- ( )経常利益
- ( )税引前当期純利益
正解の順序: 売上総利益 → 営業利益 → 経常利益 → 税引前当期純利益 → 当期純利益 / 売上総利益(粗利)→ 営業利益(本業)→ 経常利益(財務活動含む)→ 税引前当期純利益(特別損益含む)→ 当期純利益(税引後)。
問8. P/Lの各区分と計上される項目を正しく組み合わせよ。
- 売上高・売上原価 ー ( )
- 給料・減価償却費・広告費 ー ( )
- 受取利息・支払利息 ー ( )
- 固定資産売却損・災害損失 ー ( )
正解: 売上高・売上原価→Ⅰ売上高の区分(売上総利益計算)、給料・減価償却費・広告費→Ⅱ販売費及び一般管理費(営業利益計算)、受取利息・支払利息→Ⅲ営業外損益(経常利益計算)、固定資産売却損・災害損失→Ⅳ特別損益(税引前利益計算) / P/L5区分: ①売上(粗利)②販管費(営業利益)③営業外(経常利益)④特別(税引前利益)⑤税金等(当期純利益)。
問9. ASBJ概念フレームワークの「会計情報の質的特性」を正しく組み合わせよ。
- 意思決定有用性 ー ( )
- 目的適合性 ー ( )
- 信頼性 ー ( )
- 比較可能性 ー ( )
正解: 意思決定有用性→財務情報が投資家・債権者の意思決定に役立つこと(最上位)、目的適合性→情報が利用者の意思決定に関連があること(予測・確認価値)、信頼性→情報が中立・検証可能・忠実に表現されること、比較可能性→同一企業の期間比較・企業間比較が可能なこと / 概念FWの質的特性ヒエラルキー: 意思決定有用性(最上位)→目的適合性・信頼性(基本特性)→比較可能性・理解可能性(補完特性)。
問10. ASBJの概念フレームワークにおける「資産」の定義要件を全て選べ。
- A. 過去の事象の結果として支配している資源
- B. 将来の経済的便益(キャッシュフロー)をもたらすもの
- C. 市場価格が存在するもの
- D. 現在の義務(将来の犠牲)を要するもの
- E. 経済的資源(資源の支配)
正解: A・B・E / 資産の定義: ①過去の事象の結果として企業が支配する②経済的資源(将来CF)をもたらす。市場価格の有無は要件でない。将来の犠牲は負債の定義。
問11. 「継続企業の公準(ゴーイング・コンサーン)」の会計への影響として正しいものはどれか?
- A. 企業が半永久的に事業を継続することを前提に会計処理を行う(清算価値ではなく取得原価評価)
- B. 企業は必ず株式上場を目指さなければならない
- C. 毎期同一の利益を計上しなければならない
- D. 企業は資産を常に時価で評価しなければならない
正解: A. 企業が半永久的に事業を継続することを前提に会計処理を行う(清算価値ではなく取得原価評価) / 継続企業の公準: 企業は清算しないという前提。これが原価主義(取得原価評価)の根拠となる。清算を前提にすれば資産を清算価値で評価するが、継続前提なら使用価値(原価)。
問12. 会計の3公準に含まれないものはどれか?
- A. 重要性の原則
- B. 企業実体の公準
- C. 継続企業の公準
- D. 貨幣的評価の公準
正解: A. 重要性の原則 / 3会計公準: ①企業実体の公準(会計主体としての企業を所有者から独立してみる)②継続企業の公準(ゴーイング・コンサーン)③貨幣的評価の公準(金銭で測定)。重要性の原則は公準ではない。
問13. 企業会計原則「貸借対照表原則」の内容として正しいものを全て選べ。
- A. 資産・負債・純資産を区分して記載する
- B. 総額主義の原則(資産と負債の相殺禁止)
- C. 1年基準(流動・固定の区分)
- D. 資産は原価主義で評価することを原則とする
- E. 純資産は全てゼロでなければならない
正解: A・B・C・D / B/S原則: ①区分表示②総額主義③1年基準(正常営業循環も含む)④資産の評価基準(原価主義原則)。純資産がゼロというルールはない。
問14. 費用の認識における「発生主義」の説明として正しいものはどれか?
- A. 現金収支に関係なく、経済的事実の発生時点で費用を認識する
- B. 現金支払い時に費用を認識する(現金主義)
- C. 売上の計上時に費用を認識する(収益との対応)
- D. 費用は期末一括で認識する
正解: A. 現金収支に関係なく、経済的事実の発生時点で費用を認識する / 発生主義: 現金収支に関係なく経済的事実(サービス消費・価値減少等)の発生時に費用を認識。例: 減価償却は現金支出なしで費用計上。現金払い時計上は現金主義。
問15. 各費用・収益の認識基準を正しく組み合わせよ。
- 売上収益 ー ( )
- 受取利息 ー ( )
- 減価償却費 ー ( )
- 工事進行基準の売上 ー ( )
正解: 売上収益→実現主義(引渡し時点)、受取利息→発生主義(時間経過)、減価償却費→発生主義(期間への費用配分)、工事進行基準の売上→発生主義に近い(進捗度に応じ認識) / 売上: 財貨引渡・役務提供の実現時(実現主義)。利息・家賃: 時間経過による発生(発生主義)。減価償却: 使用による価値減少(発生主義)。長期工事は進行基準。
問16. 重要性の原則が適用されるケースとして正しいものを全て選べ。
- A. 重要性の低い前払費用を費用として処理する
- B. 重要性の低い消耗品費を取得時に費用処理する
- C. 金額的に重要でない引当金は計上しない
- D. 全ての資産を時価評価しなければならない
- E. 重要性の低い棚卸資産評価差額を簡便法で処理する
正解: A・B・C・E / 重要性の原則: 金額的・質的に重要でない項目は厳密な会計処理によらず、より簡便な方法によることができる。但し、不正確な処理の免除ではなく合理的簡便化。
問17. 純資産の部が「株主資本」と「その他の包括利益累計額(AOCI)」に分けられる主な理由はどれか?
- A. 株主に確定的に帰属する価値と、未実現の価値変動を区分して開示するため
- B. 税法上の要請によるもの
- C. 連結財務諸表のみの要件
- D. IFRS採用時のみに必要
正解: A. 株主に確定的に帰属する価値と、未実現の価値変動を区分して開示するため / 株主資本は稼得利益(実現済み)と払込資本。AOCIは未実現の評価差額(有証評価差額金・為替換算調整勘定等)。両者を区分することで財務の実態が明確になる。
問18. 以下の説明に対応する一般原則の名称を入力せよ(選択肢から選ぶ計算問題として)。
「企業の財政状態及び経営成績に関して真実な報告を提供するものでなければならない」という原則は( )の原則と呼ばれ、7原則の根本に位置する。真実性の原則の「正しい番号」を入力(1=真実性、2=継続性、3=保守主義): ___
正解: 番号=1 / 真実性の原則(番号1)が一般原則の根本に位置する。これは絶対的真実ではなく、認められた会計処理の範囲内での相対的真実を意味する。
問19. 「会計上の見積りの変更」の処理として正しいものはどれか?
- A. 変更の影響を当期以降の期間に認識する(過去の財務諸表の修正なし)
- B. 過去の期間すべてに溯及適用する
- C. 変更年度にのみ一括計上する
- D. 会計方針の変更と同様に溯及処理する
正解: A. 変更の影響を当期以降の期間に認識する(過去の財務諸表の修正なし) / 会計上の見積り変更(例: 耐用年数変更・貸倒見積率変更)は将来に向けて処理(プロスペクティブ)。過去に遡及しない。会計方針変更は原則遡及適用。
問20. それぞれの処理方法として正しいものを全て選べ。
- A. 会計方針の変更→原則として過去の財務諸表に遡及適用
- B. 会計上の見積りの変更→当期以降に将来に向けて処理
- C. 過去の誤謬の訂正→過去の財務諸表を修正再表示
- D. 会計方針の変更→常に当期のみの処理
- E. 会計上の見積り変更→常に過去に遡及
正解: A・B・C / 会計方針変更→遡及適用。見積り変更→プロスペクティブ(将来のみ)。誤謬訂正→修正再表示(過去の財務諸表を訂正)。これらは相互に異なる処理。
問21. 貸借対照表の「流動・固定区分」における「1年基準」と「正常営業循環基準」について正しいものはどれか?
- A. 正常営業循環基準が優先:営業循環過程にあれば流動。1年基準は補完的に用いる
- B. 1年基準が常に優先される
- C. どちらを適用するかは企業の任意
- D. 1年基準と正常営業循環基準は全く別の基準
正解: A. 正常営業循環基準が優先:営業循環過程にあれば流動。1年基準は補完的に用いる / 流動・固定区分: 正常営業循環基準(商品・売掛金等、通常の営業循環内にある資産は流動)が優先。それ以外は1年基準(1年以内に現金化=流動、超える=固定)。
問22. 当期純利益180万円、自己資本1,800万円、総資産3,600万円のとき、ROEとROAはそれぞれいくらか(ROEを入力)?
単位: % / ヒント: ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
正解: 10% / ROE = 180÷1,800×100 = 10%。ROA = 180÷3,600×100 = 5%。ROEはROAの2倍(財務レバレッジ2倍)。
問23. 財務諸表間の連結関係(articulation)を正しく組み合わせよ。
- P/Lの当期純利益 ー ( )
- SSの繰越利益剰余金 ー ( )
- CF計算書の期末残高 ー ( )
正解: P/Lの当期純利益→SS(純資産変動計算書)の繰越利益剰余金の増加、SSの繰越利益剰余金→B/Sの純資産の繰越利益剰余金と一致、CF計算書の期末残高→B/Sの現金及び現金同等物と一致 / 財務諸表はリンクしている: P/L当期純利益→SS利益剰余金増加→B/S純資産。CF期末現金→B/S現金。これがarticulationと呼ばれる財務諸表間の連携。
問24. 費用収益対応の原則において「直接対応」と「間接対応(期間対応)」の違いとして正しいものはどれか?
- A. 直接対応: 売上と売上原価のように特定収益と直接紐付き。間接対応: 期間の費用として時間経過で配分(減価償却等)
- B. 直接対応: 発生主義。間接対応: 実現主義
- C. 直接対応: 製造原価。間接対応: 販売費
- D. 直接対応: 一括計上。間接対応: 分割計上
正解: A. 直接対応: 売上と売上原価のように特定収益と直接紐付き。間接対応: 期間の費用として時間経過で配分(減価償却等) / 直接対応: 売上に対する売上原価(個別対応)。間接対応: 給料・減価償却費等、期間に均等に配分される費用(期間対応)。費用収益対応の原則で両者を適切に認識。
問25. 財務諸表注記として開示が必要な項目を全て選べ。
- A. 重要な会計方針(棚卸資産の評価方法・減価償却方法等)
- B. 重要な後発事象
- C. セグメント情報(適用企業)
- D. 経営者報酬の個別金額(全企業)
- E. 関連当事者取引
正解: A・B・C・E / 注記開示: ①重要な会計方針②後発事象③セグメント情報(上場等)④関連当事者取引。経営者報酬の個別開示は一部上場企業のみ(全企業要件ではない)。
問26. 「企業会計原則」一般原則と各財務諸表原則の関係として正しいものはどれか?
- A. 一般原則は全ての会計処理の最高基準であり、各財務諸表原則はその具体化
- B. 各財務諸表原則が優先され、一般原則は補完的なもの
- C. 一般原則と各原則は独立しており関係はない
- D. 一般原則は税務会計に、各原則は財務会計に適用される
正解: A. 一般原則は全ての会計処理の最高基準であり、各財務諸表原則はその具体化 / 企業会計原則の構造: 一般原則(最上位・全会計に適用)→ 損益計算書原則・貸借対照表原則(具体的規定)。一般原則が基準となり各原則はその具体化。
問27. 2つの会計アプローチの考え方を正しく組み合わせよ。
- 資産負債アプローチ ー ( )
- 収益費用アプローチ ー ( )
正解: 資産負債アプローチ→純資産の変動から利益を捉える(現代IFRS・概念FWの主流)、収益費用アプローチ→収益と費用のマッチングから利益を捉える(伝統的会計) / 資産負債アプローチ: 期末純資産-期首純資産=利益(B/S重視・IFRS主流)。収益費用アプローチ: 収益-費用=利益(P/L重視・伝統的)。現代会計は前者に移行中。
問28. 「正規の簿記の原則」が要求する最小限の内容はどれか?
- A. 全ての取引を網羅的に・秩序正しく・正確に記録すること(複式簿記の採用を含む)
- B. コンピューター会計システムの採用
- C. 日次決算の実施
- D. 全ての取引の証憑書類の保存(7年間)
正解: A. 全ての取引を網羅的に・秩序正しく・正確に記録すること(複式簿記の採用を含む) / 正規の簿記の原則: 取引の網羅性・秩序性・正確性の確保。必ずしも複式簿記が唯一の方法ではないが、企業会計では実質的に複式簿記が要求される。
問29. その他有価証券の「部分純資産直入法」について正しいものはどれか?
- A. 時価が取得原価を下回る銘柄の評価損はP/Lに計上し、上回る銘柄の評価益は純資産に直入
- B. 全ての評価差額をP/Lに計上する
- C. 全ての評価差額を純資産に直入する
- D. 評価損益を全て翌期に繰り越す
正解: A. 時価が取得原価を下回る銘柄の評価損はP/Lに計上し、上回る銘柄の評価益は純資産に直入 / 部分純資産直入法: 評価損(時価<簿価)→P/L計上(保守主義)、評価益(時価>簿価)→純資産直入(実現前の利益はP/L計上しない)。全部純資産直入法は両方を純資産直入。
問30. 日本基準とIFRSの主な差異として正しいものを全て選べ。
- A. のれんの処理: 日本→20年以内償却、IFRS→非償却・減損テスト
- B. 退職給付: 日本→回廊アプローチ容認、IFRS→即時認識(OCI)
- C. 棚卸資産: IFRS→後入先出法(LIFO)禁止
- D. 財務諸表の言語: IFRSは英語のみ
- E. 開発費: 日本→任意で資産化可能、IFRS→要件を満たせば資産化必須
正解: A・B・C・E / 日本/IFRS差異: ①のれん償却の有無②退職給付の認識③LIFOの扱い④開発費の資産計上要件。IFRSは特定言語要件なし(各国語で作成可能)。