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1級 意思決定・業績管理会計
全20問 / トルカ(https://toruca.app)
問1. 意思決定会計の重要概念を正しく組み合わせよ。
- 差額原価 ー ( )
- 埋没原価 ー ( )
- 機会原価 ー ( )
正解: 差額原価→意思決定の代替案間のコスト差額のみを分析対象にする、埋没原価→過去に発生し将来の意思決定で変えられないコスト(回収不能)、機会原価→ある選択をしたために失った他の選択肢の最善の利益 / 意思決定: 過去(埋没原価)は無視。将来の差額(差額原価・差額収益)と機会原価を考慮。例: 旧設備の帳簿価値は埋没原価→更新判断に含めない。
問2. 旧設備(帳簿価額200万円、処分価値50万円)を新設備(取得500万円)に更新すると年間コスト削減150万円(5年間)。更新すべきかNPV法で判断。NPV(割引率10%、5年の年金現価係数3.791)はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: NPV = 年間CF × 年金現価係数 - 正味投資額(取得額 - 旧設備処分価値 - 旧設備帳簿価値は無視)
正解: 68万円 / 正味投資額 = 500-50 = 450万円(旧設備帳簿200万円は埋没原価→無視)。NPV = 150×3.791-450 = 568.65-450 = 118.65...。実際は150×3.791=568.65-450=118.65万円 ≒ 119万円。Note: tolerance 5で118-123万円を正解とする。
問3. NPV法(正味現在価値法)と回収期間法の比較として正しいものはどれか?
- A. NPV法は時間価値を考慮し合理的。回収期間法は簡便だが時間価値・回収後CFを無視する
- B. 回収期間法がより合理的で普及している
- C. NPV法は計算が単純で分かりやすい
- D. 両者は常に同じ意思決定結果をもたらす
正解: A. NPV法は時間価値を考慮し合理的。回収期間法は簡便だが時間価値・回収後CFを無視する / NPV法: 貨幣の時間価値を考慮・全期間のCFを評価→理論的に優れる。回収期間法: 計算簡便・リスク(早期回収)評価に優れるが、時間価値と回収後を無視。
問4. 設備投資1,000万円、毎年のCF400万円(3年間)でNPVがゼロになる割引率(IRR)に最も近いものはどれか?(年金現価係数: 10%=2.487、12%=2.402)
単位: % / ヒント: IRRはNPV=0になる割引率。1,000=400×年金現価係数 → 年金現価係数=2.500
正解: 10% / 必要な年金現価係数 = 1,000÷400 = 2.5。10%のとき2.487(NPVわずかにマイナス)、12%のとき2.402(NPVマイナス)→ IRRは10%付近(約10%)。
問5. 製品廃棄判断の増分分析を行え。(単位: 万円)
製品Aの売上200万円、変動費120万円、直接固定費50万円、共通固定費配賦40万円。廃棄した場合の増分利益/損失は?(共通固定費は廃棄しても変わらない)廃棄した場合の増分: 失う売上(-200) + 回避できる変動費(+120) + 回避できる直接固定費(+50) = ___万円
正解: 廃棄の増分損益=-30 / -200+120+50 = -30万円(損失)→廃棄すべきでない。共通固定費40万円は廃棄しても変わらないため意思決定から除外(埋没原価)。
問6. ボトルネック(制約条件)が機械時間の場合、製品選択の基準として正しいものはどれか?
- A. 機械時間当たりの貢献利益が高い製品を優先して生産する
- B. 単位あたりの売価が高い製品を優先する
- C. 単位あたりの貢献利益が高い製品を優先する
- D. 生産量が多い製品を優先する
正解: A. 機械時間当たりの貢献利益が高い製品を優先して生産する / 制約条件がある場合: 制約資源(機械時間・労働時間等)当たりの貢献利益で順位付け。単純な単位貢献利益ではなく、1時間でどれだけ稼ぐかで判断。
問7. 製品A: 貢献利益6万円・機械2時間。製品B: 貢献利益8万円・機械5時間。機械時間当たり貢献利益はAとBどちらが高いか?Aを選ぶなら1を、Bなら2を入力。
単位: / ヒント: A: 6÷2=3万円/時間、B: 8÷5=1.6万円/時間
正解: 1 / A: 6÷2 = 3万円/機械時間。B: 8÷5 = 1.6万円/機械時間。機械時間が制約なら製品Aを優先(時間あたり効率が高い)。
問8. 設備更新の意思決定で考慮すべき原価を全て選べ。
- A. 新設備の取得原価(将来のコスト)
- B. 旧設備の処分価値(代替案の機会原価)
- C. 旧設備の帳簿価額(過去に発生した埋没原価)
- D. 更新後の年間コスト削減額
- E. 更新後の税効果(法人税節税効果)
正解: A・B・D・E / 意思決定で考慮: ①新設備取得原価②旧設備処分価値(機会原価)③コスト削減効果④税効果。旧設備の帳簿価額は埋没原価(過去)→意思決定に関係しない。
問9. 投資センターの業績指標「ROI」の計算式として正しいものはどれか?
- A. 税引後営業利益 ÷ 投下資本 × 100
- B. 売上高 ÷ 総資産 × 100
- C. 当期純利益 ÷ 売上高 × 100
- D. 貢献利益 ÷ 固定費 × 100
正解: A. 税引後営業利益 ÷ 投下資本 × 100 / ROI(投資利益率)= 税引後営業利益 ÷ 投下資本(使用資産)× 100。事業部ごとの投資効率を測る。ROI = 売上高利益率 × 総資産回転率(デュポン分解)。
問10. 事業部の税引後営業利益300万円、使用資産2,000万円、資本コスト率12%のとき、残余利益(RI)はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: RI = 税引後営業利益 - 使用資産 × 資本コスト率
正解: 60万円 / RI = 300 - 2,000×12% = 300-240 = 60万円。RIがプラスならその事業部は資本コストを上回る利益を生み出している(企業価値創造)。
問11. ROIを業績評価指標として使用する際の問題点として正しいものはどれか?
- A. 事業部マネジャーが全社最適でなく自部門ROI最大化を目指す行動をとる可能性(逆機能)
- B. 計算が複雑すぎる
- C. 売上高への集中が起きる
- D. ROIは小規模部門に不利になる
正解: A. 事業部マネジャーが全社最適でなく自部門ROI最大化を目指す行動をとる可能性(逆機能) / ROIの逆機能: 現在のROIを下げる投資(全社的には有利)を拒否する「投資回避」行動が起きやすい。残余利益(RI)や EVAは絶対額なのでこの問題が起きにくい。
問12. 予算管理のプロセスと内容を正しく組み合わせよ。
- 予算編成 ー ( )
- 予算統制 ー ( )
- ローリング予算 ー ( )
正解: 予算編成→経営計画を数値化し承認を得るプロセス、予算統制→予算と実績の比較・差異分析・是正措置、ローリング予算→一定期間経過後に予算を更新し続ける柔軟な予算 / 予算管理サイクル: 計画(編成)→実行→統制(予実分析)→改善→次期計画。ローリング予算は年次予算の硬直性を克服するため常に先の期間を追加更新する。
問13. 予算: 販売量1,000個×単価5万円。実績: 販売量900個×単価5.5万円。販売量差異(不利差異はマイナス)はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 販売量差異 = (実際量 - 予算量) × 予算単価
正解: -500万円 / 販売量差異 = (900-1,000) × 5万円 = -500万円(不利)。単価差異 = (5.5-5) × 900 = +450万円(有利)。合計 = -500+450 = -50万円(純差異)。
問14. 予算編成の方式として正しいものを全て選べ。
- A. トップダウン方式: 経営陣が目標を設定し部門に割り当て
- B. ボトムアップ方式: 現場から積み上げた予算を経営陣が承認
- C. ゼロベース予算: 前期実績を無視し全てゼロから正当化
- D. フレキシブル予算: 実際操業度に応じて修正した予算(変動予算)
- E. ABC予算(活動基準予算): ABCに基づく活動単位での予算管理
正解: A・B・C・D・E / 予算編成の多様な方式: トップダウン(迅速・一貫)、ボトムアップ(現場の実態反映)、ゼロベース(既存を見直す)、フレキシブル(操業度変動に対応)、ABC(活動コスト管理)。全て正しい。
問15. デュポン分析(ROA = 売上高利益率 × 総資産回転率)の意義として正しいものはどれか?
- A. ROAをドライバー(収益性と効率性)に分解し、改善すべき要因を特定できる
- B. ROAが高ければ常に良い企業
- C. デュポン分析は財務会計の基礎概念
- D. 分解できるのはROAのみ(ROEには適用できない)
正解: A. ROAをドライバー(収益性と効率性)に分解し、改善すべき要因を特定できる / デュポン分析: ROA = 売上高純利益率 × 総資産回転率。低ROAの原因が収益性(利益率低下)か効率性(資産が遊んでいる)かを特定。ROEはROA × 財務レバレッジにも拡張可能。
問16. 設備投資1,500万円(税引後)、毎年の現金利益(税引後)400万円(5年間)、割引率8%(5年年金現価係数3.993)のとき、NPVはいくらか?
単位: 万円
正解: 97万円 / NPV = 400×3.993 - 1,500 = 1,597.2 - 1,500 = 97.2 ≒ 97万円。NPV > 0 のため投資実行の判断(97±5万円を正解とする)。
問17. 事業部制組織における業績評価上の問題点として「本社費の配賦」が挙げられる理由はどれか?
- A. 事業部がコントロールできない本社費を配賦すると、事業部の真の業績が見えにくくなる
- B. 本社費の計算が難しいため
- C. 本社費を配賦すると税金が増えるため
- D. 本社費は変動費であるため
正解: A. 事業部がコントロールできない本社費を配賦すると、事業部の真の業績が見えにくくなる / 管理可能原則: 業績評価は管理者がコントロールできる原価のみで行うべき。共通固定費(本社費)の配賦は管理不能→事業部マネジャーの行動を歪める可能性。
問18. 事業部間の振替価格(内部取引価格)の設定方法として正しいものを全て選べ。
- A. 市場価格基準: 社外の市場価格を振替価格に採用
- B. 原価基準: 実際原価または標準原価で振替
- C. 交渉価格基準: 事業部間の交渉で決定
- D. 常に原価に一定のマージンを加算しなければならない
正解: A・B・C / 振替価格の3方式: ①市場価格基準(外部市場がある場合・最も客観的)②原価基準(市場価格がない場合・変動費or全部原価)③交渉価格(当事者間で決定)。マージン加算義務はない。
問19. 基準操業度1,000時間、実際操業度850時間、固定製造間接費予算500,000円のとき、操業度差異(不利はマイナス)はいくらか?
単位: 円 / ヒント: 操業度差異 = (実際操業度 - 基準操業度) × 固定費率。固定費率 = 500,000÷1,000 = 500円/時間
正解: -75000円 / 固定費率 = 500,000÷1,000 = 500円/時間。操業度差異 = (850-1,000)×500 = -75,000円(不利)。設備の遊休(稼働率低下)による固定費の未回収。
問20. 原価企画におけるVE(バリュー・エンジニアリング)の説明として正しいものはどれか?
- A. 製品の機能を維持しながらコストを削減する体系的な手法
- B. 部品の品質基準を引き下げてコスト削減する方法
- C. 設備稼働率を上げてコストを削減する方法
- D. 在庫を削減してコストを管理する方法
正解: A. 製品の機能を維持しながらコストを削減する体系的な手法 / VE(バリューエンジニアリング): 必要機能をより低コストで実現する。価値(V)= 機能(F)÷ コスト(C)。機能を維持しながらコスト削減、またはコスト維持で機能向上。設計段階で適用が効果的(原価企画と連動)。