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ビジネス会計2級 キャッシュフロー分析
全28問 / トルカ(https://toruca.app)
問1. 「フリーキャッシュフロー(FCF)」の一般的な計算式として正しいものはどれか?
- A. 営業活動によるキャッシュフロー + 投資活動によるキャッシュフロー
- B. 営業活動によるキャッシュフロー + 財務活動によるキャッシュフロー
- C. 投資活動によるキャッシュフロー + 財務活動によるキャッシュフロー
- D. 当期純利益 + 減価償却費
正解: A. 営業活動によるキャッシュフロー + 投資活動によるキャッシュフロー / フリーキャッシュフロー = 営業CF + 投資CF(投資CFは通常マイナス表記)。本業で稼いだ資金から、事業維持・成長のための投資を差し引いた「自由に使える資金」を示します。
問2. 営業活動によるキャッシュフローが500万円、投資活動によるキャッシュフローが△300万円(設備投資等による支出)のとき、フリーキャッシュフローはいくらか?
単位: 万円 / ヒント: FCF = 営業CF + 投資CF(△300は-300として計算)
正解: 200万円 / FCF = 500 +(-300)= 200万円。営業活動で稼いだ資金で投資資金を賄い、なお200万円の余裕資金があることを意味します。
問3. 「キャッシュフローマージン(CFマージン)」の計算式として正しいものはどれか?
- A. 営業活動によるキャッシュフロー ÷ 売上高 × 100
- B. 売上高 ÷ 営業キャッシュフロー × 100
- C. 当期純利益 ÷ 営業キャッシュフロー × 100
- D. 投資キャッシュフロー ÷ 売上高 × 100
正解: A. 営業活動によるキャッシュフロー ÷ 売上高 × 100 / CFマージン = 営業活動によるキャッシュフロー ÷ 売上高 × 100。売上高に対してどれだけ実際の現金を稼ぐ力があるかを示します。
問4. 営業活動によるキャッシュフローが400万円、売上高が4,000万円のとき、CFマージンはいくらか?
単位: %
正解: 10% / CFマージン = 400 ÷ 4,000 × 100 = 10%。
問5. 「営業キャッシュフロー対流動負債比率」の意義として最も適切なものはどれか?
- A. 本業で稼ぐ資金力によって、短期の負債返済能力がどの程度あるかを見る指標
- B. 投資効率を見る指標
- C. 株主への還元率を見る指標
- D. 在庫の評価損を見る指標
正解: A. 本業で稼ぐ資金力によって、短期の負債返済能力がどの程度あるかを見る指標 / 営業CF対流動負債比率 = 営業活動によるキャッシュフロー ÷ 流動負債 × 100。流動比率が「資産・負債の残高」で短期安全性を見るのに対し、こちらは「実際に稼ぐ資金力」の面から短期の支払能力を評価します。
問6. 営業活動によるキャッシュフローが600万円、流動負債が1,200万円のとき、営業CF対流動負債比率はいくらか?
単位: %
正解: 50% / 営業CF対流動負債比率 = 600 ÷ 1,200 × 100 = 50%。
問7. 「営業CFがプラス、投資CFがマイナス、財務CFがマイナス」というパターンの企業について読み取れることとして最も適切なものはどれか?
- A. 本業で稼いだ資金で設備投資を行い、さらに借入金の返済や配当も行っている、健全性の高い状態と考えられる
- B. 本業が赤字で資金繰りに窮している状態
- C. 新規上場したばかりで実績が全くない状態
- D. 必ず粉飾決算をしている状態
正解: A. 本業で稼いだ資金で設備投資を行い、さらに借入金の返済や配当も行っている、健全性の高い状態と考えられる / 営業CFプラス・投資CFマイナス・財務CFマイナスは、本業で稼いだ資金の範囲内で投資と借入返済・配当の両方をまかなえている「優良企業型」の代表的なパターンとされます。
問8. 「営業CFがプラス、投資CFが大きくマイナス、財務CFがプラス」というパターンから読み取れる可能性として最も適切なものはどれか?
- A. 本業の資金に加えて資金調達も行い、積極的に大型投資を行っている成長段階にある可能性がある
- B. 会社が倒産寸前である
- C. 在庫を大量廃棄している
- D. 配当を大幅に増やしている
正解: A. 本業の資金に加えて資金調達も行い、積極的に大型投資を行っている成長段階にある可能性がある / 営業CFはプラスながら、それを上回る大型投資(投資CFの大幅なマイナス)を、借入や増資などの資金調達(財務CFプラス)で補っている状態で、積極的な事業拡大局面によく見られるパターンです。
問9. 「営業CFがマイナス、投資CFがプラス、財務CFがプラス」というパターンから読み取れる可能性として最も適切なものはどれか?
- A. 本業で資金が流出しており、資産売却や借入・増資で資金を補っている、資金繰りに懸念がある可能性が高い状態
- B. 本業が絶好調で余剰資金が積み上がっている状態
- C. 税金の還付を多く受けた状態
- D. 配当性向が極めて高い優良企業の典型的な状態
正解: A. 本業で資金が流出しており、資産売却や借入・増資で資金を補っている、資金繰りに懸念がある可能性が高い状態 / 営業CFがマイナスというのは本業で現金を生み出せていないことを意味し、それを資産売却(投資CFプラス)や借入・増資(財務CFプラス)で穴埋めしている状態は、資金繰りの持続可能性に懸念があると見られます。
問10. 次のキャッシュフローの符号パターンと、そこから推測される企業の状態を正しく組み合わせよ。
- 営業+/投資-/財務- ー ( )
- 営業+/投資-/財務+ ー ( )
- 営業-/投資+/財務+ ー ( )
- 営業-/投資-/財務+ ー ( )
正解: 営業+/投資-/財務-→本業で稼ぎ、投資と返済・配当を両立する優良型、営業+/投資-/財務+→本業の資金に加え調達も行い積極投資する成長型、営業-/投資+/財務+→資産売却・調達で資金繰りを補う要注意型、営業-/投資-/財務+→投資も本業もマイナスで調達に依存する危険な状態 / キャッシュフロー計算書の3区分の符号(プラス・マイナス)の組み合わせから、企業のライフステージや財務状態をある程度読み取ることができます。
問11. 営業活動によるキャッシュフローを「間接法」で表示する場合の出発点として正しいものはどれか?
- A. 税引前当期純利益
- B. 売上高
- C. 総資産
- D. 自己資本
正解: A. 税引前当期純利益 / 間接法では税引前当期純利益を出発点とし、減価償却費(非資金費用)を足し戻し、売上債権・棚卸資産・仕入債務等の増減を調整して営業CFを算定します。
問12. 間接法において「減価償却費」を当期純利益に足し戻す理由として正しいものはどれか?
- A. 減価償却費は現金の支出を伴わない費用(非資金費用)のため、利益計算では差し引かれているが、実際の現金は減っていないから
- B. 減価償却費は将来の税金還付を約束するものだから
- C. 減価償却費は必ず利益を過大に見せるための操作だから
- D. 減価償却費は投資活動によるキャッシュフローの一部だから
正解: A. 減価償却費は現金の支出を伴わない費用(非資金費用)のため、利益計算では差し引かれているが、実際の現金は減っていないから / 減価償却費は損益計算書上の費用ですが、その期に現金が実際に支出されるわけではありません(非資金費用)。そのため間接法では当期純利益に足し戻して営業CFを計算します。
問13. 間接法の計算で「売上債権の増加」があった場合の調整方法として正しいものはどれか?
- A. 当期純利益から差し引く(マイナス調整)
- B. 当期純利益に加算する(プラス調整)
- C. 調整は不要である
- D. 投資活動によるキャッシュフローで調整する
正解: A. 当期純利益から差し引く(マイナス調整) / 売上債権(売掛金等)が増加したということは、売上は計上されたが現金はまだ回収されていないことを意味します。利益には含まれているが現金は増えていないため、当期純利益から差し引く調整を行います。
問14. 間接法の計算で「買掛金(仕入債務)の増加」があった場合の調整方法として正しいものはどれか?
- A. 当期純利益に加算する(プラス調整)
- B. 当期純利益から差し引く(マイナス調整)
- C. 調整は不要である
- D. 財務活動によるキャッシュフローで調整する
正解: A. 当期純利益に加算する(プラス調整) / 買掛金が増加したということは、仕入(費用)は計上されたがまだ現金を支払っていないことを意味します。現金の支出を伴わずに費用計上されているため、当期純利益に加算する調整を行います。
問15. 当期純利益200万円、減価償却費50万円、売上債権の増加80万円、棚卸資産の減少30万円、買掛金の増加20万円のとき、営業活動によるキャッシュフローはいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 当期純利益+減価償却費-売上債権の増加+棚卸資産の減少+買掛金の増加
正解: 220万円 / 営業CF = 200+50-80+30+20 = 220万円。減価償却費は足し戻し、売上債権の増加はマイナス調整、棚卸資産の減少・買掛金の増加はプラス調整します。
問16. 「黒字倒産」という現象が起こりうる理由として最も適切なものはどれか?
- A. 損益計算書上は利益が出ていても、売掛金の回収が遅れる等の理由で実際の現金が不足し、支払いができなくなることがあるため
- B. 利益が出ている会社は法律上倒産できないため
- C. 税務署が黒字企業を優先的に倒産させるため
- D. 黒字企業には必ず現金が潤沢にあるため、黒字倒産は理論上あり得ない
正解: A. 損益計算書上は利益が出ていても、売掛金の回収が遅れる等の理由で実際の現金が不足し、支払いができなくなることがあるため / 損益計算書は発生主義に基づくため、利益が出ていても売掛金の回収遅延や過剰在庫などにより手元現金が不足し、支払い不能に陥る「黒字倒産」が起こり得ます。キャッシュフロー計算書はこれを防ぐために重要です。
問17. 「投資活動によるキャッシュフロー」に含まれる取引を全て選べ。
- A. 有形固定資産の取得による支出
- B. 投資有価証券の売却による収入
- C. 借入金の返済による支出
- D. 貸付金の回収による収入
正解: A・B・D / 有形固定資産の取得・投資有価証券の売却・貸付金の回収はいずれも投資活動によるキャッシュフローです。借入金の返済は財務活動によるキャッシュフローに分類されます。
問18. 「財務活動によるキャッシュフロー」に含まれる取引を全て選べ。
- A. 株式の発行による収入
- B. 社債の発行による収入
- C. 配当金の支払額
- D. 商品の仕入による支出
正解: A・B・C / 株式発行・社債発行による資金調達、配当金の支払いはいずれも財務活動によるキャッシュフローです。商品の仕入は営業活動によるキャッシュフローに分類されます。
問19. 営業活動によるキャッシュフローの表示方法である「直接法」の特徴として正しいものはどれか?
- A. 主要な取引ごとに、実際の現金収入・支出の総額を表示する方法
- B. 当期純利益から出発して非資金項目等を調整する方法
- C. 投資活動の内訳のみを表示する方法
- D. 貸借対照表の増減のみで作成する方法
正解: A. 主要な取引ごとに、実際の現金収入・支出の総額を表示する方法 / 直接法は「営業収入」「原材料または商品の仕入支出」など、主要な取引ごとに実際の現金の収入・支出額を総額で表示する方法です。作成の手間から間接法を採用する企業が多いのが実情です。
問20. 潤沢なフリーキャッシュフローを持つ企業ができることとして適切でないものはどれか?
- A. 借入金の返済を進める
- B. 自己株式を取得したり配当を増やしたりする
- C. M&Aなど新たな投資機会に資金を投じる
- D. 必ず倒産手続きを開始する
正解: D. 必ず倒産手続きを開始する / フリーキャッシュフローが潤沢な企業は、借入返済・株主還元(配当・自己株式取得)・新規投資(M&A等)などに資金を活用する余地があります。倒産手続きとは正反対の状態です。
問21. 営業活動によるキャッシュフロー700万円、投資活動によるキャッシュフロー△400万円、財務活動によるキャッシュフロー△200万円のとき、現金及び現金同等物の当期の増減額はいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 現金の増減額=営業CF+投資CF+財務CF
正解: 100万円 / 現金の増減額 = 700+(-400)+(-200)= 100万円の増加。3区分の合計が、期首と期末の現金及び現金同等物残高の差額(増減額)と一致します。
問22. キャッシュフロー計算書を分析する意義として最も適切なものはどれか?
- A. 損益計算書だけでは分からない、実際の資金の流れと財務的な持続可能性を把握するため
- B. 株式の時価総額を直接計算するため
- C. 従業員の給与額を決定するため
- D. 税務調査の対象を決定するため
正解: A. 損益計算書だけでは分からない、実際の資金の流れと財務的な持続可能性を把握するため / 損益計算書上の利益は発生主義に基づくため、実際の現金の増減とは必ずしも一致しません。キャッシュフロー計算書を分析することで、企業の実質的な資金繰りや財務の持続可能性を評価できます。
問23. 営業活動によるキャッシュフローが800万円、投資活動によるキャッシュフローが△500万円のとき、フリーキャッシュフローはいくらか?
単位: 万円
正解: 300万円 / FCF = 800 +(-500)= 300万円。
問24. 減価償却費を計上している企業で、当期純利益が横ばいでも営業キャッシュフローが増加することがある理由として正しいものはどれか?
- A. 減価償却費(非資金費用)の負担割合が高まると、利益計算上は費用でも現金流出を伴わないため、その分のキャッシュが手元に残るため
- B. 減価償却費は必ず現金支出を伴うため
- C. 減価償却費は投資活動によるキャッシュフローに計上されるため
- D. 減価償却費と営業キャッシュフローには一切関係がない
正解: A. 減価償却費(非資金費用)の負担割合が高まると、利益計算上は費用でも現金流出を伴わないため、その分のキャッシュが手元に残るため / 減価償却費は非資金費用であるため、利益水準が変わらなくても減価償却費の計上額が大きい期は、その分だけ営業キャッシュフローが押し上げられる効果があります。
問25. 営業活動によるキャッシュフローが250万円、売上高が2,500万円のとき、CFマージンはいくらか?
単位: %
正解: 10% / CFマージン = 250 ÷ 2,500 × 100 = 10%。
問26. 投資活動によるキャッシュフローがマイナスであることについて、必ずしもネガティブに評価すべきでない理由として最も適切なものはどれか?
- A. 将来の成長のための設備投資や研究開発投資を積極的に行っている結果である可能性があるため
- B. 投資CFは必ずプラスでなければならない指標であるため
- C. 投資CFのマイナスは必ず資金繰りの悪化を意味するため
- D. 投資CFは営業CFと全く無関係であるため
正解: A. 将来の成長のための設備投資や研究開発投資を積極的に行っている結果である可能性があるため / 投資活動によるキャッシュフローのマイナスは、将来の成長に向けた設備投資や研究開発投資などによって生じることも多く、営業CFがそれを上回るプラスであれば、必ずしもネガティブな兆候とは限りません。
問27. 当期純利益180万円、減価償却費40万円、棚卸資産の増加20万円、買掛金の増加15万円のとき、営業活動によるキャッシュフローはいくらか?
単位: 万円 / ヒント: 当期純利益+減価償却費-棚卸資産の増加+買掛金の増加
正解: 215万円 / 営業CF = 180+40-20+15 = 215万円。棚卸資産の増加はマイナス調整、買掛金の増加はプラス調整します。
問28. キャッシュフロー計算書の分析が特に有用な場面として適切なものを全て選べ。
- A. 黒字倒産のリスクを早期に発見する場面
- B. 設備投資の資金調達方針を評価する場面
- C. 配当政策の持続可能性を検討する場面
- D. 株主総会の議決権比率を確認する場面
正解: A・B・C / キャッシュフロー計算書は黒字倒産リスクの発見、投資の資金調達方針の評価、配当の持続可能性の検討などに有用です。議決権比率の確認とは無関係です。