「簿記って何をするの?」という疑問から始めましょう。 簿記は企業の日々のお金の出入りを記録し、財務諸表を作成するための技術です。 全体の流れを把握してから学ぶと、各単元のつながりが見えてきます。
簿記の目的
簿記(bookkeeping)の目的は大きく2つあります:
- 📊
財政状態の把握
一定時点での「資産・負債・純資産」の状況(→ 貸借対照表)
- 💰
経営成績の把握
一定期間の「収益・費用・利益」の状況(→ 損益計算書)
複式簿記 vs 単式簿記
家計簿のように「入金・出金の金額だけ」を記録するのが単式簿記。 これに対して、企業が使う複式簿記は「1つの取引を必ず2つの側面(原因と結果)で記録」します。
例:商品を10,000円で現金購入した
単式簿記 → 「現金 -10,000円」の1行だけ
複式簿記 → 「仕入(費用)が増えた」+「現金(資産)が減った」の2行
複式簿記は、借方(左)と貸方(右)に同じ金額を記録するため、借方合計 = 貸方合計が常に成立します(貸借平均の原理)。 この性質が計算ミスの自己チェックを可能にしています。
取引から財務諸表までの流れ
取引の発生
商品の売買・経費の支払いなど、お金や財産が動くイベント
仕訳(journal entry)
取引を借方・貸方に勘定科目と金額で記録
元帳への転記
仕訳を勘定科目ごとの「元帳」にまとめる
試算表の作成
全勘定の残高を集計して借方・貸方が一致するか確認
決算整理
減価償却・引当金など期末の調整仕訳を行う
財務諸表の作成
貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)を完成させる
日商簿記3級の出題範囲
日商簿記3級は商業簿記のみが対象です(工業簿記は2級から)。 小規模な株式会社が対象を想定した試験で、仕訳・補助簿・試算表・決算・財務諸表の作成が主な出題内容です。
簿記3級の合格率は例年30〜50%程度。独学でも50〜100時間の学習で合格できるとされています。 仕訳の反復練習が最も効果的な学習法です。